【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 首都圏で発令されている条件付き行動制限令(CMCO)が11月9日まで延長されたことについて、通産省(Miti)は27日、管理職を対象とした在宅勤務(WFH)令がCMCO期間中は引き続き有効となると明らかにした。
WFHが出されていたのは、セランゴール州、クアラルンプール(KL)、プトラジャヤ——の3地域のMiti管轄下にあるセクターの管理職で、出勤の必要がある会計、財務、総務、法務、プランニング、ICTに携わる管理職のうち10%のみが午前10時から午後2時まで最大4時間、週3日のみ出勤が認められている。通勤を認める条件として、雇用主が発行した同意書の持参が求められる。
■クアラランガットの一部などでEMCO■
イスマイル・サブリ・ヤアコブ上級相(兼国防相)は27日、セランゴール州クアラランガットの「スンガイ・エマス」アパートとフルランガットの「プラザ・ヘンティアン・カジャン」を10月28日から11月10日まで強化行動制限令(EMCO)に指定し封鎖すると発表した。それぞれ42人、63人の感染者が出るクラスタとなっている。
また27人の感染者が出ているサラワク州クチンのカンポン・ハジ・バキもEMCOに指定した。
新型コロナ感染者は新たに835人、410人がサバ州で感染
【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は27日、新型コロナウイルス「Covid-
州別の感染者数は▽サバ州(410人)▽ネグリ・センビラン州(
保健省のノール・ヒシャム事務次官によると、
マレーシアのeコマース市場、東南アジアで魅力的=調査
【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 会計事務所のデロイトが、デジタルライフについて▽マレーシア▽シンガポール▽タイ▽インドネシア▽フィリピン▽インド▽バングラデシュ▽パキスタンーーの8カ国を対象にした調査レポート「ネクスト・ウェーブ」を発表。マレーシアの電子商取引(eコマース)市場は、着実に成長且つ国内総生産(GDP)に貢献しており2018年には市場規模が約280億米ドルに達し、東南アジアにおいて魅力的な市場だと指摘した。
2020年においてマレーシアで最もユーザー数が多い電子商取引(eコマース)は「タッチ・アンド・ゴー(TNG)」で82.41%。これに▽「ブースト」(66.68%)▽「グラブペイ」(49.48%)▽「イーウォレッツ」(30.13%)がーーが続いた。ソーシャルメディアの総ユーザー数は2016年の60%から81%に増加。登録数が最も多いのは「フェイスブック」で、これに「インスタグラム」、「フェイスブック・メッセンジャー」、「リンクドイン」が続いた。
マレーシアのソーシャルメディアの普及率は、8カ国の中で最も高く81%に上った。シンガポールは79%で、タイが75%だった。1日あたりのソーシャルメディア平均利用量は、2時間45分で8カ国中4位。フィリピンがトップで3時間53分、2位と3位はインドネシア(3時間26分)とタイ(2時間55分)だった。スマートフォンの普及率は83%で2位。1位がシンガポール(87%)、3位はタイ(75%)となった。
デトロイトはレポートの中で、21ー40歳の消費者が新型コロナウイルス「Covid-19」大流行後においてデジタルライフを促進させる主要層になると指摘した。
コロナワクチン、来年Q1に供給開始を予定
【プトラジャヤ】 マレーシア保健省(MOH)と科学技術革新省(MOSTI)は24日に共同声明を発表し、来年第1四半期に新型コロナウイルス「Covid-19」ワクチンの供給開始を予定していることを明らかにした。
医師、看護師、警察、刑務所、出入国管理局などの保健・治安に関係する最前線のスタッフに優先的に供給する。これまでに臨床試験の第3段階にある8種のワクチンを供給元候補としてリストアップし、供給確保に向けた折衝を続けている。このほかマレーシア政府は、ワクチンを世界各国で共同購入して分配する国際的枠組み「COVAX(コバックス)」との交渉もすでに終えているという。財務省の新型コロナ基金によって購入資金を賄う。
同日はアドハム・ババ保健相とカイリー・ジャマルディン科学技術革新相が共同議長を務める特別委員会が開催され、各関係省庁を横断した4つの小委員会設置で合意した。小委員会では、▽国家予防接種政策▽適切なワクチンの選択▽ロジスティクス登録▽ワクチン開発▽資金および調達▽ワクチン調達に関連するコミュニケーション——に関して検討を行う。
(ベルナマ通信、10月24日)
首都圏の公共交通機関、CMCO解除まで運行回数を減少
