7月のクレジットカードの利用額、4月に比べて2倍に

【クアラルンプール】 2020年7月のクレジットカードの利用額は102億500万リンギとなり、4月の53億リンギから2倍となった。
2019年7月は102億6,000万リンギだった。クレジットカードの利用は新型コロナウイルス「Covid−19」流行を受けて一旦落ち込んだものの、流行前とほぼ同じ水準に戻っていることがわかった。
CIMBグループ・ホールディングスによると、食料品や食事、日用品の購入の他、電子商取引(Eコマース、EC)プラットフォームでクレジットカードの利用が多かった。
マラヤン・バンキング(メイバンク)によると、ライフスタイル分野では特に自動車の購入が増加した。短期的復興計画「国家経済復興計画(PENJANA)」に盛り込まれた自動車関連の売上税減税が奏功したとみられる。また在宅の時間が多くなったことで、家具の購入や、内装、リフォームなどにも支出する傾向があった。復興のための行動制限令(RMCO)に入ってからは、国内旅行が増加し、ホテルや旅費関連の支出が増加。また外食や、ガソリンへの支出も増えた。
カードの利用が増える一方で、未払いの残高も増える傾向にあるが、増加率は4%程度であり、低いレベルに止まっている。
(エッジ、9月30日)

向こう10年の経済成長は年率3.4%程度、フィッチが予想

【クアラルンプール】 フィッチ・ソリューションズは、過去10年間で年平均6.4%だったマレーシアの国内総生産(GDP)成長率が、新型コロナウイルス「Covid-19」の影響で向こう10年間は3.4%程度にとどまるとの予想を示した。
フィッチはさらに、希望同盟(PH)政権が倒れた後の高まる政治的不確実性が政策の継続性と改革の勢いを削ぐことになり、人口増加率の急速な頭打ちや経済活性化に向けた経済対策を行なうための財政的余地が狭まることと相まって、今後10年の低成長が予想されると指摘。「低レベルの工業化によってもたらされた経済成長路線を使い果たしたマレーシアは、中所得国の罠から逃れるために経済を改善しなければならない」とした。
フィッチは政治的不安定の中、ポピュリズムに訴える政治家が保護主義に走ることで外国直接投資(FDI)誘致競争においてベトナムなどに遅れをとることになり、時間経過とともにビジネス環境が悪化する可能性があると指摘。また最近の政治家や政党のくら替えの動きは汚職の復活のリスクを秘めており、投資家心理を悪化させることになると懸念を示した。
その上でフィッチは、マレーシア経済が輸出主導の成長から国内の個人消費主導へとリバランスが進むだろうとし、こうした経済リバランスの動きは全体的な実質GDP成長の足かせとなるが、同時に個人消費の成長が伸び海外需要ではなく国内の中産階級に対応するための投資機会を生み出すだろうとした。

(ザ・サン、10月1日、マレー・メイル、9月30日)

新型コロナ感染者は新たに260人、4カ月ぶりに200人超える

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は1日、新型コロナウイルス「Covid-19」の感染者数が前日から260人増えて1万1,484人になったと発表した。新規感染者数が200人に達するのは6月4日以来、およそ4カ月ぶり。
新規感染者のうち259人が国内感染者で、残り1人は海外で感染した帰国者だった。新たに47人が退院し治癒者数は1万14人に増加した。死者数はゼロで136人を維持した。
1人の感染者が平均何人に感染させるかを示す実効再生産数(RT)について保健省のノール・ヒシャム事務次官は、セランゴール州で1.95に達し、サバ州の1.29を超えたと言明。標準的運用手順(SOP)を順守しなげれば、RTが上昇する可能性があると強調した。RTは1未満であれば感染収束の可能性が高く、2を超える場合は感染数が倍増する可能性を示す。
またノール事務次官は9月30日、同日に確認された国内感染者86人のうち25人が東マレーシアへの旅行歴があったと明らかにした。これらの感染者はセランゴール州で5人、サラワク州、トレンガヌ州、クアラルンプール(KL)でそれぞれ3人、ケダ州、パハン州、ペルリス州でそれぞれ2人と、ジョホール州、ネグリ・センビラン州、ペラ州、ペナン州、ラブアンでそれぞれ1人確認された。

感染者急増のサバ州、地区間の移動を14日間禁止

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 イスマイル・サブリ・ヤアコブ上級相(兼国防相)は1日、新型コロナウイルス「Covid-19」感染が急速に拡大しているサバ州について、同州内の地区間移動を3日午前零時から16日まで14日間禁止にすると発表した。
サバ州の地区間移動禁止措置は同日の特別閣議で決定された。食料、医薬品、治安維持など必須サービスについては地区を跨いだ移動が認められる。州内州外に関わらず、隔離期間中の人が隔離を終えて州内の自宅に戻ることは認められる。
また9月28日に発表された4地区(ラハドダトゥ、タワウ、クナック、センポルナ)の強化行動制限令(TEMCO)指定はそのまま有効となる。9月29日から10月12日までの2週間、指定地域住民は域外に出ることはできず、外部からの立ち入りも禁止される。必需品とサービスを除いて、すべての経済活動は停止となる。指定地域には医療拠点が開設される。
サバ州の新規感染者数は南部を中心に拡大をみせており、9月27日が124人、9月28日が98人、9月29日が73人、9月30日が35人となっている。同州訪問者が感染を再拡大させたとみられるクラスターがセランゴール州などで発生するなど新たな火種となっている。