【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 中央銀行バンク・ネガラは7日、定例金融政策会合(MPC)を開催し、政策金利である翌日物政策金利(OPR)を2%から0.25ポイント引き下げ、1.75%とすることを決定した。中銀は今年1月と3月共に0.25ポイント、5月に0.5ポイントそれぞれ引き上げていた。2004年以来16年ぶりの低水準となった。
中銀は声明の中で、新型コロナウイルス「Covid-19」の感染拡大に伴い国内外に深刻な影響が出ていると指摘した。利下げの理由について、景気回復のペースを加速するための追加の景気対策として実施すると説明。インフレ率は、世界的な原油価格の下落の影響を受けて、マイナスになる可能性があるとした。
また中銀は世界経済について、新型コロナウイルスの影響で今年通年の成長率はマイナスとなると予想。感染を食い止めるためにロックダウンや経済活動を停止していたが、主要な経済大国では措置を緩和しているとした。リスク回避を実施しながらも、財政の状況は改善を見せていると指摘。コロナウイルスが再流行の可能性も拭えない状況にあり、再びロックダウンなどの措置を導入する可能性はあるとして、世界経済へのマイナスのリスクは依然あるとした。
マレーシアについても、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために行動制限令(MCO)が施行されたため、第二四半期の経済活動は急激に縮小したと指摘。しかし景気対策や金融政策を取っていることから緩やかな回復が見込めるとした。しかしコロナウイルスの再流行や労働市場の弱さ、世界経済の成長の鈍化などをダウンサイドリスクとして挙げた。