ペナン島ー本土を結ぶ「CATブリッジバス」、運行開始

【ジョージタウン】 ペナン州政府とバス事業者のラピッド・ペナンは、ペナン島と本土を結ぶ新しいバスサービス「CATブリッジバス」の運行を開始した。12月31日までを試運転期間とし無料で運行する。
CATブリッジバスは、本土の停車駅であるホテル・ザ・ブランケット(セベランジャヤ)を出発し「メガモール・ペナン」や「クイーンズベイ・モール」に停車後、ブキジャンブル・ハブとバヤン・バル・ハブに向かう。その後3路線に分岐しそれぞれの自由工業地域(FIZ)に到着する。運行時間は午前6時から午後11時まで。合計18台のバスを15分から1時間間隔で運行する。
CATブリッジバスの導入に伴い、セベランジャヤとFIZおよびバヤン・レパス工業団地を繋ぐ「ベストFIZバス」サービスは終了する。
(ポールタン、9月9日)

エアアジア、エンジニアリング子会社を設立

【セパン=マレーシアBIZナビ】 格安航空のエアアジア・グループは9日、新たな完全子会社としてアジア・デジタル・エンジニアリング(ADE)を立ち上げたと発表した。エアアジア・グループのみならず他の民間航空会社向けにエンジニアリング・サービスを提供する。
ADEは、セランゴール州セパンにあるエアアジア・グループのグローバル本部、レッドQを拠点にライン保守、エンジニアリング・サポート、部品・倉庫サービス、デジタルサービスなどを提供する。また第4次産業革命(インダストリー4.0)の推進を図り、最新の自動化、ビックデータ分析、予測メンテナンス、機械学習、人工知能など最新のテクノロジーを活用して機体の安全性と生産性、効率性を高めることで、メンテナンスコストを10%下げることが可能だという。
トニー・フェルナンデス最高経営責任者(CEO)によると、ADEは主要なデータやテクノロジーを駆使して保守・修理・オーバーホール(MRO)サービスの提供を提供する。当面はエアアジア・グループの航空機を対象にサービスを行うという。

中銀バンクネガラ、政策金利を1.75%で据え置き

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 中央銀行バンク・ネガラは10日、定例金融政策会合(MPC)を開催し、政策金利である翌日物政策金利(OPR)を1.75%で維持することを決定した。中銀は7月にも0.25ポイント引き下げていた。
中銀は声明の中で、政策金利を1.75%で維持した理由について、今年はこれまで125ベーシスポイント引き下げたことから、経済を刺激し続けることができると判断したと説明。また原油価格が大幅に下落していることを受けて今年通年のヘッドライン・インフレ率はマイナスとなることが予想されるとして、現行の水準が適切であると判断したと明らかにした。
また中銀は世界経済について、多くの国で新型コロナウイルス「Covid-19」の感染拡大を防ぐために実施されていた規制が緩和され、強力な政策支援が行われていることで、世界経済は改善の兆しを見せていると指摘。製造施設で稼働が再開し、貿易活動も再開したものの、サービス業では回復スピードは遅いとした。リスク回避を実施しながらも、財政の状況は改善を見せていると指摘。コロナウイルスが再流行する可能性も拭えない状況にあることや、労働市場の軟化など世界経済へのマイナスのリスクは依然あるとした。
マレーシアについても、経済活動が再開したことで、様々な統計が労働市場や消費、貿易が回復していることを示していると指摘。また景気対策や金融政策が回復を下支えしているとした。2021年にかけてこの回復基調は続くと予想したが、国内外での新型コロナウイルスにより国内外の経済を取り巻く環境の見通しが不透明であることや労働市場の弱さがあるとしてダウンサイドリスクに晒されているとした。

小売&飲食店は午前2時まで営業可に=上級相

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 イスマイル・サブリ・ヤアコブ上級相(兼国防相)は10日、新型コロナウイルス「Covid-19」感染拡大抑制のために規制されていた小売店と飲食店の営業時間について深夜午前2時まで認めると発表した。

 これまで認められていた深夜零時までの営業時間では経営がなり立たないとするオーナーからの要望を受けたもので、国家安全委員会(NSC)が決定した。

 サブリ上級相はまた、クラスターが発生しているケダ州コタ・セタル地区とサバ州タワウ刑務所を9月25日まで14日間、強化行動制限令(EMCO)の指定地域とすると発表した。他の地区からの出入りは禁止されるほか、宗教施設、教育機関は閉鎖される。食料品店やガソリンスタンド、クリニックなど必須サービスのみ営業が許可される。飲食店はテイクアウトのみとなる。

