【クアラルンプール】 株式の信用取引に関し、証拠金不足が生じた場合の特別救済措置が今年末まで延長実施される。
同措置は3月27日に導入され、9月30日に打ち切りの予定だったが、マレーシア証券委員会とブルサ・マレーシア(マレーシア証券取引所)の共同声明によると、市場の安定を優先し延長を決めた。
通常は、投資家が追加証拠金を納入できず、委託証拠金100に対し建玉が130を下回った場合、信用を供与している証券会社は強制的に建玉を決済しなければならない。
特別救済措置では、強制決済を行うかは証券会社の裁量に委ねられ、債券、投資信託、金(きん)、不動産も証拠金として受け入れることができる。
救済措置を行うには、証券会社は自己資本比率と株主資本の要件を満たしていなければならない。
ある証券会社社員は、救済措置は強制決済が多数発生した3月事件の再発防止が狙いとコメントした。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、9月29日、エッジ、9月28日)
エアアジア、数百人規模の整理解雇を再度実施へ
【クアラルンプール】 格安航空のエアアジアは、新型コロナウイルス「Covid-19」大流行によって大きな打撃を受けた業界で生き残るために、再び数百人規模の整理解雇を実施する模様だ。情報筋の話として「ベルナマ通信」が報じた。
関係者によると、エアアジアのリアド・アスマット最高経営責任者(CEO)は27日に行われた社内ミーティングで、現在の状況について非常に困難な問題に直面しており、現在の状態を維持することが出来ないと説明。多くの従業員を維持しビジネスを継続させるために最善を尽くしているとした上で、やむを得ず人員を削減する決断に至ったとした。
詳細は発表されていないが、対象となる従業員は72時間以内に通知を受けるという。解雇者は、医療給付、年末まで使用できるフライトクーポン、カウンセリングなどの支援を受けることができ、また経営状況が回復した際に再雇用のオファーを受けることができる。被解雇者の給与削減はないという。
また情報筋によると姉妹会社のエアアジア・エックス(AAX)でも整理解雇が検討されている。AAXのベンヤミン・イスマイルCEOは先ごろ、10月末までに「ラストイン、ファーストアウト(後入先出)」に基いて数百人の人員削減を実施すると発表した。またAAXでは、一部の従業員を対象とした6カ月間または状況が改善するまでの無給休暇取得や、基本給の全面的な見直しを実施する予定だという。
エアアジア・グループは6月初めに、250人以上の人員を削減している。
(ザ・スター、9月29日、ベルナマ通信、9月28日)
ファンジャパン、外国人スタッフに質問できるセミナー開催
【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 日本好きの外国人を対象としたコミュニティサイト「FUN! JAPAN」を運営するファン・ジャパン・コミュニケーションズ(本社・東京都港区)は、「外国人スタッフに直接質問できる座談会型セミナーベトナム・タイ・マレーシア編」を開催すると発表した。
ファン・ジャパンは、消費者の声を聞かずにマーケティングを行うことは困難だと指摘。海外となると社会や経済、好みや風習など日本とは異なる部分が多くあり、消費者を理解することはより一層難しい上、海外とひとくくりにすることはできず、その国ごとの特性があるとした。日本から直接現地の意見や声を収集することは難しいことから、同社に在籍する海外出身(マレーシア・タイ・ベトナム)のスタッフに直接質問を投げかけることのできる座談会型のセミナーを企画したと説明した。
セミナーの参加対象は、海外展開および訪日インバウンドの実務・マーケティング担当。10月2日の17時ー18時にかけてウェブセミナー開催する。参加料金は無料で、先着で200人が参加できる。
質問は、事前アンケートに記入する形で質問内容を受け付ける。セミナーの申込み完了後、送られてくる完了通知に記載されているURLより事前アンケートに質問することができるという。
感染者急増のサバ州の4地区、強化行動制限令対象に指定
【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 イスマイル・サブリ・ヤアコブ上級相(兼国防相)は28日、サバ州の4地区(ラハドダトゥ、タワウ、クナック、センポルナ)を強化行動制限令(TEMCO)対象地域に指定すると発表した。
TEMCOは特定のエリアを対象とした事実上のロックダウン(封鎖)で、96万2,661人の住民が影響を受ける。サブリ上級相は「保健相の助言を受けてTEMCO指定を決めた」と説明した。
指定期間は9月29日から10月12日までの2週間。指定地域住民は域外に出ることはできず、外部からの立ち入りも禁止される。必需品とサービスを除いて、すべての経済活動は停止となる。指定地域には医療拠点が開設される。
これらの地区では新型コロナウイルス「Covid-19」新規感染件数が9月1日から27日にかけて1,195件に上っており、内訳はタワウが634件、センポルナが255件、ラハドダトゥが241件、クナックが65件となっている。
サバ州への渡航歴のある人を経由して他州で感染クラスタが発生するケースも起きており、セランゴール州では9月13日から16日までタワウとセンポルナを旅行した夫婦を介したクラスタが発生している。
新型コロナ感染者が新たに101人、3日連続で3桁に
【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は29日、新型コロナウイルス「Covid-19」の感染者数が前日から101人増えて1万1,135人になったと発表した。新規感染者数が3日連続で3桁となった。
新規感染者のうち97人が国内感染者。サバ州で73人、セランゴール州で14人、ジョホール州で2人と、クアラルンプール(KL)、プトラジャヤ、ペナン州、ペラ州、ペルリス州、マラッカ州、ケダ州、クランタン州でそれぞれ1人確認された。残り4人は海外で感染した帰国者だった。新たに50人が退院し治癒者数は9,939人に増加した。死者数はゼロで134人を維持した。
保健省のノール・ヒシャム事務次官によると、セランゴール州で新たなクラスター「ジャランアパス・クラスター」が発生した。9月13ー16日間にサバ州タワウとセンポルナを訪れた夫婦が関連している。保健省はこれまでに接触者66人を特定し、6人の感染を確認した。
サバ州ではクラスター内感染が拡大しており、ラハダトゥ警察署が関連する「ベンテンLDクラスター」では感染者数が873人に上った。センポルナの「バンガウバンガウ・クラスター」は225人で、医療センターが関連する「スンガイ・クラスター」は99人、クナクの「プラウ・クラスター」は49人となった。