【クアラルンプール】 製パンのガーデニア・ベーカリーズ(KL)の公式フェイスブックに、マレーシア人よりロヒンギャ難民を優先して雇用しているとするクレームや批判が殺到した。不買を呼び掛ける脅迫まがいもあったという。
これに対しガーデニアは、現時点でこれ以上のロヒンギャ難民を雇うことは検討していないと主張。求人募集には多くの空席があり、週に2回の採用説明会や面接を継続していると強調した上で、マレーシア人の雇用を優先していくとコメントした。同社は地元民と共に働くロヒンギャ難民を57人雇用している。
なおガーデニアは19日、下から40%の低所得者層(B40)への支援として新型コロナウイルス「Covid-19」支援プロジェクトの下、100万リンギを投じると発表した。
同社は、新型コロナ感染拡大の抑制に向けた行動制限令(MCO)の発令によりパニック買いが勃発したことで需要が急増し、3月のパン生産量を1日当たり220万個に増加していた。
(マレー・メイル、7月21日)
KLの犯罪件数、行動制限令中に減少=副内務相
【クアラルンプール】 イスマイル・モハメド・サイド副内務相は20日、クアラルンプール(KL)の行動制限令(MCO)中の犯罪発生件数が減少したと明らかにした。しかしオンライン詐欺は増加したという。
今年1月1日から3月17日までは2,225件の犯罪が発生していたが、3月18日から5月3日までは546件に減少した。条件付き行動制限令(CMCO)に移行した5月4日から6月9日までは708件となり、6月10日から6月30日までは488件となった。
国会の質疑で野党議員に市内の犯罪を減らすための取り組みに関して質問を受けたイスマイル副大臣は、警備を強化し、ドローンなども使用して犯罪者を捕まえることも考えていると回答。MCO中にKL市内で最も多かった犯罪は二輪車の窃盗だったと明らかにした。
オンライン詐欺に関してイスマイル副大臣は、発表した犯罪件数にはオンライン詐欺は含まれていないと説明。今後そのような詐欺の削減に焦点を当てていく方針だと述べた。
MCO期間には数千人がオンライン詐欺にあったことが報告されている。
(フリー・マレーシア・トゥデー、マレー・メイル、7月20日)
新型コロナ感染者は新たに16人、うち8人が国内感染
【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は22日、新型コロナウイルス「Covid-19」の感染者数が前日から16人増えて8,831人になったと発表した。
新規感染者のうち8人が海外で感染した帰国者で、残り8人はクアラルンプール(KL)とサラワク州の国内感染者だった。また新たに4人が治癒し回復者数は8,566人に増加した。死者数は4日連続でゼロだった。
保健省のノール・ヒシャム事務次官は同日、新たに2つのクラスタが発生していると明らかにした。全国のクラスタは21つに上り、うち15つは過去11日間に発生した。新たなクラスタは、セランゴール州ポートクランで同じ船に乗船していた船員が関連している。サラワク州クチンの病院でもクラスタが発生しており、1人目の感染者は医療従事者で、13日に呼吸困難を訴え、19日に感染を確認した。検査を受けた61人のうち5人が陽性、残りは陰性だった。
サラワク州防災委員会(SDMC)のダグラス・ウガー・エンバス議長によると、同州では他に ▽セントーサ(6人)▽マンボン(5人) ▽建設現場(3人)▽エンジニアリング会社(3人)▽ヘルスセンター(3人)▽液化天然ガス(LNG)タンカー「LNGジュピター」(3人)▽ストゥトンマーケット(3人)▽クチン港(2人)ーーの8つのクラスタが発生している。
日マ防衛閣僚が電話会談、南シナ海問題などで意見交換
【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 河野太郎防衛相とイスマイル・サブリ・ヤアコブ上級相(兼国防相)は、20日に電話会談を行い、中国が実行支配地域の拡大を続けている南シナ海の問題、新型コロナウイルス「Covid-19」対策における防衛当局の役割などで意見を交換した。
サブリ氏は、対話と協議を通じて平和的かつ合理的な方法で南シナ海地域を管理すべきとの立場を維持するとのマレーシアの基本方針を河野氏に説明。南シナ海の平和、安全、安定を確保するためにすべての当事者が協力することの重要性を強調した。
河野氏は、東・南シナ海における最近の事例を念頭に、力を背景とした一方的な現状変更の試み、緊張を高めるいかなる行為にも強く反対すること、法の支配に基づく自由で開かれた海洋秩序が重要であるとの日本の立場を説明。両国が隙のない防衛態勢を維持していくこと、日マ防衛協力・交流を継続・強化していくことの重要性を指摘した。