【クアラルンプール】 国民車メーカー、プロトン・ホールディングスの本社があるセランゴール州シャアラムの組立工場で新型コロナウイルス「Covid-19」のクラスターが発生。従業員50人の感染が確認されたが、プロトンは年内に予定している新型車「X50」の発売及び生産には影響は出ないとしている。最初の感染者は研究開発部門のスタッフで、残り49人はエンジニアリング部門のスタッフだった。
プロトンは声明を発表し、「当初は発表会の開催を予定していたが、状況にそぐわないと判断し大幅に規模を縮小してバーチャルで行なうことを決定した」と言明。「X50」については「X70」と同じくペラ州タンジョン・マリム工場で組み立てるとし、「エンジニアリング部のスタッフを隔離する必要があったが、生産量に影響はないと考えている」と回答した。
「X50」はBセグメントのスポーツ車(SUV)で、中国・吉利汽車の「Binyue(繽越)」(海外での名称はクールレイ)をベースとしたモデル。9月15日の予約受付開始からわずか2週間で予約数は2万台に達した。
(マレー・メイル、ソヤチンチャウ、10月20日)
首都圏でのCMCO実施の経済的影響は(1)
マレーシアの首都圏では新型コロナウイルス感染拡大への対応とし
人の移動と経済活動の間には明確な関係があります。図1はGoogleのデータに基づく職場への移動(赤)と製造業生産指数(青)の増減を重ねたもの、図2は小売店・レジャー施設への移動(赤)と卸売・小売業販売高(青)の増減を重ねたものです。どちらのグラフも、人の移動と経済活動の間に明確な関係があること示しています。
職場への移動と製造業生産指数の増減は5月までは連動しています
小売店・レジャー施設への移動と卸売・小売業販売高の増減は基本的に連動していることが分かります(図2)。サービス業のほうが、製造業よりも人の移動との相関が高いといえます。
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CMCO地域での管理職の出勤、全体の10%まで容認
【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 アズミン・アリ上級相(兼通産相)は21日、条件付き行動制限令(CMCO)に指定された首都圏などの管理職及び責任者を対象とした22日付けの強制在宅勤務について、必須業務に限定して全管理職の最大10%まで条件付きで出勤を認めると発表した。
強制在宅勤務の対象となっているのは、CMCOが発令されているセランゴール州、クアラルンプール(KL)、プトラジャヤ、ラブアン——の4地域。必要な業務とみなして出勤が認められるのは会計、財務、総務、法務、プランニング、ICTに携わる管理職・責任者だけで、週3日のみ午前10時から午後2時までの1日最長4時間となっている。
通産省に申請する必要はないが、出勤が認められた社員向けに雇用主が同意書を発行する必要がある。対象地区の総労働人口は約310万人で、うち約25%に当たる77万6,135人が管理職員として原則的に在宅勤務を義務づけられる。
管理職を対象とする在宅勤務を義務づける措置は、新型コロナウイルス「Covid-19」感染が急拡大していることを受けて、20日にイスマイル・サブリ・ヤアコブ上級相(兼国防相)が明らかにしていた。
通勤を認める条件として雇用主が発行した同意書の持参のほか、レッドゾーンの住民に対しては感染スワブ検査の受診が求められているが、通産省の消息筋によると、スワブ検査結果に数日かかることから当面は同意書があれば出勤も認める方針だという。
なお社会保険機構(Socso)は、22日よりSocsoの認定ヘルスケアサービス施設限定でレッドゾーンの住民向けに無料で感染スワブ検査を実施すると明らかにした。
新型コロナ感染者は新たに732人、サバ州では535人感染
【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は21日、新型コロナウイルス「Covid-19」の感染者数が前日から732人(うち8人が海外で感染した帰国者)増えて、2万2,957人になったと発表した。
州別の感染者数は▽サバ州(535人)▽セランゴール州(116人)▽クアラルンプール(KL、26人)▽ペナン島(12人)▽ラブアン(9人)▽ネグリ・センビラン州(9人)▽ペラ州(7人)▽ケダ州(7人)▽プトラジャヤ(6人)▽マラッカ州(3人)▽クランタン州(1人)▽パハン州(1人)ーーとなった。新たに580人が退院し治癒者数は1万4,931人に増加した。死者数は6人増えて199人になった。
