エアアジアXが再建計画、再編&90%の減資を実施

【クアラルンプール】 新型コロナウイルス「Covid-19」で経営難に陥っている長距離格安航空エアアジアXが6日、債務及び企業再編計画を発表した。新たに副会長に昇格したリム・キエンオン氏の下で清算を回避し来年初めの運航再開を目指す。
635億リンギの無担保債務については、債権者に債権放棄を求めるなどして2億リンギまで圧縮。5年内に返済する。90%の減資を行ない、資本金を15億3,000万リンギから1億5,000万リンギとする。10株を1株に併合し、発行済み株式を10分の1の4億1,481万株に縮小する。
ネットワーク合理化や機材の見直し、オーバーホール費用の最適化などのスリム化を図った後、2021年の第1四半期に2機の航空機による運航を一部路線で再開し、2021年末までにすべての路線を段階的に再開する方針。
6月末時点での流動負債は33.8億リンギで、資産総額(13.9億リンギ)を19.9億リンギも超過している。すでに運航停止、人員削減、賃金カットを実施している。
4—6月期で売り上げは前年同期比91.0%マイナスの9,144万リンギに落ち込み、純損失は3億524万リンギに上った。上半期(1—6月)の赤字額は8億5,494万リンギに達している。
エアアジアXは、「新たな事業計画を実施するために、サプライヤー、債権者、金融業者からの大幅な譲歩が必要」と強調した。
(ザ・スター、10月7日、エッジ、マレー・メイル、10月6日、エアアジアX発表資料)

新型コロナ感染者が新たに489人、サバ州では282人

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は7日、新型コロナウイルス「Covid-19」の感染者数が前日から489人増えて1万3,993人になったと発表した。

  新規感染者のうち487人が国内感染者。▽サバ州(282人)▽ケダ州(153人)▽セランゴール州(20人)▽ペナン州(7人)▽ジョホール州(6人)▽クアラルンプール(KL、4人)▽ペラ州(4人)▽トレンガヌ州(4人)▽サラワク州(3人)▽プトラジャヤ(2人)▽ネグリ・センビラン州(1人)▽クランタン州(1人)ーーでそれぞれ確認された。残り2人は海外で感染した帰国者だった。新たに74人が退院し治癒者数は1万501人に増加した。死者数はゼロで141人を維持した。

  保健省のノール・ヒシャム事務次官によると、ペラ州とサバ州で新たなクラスターが発生した。ペラ州タイピンで確認された「バトゥ・クラスター」は、仮収容所の従業員とその家族を対象としたスクリーニング検査で発生。検査を受けた860人のうち7人が陽性だった。

  サバ州サンダカンの「ラマイラマイ・クラスター」はバスの運転手が関連しており、接触者166人のうち20人が感染していた。

マレーシアで新型コロナウイルス陽性者が急増

10月5日、マレーシアの新型コロナウイルスの陽性者数は432人となり、過去最高を更新しました。7月下旬以降、最大でも20〜30人だった新規陽性者は、9月に入って増加に転じ、10月に入ると過去最高をたてつづけに更新しています。

マレーシアで陽性者数が急増している要因のひとつがサバ州での感染拡大です。大規模なクラスターが最初に発生したのは東部のラハ・ダトゥで、陽性者にはフィリピンやインドネシアからの違法労働者が多く含まれていました。また、サバ州への旅行者を起点とする感染が全ての州で発生していることが確認されています。

これまでマレーシア政府は新型コロナウイルスの感染拡大を効果的に抑制してきましたが、周辺国との人流が多いマレーシアで新型コロナウイルスをコントロールすることは大変難しくなっています。直近の数字では、インドネシアでは1日の新規陽性者数が4,000人を超えており、フィリピンでも2,000人を超えています。

アジアではマレーシア以外にも、最近まで感染者数が非常に少なかったミャンマーやネパールで新規陽性者数が急増しており、1日の新規陽性者数が7万人を超えるインドとの人流が影響している可能性があります。

