謎の飛行物体が墜落?「黒いマッチ箱状の物体」との証言

【ジョージタウン】 ペナン島北部タンジョン・ブンガで20日、謎の飛行物体がティクス島近くの海に墜落したとの目撃情報が寄せられ、警察が乗り出す騒ぎとなっている。

目撃したのは1.5キロメートルほど離れた海岸にいた50代の3人で、いずれも黒いマッチ箱のような物体が海に墜落したと証言。物体が沈む前に風船のようなものが見えたと話しているという。また飛行機の翼のようなものが見えたかどうかについては判断がつかないとしている。

地元警察は当時現場にいた10人から聞き取り調査をおこなったが、目撃したのは3人だけで7人は見ていないと答えた。ただ目撃したという3人の証言はほぼ一致していることから、墜落したとされる付近海域の捜索を続けているという。

自家用機が墜落した可能性も指摘されたが、マレーシア民間航空庁(CAAM)は20日には飛行許可を受けていたすべての航空機が無事に離発着したとして、航空事故の可能性を否定している。

(ザ・スター、ニュー・ストレーツ・タイムズ、9月22日)

マレーシアの新型コロナ対策、WHOが讃えるも弱点を指摘

【サイバージャヤ】 世界保健機関(WHO)は、マレーシアの新型コロナウイルス「Covid-19」の取り組みについて、感染者の急増に対応する準備はできていると讃えたものの、弱点があるとの見解を示した。
マレーシア、ブルネイ、シンガポール地域の代表であるのジャクリーン・ロー博士はベルナマ通信との独占取材でマレーシアの新型コロナの対策について答え、次の感染拡大に対応できる準備はできていると評価。しかし拘留所を例に出し、閉鎖された場所での感染予防対策への懸念を示した。民間医療セクターでの意識向上のための監視体制の強化が必要だと指摘。政府が推奨する措置が実際に実施されているかどうかを確認する必要があるとし、非常に注意深く監視する必要があると述べた。
ロー博士は、ほとんどの感染者は無症状であると言明。非常に軽度の症状しかでない人もいて、検査を実施する時期を決めるには非常に判断が難しいとし、民間の医療施設に断続的に最新の知識を知らせることが必要だと述べた。また検査に関しては、症状のある人のみならず誰でも受けられる体制が整っていることを評価。ワクチンが完成し手に入るようになっても、予防策を続けることが大切だと述べた。
(ベルナマ通信、9月22日)

上半期の不動産取引件数は28%減少、売れ残り住宅は3%増

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 全国不動産情報センター(NAPIC)によると2020年上半期の不動産の取引件数は11万5,476戸、取引額は469.4憶でそれぞれ27.9%、31.5%減少した。3月18日に施行された行動制限令(MCO)が影響した。
売れ残り住宅は、前年同期比3.3%増の3万1,661戸で、額にして200.3憶リンギ相当だった。
新設住宅着工戸数は43.6%減の1万3,294戸。売却率は3.3%で、前年同期(30.9%)から大幅にダウンした。価格別で見ると30万ー50万リンギの新築住宅が4,476戸(売却率は4.9%)で最も多く、これに20万ー30万リンギ(4,022戸、4.3%)と20万リンギ以下(2,635戸、0.6%)が続いた。物件タイプ別ではテラスハウスが7,389戸、コンドミニアム・マンションが3,951戸でそれぞれ全体の55.6%と29.7%を占めた。
商業用不動産に該当するサービスアパートの販売戸数は1,433戸、額にして9.7億リンギに上り、商業用不動産全体の17.7%と11.5%をそれぞれ占めた。サービスアパートの売れ残り住宅戸数は26.5%増加し2万1,683戸で、額にして186.4憶リンギ(23.9%増)だった。
建設中および未着工の販売前の物件は、3万5,720戸と1万874戸でそれぞれ5.6%と42%増加した。
マレーシア住宅価格指数(MHPI)は198.3ポイントで前年から0.4%増加。記録を開始した2010年移行最も年間成長率が低かった。四半期ベースでは前期から0.7%低下した。

需要急増で好調なゴム手袋業界、タイの追い上げ始まる

新型コロナウイルス「Covid-19」の感染拡大を受けて世界中で需要が急増している個人用医療防護器具(PPE)。中でもゴム手袋の需要拡大はラテックス手袋の原料である天然ゴムの主要産地である東南アジアに大きな恩恵をもたらしているが、同時にこの恩恵に預かろうとする企業の間で熾烈なゴム手袋製造競争が始まっている。

ゴム手袋生産で世界トップを走るマレーシアは特に需要拡大による恩恵が大きく、世界最大手のトップ・グローブは株価が急上昇して、7月にはブルサ・マレーシア(マレーシア証券取引所)で時価総額2位に浮上した。今年に入ってからの株価上昇率は実に450%だ。ニトリル手袋に強いハルタレガも時価総額で3位に浮上、大手のスーパー・マックスやコッサン・ラバーも軒並み株価を上げている。

マレーシア製ゴム手袋は世界需要の3分の2を賄っている。マレーシア・ゴム手袋製造業者協会(MARGMA)は今年の世界需要が昨年の2,980億枚を大きく上回る3,450億枚に達するとみており、65%に当たる2,250億枚をマレーシアからの輸出品が占めると予想している。こうした需要急増の予測を背景に、ゴム手袋メーカーは増産に次ぐ増産に明け暮れている。