保健省は同日、セランゴール州の▽スンガイブロー(感染者数は233人)▽クラン(同134人)▽ペタリン(同94人)▽カジャン(同92人)▽ダマンサラ(同75人)▽クアラランガットのタンジュン12(1、同55人)▽カパル(同41人)ーーの7地区をレッドゾーンに指定すると発表した。
保健省のノール・ヒシャム事務次官は20日、条件付き行動制限令(CMCO)が14日から導入されたことで基本再生算数(R0)が2.2から1.5にダウンしたとした上で、CMCOを解除するにはR0を1.0未満に引き下げる必要があると述べた。
また国内で2番目に感染者数が多いセランゴール州については、R0がCMCO発令時の1.98から1.48に低下したと言明。同州ではサバ州への旅行歴がある感染者から感染が広がっており、州内の26つのアクティブクラスターのうち8つがサバ州からの帰国者が関連していると明らかにした。
アジア太平洋実力ランキング、マレーシアは10位
【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 豪州のシンクタンク、ローウィー・インスティチュートが実施したアジア太平洋国・地域の実力をランキングした「アジア・パワー・インデックス2020」で、マレーシアは前回の9位からタイに抜かれて10位に1ランクダウンした。
同調査はリソース要因として▽経済力▽軍事力▽回復力▽将来的リソース——の4分野、影響力要因として▽経済関係▽軍事ネットワーク▽外交的影響力▽文化的影響力——の4分野の合計8分野でアジア太平洋の26国・地域を100点満点で評価したもの。
マレーシアの全体スコアは20.7ポイントで、前回調査から2.1ポイント下がった。経済力は1ランクアップの11位、回復力も1ランクアップの8位、将来的リソースも1ランクアップの11位となった。一方で軍事ネットワークは5ランクダウンの12位、経済関係は2ランクダウンの9位、外国的影響力も2ランクダウンの12位となった。
分野別でランキングが最も高かったのは文化的影響力で6位。逆に最も低かったのは軍事力で16位だった。
全体トップは米国で、2位以下は中国、日本、インド、ロシア、豪州の順だった。東南アジア諸国連合(ASEAN)トップはシンガポールで全体では8位だった。
コンタクトレンズのシンシア、マレーシア子会社を閉鎖へ
【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 コンタクトレンズの製造・販売のシンシア(本社・東京都中央区)は19日、マレーシアにある非連結子会社であるシンシア・レンズの閉鎖を決めたと発表した。
シンシアは2014年4月に、20万リンギを投じてシンシア・レンズを設立。東南アジア地域におけるコンタクトレンズの販売事業を展開してきた。しかし、グループ経営の最適化の観点から、シンシア・レンズを11月30日で閉鎖し、香港における連結子会社であるシンシア・ビジョンに機能を集約することを決めた。
シンシアは今後、東南アジア地域事業を香港のシンシア・ビジョンを拠点に、営業展開を図りながら販売の拡大に努めていく方針だ。
首都圏の移動制限強化、22日から原則在宅勤務に
【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 イスマイル・サブリ・ヤアコブ上級相(兼国防相)は20日、条件付き行動制限令(CMCO)が発令されているクアラルンプール (KL)、プトラジャヤ、セランゴール州、サバ州、ラブアン——を対象に移動制限を強化すると言明。10月22日付けで、オフィス勤務者には原則在宅勤務を命じると明らかにした。
可能な限り出勤者を減らすための措置で、公的機関・民間を問わず上級幹部や管理職も含まれる。どうしても出勤する必要がある職員は、新型コロナウイルス「Covid-19」感染スワブ検査を受ける必要がある。検査費用は社会保険機構(Socso)が負担する。
在宅勤務が求められる業種の詳細なリスト、及びより厳格化された標準的運用手順(SOP)は、早急に通商産業省(MITI)が発表する。サブリ上級相は、民間で80万人、公的機関で20万人の合計100万人が影響を受ける見通しだとした上で、より厳格な強化行動制限令(EMCO)を導入するかどうかは国民の態度しだいだと述べた。
このほかサブリ上級相は、外国人警備員の間で感染が広がっている現状を踏まえ、CMCO指定地区で感染検査を義務づけると発表した。Socsoに加入している場合はSocsoがコストを負担する。
サブリ上級相は19日、CMCO指定地域を対象に感染状況が悪化した場合に強化行動制限令(EMCO)に移行する可能性について検討していることを公表。経済や国民の健康に対する影響に関して調査を実施していると明らかにしていた。