10月4日、ノル・ヒシャム保健局長はツイッターで「最前線にいる全ての仲間へ。大きな戦いが我々を待ち受けている。我が国の命運は我々にかかっており、これまでの不眠不休の努力と慢性的な疲労はあるけども、涙を拭いて顔を上げ、前を向いて、再び感染者数を押さえ込もう」と呼びかけました。

全世界が準備不足だった2〜3月の状況に比べ、現在は検査体制も整っているため、陽性者数を直接比較することはできません。しかし、世界中で新規感染者数が再び増加に転じる国が増えてきており、予断を許さない状況です。

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条件付き行動制限、クランやサンダカンで9日より

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 イスマイル・サブリ・ヤアコブ上級相(兼国防相)は7日、新型コロナウイルス「Covid-19」の感染者が増加しているセランゴール州クランなど4カ所について、10月9日より条件付き行動制限令(CMCO)を発令すると発表した。

CMCOが発令されるのは、感染者数が40人を超えてレッドゾーンに指定されたクランとサバ州のサンダカン、パパル、トゥアラン——の計4地区。期間は14日間で、国家安全委員会(NSC)が決定した。他の地域からの往来は、必需品配送目的で、且つ警察の許可を持っていない限り禁止される。

雑貨店やスーパーマーケット、飲食店、医療機関、ガソリンスタンドなどの必需サービスのみは営業を許されるが、営業時間は午前6時から午後6時までに制限される。また飲食店はテイクアウトのみとなる。スポーツ活動、社会活動、レクリエーション活動は禁止され、夜市や教育機関、保育所、宗教施設は閉鎖される。

新型コロナ感染、セランゴールのショッピングモールで相次ぐ

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は6日、新型コロナウイルス「Covid-19」の感染者数が前日から691人増えて1万3,504人になったと発表した。新規感染者が2日連続で過去最多を更新した。

新規感染者のうち688人が国内感染者。▽ケダ州(397人)▽サバ州(219人)▽セランゴール州(38人)▽ペラ州(8人)▽ネグリ・センビラン州(7人)▽ジョホール州(6人)▽クアラルンプール(KL、4人)▽サラワク州(3人)▽ペナン州(3人)▽プトラジャヤ(1人)▽トレンガヌ州(1人)▽ラブアン(1人)ーーでそれぞれ確認された。残り3人は海外で感染した帰国者だった。新たに87人が退院し治癒者数は1万427人に増加した。死者数は新たに4人増えて141人になった。

保健省のノール・ヒシャム事務次官によると、基本再生算数(R0)が1.5となった場合には10月31日には1日の新規感染者数が1,500人に増加、R0が2.2に達した場合には4,500人になる。

1.86と仮定すると10月10日には累計感染者数が2万人を突破す

ノール事務次官は5日、新たに3つのクラスターの発生を確認したと明らかにした。国内のアクティブ・クラスターはこれで37つとなった。

トレガンヌ州クアラネルスで発生した「バハ・タンジュン・クラスター」は、9月10日ー27日においてサバ州センポルナを訪れた46歳男性が関連している。同男性は9月28日に咳と発熱を発症し、9月30日に陽性であることを確認した。クラスター内の感染者数は6人となった。

ケダ州クバンパスでは「バハ・シントク・クラスター」と「ジェラム・クラスター」が発生。「バハ・シントク・クラスター」の第一感染者は9月20日にサバ州から入州した23歳男性で、9月22日に発熱と頭痛を発症し、10月2日に感染を確認した。クラスター内の感染者は11人に上った。「ジェラム・クラスター」は9月25日に喉の痛みと頭痛を訴えた31歳女性が関連しており、これまでに接触者3人の感染が確認された。

エアアジアが日本事業から撤退、新型コロナの影響受け

【名古屋=マレーシアBIZナビ】 格安航空会社、エアアジアの日本法人、エアアジア・ジャパンは5日、日本事業からの撤退を決定したと発表した。
同社は2014年7月に設立し、中部国際空港セントレアを拠点として、国内線と国際線を運航してきた。しかし新型コロナウイルス 「Covid-19」の感染拡大の影響を受け、減便や運休を実施したことや、旅行や出張の需要落ち込みに伴い、経営状況が厳しい状態となり、事業継続能力に影響が出たことから、日本からの撤退を決めた。
エアアジア・ジャパンは航空券を予約している人に対しては、1週間以内に電子メールで個別に連絡する。一方でエアアジア・グループが運航しているマレーシアやタイ、フィリピンと日本を結ぶ国際線については、渡航制限が解除され、国境が再開した後に運航を再開する予定だ。
詳細に関しては、ウェブサイト(https://support.airasia.com/s/article/AirAsia-Japan-Announcement?language=en_GB)で受け付けている。

