ミレニアル世代の74%、生活費を賄うのに苦労=調査

【ペタリンジャヤ】 英系スタンダード・チャータード・バンクが実施した調査によると、マレーシアのミレニアル世代(25−44歳)の74%は、新型コロナウイルス「Covid-19」の流行により生活費を賄うのに苦労していると回答し、他の世代に比べて回答率が高いことがわかった。
ミレニアル世代の23%は借入れを増やしたと回答し、45歳以上の回答率(15%)を上回った。またミレニアル世代の61%は1日の支出予算を変更したと回答、45歳以上の回答率(58%)や世界の平均(37%)より回答率が高かった。
貯蓄に関してミレニアル世代の34%は、新車や家などの高額な商品の購入のために貯蓄すると回答。45歳以上(20%)や世界平均(18%)を上回った。また退職のために貯蓄しているとの回答は、45歳以上が44%、世界平均が29%だったが、ミレニアル世代は45%となり、長期的な経済計画を持っていることがわかった。
同調査は世界の12カ国で9月25ー10月1日にかけて実施されたもので、1万2,000人が参加した。
(ザ・スター、ニュー・ストレーツ・タイムズ、11月27日)

 

小切手の郵送による納税、来年1月から受け付けず

【クアラルンプール】 内国歳入庁(IRB)は来年1月1日から、小切手の郵送による納税を受け付けない。
26日の発表によると、今後認められるのは、IRBのホームページや銀行ポータルサイトを通じた納入、IRB窓口、指定銀行の窓口での納入、小切手預入機械やATM(現金自動預払機)を利用しての納入。
ただし、不動産譲渡所得税、芸能人所得税、源泉税、罰金の納入は、引き続き小切手の郵送が認められる。
電子決済および指定銀行での納入に対し領収書は発行されないため、支払い明細が納税の証拠となる。
(ベルナマ通信、11月26日)

予算案大枠は容認も委員会審議で修正要求=アンワル氏

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 成立が危ぶまれていた2021年度予算案の大枠を決める第2読会は26日の下院議会で大きな反対なく可決されたが、予想に反して反対に回らなかった野党連合・希望同盟(PH)を率いる人民正義党(PKR)のアンワル・イブラヒム党首は、「野党が国民への支援策を妨害しようとしているとみなされるのを避けるためだった」と説明した。
アンワル氏は、テンク・ザフルル財務相が歳入予想などの基本的な問題を回避した上で、追加の助成金や最前線の医療従事者、労働者、農民、漁民への補助金を発表したことで、野党側が面と向かって反対を主張しにくくなったと言明。ただ30日から始まる委員会審議で予算案をそのまま承認する保証はないとし、修正を求めていく考えを強調した。
PKRと同調して反対にまわらなかった民主行動党(DAP)のアンソニー・ローク国会対策委員長は、「多くの党員や支持者が失望していることは知っている。間違った判断だったとすれば責任はとる」とした上で、予算案すべてを支持したわけではないが助成金・補助金など同意できるものもあるとし、30日からの委員会審議で修正を働きかけていく考えを示した。
26日の予算案審議第2読会ではザフルル財務相から従業員積立基金(EPF)引き出し制限緩和や銀行融資返済猶予のさらなる延長が発表され、発声採決で反対が13人にとどまり可決された。反対に回ったのはPH構成党・国民信任党(Amanah)議員とマハティール・モハマド前首相率いる新党・祖国戦士党(ペジュアン)所属議員だけにとどまった。

新型コロナ新規感染者数は1109人、再び4桁台に

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は27日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数が前日から1,109人増加したと発表した。アクティブ感染者数は1万1,307人で、累計感染者数は6万1,861人となった。

 州・地域別の感染者数はサバ州が最も多く441人となった。それに▽セランゴール州(175人)▽ネグリ・センビラン州(167人)▽クアラルンプール(KL、154人)▽ペナン島(64人)▽ペラ州(42人)▽ジョホール州(33人)▽ケダ州(25人)▽クランタン州(5人)▽パハン州(3人)ーーが続いた。プトラジャヤ、マラッカ州、トレンガヌ州、ラブアン、サラワク州、ペルリス州はゼロだった。1,148人が退院し、累計治癒者は5万204人となった。死者数は2人増えて累計350人となった。

