フェイクニュース、「政治関連」が37%占める

【クアラルンプール】 マレーシア通信マルチメディア委員会(MCMC)は、フェイクニュースで最も多いのが政治に関するもので全体の37%を占めていると明らかにした。

フェイクニュースの追跡調査を行なっている「Sebenarnya.my」によると、生活費支援計画(BSH)や国民支援計画(BPN)などの政策に関するニセ情報、公文書の流出、公的ソーシャルメディアのなりすましといった政府絡みのものが最も多かった。

次いで多かったのは犯罪及び保健衛生に関するもので、犯罪に関するものは詐欺や誘拐、臓器売買に関するもの、保健衛生に関するものは新型コロナウイルス「Covid-19」やその感染者に関するニセ情報が多かった。

また消費者情報に関するものも13%と多く、ハラル(イスラムの戒律に則った)や食品汚染、無許可製品に関するニセ情報が多かった。

「Sebenarnya.my」は2017年3月に立ち上げられ、月平均480万件の閲覧を記録した。一般市民からも1万1,000件を超える情報提供を受けているという。

(ザ・スター、10月11日)

首都圏でのCMCO発令、経済下ぶれリスクに

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 首都圏クランバレー(セランゴール州、クアラルンプール=KL、プトラジャヤ)とサバ州で条件付き行動制限令(CMCO)が施行されたことを受け、エコノミストらは経済の下ぶれリスクになるとみている。
CGS-CIMBは、CMCOに指定された地域がマレーシアの国内総生産(GDP)の46.6%を占めている点(セランゴール州24.2%、KL&プトラジャヤ16.4%、サバ州6.0%)を指摘。2週間のCMCOが、個人消費の減少により企業収益の回復が遠のくとの懸念から市場心理を悪化させるとした。
CGS-CIMBによると、影響を受けそうな業種は、醸造業者(販売減)、建設(工事の中断)、消費関連(客足減少、外食減少、コンビニの営業時間短縮)、公営賭博・宝くじ(売上減少、旅行制限によるゲンティンハイランドへの客足減少)、不動産投信(REIT、ショッピングモールの客足減少、テナントの売上減少、ホテル予約キャンセル)、運輸(国内旅行の回復の鈍化)、銀行(OPRの更なる引き下げ可能性)。
一方MIDFリサーチは、影響を受ける業種についてはほぼ同意見だが、eコマース、宅配サービス、eウォレットやオンラインバンキングなどのオンライン・サービスの利用拡大によって促進されるオンライン購入の増加によって、個人消費が下支えされると指摘。第4四半期のGDPに与える影響は限定的だとして現状の通年GDP成長予想(マイナス4.8%)を維持するとした。

来年度予算は経済的弱者の支援などに注力=ムヒディン首相

【クアラルンプール】 ムヒディン・ヤシン首相は、2021年度予算案について「新型コロナウイルス感染拡大の影響を被った経済的に脆弱なグループに的を絞った支援など4つの項目に注力する」と明らかにした。予算案は11月6日に下院議会に提出される予定。

 ムヒディン首相はテレビ討論形式で行なわれた記者会見の中で、政府が約3,000億リンギにのぼる様々な経済対策を実施したものの多くのグループが新型コロナの影響を受けたと指摘。「来年度予算はこうしたグループに別の形の支援を提供することになる」と述べた。
また弱者支援措置が実施された後には、二番目の注力項目としてインセンティブを通した産業支援を行なうとし、それにはサービス提供の強化と持続可能な生活環境の発展が含まれると指摘。世帯所得下位の40%(B40)が貧困レベルに落ち込むのを防止するための協力なセーフティネットを構築するとした。
ムヒディン首相はその上で、予算の焦点はこれまで通り国民の命と生計を救うことにあるとし、国民支援、ビジネス支援、経済の継続的な強化——という3つの主要な柱に焦点を当てるとした。
(ベルナマ通信、10月13日)