これに触発されて新規参入組も増えている。ペトロナス・ケミカルズ・グループは8月、韓国のLG化学と組んでゴム手袋製造に参入すると発表。世界最大のコンドームメーカーのカレックスもゴム手袋の生産に参入する方針を明らかにした。情報技術(IT)サービスのアイニクス・テクノロジーや不動産開発業者のアスペン・グループ、同ティティジャヤ・ランド、中国・康爾竹業のマレーシア子会社のようにゴムとは直接関係のない業界からも参入計画が次々と発表されている。

ゴム手袋製造競争はまた国境を超えて拡大している。中でも年間約480万トンを生産する天然ゴム世界トップのタイはマレーシアの大手ゴム手袋メーカーの大躍進をみて忸怩たる思いを抱いていたようで、ここに来てゴム手袋生産拡大に全力をあげている。タイ最大のスリ・トラン・グローブズは2026年までに年産能力を現在の2倍の700億枚に増やす計画だ。

これまでタイ産天然ゴムの80%はタイヤメーカーなどに輸出されており、ゴム手袋の国産化が遅れていた。一方、天然ゴム生産で遅れをとったマレーシアはいち早く最終製品であるゴム手袋の国産化を進める一方で、アレルギーを起こす可能性のある天然ゴム製ラテックス手袋から合成ゴムのニトリル・ゴム手袋へのシフトを進めてきた。現時点ではタイはこの分野でマレーシアに水をあけられているが、新型コロナをきっかけにタイがどれだけ追い上げるか注目される。

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アンワル氏が過半数掌握を宣言、近く政権樹立の意向

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 野党連合・希望同盟(PH)を率いるアンワル・イブラヒム元副首相は23日に緊急記者会見を開き、自身に対する下院議会(定数222)議員の支持が過半数を超えたと言明。国王との会見を経た後に自身を首班とする新政権を樹立すると宣言した。

アンワル氏は「我々は国を運営するために安定した政府を必要としている」とした上で、すでに過半数の議員の支持を得ており、もはやムヒディン・ヤシン首相率いる国民同盟(PN)内閣は存在しないと言明。すでに国王と電話会談を行なって会見の許可を得ているとし、入院中の国王の病状が回復したら面会して詳細を説明し、その後国民にも詳細について発表すると述べた。

アンワル氏は自身を支持する議員の具体的数字は明らかにしなかったものの、5、6議席程度のマジョリティではなく3分の2近くの支持を得ていると述べた。また、ムヒディン氏が新政権に参加することで円滑且つ平和的な政権交代が可能になるとして、ムヒディン氏の新政権への参加を要請。「裏口内閣」ではなく過半数の支持を背景にした正統な政権となるとし、マレー人が多数派を占める政権にはなるもののすべての民族や宗教を取り込んだ政権になると述べた。

現時点でPHの議席数は91議席だが、友党のサバ遺産党(ワリサン)やマハティール・モハマド前首相率いる祖国戦士党(ペジュアン)、統一ムルト・カダザン組織(UPKO)などを加えると109議席となり過半数に迫る。「マレーシア・インサイト」は消息筋の話として、PN所属議員20数人がアンワル氏支持にくら替えする事で合意したと報じていた。

■証明されるまでPN政権を維持=ムヒディン首相■

アンワル氏の発表を受けてムヒディン首相も同日特別演説を行ない、新型コロナウイルス「Covid-19」から経済を復活させるにあたって必要なことは安定した政権と国民の支持だと強調した上で、「政権を不安定化させる政治家を拒否するよう訴えたい」と言明。アンワル氏が自身の主張を憲法に基づくプロセスに則って証明する必要があり、それまではPNが政権の座にあると述べた。

新型コロナ感染者が新たに147人、12日ぶりに3桁に

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は23日、新型コロナウイルス「Covid-19」の感染者数が前日から147人増えて1万505人になったと発表した。9月11日ぶりに新規感染者数が3ケタに上った。
新規感染者のうち143人が国内感染者で、サバ州(134人)、ケダ州(5人)、セランゴール州(2人)、クアラルンプール(KL、1人)、クランタン州(1人)で確認された。残り4人はインドとインドネシアで感染した帰国者だった。新たに39人が退院し治癒者数は9,602人に増加した。死者数は3人増えて133人となった。
保健省のノール・ヒシャム事務次官によると、サバ州センポルナで新たなクラスター「バンガウバンガウ・クラスター」が発生した。感染者はマレーシア人4人と外国人1人の合計5人。センポルナ病院でのスクリーニング検査で検出された。同院は消毒や洗浄などの予防策を講じ通常通り営業している。同州では他にも複数のクラスターが発生しており、ラハダトゥ警察署が関連する「ベンテンLDクラスター」では感染者数が624人(マレーシア人324人、フィリピン人197人、インドネシア人103人)に増加した。クナクの「プラウ・クラスター」は35人、センポルナの別のクラスターである「セラマット・クラスター」は6人に上った。
サバ州でクラスターが増加していることについてノール事務次官は、感染状況が制御下にあるとし、26日に投開票が行なわれるサバ州議会選挙についても延期する必要はないと述べた。