 保健省のノール・ヒシャム事務次官は26日、新たに6つのクラスターを確認したと発表した。サバ州タワウでは「ボト・ビル」、「ブロック31」クラスターが発生。それぞれ17人、16人の感染を確認した。半島部ではジョホール州の「ゲミラン」クラスターで26人、KLの建設現場「スンガイ・ウダン」クラスターで11人、クランタン州の「チェンガル」クラスターで15人、ペナン州とケダ州で発生した「ダマル・ラウト」クラスターでは13人に陽性反応が出た。

イオンマレーシア第3四半期、前期の赤字から黒字に転換

【クアラルンプール】 ショッピングモール運営のイオンマレーシアが25日発表した第3四半期決算は1,636万リンギの純利益で、前期の赤字(956万リンギ)から改善した。売上高は3.7%増の9億8,962万リンギだった。回復のための行動制限令(RMCO)の緩和による消費活動の拡大が貢献した。
前年同期比では純利益は123%増だったが、売上高は6.9%の減少だった。消費低迷で小売部門の収入は5.9%減の8億3,632万リンギで、不動産部門は賃料収入減や賃料免除などで11.8%減の1億5,339万リンギだった。
1ー9月期の純利益は前年同期比76%減の1,427万リンギ、売上高は7%減の33.1億リンギだった。
(ザ・スター、11月26日、エッジ、11月25日)

 

KL—星高速鉄道、マレーシアが計画変更を提案

【ペタリンジャヤ】マレーシア政府はシンガポール政府に対し、クアラルンプールとシンガポール西部のジュロンを結ぶ高速鉄道(HSR)計画について、終着駅をシンガポールではなく、マレーシアのジョホールバルとする変更案を提示した。計画からシンガポールを除外するとの内容だ。
両国は2016年12月、首脳が出席して契約に署名しており、2国間協定として法的拘束力を持つ。
マハティール政権時代に、計画内容を変更したいとマレーシア側が申し入れ、着工は2回にわたり延期されており、3回目の今回が最後の延期で、年末が期限。
在マレーシア・シンガポール高等弁務官はフリー・マレーシア・トゥデーの取材に対し「12月31日までにマレーシア側との交渉妥結を目指し全力を傾ける。しかしマレーシアがHSR事業を推進しない場合、協定に基づきシンガポールに生じた経費をマレーシアは負担することになる」と述べた。
高等弁務官のコメントに対して、シンガポールの運輸省のスポークスマンも、HSR計画は双方にとり有益であると信じていると発表。妥結を目指し努力すると述べた。
ある筋によると、シンガポール政府は2.5億シンガポールドル(約195億円)の賠償を請求すると考えられる。
(フリー・マレーシア・トゥデー、11月25、26日)

新型コロナ新規感染者数は935人、累計で6万人超える

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は26日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数が前日から935人増加したと発表した。アクティブ感染者数は1万1,348人で、累計感染者数は6万752人となった。

州・地域別の感染者数はサバ州が最も多く326人となった。それに▽セランゴール州(161人)▽ネグリ・センビラン州(158人)▽ペラ州(79人)▽ジョホール州(60人)▽クアラルンプール(KL、59人)▽クランタン州(28人)▽ケダ州(24人)▽ペナン島(17人)▽ラブアン(13人)▽プトラジャヤ(5人)▽サラワク州(4人)▽トレンガヌ州(1人)ーーが続いた。パハン、マラッカ、ペルリス3州のみゼロだった。過去最多となる2,555人が退院し、累計治癒者は4万9,056人となった。死者数は3人増えて累計348人となった。

保健省のノール・ヒシャム事務次官は25日、新たに5つのクラスターを確認したと発表した。サバ州の「D’バジャル」クラスターでは90人、セランゴール州の「ガングサ」クラスターで外国人29人、マレーシア人が1人、ジョホール州の「バトゥ・トゥジュー」クラスターでは13人、「タンジュン・ブンガ」クラスターでは11人、トレンガヌ州の「ケレンゲ」クラスターで6人にそれぞれ陽性反応が出た。

