行動制限令中、4500社以上が事業を停止=副国取相

【クアラルンプール】 ロソル・ワヒド副国内取引消費者行政相は、新型コロナウイルス「Covid-19」抑制に向けた行動制限令(MCO)が発令された4月1日から7月19日の間に、4,500社以上が事業を停止したと明らかにした。
マレーシア会社委員会(SSM)によると、4月は278社、5月は1,565社、6月は1,595社、7月は1,107社が事業停止の届け出を行った。その一方で新規事業登録数が8万2,255件に上った。
29日の国会の質疑でワヒド副大臣は、経済の面で苦戦がある中、仕事を失った人もいたが、新たに収入を得るために事業を立ち上げた人も多くいたと説明。MCO中は外出が許されなかったため、新規事業の中には電子商取引やオンラインビジネスが多かったと述べた。
しかしマレーシア中小企業(SME)協会のマイケル・カン会長は、事業を停止する企業がさらに増えると予想。ワヒド副大臣の発表には、昨年事業を停止した企業数も含まれている可能性があるとして、正確なものではないと指摘した。
またマレーシア経営者連盟(MEF)のシャムスディン・バルダン専務理事は、新規事業登録数が増えても、全ての事業が営業をするとは限らないと指摘。事業停止や新規事業登録数よりも重要なのは、何社が存続できているかであると述べた。
(エッジ、7月29日、フリー・マレーシア・トゥデー、7月31日)

山九マレーシア、クラン港に「アジアハブセンター」を開設

【ポートクラン=マレーシアBIZナビ】 総合物流の山九(本社・東京都中央区)は7月31日、現地法人の山九マレーシアが、セランゴール州クラン港ウエストポートの物流センターに倉庫「アジア・ハブセンター」を開設すると発表した。
倉庫は高床式で、面積が2万平方メートル。2021年3月1日に開設を予定している。要員数は36人でうち1人が日本人。自由貿易区(FTZ)内に位置しているため、非課税による非居住者在庫や保管中の転売、荷姿変換および輸出入手続きの免除など荷主にとってコスト削減並びにリードタイム短縮が実現が可能となる。
山九は倉庫の開設に先駆け、同港のターミナルオペレーターであるウェストポーツと5月29日に契約を締結。6月1日よりTSP(トランシップメント・ステージド・ポスト)サービスの提供を開始した。現在、コンテナヤードにデバン(貨物を取り出す作業)しない状態で荷物を優遇条件で保管し、4週間のフリー期間を設け保管期間中に最終仕向け地を選択できるサービスを提供しており、今後は在庫期間が短い貨物をTSPサービス、長期間の保管が見込まれる貨物には「アジア・ハブセンター」を活用することで、アジア域内のサプライチェーン再構築のニーズに対応していく方針だ。
山九は、マレーシアでは税関による保税運送手続きの厳格化の動きが進んでおり、ハブ機能型倉庫はFTZ内の立地が必須となる可能性が高まっているとし、こういった顧客ニーズへの対応を目的としていると表明。今後の動向については、東南アジアにおけるグローバルネットワークの拡大および最適なサービスの提案を進めていくとした。

日系企業、半数が通常通りに回復=JACTIM&ジェトロ

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 マレーシア日本人商工会議所(JACTIM)とジェトロ・クアラルンプール事務所は7月30日、2020年度在マレーシア日系企業を対象とした新型コロナウイルス「Covid-19」対策に関する緊急アンケート結果を発表した。