 ケダ州ではワタル、シバガンガ、スンガイ——の3つのクラスターが発生していた。28のタウンシップの住民36万6,787人が影響を受ける。

 サブリ上級相はこのほか、9月7日付けで感染者数が15万人を超える23カ国の国民を対象に入国を禁止した件に言及し、過去14日間の新規感染件数や100万人あたりの発生件数、死亡人数、回復人数など6つの基準に基づいて決定したと説明した。

新型コロナ感染者は新たに45人、うち44人が集団感染

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は10日、新型コロナウイルス「Covid-19」の感染者数が前日から45人増えて9,628人になったと発表した。

新規感染者の44人は国内感染者で、それぞれサバ州(40人)とケダ州(4人)で確認された。いずれもクラスター感染だった。残り1人はブラジルで感染した入国者だった。新たに24人が退院し治癒者数は9,167人に増加した。死者数はゼロで128人を維持した。

医療従事者の感染について保健省のノール・ヒシャム事務次官によると、53%が同僚から感染したものだった。医療コミュニティ以外から感染率は22%で、無症状の感染者からの感染率は17%に止まった。

サバ州のラハダトゥ警察署が関連している「ベンテンLDクラスター」が拡大していることを受け、アブドル・ハミド・バドール警察署長(IGP)は9日、標準運用手順(SOP)および不法滞在の外国人の取り締まりを強化すると発表。すべての州、地区の警察署にSOPの監視と執行措置について徹底するよう通知し、特に感染が広がるケダ州において取り締まりを強化するよう要請したと述べた。

断水の最中にプール用の水確保?州首相夫人が否定

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 週末に首都圏クランバレーの広範囲で発生した大規模断水の最中、セランゴール州のアミルディン・シャリ首相が「自宅のプール用の水を水道会社に給水車で運ばせた」との噂がネット上でもちあがり、州首相夫人が否定する騒ぎがあった。

きっかけとなったのはマスディアナ夫人のインスタグラムに自宅のプールでくつろぐ写真と給水車が並べて掲載されたこと。見ようによっては給水車からプールに水を供給されたようにも見えることから一部のネチズンは「不適切」などと批判していた。

マスディアナ夫人は給水車からプールに水が供給された事実はないとした上で、給水車の写真は断水中に駆け回っている水道会社職員に感謝の意を示すためだったが不注意だったと謝罪した。

TKインターとメガグローバル、ビジネス交流サイトを共同運営

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 日系TKインターナショナルは7日、マレーシアの週刊日本語フリーペーパー「ウイークリーMタウン」を発行するメガ・グローバル・メディア・マレーシアとの間で、TKインターナショナルが所有、運営するウェブサイト「マレーシア・ビジネス・コネクション」(URL: https://connection.com.my/)を共同で運営することに合意したと発表した。
「マレーシア・ビジネス・コネクション」はTKインターナショナルが2019年2月に開設したビジネス交流サイト。主にマレーシア進出企業およびマレーシア進出を検討している企業を対象として、マレーシアでのビジネスに関する専門的な情報を日本語で発信することで利用者を増やし、2020年9月現在では、月間平均1.5万人が利用するウェブサイトとなり、マレーシアの日本語によるビジネスウェブサイトとして最大規模となった。
TKインターナショナルはメガ・グローバル・メディアと共同で「マレーシア・ビジネス・コネクション」サイトを運営することにより、利用者の利便性を高めるだけではなく、コロナ禍の影響で展示会や商談会など物理的な交流機会が制限されるなか、マレーシアに進出されている企業、および今後マレーシアに進出される企業とのオンライン上での交流機会を増やし、より多くの日系企業のビジネス発展に貢献するオンライン交流サイトへと進化させていく方針だ。

上半期の外国人観光客数、68.2%減の425万人に

【プトラジャヤ=マレーシアBIZナビ】  マレーシア政府観光局(ツーリズム・マレーシア)は8日、上半期の外国人観光客数は425万2,997人で、前年比で68.2%減少したと発表した。新型コロナウイルスの感染拡大および行動制限令(MCO)が施行されたことが影響した。
国別ではシンガポールが154万1,820人でトップとなり、それに▽インドネシア(70万2,082人)▽中国(40万1,285人) ▽タイ(34万8,133人)▽インド(15万3,873人)ーーが続いた。日本は8番目に多く、7万3,201人が訪問した。
上半期の1日あたりの外国人観光客数は、171万2,140人で前年同期比で64.2%減少した。
東南アジア諸国連合(ASEAN)など近距離市場からの観光客がは、前年同期比で69.1%減少した。日本や中国、韓国などの中距離市場は69.0%マイナス。長距離市場は58.8%減少した。
観光客の支出額は125億リンギとなり、前年同期比69.8%減少した。観光客一人当たりの支出額は、同5.3%下がり2,956.10リンギとなった。日本人は4,169.9リンギで1.4%増えた。

