ビジネス訪問者の渡航支援センター、MIDAが運用開始

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 マレーシア投資開発庁(MIDA)は8日、外国からのビジネス訪問者のマレーシア渡航を支援するためにワン・ストップ・センター(OSC)を設立。10月2日より運用を開始したと明らかにした。
OSCは交易や投資目的でマレーシアに入国する資格のあるビジネス訪問者の申請を評価および承認を行なう機関で、出入国管理局、保健省、通産省の代表が加わりMIDAが運営する。
企業幹部や不可欠な要員が円滑にマレーシアに渡航し業務を行なうことを可能にするためのもので、入国前のビジネス訪問者の合法性と健康状態を確保する。
ビジネス旅行者は標準的運用手順(SOP)及び隔離などのその他の必要条件を遵守している証拠を提示する必要がある。希望者はMyEntryウェブサイト(https://myentry.myxpats.com.my)を通じて申請する。これまでに同OCSに221件の申請があり、うち207件について承認したという。
MIDAによると、今年2020年1—6月の製造、サービス、一次産業における投資額(認可ベース)は648億リンギに達し、うち外国直接投資(FDI)は30.2%に当たる195億リンギを占めた。

CMCO指定のクラン南部住民、雇用証明にて出入可能に

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 セランゴール州警察のノール・アザム・ジャマルディン本部長は、条件付き行動制限令(CMCO)に指定された同州クラン地区南部の住民に対し、業務のために出入りする必要がある場合には雇用者が出した証明書があれば警察の許可証は不要になると明らかにした。

雇用者の証明書や雇用パスが無い場合は、クラン南署、クラン北署、シャアラム警察本部のフェイスブックもしくは道路封鎖を行なっている検問所で通行証の申請フォームを入手することができる。道路封鎖はバユ・ペルダナ、スリ・アンダラス、ブキッ・ティンギで行なっている。

CMCOと他の地域の往来は原則、必需品配送目的にのみ限定されている。ウィー・カション運輸相は労働者輸送用車両を含め商用車については標準的運用手順(SOP)の遵守を条件に通常通り通行を許可すると述べている。

クラン地区南部では9日午前零時からCMCOが発令され、北部のカパール準地区を除いた地域が22日まで14日間、外部との往来が禁止された。CMCO指定区域に入ったのはバンダル・クラン(クラン中心街)など36のエリア。

■サバ州7エリアでロックダウン■

イスマイル・サブリ・ヤアコブ上級相(兼国防相)は9日、すでに一部地域対象の強化行動制限令 (TEMCO)に指定されているサバ州クナック及びセンポルナにある合計7つのエリアを強化行動制限令(EMCO)に指定すると発表した。実施は10月11日付けで、期間は24日まで。

このほかケダ州ポコック・セナ刑務所一帯も11日付けでEMCOに指定される。すでにEMCOに指定されているサバ州タワウ刑務所は25日までEMCO指定が延長される。

新型コロナ感染者は新たに354人、274人がサバ州で感染

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は9日、新型コロナウイルス「Covid-19」の感染者数が前日から354人(うち2人が海外で感染した帰国者)増えて、1万人4,722になったと発表した。
州別の感染者数は▽サバ州(274人)▽セランゴール州(24人)▽クアラルンプール(KL、10人)▽ケダ州(10人)▽サラワク州(10人)▽ペナン島(8人)▽ジョホール州(5人)▽トレンガヌ州(5人)▽ネグリ・センビラン州(4人)▽プトラジャヤ(2人)▽ペラ州(1人)▽ラブアン(1人)ーーとなった。新たに188人が退院し治癒者数は1万707人に増加した。死者数は6人増えて152人になった。
保健省のノール・ヒシャム事務次官は8日、マレーシア国内で新型コロナの感染第3波が発生していると言明。公衆衛生当局が感染封じ込めに向けあらゆる手段を尽くしているとした上で、マレーシア国民に対し可能な限り「ステイホーム」を実施するよう呼び掛けた。1月下旬ー2月上旬に発生した感染第1波(累計感染者数は22人)は封じ込めに成功し、1週間以上新規感染者ゼロを維持したが、その後2月27日から感染第2波が発生し行動制限令(MCO)が発令された。
ノール事務次官によると8日時点で新たなクラスターが5つ発生した。クラスター内の感染者数はそれぞれ▽「トゥジュフ・セランカイ・クラスター」が23人(サバ州)▽「タナメラ・クラスター」が9人(同)▽「バハ・バンガト・クラスター」が9人(ラブアン)▽「ジャラン・パンタイ・クラスター」が8人(KL)▽「バハ・アーナブ・クラスター」が4人(サラワク州)ーーとなった。「バハ・バンガト・クラスター」と「バハ・アーナブ・クラスター」は、サバ州からの入州者が関連する。

