デジタルエコノミーマスタープラン、10月開始=ムスタパ大臣

【クアラルンプール】 デジタルエコノミー・マスタープランが10月から開始される予定だ。ムスタパ・モハメド首相府相(経済担当)が明らかにした。
ムスタパ首相府相は、通産省(MITI)が前年、インダストリー4.0(IR4.0、第4次産業革命)を推進するためのマレーシアの国家方針を取り纏めた「インダストリー4WRD」を導入したが、これには製造セクターだけが対象となっていたと言明。同マスタープランでは非製造業セクターを含むすべてのセクターを対象にし、全セクターの成長を促進させる狙いだとした。
同プランの詳細については、政府からの承認を取得次第2カ月以内に発表する予定だとし、同プランにはマレーシア・デジタル経済公社(MDEC)、通信マルチメディア省、マレーシア通信マルチメディア委員会(MCMC)、マレーシア行政近代化及び管理計画局(MAMPU)などさまざまな政府機関が関与しており、調整に時間が掛かっていると述べた。新型コロナウイルス「Covid-19」の大流行によりデジタル化が促進され、政府はデジタル部門の後押しに注力しているという。
(エッジ、8月13日)

マレーシア人42%「男女間賃金格差を感じる」=調査

【クアラルンプール】 男女間賃金格差について、市場調査会社Vase.aiの調査結果によると、マレーシア人の5人に2人(42%)が、格差を感じていることが分かった。40%が「公平で平等」、18%は「わからない」と回答した。
しかし回答者自身の職場における男女間賃金格差について「公平で平等である」と回答したのは、52%に上った。30%が「格差がある」、18%は「わからない」と答えた。
格差を感じた理由について、回答者の42%(うち44%が女性、40%が男性)は「特定の性別が特定の仕事に就けない場合があるため」と回答した。これに▽特定の性別は特定の環境で働くことが出来ない場合がある(37%)▽特定の性別は特定の役割・仕事にとって価値があると見なされている(33%)▽特定の性別はリーダーシップの役割を実行できないと見なされている(30%)▽特定の性別は仕事よりも個人の生活を優先する(28%)▽特定の性別はワークライフバランスを要求する(26%)▽特定の性別は子供を産んだ後に価値が低いと見なされている(24%)▽特定の性別を雇う方が安いと思われている(21%)▽特定の性別は低賃金の仕事・部門で働くことを選択する(16%)ーーとの回答が続いた。
有給の育児休暇については42%が、男性と女性両方の従業員に提供すべきと回答したが、34%は性別に関連した給与の査定やアクションプランが役立つ場合があると答えた。
また同調査により、回答者の38%が同じ職場に5年以上勤務していることが分かった。これに勤務年数1ー2年が15%、2ー3年が12%、 3ー4年が8%、4ー5年が6%が続いた。
同調査は1月22日ー29日間、24歳以上を対象にオンラインで行われたもので、1,042人のマレーシア人が参加した。参加者の70%はマレー系・ブミプトラ(マレー人と先住民族の総称)で、25%が中国系、5%がインド系または他の民族だった。また回答者の60%は民間部門、21%は政府・法定機関、19%は自営業の従事者で、うち33%がホワイトカラー労働者、 23%が専門職・幹部、 21%は自営業者、14%はブルーカラー労働者だった。
なお英字紙「マレー・メイル」によると、女性支援組織のウーマンズ・エイド(WAO)はマレーシアの企業に対して、英国のアプローチを採用し、性別間賃金格差に関する透明性を高めるよう求めているという。マレーシア政府に対しWAOは、男女の従業員の平均賃金、割合、ボーナスを受け取る従業員の男女比率を報告するよう企業に要求すべきと表明していた。
(マレー・メイル、8月13日)

日本空調サービス、マレーシア子会社を解散

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 日本空調サービス(本社・愛知県名古屋市)は12日、事業を休止していたマレーシア連結子会社、ニッポン・クウチョウ・サービシズ(M)の解散を発表した。2022年3月末までをメドに、解散・清算完了に関する必要な申請手続きを進める。
同日の取締役会で決定した。解散の理由について就労ビザ取得の遅延などによる事業開始の遅れに加え、新型コロナウイルス感染症の影響による長期的な停滞が見込まれるためだとしている。7月15日には事業休止を発表していたが、マレーシアにおける厳しい事業環境が好転する可能性は低く、今後事業活動を再開したとしても収益拡大を図ることが難しいと判断した。
ニッポン・クウチョウ・サービシズ(M)は、日本空調のアジア全域を経済圏として捉え積極的に海外展開を図る経営戦略のひとつとして、シンガポール法人の子会社として2016年12月に資本金300万リンギで設立された。総合建物設備メンテナンスサービスを手掛けていたが、2019年12月期決算では2,400万円の営業赤字を出していた。

GDP成長率、第2四半期はマイナス17.1%に

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 中央銀行バンク・ネガラ・マレーシア(BNM)は13日、2020年第2四半期(4ー6月)の国内総生産(GDP)成長率が17.1%の大幅なマイナス成長になったと明らかにした。新型コロナウイルス「Covid-19」の感染拡大の影響を受けて、四半期ベースでは1998年第4四半期のマイナス11.2%を上回る最大のマイナス成長となった。

 セクター別では、唯一、農業だけが前期のマイナス8.7%から1.0%のプラス成長となった。最も落ち込んだのは建設で、前期のマイナス7.9%からマイナス44.5%に悪化した。鉱業はマイナス20.0%で、前期のマイナス2.0%から大幅に悪化。プラス1.5%だった製造業は18.3%の大幅なマイナス成長に転落した。これまで景気を下支えしてきたサービス業も前期のプラス3.1%から一転し、16.2%のマイナス成長となった。
国内需要は前期のプラス3.7%からマイナス18.7%転落。民間消費も前期のプラス6.7%からマイナス18.5%となった。前期はマイナス2.3%だった民間投資はマイナス26.4%に悪化した。
公共支出は前期のプラス5.0%からプラス2.3%に減速。その一方でマイナス11.3%だった公共投資はマイナス38.7%に悪化した。モノとサービスの輸出は、前期(ー7.1%)を下回るマイナス21.7%で、輸入は前期のマイナス2.5%から、マイナス19.7%に悪化した。
中銀は声明の中で、新型コロナ感染拡大の影響で上半期の経済成長はマイナス8.3%となったと指摘。5月の初旬から段階的に経済活動が再開されたことで、3—5月に比べ6月は様々な統計が経済回復の兆しを示しているとした世界経済の成長回復の後押しや政府による様々な景気対策を受けて、下半期にはさらに回復が見込めると予想。その上で下半期のインフレ率は燃料価格の下落に伴い当初予想よりも低い水準に止まるとの予測を示した。