酒販売規制強化求める声、飲酒運転罰則強化の陰で

飲酒運転による重大交通事故が続発したことを機に高まった罰則強化を求める声を受け、飲酒運転に対する罰則強化を盛り込んだ「2020年道路交通法(改正)」法案が8月26日、下院議会で可決された。

飲酒運転の罰則(初犯)はこれまでの罰金1,000リンギ以下から罰金1,000—5,000リンギに、死亡事故を起こした場合は禁固10年以上15年以下、及び罰金5万リンギ以上10万リンギ以下に、免許取り消し期間は10年にそれぞれ引き上げられた。飲酒運転の定義も強化され、呼気中のアルコール濃度はこれまでの0.35mg/Lから0.22mg/Lに、血中アルコール濃度が同0.8mg/ml(0.08%)から0.5mg/mlにそれぞれ引き上げられた。

これまでユルいと言われていた飲酒運転に対する罰則強化は妥当なところだが、同法案の審議の過程では、飲酒を禁忌としているマレー系議員からアルコール飲料の販売そのものに対する規制強化を求める声が次々と上がった。

イスラム原理主義政党、汎マレーシア・イスラム党(PAS)のアハマド・ファドリ・シャアリ議員(パシルマス選挙区)は、「アルコール飲料がなくなれば、厳格な法律を導入する必要なく、飲酒運転の問題を解決できる」と言明。暫定的な措置としては酒場の周辺での駐車を制限し、利用者が公共交通機関や配車サービスを使うよう仕向けることを提案した。

統一マレー国民組織(UMNO)のノー・オマル議員(タンジョン・カラン選挙区)は、米カリフォルニア州では午前2時から午前6時まで、シンガポールでは午後10時半から午前7時までアルコール飲料の販売を禁止している例を挙げ、アルコール飲料の販売時間を制限して24時間販売を禁止すべきと提言。酒場の前で警察官が店を出る者のアルコール濃度をチェックして車を運転させないようにすることを提案した。

ウィー・カション運輸相は、アルコール飲料の販売制限については住宅地方自治省の管轄だと回答。あくまで法改正は飲酒運転を取り締まるためのものだとし、非ムスリムの飲酒の権利に対する配慮をみせている。しかしアルコール小売の管轄官庁である住宅地方自治省のイスマイル・アブドル・ムタイブ副相は、「全国の食料品店におけるアルコール飲料の販売規則を見直す必要があることに同意する」と言明。「アルコール飲料の販売ライセンスは関税局の管轄下にあるが、アルコール飲料が地域社会にプラスの効果よりもマイナスの効果をもたらしていることを考えると、住宅地方自治省としては食料品店での販売規制を検討する必要があると考えている」と述べた。

すでにクアラルンプール市役所(DBKL)は、販売ライセンスの新規発行を凍結しており、再開するメドはたっていない。非ムスリムからは規制強化に対して批判の声が上がっている。

安定多数の議席をもたないムヒディン・ヤシン政権は、実質的にPASとUMNOという二大マレー政党に支えられている。マレー有権者受けする政策に偏ることは避け難く、アルコール飲料販売規制強化も避け難い情勢にある。

(マレーシアBIZナビ編集部)

この記事を書いた人

東海岸鉄道線の路線、BN政権時代の計画に変更へ

【クアラルンプール】 東海岸鉄道線(ECRL、全長約600キロメートル)の路線計画について、ハスビ・ハビボラ副運輸相は、C区間についてパハン州ベントン、セランゴール州ゴンバックを通りセランゴール州クラン港を結ぶ国民戦線(BN)時代に決定された路線案に戻すために調整中であると明らかにした。
国会の質疑応答でECRLの路線について聞かれたハスビ副大臣は、PH政権が提案していたパハン州メンタカブからセランゴール州クラン・ウェストポートをつなぐ路線から原案に戻すために、コストや事業計画を調整していると説明。中国政府や主要な請負業者と再交渉し、交渉結果を、閣議提出するとした。
ハスビ副大臣は、路線計画の見直しの理由については、マレーシア国鉄(マレー鉄道=KTMB)が有する路線ネットワークと統合することができると説明。またセレンダ駅をECRLとKTMの乗り換え駅とすることができるとした。
ECRLはC区間の他、A区間(クランタン州コタバルートレンガヌ州ドゥングン)、B区間(ドゥングンーメンタカブ)がある。
(ベルナマ通信、エッジ、9月8日)