新型コロナ感染者は新たに660人、サバ州では429人が感染

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は14日、新型コロナウイルス「Covid-19」の感染者数が前日から660人(うち6人が海外で感染した帰国者)増えて、1万7,540人になったと発表した。
州別の感染者数は▽サバ州(429人)▽ケダ州(113人)▽セランゴール州(68人)▽ペナン島(17人)▽クアラルンプール(KL、12人)▽ラブアン(8人)▽ジョホール州(3人)▽ペラ州(3人)▽サラワク州(3人)▽マラッカ州(2人)▽ネグリ・センビラン州(1人)▽プトラジャヤ(1人)ーーとなった。新たに233人が退院し治癒者数は1万1,605人に増加した。死者数は4人増えて167人になった。
保健省のノール・ヒシャム事務次官によると、国内で発生している23つのクラスターが、サバ州からの入州者に関連していることが分かった。保健省は9月22日ー10月13日間において、サバ州からの入州者1万8,478人のスクリーニング検査を実施。うち394人の感染者を検出した。感染者の228人(57.9%)は9月22日ー27日間、残り166人は9月28日以降にそれぞれ確認された。
保健省は9月27日からすべてのサバ州からの入州者に対して、検査受診および結果が出るまでの自宅隔離措置を発令し、10月11日以降においては14日間の自宅隔離を命じている。

新型コロナウイルス、ASEANの状況

10月12日、KL、スランゴール、プトラジャヤに対して10月14日から27日までの間、条件付き活動制限令(CMCO)が再度発令されることが発表されました。

地図は、Googleの人流データに基づいて、ASEAN各国の9月30日〜10月6日の職場への人の移動の増減を新型コロナウイルス流行前と比較して色分けしたものです。現在、ASEANで最も職場への移動が減っているのはミャンマーで54%減となっています。これは、マレーシアの過去状況に当てはめるとMCO期に相当します。

逆に状況が良いのはベトナムで、新型コロナウイルス流行前よりも職場への移動が増加しています。タイについても、職場への移動は10%減にとどまっています。

マレーシアの職場への移動は15%減、状況が近いのはカンボジアとラオスで、ともに19%減となっています。一段状況が悪いのはインドネシアとフィリピンで、職場への移動はそれぞれ23%、35%減少しています。これはマレーシアではCMCO期に相当します。

アジアではこれまで感染が少なかったネパールとミャンマー、マレーシアで新規感染者が急増しています。ただ、マレーシアについては欧米と比較すれば感染者数は少なく、適切な政策で抑制可能と考えられます。今回の措置も、首都圏での感染爆発を防ぐための予防的措置と考えられます。

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入国時の二週間隔離、プレミアムホテルが選択可能に

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 マレーシア国家災害管理局(Nadma)は12日、マレーシア入国の際に義務づけられている14日間の隔離について、これまでの政府指定の隔離施設での隔離に加え、プレミアムホテルでの隔離を選択できるよう規定を変更した。

在マレーシア日本大使館によると、マレーシアに入国する者は監視対象者(PUS)に指定されるが、プレミアムホテルでの隔離を望む場合はマレーシア入国3日前に、「MySejahtera Quarantine(隔離)」(http://www.nadma.gov.my/info/pendaftaran-kemasukan-ke-malaysia)を通じてリクエストする必要がある。

クアラルンプール新国際空港(KLIA)からホテルまでのリムジンサービス、多様な食事オプションなど特典が付くが、自身で全額負担しなければならない。プレミアムホテルの宿泊料に加え、2,600リンギの隔離運営経費(固定額)がかかる。

現時点では▽マリオット・プトラジャヤ▽サマサマKLIA▽ドーセット・スバン▽ヒルトン・ペタリンジャヤ▽ヒルトン・ガーデン・イン・プチョン▽グランド・ミレニアム・ブキビンタン▽イスタナKL▽インピアンKL▽スイス・ガーデンKL——が掲載されているという。