薬局チェーン「ガーディアン」、新コンセプトストア開設

【クアラルンプール】 ガーディアン・ヘルス・アンド・ビューティー(ガーディアン・マレーシア)は、薬局チェーン「ガーディアン」の設立53周年を記念して、新しいコンセプトストアを立ち上げたと発表。クアラルンプール(KL)のショッピングモール「スリアKLCC」にある店舗を新コンセプトストアに改装した。
新コンセプトストアについてガーディアン・マレーシアのソレン・ローリデセン最高経営責任者(CEO)は、顧客の期待を超えて進化し続けるという同社の目標を反映したものだとし、顧客からのフィードバックに基づいてイメージチェンジを行ったと言明。市内のドラッグストアにおいてナンバーワン店舗としての地位を強化するとした。
またガーディアン・マレーシアは、10月16日ー11月15日間においてショートムービープラットフォームアプリ「ティックトック」上で誰もが参加できる「アニバーサリー・セレブレーション・チャレンジ」や、53リンギ以上の買い物をした顧客に153リンギ相当のアニバーサリーギフトボックスをプレゼントする企画(一部の店舗のみ)を開催すると明らかにした。
(ベルナマ通信、10月7日)

経営危機のマレーシア航空、「公的支援はしない」財務相

【クアラルンプール】 新型コロナウイルス「Covid-19」で過去最悪の経営危機に陥っているマレーシア航空(MAB)について、テンク・ザフルル財務相は公的資金を注入する考えはないと言明。あくまで親会社である政府系投資会社カザナ・ナショナルに任せる意向を示した。
ビジネスラジオ局BFMのインタビューに対しザフルル財務相は、MABの親会社であるMABグループ(MAG)の経営問題について「カザナが解決しなければならない問題であると一貫して言ってきた」と言明。財務省による債務保証などの他のオプションについても、省として保証を行なう考えのないことを明らかにした。
カザナは行動制限令(MCO)が発令された直後の4月にMABを支援し続けるとした上で、具体的な額は明らかにしなかったものの多額の資金を必要としていると述べていた。ただ先のロイター通信によると、債権者との交渉が不調に終わった場合にカナザはMAGへの資金提供を停止する方針であり、そうなればMAGが清算プロセスに入ることになるという。
MAGのブー・フイイー最高財務責任者(CFO)は、破産リスクは他の航空会社と変わらないと懸念を表明。従業員1万3,000人に月間5日間の無給休暇を最低3カ月、もしくは4月から1—3カ月の無給休暇のオプションを提示。経営陣も報酬をカットした。
(マレー・メイル、10月8日)

外国人と国民の出入国申請、8日から入管のホームページで

【プトラジャヤ】 出入国管理局はマレーシア人、外国人の出入国の許可申請方法を8日から変更すると発表した。これまでは電子メールで受け付けていたが、申請が殺到し、なかなか処理されないことに対する苦情が寄せられたためだ。カイルル・ダウド事務局長が7日発表した。
回復のための行動制限令(RMCO)期間中の12月31日まで、入管ホームページの「マイトラベルパス」で申請を受け付ける。処理に要する日数は約5営業日。
申請できる人は、相互グリーンレーンの対象者、マレーシアがシンガポールと交わした定期的通勤取り決めの対象者、マレーシア人・永住者・長期在留査証所持者の配偶者か扶養家族、外国人家政婦、出張など短期就労目的の者、再入国を希望する長期在留者、マレーシア・マイ・セカンド・ホームの資格を持つ者。
事前申請なしの出入国が認められているマレーシア人、外国人は「マイトラベルパス」での申請は不要。
(ベルナマ通信、10月7日)

新型コロナ感染者は新たに375人、271人がサバ州で感染

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は8日、新型コロナウイルス「Covid-19」の感染者数が前日から375人(うち4人が海外で感染した帰国者)増えて、1万4,368人になったと発表した。
州別の感染者数は▽サバ州(271人)▽セランゴール州(36人)▽ケダ州(16人)▽クアラルンプール(KL、12人)▽ラブアン(10人)▽サラワク州(8人)▽ジョホール州(5人)▽トレンガヌ州(5人)▽ペラ州(5人)▽プトラジャヤ(2人)▽ネグリ・センビラン州(2人)▽ペナン州(1人)▽マラッカ州(1人)▽パハン州(1人)ーーとなった。新たに18人が退院し治癒者数は1万519人に増加した。死者数は5人増えて146人になった。
保健省のノール・ヒシャム事務次官は7日、2つの新たなクラスターが発生したと明らかにした。一つ目はサバ州からの入州者によって発生した「バハ・プチョン・クラスター」で、感染者数は同日時点で3人。セランゴール州ぺタリンとペラ州ラルート、マタン、セラマ地区およびキンタでそれぞれ確認された。もう一つのクラスターはペナン州の囚人が関係する「ペンジャラ・レマン・クラスター」。第一感染者は5日早朝に監房内で意識不明の状態で発見された85歳のマレーシア人男性で、その後病院で死亡が確認され、新型コロナにも感染していたことが判明した。7日までに同男性囚人との接触者6人の感染が確認された。

クラン川北岸は適用せず、9日からのCMCO施行で

【シャアラム=マレーシアBIZナビ】 9日付けで条件付き行動制限令(CMCO)が施行されると発表されていたセランゴール州クラン地区について、イスマイル・サブリ・ヤアコブ上級相(兼国防相)は8日、クラン川北岸にあるカパール準地区は適用範囲に含めないと発表した。