 同調査は5月の第一回調査に続くもので、7月13日から17日にかけて会員企業585社を対象に行い、209社から回答を得た。
生産・稼働状況は、製造業、非製造業ともに約半数が「通常どおり」または「通常以上」と回答し、5月の前回調査から20ポイント以上の大幅アップ。5割未満との回答は1割を切り、前回調査と比較すると大幅な改善がみられた。ただ5—8割程度との回答も4割程度あり、完全な回復とはなっていない状況も分かった。通常以上の生産・稼働している業種としては、製造業では医療機器、電子部品、包装資材、非製造業では物流があった。
受注・調達に関しては、半数超の企業が国内外の顧客・供給先からの注文留保・減少を現状の課題に挙げた。オペレーション上の課題については、国内外の営業活動、新規ビジネス機会の減少を指摘する企業の割合が高く、「資金繰り難」、 「ワーカー不足」 、「ソーシャルディスタンスなど標準的運用手順(SOP)の確保」も多く指摘された。
売り上げに関しては、4—6月実積、7—9月見通しは5月調査に比べて全般的に回復傾向にあるが、2020年通年では製造・非製造業共に8割超が前年割れの見通しであることが分かった。
マレーシア政府による入国制限のため、入国待機・予定は673人に上り、前回調査(378人)から1.8倍に増加していることが分かった。入国制限が長期化、入国手続きの頻繁な変更や不明瞭化のためで、予定していた新規事業・取組に必要な要員が入国できず支障が出ているという声も上がった
マレーシア政府に対する要望としては、「入国制限の緩和」が最も多く、「駐在員の出国制限の緩和・撤廃」、「駐在員のビザ発給の迅速化」など入国関連の要望が多かった。同じく日本政府への要望においても、「駐在員の赴帰任、短期出張など、 ビジネスのための両国間の移動円滑化」がトップだった。

新型コロナ感染者が新たに14人、うち13人は国内感染

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は2日、新型コロナウイルス「Covid-19」の感染者数が前日から14人増えて8,999人になったと発表した。

新規感染者のうち1人はフィリピンからの帰国者。13人が国内で感染したマレーシア人だった。また新たに17人が退院し回復者数は8,664人に増加した。死者数は3日連続ゼロで、125人を維持した。

ケダ州のシバガンガイ・クラスタ(インドのシバガンガイから帰国した永住者が関連)について、保健省のノール・ヒシャム事務次官は1日、これまでに接触を確認した262人の検査を実施したと言明。8人が陽性(うち3人がマレーシア人)、251人が陰性、3人が結果待ちだと明らかにした。

同クラスタでは、ケダ州ジトラにあるレストランのオーナーおよび従業員が関連しており、クバン・パスのコミュニティ開発部(KEMAS)下にある幼稚園73件とデイケアセンター3件は、利用者が同レストランを訪問していたことを確認したため、閉鎖措置を取っている。

JB—星間RTS、建設費37億リンギをマレーシアが負担

【ジョホールバル】 2021年初に着工、2026年末までに開業を予定しているジョホールバル(JB)—シンガポール間の高速鉄道輸送システム(RTS)について、ウィー・カション運輸相は、総建設費約100億リンギのうち37億リンギ(39%)をマレーシアが負担すると明らかにした。
全長4キロメートル(Km)のうちマレーシアは2.7km、シンガポールは1.3kmとなる。1時間あたり片道1万人の輸送能力を持ち、1日あたり最大28万8,000人乗客輸送が可能だ。運賃については、プロジェクトがほぼ完了した時点で発表される予定で、40%の低所得者層(B40)を含むすべての人々が考慮されるという。
また、JBのブキ・チャガルとシンガポールのウッドランズにそれぞれ税関、税関・出入国管理局・検疫(CIQ)施設を建設する予定で、ブキ・チャガルのCIQには商業用スペースや1,500台が収容できる公共用駐車場を設ける。両当局が共同で管理するメンテナンスおよび運転施設は、JBのワディハナに設立する。これらの施設において少なくとも1,500人の雇用機会の創出および、プロジェクト全体で少なくとも150の裾野産業に利益をもたらすことが見込まれている。
両政府間において、▽シンガポールの首都圏大量高速輸送(MRT)トムソン・イーストコースト線(TEL)システムから軽便鉄道(LRT)システムへの変更▽マレーシア側のインフラ会社を、プラサラナからマス・ラピッド・トランジット・コーポレーションの子会社であるマレーシア・ラピッド・トランジット・システムに変更ーーの2件の変更が同意された。またシンガポールSMRT RTSープラサラナRTSオペレーション間における合弁契約の締結および二国間協定の修正の下で両国は、30年間の運転をRTSオペレーションズに指名することでコンセッション契約に合意した。
RTSについてウィー運輸相は、両国を結ぶ連絡道(コーズウェイ)の交通渋滞を緩和するために不可欠であると言明。プロジェクトが予定通りに実行されることを保証するためのコミットメントを両政府が表明したと明らかにした。
(ザ・スター、7月31日、マレー・メイル、7月30日)