【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 下院議会(定数222)が2カ月ぶりに再開し、初日の13日には新型コロナウイルス「Covid-19」の下院議会の標準的運用手順(SOP)、政府が打ち出した感染防止策や経済対策、下院議長及び副議長の交代に関する審理が行われた。
アンワル・イブラヒム人民正義党(PKR)党首が野党側リーダーとして、またマハティール・モハマド前首相も新たな野党ブロックの代表として質問に立った。
ムヒディン・ヤシン首相は、モハマド・アリフ下院議長の交代に関する動議を提出。賛成111票、反対109票で辛くも2票差で可決された。今国会では野党側がムヒディン首相の不信任案を提出する意向を示しており、その前哨戦として注目されていた。
野党側は「解任の理由が不透明」「新たに政府・与党寄りの人物を指名するための恣意的もなもの」などと批判。議会改革に積極的だったアリフ議長の留任を求めて動議否決を目指していた。
過半数をとれなかったのは、与党・国民連盟(PN)側から議員1人が欠席したため。ひとまず可決したものの与党側にとって綱渡りの状況であることが改めて示された格好だ。
■経済対策、「議会審議の時間なかった」ムヒディン首相■
下院議長解任動議に先立って新型コロナウイルス「Covid-19」に関連した政府の経済対策について野党から質問があり、ムヒディン首相は議会審理を通さなかったことについて「国民から要請があった。緊急を要していたため、議会開催まで待つことが出来なかった」と説明した。
ムヒディン首相は、下位40%の低所得者(B40)やサバ・サラワク州などの地方が取り残されないようにすると言明。社会経済開発の不均衡に対処し、経済を再構築・強化するための様々な政策・戦略の策定に着手していると述べた。