【クアラルンプール】 インターネット就職斡旋会社、ジョブストリート・ドットコムが実施した新型コロナウイルス「Covid-19」の影響に関する調査によると、5月時点で生活の質に「満足している」との回答はわずか35%となり、前年同月の77%と比べてわずか半分になったことがわかった。
ジョブストリートは5月、5,000人を対象に調査を実施した。今回の調査では、新型コロナウイルスの感染拡大を食い止めるための政策や経済混乱によりマレーシア人の生活の質が下がったことがわかった。生活への不満は、行動制限令(MCO)の施行中に上昇する傾向がみられた。
MCO前の調査では生活の質に「満足している」との回答率は81%だったが、18%にまで下降した。またMCOの影響で雇用されているにも関わらず働くことができなかった回答者の生活の質への満足度は29%となり、MCO前の79%から下がった。
政府は、追加経済対策(PRIHATIN)などの経済政策を実施しているが、今年の経済成長率は、マイナス3.1%になることが予想されている。また失業率も6%に上昇すると見込まれている。
(マレー・メイル、6月30日)
犠牲祭用に日本産和牛を提案、50kgで3万リンギ
【クアラルンプール】 農産物を手掛けるアジア・ハーベスト・アグロは、ハリラヤ・ アイディルアドハ(ハリラヤ・コルバン、犠牲祭)用として日本産和牛を使用するプロモーションを提案している。
ナジブ・ジャリル社長によるとプレミアム和牛の価格は、50キログラム(kg)当たり2万9,999リンギ。日本のイスラム開発局(Jakim)に承認された食肉処理場で、犠牲祭の1、3番目の休日に処理を行い、ズルヒッジャ(イスラーム暦第12月)の10ー15日までに宮崎県から飛行機で輸送する。その後顧客先に直送する。輸入目標数は5頭。通常の和牛の枝肉相場は、A5クラスの場合50kg当たり最大5万リンギに上るという。
しかし同プロモーションについて、地元ニュースサイト「アストロ・アワニ」によると、犠牲祭における慈善の意図から逸脱しているとして批判を受けている。これに対しアジア・ハーベスト・アグロは、宗教専門家を含むさまざまな関係者と協議した上で同プロモーションを立ち上げたと主張。日本やオーストラリアから和牛を供給してきた実績があり、和牛を犠牲祭に提供するのは今回が初めてでないとした上で、犠牲祭用に和牛以外の牛肉も提供していると述べた。また、犠牲用牛肉の枝肉相場が290ー700リンギであることから、和牛の価格が法外だとの声も挙がっている。
(マレー・メイル、6月30日、アストロ・アワニ、6月29日)
7月1日から更なる規制緩和、水上パークやスパなどが再開
【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 復興のための行動制限令(RMCO)への移行に基づき、7月1日から新たに水上テーマパークや映画館、スパなどの営業再開が標準的運用手順(SOP)の遵守を条件に認められた。
クアラルンプール(KL)の「KLタワー」やペナン州テルクバハンの「エスケープ」は7月1日に営業を再開。一方、準備が必要だとしてサンウェイ・グループが運営するセランゴール州スバンの「サンウェイ・ラグーン」は4日から、ブロック玩具のテーマパーク「レゴランド」は10日にそれぞれ遅れて再開する。
シネコン運営のゴールデン・スクリーン・シネマ(GSC)とタンジョン・ゴールデン・ビレッジ(TGV)は1日に映画上映を再開した。
スポーツジムやスパの営業も認められたが、SOPが明確でないことと準備に時間を要することから一部のスパは営業再開を先延ばしにしている。「マンダリン・オリエンタルKL」のスパはSOPの詳細を得るまで再開を控えるとしており、当面マッサージは行なわないとしている。「シャングリラ・ホテルKL」内のスパは7月下旬に再開を目指すとしている。
首都圏で展開する「sifuリフレクソロジー」は7月1日に再開し、SOPを遵守しながらマッサージを含むすべてのサービスを行なうとしている。
小学校については、7月15日と22日に二段階に分けて再開するよう教育省が各州の教育局に通達を出したもよう。「東方日報」によると、7月15日に小学5、6年生、7月22日に1—4年生で授業再開する見通しだ。
タイ・シンガポールとの国境規制、さらに緩和へ
【クアラルンプール】 マレーシア政府は6月30日、シンガポールおよびタイとの国境閉鎖措置を緩和すると発表した。
イスマイル・サブリ・ヤアコブ上級相(兼国防相)によると、ペルリス州パダン・べサルとケダ州ドリアン・ブルンにある出入国・通関・検疫・保安(ICQS)複合施設でそれぞれの国境の解放が再開するが、入国可能な車両は貨物および商用車に限定される。
なお、シンガポールからの帰国を希望するマレーシア人は、入国時に義務付けられていた渡航許可である「マイパス(MyPass)」への申請が不要となる。詳細は近く発表する予定だ。
イスマイル上級相は同日、復興のための行動制限令(RMCO)下において規制に違反したとして39人を拘束し、うち36人に罰金を科したと明らかにした。14人が社会的距離を遵守せず、5人はパブやナイトクラブにいたため拘束したと説明。また標準的運用手順(SOP)に順守していなかった5カ所の建設現場に警告を発したと述べた。
海外からの帰国者については、インドネシア、シンガポール、エジプト、カタール、オランダから帰国した456人、ジョホール州を経由し入国した161人のマレーシア人に対し、自宅での自己隔離措置を命じていると言明。自宅隔離の対象者1,006人は規則を遵守しており、違反者は出ていないと明らかにした。
(フリー・マレーシア・トゥデー、6月30日)
新型コロナ感染者が新たに1人、国内感染者はゼロ
【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は1日、新型コロナウイルス「Covid-19」の感染者数が前日から1人増えて8,640人になったと発表した。新規感染者は海外で感染した帰国者で、国内感染者はゼロだった。
また新たに21人が退院し回復者数は8,375人に増加した。死者数は18日連続でゼロだった。
保健省のノール・ヒシャム事務次官は6月30日、復興のための行動制限令(RMCO)が施行されてから21日間で感染者数が303人に止まったとした上で、事態は終息しておらず警戒を解くことのないよう警鐘を鳴らした。国民は同省が定める標準的運用手順(SOP)を引き続き遵守する必要があると強調した。