新型コロナ感染者は新たに862人、673人がサバ州で感染
【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は20日、新型コロナウイルス「Covid-19」の感染者数が前日から862人(うち2人が海外で感染した帰国者)増えて、2万2,225人になったと発表した。
州別の感染者数は▽サバ州(673人)▽セランゴール州(132人)▽ケダ州(17人)▽ペラ州(9人)▽ペナン島(8人)▽クアラルンプール(KL、7人)▽ラブアン(6人)▽ネグリ・センビラン州(6人)▽ジョホール州(1人)▽サラワク州(1人)▽クランタン州(1人)▽プトラジャヤ(1人)ーーとなった。新たに634人が退院し治癒者数は1万4,351人に増加した。死者数は3人増えて193人になった。
保健省のノール・ヒシャム事務次官によると、19日に新たなクラスターが発生し、国内のアクティブクラスターが87つに上った。同日に確認されたクラスターは▽マラッカ州マラッカテンガ、アローガジャ、ジャシンの「ブキ・クラスター」(感染者数は15人)▽セランゴール州フルランガットの「ヘンティアン・クラスター」(同7人)ーーの2つ。
ジョホール州のハスニ・モハマド首相は19日、同州における1日あたりの検査能力を1万ー3万件に増強すると明らかにした。保健省によって承認された9つの民間研究所において、1万ー3万件を実施する準備ができているとし、マレーシアーシンガポール間の通勤者を対象とした「定期通勤申し合わせ」(PCA)および業務渡航・公務出張者を対象とした「相互グリーン・レーン」(RGL)の下で国境を行き来する人々のスクリーニング検査を実施すると述べた。PCAとRGLの利用者数は13日時点で、それぞれ8,077人と1,355人に上るという。
筑波大学のマレーシアキャンパス、23年の開校を予定
【クアラルンプール】 在マレーシア日本大使館の岡浩大使は、筑波大学がマレーシア・キャンパスを設立する計画について、2023年の開校を予定していると明らかにした。
岡大使は、計画当初は2022年の開校を目指していたが、新型コロナウイルス「Covid-19」の感染拡大に伴い遅延したと説明。日本とマレーシアの間で現在、実現に向けて話し合いが行われているとして、これ以上の遅延は起きないとの予想を示した。マレーシア・キャンパスはマラヤ大学の大学の施設内に開講する予定だという。
両国の協力関係について、岡大使は1980年代に「ルックイースト(東方)政策」が導入されて以来、教育とビジネスは両国間の重要な柱だったと言明。国際協力機構(JICA)が日本で実施する教育や職業訓練には、これまで1万7,000人のマレーシア人が参加し、日本から帰国した後は、政府や企業間で「日本とマレーシアの架け橋」となっているとした。
日本とマレーシアの政府間協力協定の下で、1998年には日本・マレーシア技術学院(JMTI)、2011年にはマレーシア日本国際工科院(MJIIT)が開校した。
岡大使は、2022年には東方政策開始から40年を迎えるとして、筑波大学のマレーシア・キャンパスは両国間の関係を象徴するものになると述べた。
(ベルナマ通信、10月17日)
UMNOのムヒディン政権に対する方針、明日にも決定か
【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 与党連合・国民連盟(PN)の友党としてムヒディン・ヤシン内閣を支えてきた統一マレー国民組織(UMNO)は、20日にも今後も政権を支えるか離脱するかのいずれかの方針を決定する模様だ。
UMNO最高評議会のタジュディン・アブドル・ラーマン議員が「ウトゥサン・マレーシア」に明らかにしたところによると、17日に開催予定だった最高評議会会議が、20日にパハン州で開催される。
タジュディン氏はUmnoがPN政権を支持しないことを決定した場合、新たな提携先を探して新たな与党連合を結成するか野党になるかの二つの選択肢があると指摘。新たな提携先については、国民コンセンサス(Muafakat Nasional)連携における汎マレーシア・イスラム党(PAS)とイスラム教とマレー系に重点を置く国民信任党(Amanah)を指すと述べた。
その一方で、ムヒディン政権がUMNOの要求通りにUMNO総裁を副首相に任命すれば、UMNOが政権を離脱することなく、今後も政権支援を継続するだろうと述べた。
UMNO内部ではUMNOに対する待遇の悪さを理由にムヒディン首相に対する不満の声が高まっており、これに配慮する形でムヒディン首相が内閣改造に踏み切るのではないかとの観測が浮上していた。現在副首相職は空席となっており、内閣改造を経ずにUMNOトップを任命することが可能な状況にある。