電子商取引は今後も顕著に増加、コマースアジア見解

【クアラルンプール】 電子商取引向けマネージドサービスを東南アジアで提供しているコマース・ドット・アジアは、6カ月前に導入された行動制限令(MCO)をきっかけに急増した電子商取引はこの先も顕著に増加すると予想している。
ゼネラルマネジャーのアアリヤ・ソラヤ氏によると、マレーシア人は電子商取引を買い物手段として受け入れるようになっており、ソーシャルメディアの利用も増加した。
コマース・ドット・アジアの統計によると、MCO施行前と比べマレーシア人はソーシャルメディア利用時間が70%増えた。
コマース・ドット・アジアが管理を請け負っている電子商取引サイトでの8月の取引は前年同月比1,380%の増加だった。マレーシア人は特に健康に関心があるようで、健康関連の売り上げは800%増だった。
電子商取引の急増は一夜にして起こった変化で、早期に電子商取引を採用した企業が優位な立場を確立したという。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、9月24日)

アンワル氏の過半数奪取宣言、各党から様々な反応

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 野党連合・希望同盟(PH)を率いるアンワル・イブラヒム元副首相が下院議会で過半数の支持を得たと宣言した。ムヒディン・ヤシン首相率いる国民同盟(PN)政権への支持からくら替えする議員が多数出たことを示唆しており、各政党から様々な反応の声が上がっている。
PN政権を支援する国民戦線(BN)構成党・統一マレー国民組織(UMNO)のアハマド・ザヒド・ハミディ総裁は、「多くのBN及びUMNO所属議員がアンワル支持に転じたとの情報は得ている」とした上で、彼らの立場を尊重すると言明。BN及びUMNOは正式にはPNには参加しておらず、個々の国会議員の判断に基づいて支援していると述べた。
一方、モハマド・ハサン副総裁は、自分が知る限りアンワル支持に転じたUMNO所属議員はいないと述べた上で、党としてPNを支持しており支援先の変更は党中央のみが決定できるとして、ザヒド総裁とは異なる認識を示した。
PNを支援する汎マレーシア・イスラム党(PAS)のハディ・アワン党首は、所属議員18人はすべてムヒディン内閣支持だと強調。同じくサラワク政党連合(GPS)のアバン・ジョハリ会長(州首相、ブミプトラ保守党=PBB党首)もGPSから寝返り議員はいないと言明した。
なおムヒディン首相率いる統一プリブミ党(PPBM)から除名され、PHとも距離を置き先ごろ新党・祖国戦士党(略称・ペジュアン)結党を宣言していたマハティール・モハマド前首相は、アンワル氏が今後具体的証拠を発表するまで模様眺めの態度を維持すると言明した。マハティール氏は新党結党にあたり、状況に応じて与野党どちらに協力するか決めるとの中立の立場を維持する考えを示している。

低中所得者向け支援策の第二弾、ムヒディン首相が発表

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 ムヒディン・ヤシン首相は23日に特別演説を行ない、新型コロナウイルス「Covid-19」で影響を受けた低・中所得者向けの支援策・第二弾となる「Kita Prihatin(私たちの関心事)」を発表した。

 予算規模は100億リンギ。うち70億リンギを生活費補助のための一時金の第二弾、「第二次国民支援計画(BPN2.0)」、24億リンギを「第二次賃金助成金制度(WSP2.0)」、6億リンギを「第二次零細企業向け特別助成金(PSG2.0、あるいはGKP2.0)」にそれぞれ充てる。
BPN2.0では、最下の40%の低所得層「B40」に世帯当たり1,000リンギ、単身者には500リンギそれぞれ支給する。また40%を占める中所得者層「M40」にはそれぞれ600リンギ、300リンギ支給する。支給は10月と来年1月の2回に分けて行なう。有資格者にはデータベースに基づき自動支給するため、新たに申請し直す必要はない。
WSP2.0の申請は社会保険機構(Socso)加入が条件。10月1日—12月31日の期間受け付ける。従業員最大200人まで一人当たり月額600リンギを3カ月間支給する。
PSG2.0の申請期間は10月1日から10月31日まで。これまでにPSG1.0で助成金を受けていない企業が対象で、11月25日の支給開始を予定している。
ムヒディン首相は、9月11日までに労働者263万人と雇用主32万1,000人がBPN1.0の恩恵を被ったと指摘。BPN2.0では1,060万人に恩恵をもたらすだろうと強調した。

新型コロナ感染者は新たに71人、うち63人がサバ州で感染

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は24日、新型コロナウイルス「Covid-19」の感染者数が前日から71人増えて1万576人になったと発表した。
新規感染者のうち69人が国内感染者で、それぞれサバ州(63人)、ケダ州(4人)、セランゴール州(2人)で確認された。残り2人はシンガポールとインドネシアで感染した帰国者だった。新たに64人が退院し治癒者数は9,666人に増加した。死者数はゼロで133人を維持した。
保健省のノール・ヒシャム事務次官は23日、サバ州で8番目のアクティブクラスターとなる「ウディン・クラスター」が発生したと明らかにした。タワウにあるメロタイ・ヘルス・クリニックでスクリーニング検査を受けた72歳のマレーシア人女性が関連しており、同女性に接触したフィリピン人2人も感染していたことが分かった。
サバ州で感染が拡大していることを受けノール事務次官は、州内でリアルタイム逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(rRT-PCR)検査の実施を強化すると発表した。▽コタキナバル公衆衛生研究所▽クイーンエリザベス病院▽マレーシア国立サバ大学ーーの3施設で1日あたり検査能力をそれぞれ2,000件、400件、100件に拡大する。州全体で1日当たりの検査数が2,500件を超える場合はマレーシア空軍や民間宅配業者を利用してマレーシア半島で検査を行う。サバ州の3月時点の検査能力は1日あたり400件だった。保健省は、大量且つ迅速にスクリーニング検査を実施するため、サバ州で抗原迅速診断キット(RTK-Ag)を使用している。

外国人入国者からは隔離費用全額徴収、24日付けで実施

【プトラジャヤ】  イスマイル・サブリ・ヤアコブ上級相(兼国防相)は24日、マレーシアに入国するすべての外国人に対し、同日付けで新型コロナウイルス「Covid-19」隔離費用として4,700リンギを全額徴収すると発表した。

内訳は隔離期間中の宿泊料が1部屋2,100リンギ、運営費用が2,600リンギ。ひと部屋を複数人数でシェアする場合の宿泊料は頭割りとなる。また6歳以下の子供が同室する場合は宿泊費は無料となる。

マレーシア国民については、運営費用を政府が全額負担するため、宿泊料のみの支払いとなる。これまでは実質、外国人船員のみが全額徴収の対象となっていた。

マレーシア政府は外国から入国する人を対象とした14日間の隔離について当初は自宅隔離も認めていたが、自宅隔離を守らない人が続出したことから7月24日より隔離センターでの隔離を義務づけていた。

(マレー・メイル、星州日報、ザ・スター、ベルナマ通信、9月24日)