【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 公共輸送機関を管轄するプラサラナ・マレーシアは、自社が運営する鉄道およびバスサービスについて、26日から首都圏に出されている条件付き行動制限令(CMCO)が解除されるまでの間、運行回数を減らすと明らかにした。
CMCOに伴い乗客が大幅に減少したため、軽便鉄道(LRT)、大量高速輸送(MRT)、モノレール、RapidバスとMRTシャトルバスの運航回数を減らす。始発および最終の時間は変わらない。
■東海岸鉄道線とLRT3号線の建設状況は順調■
マレーシア・レール・リンク(MRL)のダルウィス・アブドル・ラザク最高経営責任者(CEO)は、同社が推進する東海岸鉄道線(ECRL)の大規模な鉄道敷設プロジェクトについて、新型コロナウイルス「Covid-19」の感染拡大を防ぐために施行された行動制限令(MCO)の影響で一時的に混乱が生じたものの、工事は順調に進んでいると明らかにした。予定よりも早く進んでいるとし、現在の進捗状況は18.10%であると言明。MCOでの遅れはわずか0.02%だったとした。
一方でLRT3号線プロジェクトの管理パートナーであるソート・パートナーズ・グループ・コンサルティング(TPG)の創設者アビ・ソフィアン・アブドル・ハミド氏は、予定通り2024年2月に完成する予定で、進捗状況は33.12%となっていると明らかにした。またMRTコーポレーションによると、MRT2号線(SSP)の進捗状況は8月時点で79.2%となっている。クワサ・ダマンサラとカンポン・バトゥを結ぶ第1期は2021年まで、残りは2022年までに運行を開始できる予定だ。
新型コロナの新規感染者数、過去最多の1240人
【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は26日、新型コロナウイルス「Covid-19」の感染者数が前日から1,240人(うち2人が海外で感染した帰国者)増えて、2万7,805人になったと発表した。
州別の感染者数は▽サバ州(927人)▽セランゴール州(177人)▽ペナン島(61人)▽ネグリ・センビラン州(25人)▽クアラルンプール(KL、17人)▽ペラ州(8人)▽サラワク州(7人)▽ラブアン(6人)▽ジョホール州(4人)▽ケダ州(3人)▽トレンガヌ州(3人)▽マラッカ州(2人)ーーとなった。新たに691人が退院し治癒者数は1万7,825人に増加した。死者数は7人増えて236人になった。
保健省のノール・ヒシャム事務次官は24日、現在病床が不足する事態には陥っていないと強調した上で、今後感染者の受け入れが限界に達した場合は無症状や症状が軽い患者の自宅療養を認める方針だと明らかにした。
ノール事務次官によると感染第3波の影響を最も受けているサバ州では、病院9施設の総病床数(1,123床)の70%が埋まっており、検疫・低リスクセンター31施設(4,730床)では30%が使用されている。集中治療室(ICU、127床)の病床稼働率は77%に上るが、既に他のICUが確保されているという。保健省は、病院の病床稼働率が70%に達したため、病歴のない60歳未満のステージ3の患者(肺炎の症状が出た患者)を低リスクセンターへ移送する計画を検討している。
首都圏の条件付き行動制限令、11月9日まで延長
【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】イスマイル・サブリ・ヤアコブ上級相(兼国防相)は26日、首都圏のセランゴール州、クアラルンプール(KL)、プトラジャヤに発令していた条件付き行動制限令(CMCO)を11月9日まで二週間延長すると発表した。
首都圏におけるCMCO発令期限は10月14日から27日までとなっていたが、保健省が新型コロナウイルス「Covid-19」感染拡大リスクが軽減されていないと判断した。
サブリ上級相は25日、サバ州全体の発令されているCMCOを11月9日まで14日間延長すると発表した。同州のCMCOは10月6日に発令され、10月26日までとなっていた。サブリ上級相はまた、強化行動制限令(EMCO)に指定されているサバ州タワウ、ラハドダトゥ、クナック、センポルナ——の4地区に条件付き運動管理命令(CMCO)を拡大適用すると発表した。
マレーシア人の4分の1、「新型コロナで失業や仕事が不安」
【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 英国の世論調査会社「YouGov」がマレーシアのフルタイム労働者665人を対象に実施した調査によると、回答者の4分の1は新型コロナウイルス「Covid-19」の大流行下において失業や仕事の不安を感じていることがわかった。新型コロナ流行前より5%増えた。
