新型コロナ後に行きたい海外旅行先、日本がトップ

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 日本政策投資銀行が日本交通公社と共に実施した「アジア8地域・訪日外国人旅行者の意向調査」によると、マレーシア人が新型コロナの流行終息後に、観光旅行したい国・地域で日本はトップだった。
日本に行きたい理由で最も多かったのは、「行きたい観光地や観光施設があるから」だった。日本で行きたい地域のトップは北海道で回答率は51%。それに東京、沖縄、東京近郊、九州が続いた。
マレーシア人が行きたい海外旅行先の2位は韓国、3位は台湾、4位は中国本土、5位が豪州だった。
2019年12月ー2020年5月の間に海外旅行を予定していたマレーシア居住者のうち、キャンセルをしたと答えたのは81%となり、調査対象国で最も回答率が高かった。キャンセルした理由のトップは「新型コロナウィルスの感染予防のため」で79%、それに「親族・知人にキャンセルを薦められたから」が40%、「航空便が運休となったから」が38%となった。
キャンセルをせずに海外旅行したとの回答は19%だった。キャンセルしなかった理由としては、「当時は新型コロナウイルスの流行は深刻ではないと判断したから」が48%となり全体平均の43%を上回った。「旅行を中止・変更するとキャンセル料が発生することになるから」との回答は33%だった。
新型コロナへの感染の不安については、「不安があった」と「やや不安があった」との回答は共に29%。「不安はなかった」が10%、「あまり不安はなかった」が16%、「どちらとも言えない」が16%となった。
海外を訪問した目的としては、「観光」が66%で最も多く、16%が「ビジネス・国際会議」、「親族や知り合いに会うため」が10%、「研修・インセンティブ」が7%、「留学」が2%だった。

破産法を改正、10万リンギの債務で破産宣告

【クアラルンプール】 破産法改正案が25日、下院で2読に付され承認された。個人が破産を宣告される債務額が5万リンギから10万リンギに引き上げられる。
法案の趣旨説明に当たったタキユディン・ハッサン首相府相(法務担当)によると、破産法は1967年9月に官報に掲載されて以降、4回、破産認定額が引き上げられており、前回は2017年に改定された。経済の発展に伴い国民の富が増加したことを考慮した改定で、法律に今日性を持たせた。
改定案の策定に当たり政府は、シンガポール、豪州、米国、英国など複数国の破産法を比較調査した。タキユディン氏によると、ほとんどの国が時代に即し、破産認定額を引き上げている。
7月時点の統計によると、破産宣告を受けた者は4,151人で、民族別ではマレー系が2,312人、華人系が1,028人、インド系が307人、そのほかの民族が490人、外国人が14人だった。
(ベルナマ通信、フリー・マレーシア・トゥデー、8月25日)

ユニクロ「エアリズムマスク」、9月14日から販売開始

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 ユニクロ(マレーシア)は25日、吸汗速乾、接触冷感、抗菌消臭などの機能を持つ「エアリズム(AIRism)」の素材が使われた「エアリズムマスク」を、9月14日からマレーシアで販売すると発表した。
「エアリズムマスク」は3層構造で、中央部の高性能フィルターはバクテリア(細菌)や花粉を99%カットする。外部のメッシュ生地はUPF50+(紫外線保護指数50+)で紫外線もカットできる。洗濯することで繰り返し使用も可能で、20回洗濯した場合でもバクテリアろ過効率(BFE)は93%、花粉の粒子捕集(ろ過)効率は93%を維持する。
白と黒の2色展開で、価格は3枚入りで39.9リンギ。サイズは▽S(8センチメートル(cm)×12cm)▽M(22cm×14cm)▽L(23cm×14.5cm)ーーの3サイズとなる。

新型コロナ感染者が新たに6人、うち5人はケダ州で感染

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は26日、新型コロナウイルス「Covid-19」の感染者数が前日から6人増えて9,291人になったと発表した。

新規感染者のうち1人はシンガポールからの入国者。残り5人はケダ州で感染した。新たに7人が退院し治癒者数は8,978人に増加した。死者数は27日連続ゼロで、125人を維持した。