 連邦政府傘下の国家安全委員会(NSC)会議がオンラインで行なわれ、セランゴール州保健局長が同州内の新型コロナウイルス「Covid-19」感染状況と対策について説明。サブリ大臣によると、この中でアミルディン・シャリ州首相と保健省よりカパール準地区を含めないよう提案があった。南岸の適用範囲の詳細については後にセランゴール州が発表する予定だが、状況しだいで変更される可能性があるという。

クランの対象地区は、サバ州サンダカン、パパル、トゥアランと共に14日間にわたってCMCOに指定され、必需品の配送を除いて他の地区との往来が禁止される。

アズミン・アリ上級相(兼通産相)は、標準的運用手順(SOP)を遵守することを条件にCMCO指定地区内でのすべての経済活動はこれまで通り認めると発表した。NSC会議で経済的影響を考慮して活動を容認することを決定したという。

セランゴール州のアミルディン・シャリ首相は、関係するすべての連邦政府省庁に全面的に協力すると言明。情報の一本化のためにNSCが近く発表する実施詳細に準じると述べた。同州政府は、対象を絞った新型コロナのスクリーニングを実施する。

■セランゴール州内のモール2カ所で感染確認■

セランゴール州では8日、多くの日本人が利用するペタリンジャヤの「ワン・ウタマ」ショッピングセンター新館に入居する百貨店、パークソン・マレーシアで地階の化粧品売場のスタッフが感染していることが判明。「ワン・ウタマ」では先ごろパソコンショップ「マックシティ」から感染者を出している。

同日は「セティア・シティモール」でも「フィットネス・ファースト」の会員から感染者が出たことが分かった。

新型コロナの感染者増加、ホテルや旅行業者に不安広がる

【ペタリンジャヤ】 新型コロナウイルス「Covid-19」感染拡大による打撃から国内経済は回復の兆候を見せていたが、新規感染者数が過去最高を更新しており、ホテルや旅行、小売業界の間には再び不安が広がっている。
マレーシア・ホテル協会(MAH)のヤップ・リップセン最高責任者(CEO)は、ホテルでは全国的にキャンセルが入っており、今後2、3週間で稼働率は10ー15%低下すると予想。ホテル業界の売り上げには6,000万ー1億リンギの損失が出るとの見解を示した。
マレーシア廉価ホテル協会(MYBHA)のスリ・ガネシュ・ミチェル副会長も、廉価ホテルにもキャンセルが入っており、予約件数は50%減少すると予想。現在の稼働率は25ー30%となっているとした上で、再びの新型コロナ流行を乗り越え、従業員が長期的に仕事を続けられることを最優先すると述べた。
また旅行業界からは、マレーシア旅行代理店協会(Matta)のタン・コックリアン会長が、まだ影響については把握していないと言明。しかし旅行産業は現在、国内旅行者に完全に依存しているとし、旅行業界を回復させるために、政府はクラスターを見つけたら規制を強化して感染拡大を阻止すべきと述べた。
小売業界からは、マレーシア小売業協会(MRA)のスポークスマンが、ショッピングモールで感染が確認されたことで、買い物客数は減少しているが、売り上げにはまだ影響は出ていないと言明。食料品購入への影響は少ないが、非必需品の売り上げは大幅に減少するとの予想を示した。
(ザ・サン、10月7日)

政治家・政党関係者10人が陽性、サバ州選挙応援で感染

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 9月26日に投開票が行なわれたサバ州議会選挙の応援に行った政治家・政党関係者のうち、少なくとも10人で新型コロナウイルス「Covid-19」感染が確認されていたことが分かった。
これまでに感染が確認されたのは、すでにメディアで大きく報じられたズルキフリ・モハマド首相府相のほか、▽シャハリル・スフィアン統一マレー国民組織(UMNO)広報部長▽スフィアン・アブドル・カリム氏(UMNO所属の州議選候補)▽アハマド・マスジザル副環境相▽アミルディン・ユソフ州議会議員(マラッカ州)▽リム・イーウェイ州議会議員(セランゴール州)▽シャティリ・マンソル州議会議員(同)▽ノル・ハヤティ州議会議員(ジョホール州)▽アズマン・ナスルディン州議会議員(ケダ州)▽マイザトゥル・アカム・アラウィ氏(ノライニ・アハマド高等教育相の政策秘書)——。
9月24日にサバ州を訪問したズルキフリ氏は感染が5日になって確認され、前々日の会議に同氏と同席したムヒディン・ヤシン首相やイスマイル・サブリ・ヤアコブ上級相(兼国防相)ら複数の閣僚が隔離状態に置かれる騒ぎとなっている。ズルキフリ氏はサバ州から戻った後に複数のイベントに出席しており、感染拡大の懸念をもたらしたことを謝罪した。
ムヒディン首相もサバ州議会選挙が半島部での感染拡大の原因の一つになっていることを認めており、同州は12日から14日間、他州からの往来が禁止された。