失業や仕事について19%が「やや不安」、6%が「非常に不安」と回答。57%は「安心している」、18%は「どちらでもない」と答えた。中所得者(世帯の収入月額が4,000ー7,999リンギ)は64%が仕事に対して安心感を感じており、低所得者(同4,000リンギ未満)の53%を上回った。
失業に対してのストレスについては、92%が「感じる」、8%が「まったく感じない」と回答。ストレスを感じると答えた者の47%は「やや感じる」、23%が「非常に感じる」または「少し感じる」と答えた。失業した場合に現職と同様の賃金や手当で他の仕事を見つけることができると考えているのは7%に止まり、71%が「難しい」、 40%が「やや難しい」、31%が「非常に難しい」、18%が「分からない」と回答。新しい仕事を見つけるまでの期間について18%は「3ー6カ月」、23%は「6カ月ー1年」、15%は「1年以上」、15%は「分からない」と回答した。
現在の役職・職種で他の仕事に就けるが現行の賃金より安くなる場合、41%は「マイナス20%まで受け入れる」、20%が「マイナス21ー40%まで受け入れる」、13%が「マイナス40%以上でも受け入れる」と回答。26%は「受け入れない」と答えた。また、男性(23%)よりも女性(29%)の方が賃金のカットを受け入れる姿勢であることが分かった。
コロナ現感染者数が11月4日に1万人超、専門家が予測
【クアラルンプール】 新型コロナウイルス「Covid-19」感染拡大の第3波が発生し、1日あたりの新規感染者数が800人前後(半数以上がサバ州で感染)に上っていることについて医療専門家らは、抜本的な対策を講じなければ、11月4日までにアクティブケース(現感染者数)が1万人を超える可能性があると見ている。
スルタン・ザイナル・アビディン大学の公衆衛生の専門家であるサフィヤ・アマラン教授は、11月4日に現感染者数が1万人を超えるピークに達し、標準運用手順(SOP)を完全に順守できれば12月23日にかけて段階的に感染者数が減少すると予測。最悪のシナリオとしては、11月4日のピークから来年3月に掛けて徐々に減少するとの見方を示した。またセランゴール州については、国家安全評議会(NSC)のデータに基づくと州内のクラスターの35%が職場で発生しており、人口密度および経済活動の規模からして状況がさらに悪化すると指摘。対策として社会的距離を保つことが重要だとし、集団行動においては6人以下(クランバレーでは2ー3人)で行動すべきと述べた。
疫学者で生物統計学者のマリナ・オスマン教授は、現感染者数が11月上旬ー中旬で最大1万4,000ー1万5,000人に上るとの予測を示した。
疫学者のアワン・ブルギバ・アワン・マハムド教授は、感染者数が最も多いサバ州について、医療施設が最良の状態ではなく、状況を管理できていないと指摘。州に追加の医療従事者や設備を送るだけでは不十分であり、医療従事者の感染リスクを軽減するため電動ファン付き呼吸用保護具(PAPR)や個人用保護具(PPE)を追加投入し、一時的に完全な行動制限令(MCO)を発令すべきとの考えを示した。
マラヤ大学の公衆衛生の専門家であるサンジャイ・ランパル教授は、医療従事者の不足を防ぐため病院内の感染蔓延を防ぐ対応プログラムが必要だと言明。マレーシア全体の感染者数については、ここ数週間で急増しているものの他国ほど深刻な状況ではないとした。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ザ・サン、10月23日)
サバ州で医療崩壊の危機、99.5%のベッドが埋まる
【コタキナバル=マレーシアBIZナビ】 新型コロナウイルス「Covid-19」感染者が急増しているサバ州では、医療機関が受け入れの限界にきており医療崩壊の懸念が高まっている。
これまでベッド数が十分あると述べていたサバ州のマシディ・マンジュン地方自治住宅相は22日、症状が軽い患者については医療機関で受診した上で自宅療養を認めると言明。23日には、99.5%のベッドが埋まっていると公表し、誰を入院させ誰を自宅療養とするか優先順位を付けざるを得ない状況にあることを明らかにした。すでに州内の病院では、患者の症状の重症度を判断するためのスクリーニングを実施しているという。症状がまったくない感染者に対しては、医療機関に来る前に最大10日間の自己隔離を求めているという。
州内でコロナ感染者の治療ができる病院及び隔離治療センターの病床数は5,651床あるが、5,624床がすでに埋まっているという。連邦政府も支援に乗り出しており、保健省は800人近くの医療スタッフを動員、非政府組織なども支援も行なっている。
サバ州の新規感染者数は9月26日の州議会選挙後に徐々に増加傾向をみせ、10月11日には488人と急増、18日には702人と最高を記録しその後も500人超の高い水準で推移している。