【クアラルンプール】 新型コロナウイルス「Covid-19」感染拡大抑制のために行動制限令(MCO)が発令されたのを機に、ミレニアル世代の間で証券取引に対する関心が急速に拡大している。
オンライン証券取り引きの楽天トレードでは、5月15日から6月30日までの間に5万件の新規口座が開設され、今では40歳未満、且つ3年未満の証券取り引きの経験しかないクライアントが全体の80%を占めているという。
楽天トレードの三瀬和正・最高経営責任者(CEO)代行は、「株価が下がっていたことで新たな投資家が参入しやすかった面がある」と指摘。口座数だけでなく取引件数も増加したと述べた。6月30日時点で個人投資家向けのシェアは7%に、取り扱い資産額は15億リンギに上っているという。
今後の見通しについて三瀬CEO代行は、収益水準が今年は持続するとの見方を表明。「市場の勢いと並行して、収益の成長が加速すると予想している」と述べた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、7月10日)
格安航空エアアジア、10億リンギの融資受け入れへ
【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 資金繰り問題に直面している格安航空会社エアアジア・グループのトニー・フェルナンデス最高経営責任者(CEO)は、財務強化に向けて金融機関などと融資に関する話し合いを行なっていることを公表。現時点で総額10億リンギ超の融資提案を受けていることを明らかにした。
一部は3月27日に発表された、新型コロナウイルス「Covid-19」の打撃を受けた大企業の運転資金を支援するための政府保証スキームの適用を受ける。同スキームは3月27日に発表された2,500億リンギ規模の追加経済対策に盛り込まれたもので、予算500億リンギが割り当てられた。80%の政府保証がつく。
フェルナンデスCEOは、「十分な手持ち現金を確保するにあたり流動性強化の重要性を理解している」と言明。「社内的には航空需要の回復への期待を踏まえ、無駄のない業務に向け合理化に着手している」とし、全社的に15—75%の一時的給与カットを行なうほか、融資返済の繰り延べや燃料ヘッジ見直しなどを通じて今年通年で50%の経費削減が実現できるとの見通しを示した。
また航空需要についても6月にはロードファクター(座席利用率)がグループ全体で60%、マレーシア単独で65%に回復しているとし、7月には運航座席数を3倍に増やすものの70%のロードファクターが達成できるとの見通しを示した。
エアアジアはキャッシュフローに窮しており、ブルサ・マレーシア(マレーシア証券取引所)の上場基準を満たすことができず、早急な経営改善が求められる「PN17」指定銘柄に入れられる可能性が浮上。先日は外部監査法人アーンスト&ヤングが懸念を示す注記をつけていた。
貧困ラインを2208リンギに引き上げ=統計局
【クアラルンプール】 統計局(DOSM)は10日、マレーシアの貧困ラインをこれまでの世帯収入980リンギから2,208リンギに引き上げたことを明らかにした。
統計局は貧困ライン見直しについて、これまで2005年の方法論に基づいていたものを2019年の方法論に基づいたものに変更したと説明した。統計局トップのモハマド・ウジル・マヒディン氏によると、最適な食物摂取量と品の高い非食物の基本要件に主眼を置いた現在のニーズに沿ったものになっているという。
統計局が同日発表した「世帯収入と基本設備調査報告2019」によると、絶対的貧困の比率は2016年の7.6%から2019年には5.6%に改善、ハードコア貧困についても0.6%から0.4%に改善した。一方で所得の不平等さを表すジニ係数は、2016年の0.399から2019年は0.407に上昇しており、家計所得ギャップが拡大していることを示している。なお可処分所得をベースにした場合のジニ係数は0.391から0.393に上昇した。
ウジル氏によると、世帯収入の中央値は年率3.9%のペースで緩やかに上昇しており、2019年には5,873リンギに到達。平均収入は年率4.2%のペースで上昇し、2019年には7,901リンギに達している。
(ベルナマ通信、7月10日、統計局発表資料)
接触型スポーツも15日付けで解禁=上級相
【クアラルンプール】 イスマイル・サブリ・ヤアコブ上級相(兼国防相)は10日、これまで新型コロナウイルス「Covid-19」拡大防止のために禁止されていた接触型スポーツについても7月15日付けで認めると発表した。サッカーやラグビー、ホッケーなどが含まれる。
モータースポーツや体操、ダイビング、バドミントン・シングルなどの非接触型の個人スポーツについては、7月15日付けで観客なしでの競技会の開催が認められる。商業的スポーツ施設、フットサル場の営業も認められる。接触型スポーツについては、8月15日付けで無観客を条件に競技会の開催を認められる。
競技会は国内大会に限定する。いずれも標準的運用手順(SOP)の厳格な遵守が求められるが、個別のスポーツに関するSOPは追って青年スポーツ省が詳細を発表する。
■会議や集会の人数制限を撤廃■
サブリ上級相はまた、250人以下の参加者に制限していた会議や集会、礼拝などについても7月15日付けで制限を撤廃すると明らかにした。これまでは最大でも収容人数の3分の1しか入場することが認められなかった。今後は定員の100%の入場が認められるが、SOPの厳格な遵守が求められる。
このほかゲームセンターやカラオケボックス、キッズジム、ファミリーエンターテインメントの営業再開も認められる。パブやディスコ、ナイトクラブの再開は認めない。
(フリー・マレーシア・トゥデー、7月10日)