ペルリス州の2村とケダ州の4準地区を対象とした事実上のロックダウン(封鎖)である一部地域対象の強化行動制限令 (TEMCO)が26日付で解除された。イスマイル・サブリ・ヤアコブ上級相(兼国防相)によると、両州のTEMCOはそれぞれ8月30日と9月4日に終了する予定だったが、同地域において新規感染者が検出されなかったため解除日を早めた。ケダ州では「タワル・クラスター」が拡大しているが、これ以上のTEMCO実施は必要ないと保健省が判断したという。TEMCOの下でペルリス州カンポン・サンランとカンポン・タナ・ティンブルの住人1,397人と、ケダ州クバンパスとパダンテラップで7,000人以上がスクリーニング検査を受けた。

標準業務手順(SOP)に従わなかった場合の罰金について保健省のノール・ヒシャム事務次官は、現行の1,000リンギから1万リンギに引き上げるべきとの見解を示した。「1988年感染症予防管理法(342法)」が策定された1988年当時における罰金1,000リンギの罰則は妥当であるが、現在の基準に置き換えると1万リンギが適切だと指摘。すでに議会に同提案を提出したとした上で、申し立ての受理には時間がかかる可能性があると述べた。

Shopee親会社Seaの急成長

マレーシアでもEコマースを展開しているShopeeがあります。2017年にシンガポールで創業した若い会社ですが、実は親会社は2008年に創業したゲーム開発のSeaという企業です。
コロナ禍での巣ごもり消費を受けて株価が大きく上昇しています。今年の年明けから4月中旬までは、40ドル台と横ばいでしたが、4月下旬、そして5月と新型コロナウィルス対策のための行動制限が世界各地で長引くと、ゲームとEコマースといった「巣ごもり消費」の需要が高まり、株価も上昇して6月には100ドルを突破しました。そして、8月25日の終値は154ドル13セントと、2017年の上場初日の終値は15ドル26セントから3年足らずで10倍という上昇ぶりです。
Seaは中国のテンセントとの関係も深い企業です。上場前は、中国のテンセントが39.7%の株式を保有していましたし、上場後もテンセントはSeaが発行した米国預託証券を購入するという関係が続いています。


ただ、Seaの株価は、さすがに急騰し過ぎでバブルだ、過大評価だという声もあります。Seaにとっては、ゲームに次ぐ収益源としたいShopeeですが、Eコマースは競合も多い分野です。売上が増えていても、市場競争に勝つために様々なキャンペーンを展開したり、大規模な広告を打ったりと消耗戦が繰り広げられています。現状、ShopeeはSeaにとって着実な収益源とまでは育っていません。
今後は、Shopeeを含むSeaの事業がコロナ禍での追い風を活用して、ビジネスの基盤を強化することができるかが重要となるでしょう。

※本連載の内容は著者の所属組織の見解を代表するものではなく、個人的な見解に基づくものです。

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暫定措置法を下院が可決、新型コロナ影響緩和に向け

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 下院議会は25日、新型コロナウイルス「Covid-19」の国民生活や経済に与える影響を緩和するための暫定措置法案を可決した。
可決したのは「2020年新型コロナウイルス疾患の影響軽減のための暫定措置法」で、行動制限令(MCO)が発令された3月18日に遡及して16の法律に適用される。違反に対する罰則規定は設けられていない。
3月18日から8月31日までの期間、不動産購入者の分割払いの未払いに対して不動産開発業者が延滞金を課金することを禁止する。不動産開発業者は、製造物責任期間から同期間を除外する必要がある。また同期間の家賃を滞納したテナントに対して差し押さえを求めることはできない。商品の所有者は4月1日から9月30日までの期間限定で、契約に反して分割払い金を滞納した購入者から商品を差し押さえることはできない。
法案を提出したタキユディン・ハッサン首相府相(法務担当)は、こうした契約に関わる問題を仲裁するための調停センターを設置する考えを表明。野党が立法化が遅れたことを批判していることについては、「綿密な計画を立てる必要があり、関係各所との調整に時間がかかった。同様な暫定法を早々に制定したシンガポールはその後10回も改正している」と反論した。
マレーシア製造業連盟(FMM)は、暫定的な救済措置がとられたのは不動産・建設などに関する7種の契約のみであり、他の製造関連セクターとそのサプライチェーンをカバーしていないと批判している。