閣僚に感染者、ムヒディン首相も隔離へ

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 新型コロナウイルス「Covid-19」感染者が閣僚の中から出たため、会議で同席したムヒディン・ヤシン首相を含む複数の閣僚に感染の疑いが出ている。
10月5日に陽性が確認されたのは、ズルキフリ・モハマド首相府相。3日に開催された国家安全委員会(NSC)会議に出席しており、ムヒディン首相をはじめイスマイル・サブリ・ヤアコブ上級相(兼国防相)、ファディラ・ユソフ公共事業相、アドハム・ババ保健相、アブドル・ハミド警察長官らが同席していた。
保健省のリスク評価に従って、出席者の一部は濃厚接触者とみなされ10月3日から16日までの14日間、在宅監視命令(HSO)の適用を受けピンク色の監視リストバンド装着が命じられた。その他の出席者も14日間の自宅隔離と毎日の健康モニタリング実施が指示された。
ムヒディン首相は同日、14日間にわたって自宅で隔離されることになったことを明らかにし、当面は在宅で勤務を継続すると発表した。サブリ上級相も同日、3月の行動制限令(MCO)発令以来、毎日行なっている定例記者会見を急遽キャンセルした。
ズルキフリ氏は自身が出席した9月24日から10月4日までのイベントの出席者に対し、スクリーニングを行なうよう呼び掛けた。同氏はネグリ・センビラン州セレンバン病院で治療を受けているが経過は良好だという。同氏はサバ州議会選挙にあわせて9月24日に同州を訪れて地元のイスラム宗教指導者らに会っていたとされる。

新規感染者数は691人、2日連続で過去最多を更新

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は6日、新型コロナウイルス「Covid-19」の感染者数が前日から691人増えて1万3,504人になったと発表した。新規感染者が2日連続で過去最多を更新した。

新規感染者のうち688人が国内感染者。▽ケダ州(397人)▽サバ州(219人)▽セランゴール州(38人)▽ペラ州(8人)▽ネグリ・センビラン州(7人)▽ジョホール州(6人)▽クアラルンプール(KL、4人)▽サラワク州(3人)▽ペナン州(3人)▽プトラジャヤ(1人)▽トレンガヌ州(1人)▽ラブアン(1人)ーーでそれぞれ確認された。残り3人は海外で感染した帰国者だった。新たに87人が退院し治癒者数は1万427人に増加した。死者数は新たに4人増えて141人になった。

保健省のノール・ヒシャム事務次官によると、基本再生算数(R0)が1.5となった場合には10月31日には1日の新規感染者数が1,500人に増加、R0が2.2に達した場合には4,500人になる。

1.86と仮定すると10月10日には累計感染者数が2万人を突破す

ノール事務次官は5日、新たに3つのクラスターの発生を確認したと明らかにした。国内のアクティブ・クラスターはこれで37つとなった。

トレガンヌ州クアラネルスで発生した「バハ・タンジュン・クラスター」は、9月10日ー27日においてサバ州センポルナを訪れた46歳男性が関連している。同男性は9月28日に咳と発熱を発症し、9月30日に陽性であることを確認した。クラスター内の感染者数は6人となった。

ケダ州クバンパスでは「バハ・シントク・クラスター」と「ジェラム・クラスター」が発生。「バハ・シントク・クラスター」の第一感染者は9月20日にサバ州から入州した23歳男性で、9月22日に発熱と頭痛を発症し、10月2日に感染を確認した。クラスター内の感染者は11人に上った。「ジェラム・クラスター」は9月25日に喉の痛みと頭痛を訴えた31歳女性が関連しており、これまでに接触者3人の感染が確認された。

