【クアラルンプール】 ハラル(イスラムの戒律に則った)産業の育成を支援するハラル開発公社(HDC)は、オンライン・マーケット・プレイス「ハラル・インテグレーテッド・プラットフォーム(HIP)」を立ち上げると明らかにした。
ハイロル・アリフェイン・サハリ最高責任者(CEO)は、12月に立ち上げを予定していると言明。5,000社の企業の出店と、20カ所の政府関係機関や銀行、保険、運送などのサービス機関の参加を見込んでいると述べた。ハラル産業に関わる企業の生産性や革新性の競争や、3兆米ドルと言われる世界のハラル市場に進出できる機会となり、輸出量の増加につながるとの期待を示した。国内のハラル商品の市場規模は700億米ドルだが、2030年までに1,500億米ドルまで拡大できると期待されている。
ハイロル氏はそのためHIPを立ち上げることで、国内のハラル産業企業や個人が新たな世界経済に進出するきっかけとすることができると言明。日本や台湾、韓国などの関連機関と協力して国内のハラル商品やサービスを輸出すると述べた。5年内に中国やベトナム、インドネシアへの進出も予定している。
ハラル認証の申請は中小企業からが多く、取得まで30営業日となっており、海外でも認知度は高まっている。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、9月28日)
アンワル氏の政権奪取宣言、「マハティール派は支持せず」
【クアラルンプール】 先ごろマハティー・モハマド前首相が結党を宣言した新党・祖国戦士党(ペジュアン)のムクリズ・マハティール党首(前ケダ州首相)は、同党が新政権樹立のために希望同盟(PH)率いるアンワル・イブラヒム元副首相を支持することはないと言明した。
ムクリズ氏は、これまでアンワル氏及びアンワル氏が党首と務める人民正義党(PKR)と新政権樹立に向けた会談に呼ばれたことがないと言明。にも関わらずアンワル氏が下院議会で過半数の支持を得ていると主張していることは奇妙だと述べた。
ムクリズ氏は、マハティール支持派がペジュアンのほか、サバ遺産党(ワリサン)、キナバル進歩統一組織(UPKO)、マレーシア統一民主同盟(MUDA)をあわせて18議席有していると指摘。恐らくアンワル氏が主張する過半数にはマハティール派は入っていないのだろうと述べ、もし過半数獲得が事実であれば証拠を示すべきだと主張した。
アンワル氏は先ごろ、下院議会で全体の3分の2近い過半数の支持を獲得したと主張。アブドラ国王とも謁見の許可を得ているとして、自身を首班とした政権交代が実現すると発表していた。ただ肝心のアブドラ国王は病気で入院中で謁見のメドはたっていない。
アンワル氏は過半数支持獲得の根拠として統一マレー国民組織(UMNO)議員の大量くら替えを示唆しているが、くら替え議員と名前の挙がった19人のうち少なくとも4人はくら替えを否定している。
(マレー・メイル、9月27日)
ビジネス向け「グリーンチャネル」導入を=中国商工会議所
【クアラルンプール】 マレーシア・中国商工会議所(MCCC)は26日、新型コロナウイルス「Covid-19」感染拡大の抑制に成功したとみなされる「グリーンゾーン国」の現地企業、駐在員、外国人投資家のマレーシアへの入出国を認める「グリーンチャネル」の導入を政府に提案した。
MCCCのタン・ユーシン会頭は、開発、不動産、製造などあらゆる面での投資において現地でのやり取りや視察を行う場合があるため、ビジネスマンが28日以上の隔離およびその費用を負担していると指摘。標準運用手順(SOP)を遵守する限り企業は独自の判断を下すことができるとし「グリーンチャネル」の導入は問題にならないと主張した。経済回復と新型コロナ抑制の2つのバランスが取れた対策を実施するためには複数の政策を講じる必要があるとの考えを示した。
MCCCは同日、経済成長を促すため中小企業(SME)におけるデジタル変革の促進および、個人税と法人税を削減し国民への負担を軽減する財政援助を提供するよう政府に要請した。
MCCCによると先ごろ行われた年次総会では、経済、政治、社会、女性起業家、教育における10つ議案が可決された。SMEの国際市場への進出支援や、国のインフラストラクチャの改善に向けた効果的なロジスティクス対策を政府に提案する予定だ。
(マレー・メイル、ベルナマ通信、9月26日)
マハティール首相、次期総選挙への不出馬を表明
【ランカウイ】 マハティール・モハマド前首相は、次期総選挙が予定通り2023年に行われた場合には98歳となると述べ、高齢を理由に出馬しない意向を明らかにした。
マハティール首相は自身の選挙区であるランカウイで行われた記者会見で、先ごろ立ち上げた新党・祖国戦士党(略称・ペジュアン)の党員には助言という形で、これまでの経験を共有する考えを示した。
またマハティール前首相は、野党連合・希望同盟(PH)を率いるアンワル・イブラヒム元副首相が下院議会で過半数の支持を得たと宣言するなど政局が不安定な状態が続いていることに関連し、議会が解散し総選挙が行われる可能性があると指摘。通常であれば国民に判断を委ねるために総選挙を実施するべきだが、現状で実施すれば新型コロナウイルス「Covid-19」の感染者が増加し死者が増える可能性が高まるとして、政治を優先するのか人々の健康や生活を優先するのか難しい問題に直面していると指摘した。
(ベルナマ通信、9月26日)
新型コロナ感染者が新たに115人、2日連続で3桁に
【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は28日、新型コロナウイルス「Covid-19」の感染者数が前日から115人増えて1万1,034人になったと発表した。新規感染者数が2日連続で3桁となった。
新規感染者のうち112人が国内感染者で、3人が海外で感染した帰国者だった。新たに54人が退院し治癒者数は9,889人に増加した。死者数はゼロで134人を維持した。
保健省のノール・ヒシャム事務次官は27日、クアラルンプール(KL)で新たなクラスター「セタパク・クラスター」が発生したと明らかにした。1人目の感染者は9月17ー20日間においてサバ州センポルナを訪れており、9月21日に喉の痛みと発熱の症状が出たという。20人の接触者が検出され、うち3人が陽性だった。
イスマイル・サブリ・ヤアコブ上級相(兼国防相)は25日、ケダ州アロースターの一部エリアを対象とした、事実上のロックダウン(封鎖)である一部地域対象の強化行動制限令 (TEMCO)を発令した。これによりジャラン・セベラン・ペラにあるアパートメント「トンカン・ヤード・フラッツ」が10月7日まで閉鎖される。周辺地域では94人の住民がスクリーニング検査を受けており、うち9人(5世帯)の感染が確認された。