来年度予算案が可決、EPF口座引き出しなどで譲歩

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 ムヒディン・ヤシン内閣が提出した2021年度予算案が26日、第2読会を経て下院議会を通過した。3月にムヒディン内閣が国会承認を経ないまま誕生してから初の予算案であり、事実上の内閣信任投票という側面もあって行方が注目されていた。

テンク・ザフルル財務相による総括演説に続き、午後3時半にアズハル・アジザン・ハルン議長の呼びかけで発声採決が行なわれた。立ち上がって反対を主張したのは13人だけで必要数の15人には届かなかったため、野党議員が激しく抗議する中、アズハル議長が記名投票なしでの可決を宣言した。法案は30日に委員会レベルでの審議が行なわれ、最終的に上院に回される。

修正内容には、与野党議員から要求のあった従業員積立基金(EPF)第1口座からの引き出しを1万リンギまで認める内容やローン返済期限の自動延長、医療関係者への支援、感染者が最も多いサバ州への支援などが盛り込まれた。また批判の的となっていた特別問題局(JASA)への予算8,550万リンギについても、30日の委員会審議で撤回される見通しだ。

ムヒディン内閣を支持する与党勢力の現有議席数が過半数をわずかに上回っているだけであった上、PNと共闘する国民戦線(BN)内からもムヒディン首相に批判的な議員が少なくなかったため予算案可決が危ぶまれていた。しかしBN所属議員らの要求に受け入れて予算案を一部修正。最終的にBN所属議員全員が予算案への支持に回った。

コメ自給率、5年後メドに75%を目標

【クアラルンプール】 農業・食品産業省(MAFI)は、コメの自給率を2025年をメドに75%にまで引き上げる計画だ。下院議会の質疑の中でロナルド・キアンディー大臣が明らかにした。
コメの自給率引き上げ目標は、次期5カ年計画、「第12次マレーシア計画(12MP、対象期間;2021ー2025年)」に盛り込まれる見通し。輸入依存を減らすためで、現在の目標である73%を上方修正した。政府は2008年、マレーシア農業研究開発研究所(MARDI)が15種、マレーシア国民大学(UKM)が2種、それぞれ開発した合計17種のコメの品種を特定。政府が承認した9つの生産者に下で、7万4,000トンの種もみを生産している。
MAFIは12MPにおいて、コメの生産、反芻動物(牛や羊)、農業、漁業に焦点を当てる方針を決定。野菜については自給率70%、わずか23%にとどまっている反芻動物については50%の目標を掲げている。
(マレーシアン・リザーブ、ベルナマ通信、11月25日)

国立動物園が経営危機、CMCOで資金ショートの恐れ

【クアラルンプール】 クアラルンプール(KL)の国立動物園(ズー・ネガラ)が新型コロナウイルス「Covid-19」第三波による収益の落ち込みにより資金ショートに直面し経営危機に陥っている。

感染再拡大を受けて条件付き行動制限令(CMCO)が発令されたことから動物園は閉鎖に追い込まれ、ひと月100万リンギかかっている維持費を賄うことが困難になっている。コストの内訳は人件費が40万リンギ、エサ代が35万リンギ、保守管理その他が18万リンギとなっており、手持ち資金は3カ月分しかないという。

行動制限令(MCO)が緩和され、復興に向けた行動制限令(RMCO)となり動物園の経営が本格再開されたことから収益は改善。6月は45万リンギだった収益が7月には100万リンギ、8月には130万リンギ、9月は85万リンギと順調にきていた。しかし首都圏にCMCOが発令された10月は15万リンギに落ち込んだ。CMCO発令後には政府からは何ら支援が行なわれていないという

ズー・ネガラでは動物たちのエサ代を稼ぐためインターネットを通じて一口25リンギの里親募集スキームを行なっており、果物や野菜、肉などの現物による支援で凌いでいる状況だ。

(ベルナマ通信、11月17、20日)