全国的なロックダウンは実施せず=ムヒディン首相

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 ムヒディン・ヤシン首相は6日、特別演説を行ない、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数が急増しているものの、現時点では全国的なロックダウンを実施する考えの無いことを重ねて強調した。

ムヒディン首相は、このところ3月18日に発令された行動制限令(MCO)の3フェーズと、5月4日に発令された条件付きMCO(CMCO)の期間中に記録された数字を超える日が続いているものの、ほとんどの発生ケースがサバ州とケダ州のクラスターに集中していると指摘。「全国的なMCOを再導入した場合に、我々が恐れている社会的・経済的システムの崩壊に繋がる懸念がある」と述べ、感染者数が特別多い地域に限定してMCOをさらに厳格化した強化行動制限令(EMCO)を実施すると表明した。

ムヒディン首相はまた、サバ州を発生源とした感染が拡大していることについて、先の同州議会選挙が原因と認めた上で、「選挙実施はやむを得なかった」と言明。情報アプリ「マイセジャテラ(MySejahtera)」については、同アプリを1,700万人が利用しているため感染拡大が始まった頃に比べると追跡調査が容易になったと指摘した。

■サバ州への往来、12日から二週間禁止に■

イスマイル・サブリ・ヤアコブ上級相(兼国防相)は、新規感染者数が急増するサバ州について10月12日から25日まで14日間、半島部やサラワク州、ラブアンとの往来を禁止すると発表した。

緊急事態、家族の死亡、必須サービス、保健省から特別許可を受けた者の往来は認められるが、到着地でスクリーニングを受ける必要がある。

マレーシア航空、11月以降の借入金返済が厳しいと報告

【クアラルンプール】 マレーシア航空(MAS)の持ち株会社であるマレーシア・アビエーション・グループ(MAG)は、「政府系ファンドのカザナ・ナショナルから追加の資金調達ができない場合、11月以降の借入金返済義務を果たすことができない可能性がある」と貸し手、債権者、主要サプライヤーに報告した。情報筋の話として「ロイター」が報じた。
「ロイター」が入手した通知書によると、MASの一月あたりの平均キャッシュバーン8,400万米ドルに対し、8月31日時点の流動資産は8,800万米ドルで、カザナから受け取れる追加資金は1億3,900万米ドルだという。12月以降の追加出資には「リストラ条件についてすべての利害関係者と合意する」ことが条件とされており、MASは英国の裁判手続きを通じてリストラを実施し、貸し手と割引について交渉する予定だ。情報筋によるとMASは貸し手に75%の大幅な割引を求めているが、金融機関は現在の業況を踏まえると実行不可能だと見ている。MASの貸し手は、アイルランドの航空機リース企業であるエアキャップやアボロン、英スタンダードチャータードのリース部門など。
「ロイター」の取材に応じたカザナ・ナショナルは、MASのリストラ計画を支持しているとした上で、計画が失敗または年末までにリストラを実施しなかった場合、マレーシアへの国際接続を確保するためすべての資金を代替会社に転用するなどと言ったオプションを検討する必要があると述べた。代替会社や11月以降の追加資金の提供についてはコメントを控えた。
MASとその姉妹会社およびMAGは、2019年に導入した長期ビジネスプラン(LTBP)が奏功し、同年の総収益が前年から7%増加。有効座席キロ(ASK)とASKあたりの売り上げ(RASK)はそれぞれ5%と3%アップした。MASの顧客満足度指数は過去4年間で最高の78%、ネットプロモータースコア(NPS、顧客ロイヤルティを数値化する指標)はプラス14にそれぞれ上昇した。2016年のNPSはマイナス22だった。同グループは2020年も勢いを維持すると見ていたが、新型コロナウイルス「Covid-19」の大流行により再び経営が悪化。MAGは、経営陣とパイロットの大幅な給与削減と無給休暇を導入し、支払いの延期や契約の再交渉などあらゆる対策を講じてきたが、これらの結果が得られない場合、より抜本的な見直しを講じる必要があるとしている。
(ロイター、エッジ、10月2日)