国民の43%が現政府の実行性に期待=EMIRリサーチ

【クアラルンプール】 シンクタンク、EMIRリサーチが四半期毎に行なっている世論調査で、マレーシア人の43%が現政府(与党連合・国民連盟=PN)について実行可能な政府であると好意的に考えていることが分かった。
第3四半期の世論調査では2,096人が回答。回答者の55%が今年2月の政治危機の中でPN政府樹立が貢献したと考えていることが分かった。また53%がPN政府に「問題を解決する能力があると信じる」と回答。「信じない」は7%にとどまった。
地域別ではサバ・サラワク州のブミプトラ(マレー人および先住民族の総称)のPN
政権への支持率が74%と最も多く、問題を解決する能力についても72%が信じていると答えた。一方で華人のPN政権支持率は低かった。
政府に対する支持率は、希望同盟(PH)政権時代の2019年第4四半期の調査では24%だったが、翌2020年第1四半期はさらに21%まで低下していた。なお行動制限令(MCO)が敷かれていたため今年第2四半期には同調査は行なわれなかった。
(エッジ、11月2日)

マイセカンドホーム計画は見直し中=観光相

【クアラルンプール】 外国人の長期滞在が認められるマレーシア・マイ・セカンドホーム(MM2H)計画において、最近の申請を受理しなかったことについて、ナンシー・シュクリ観光芸術文化相は、計画の取り止めではなく、内容を見直し精査するための凍結だと説明した。下院審議で議員の質問に答弁した。
現在、同省がMM2Hの条項を精査しており、改定を行う。このため申請書を受理せず返却したもので、証拠金は申請者に返すという。MM2Hの導入は2002年で、認可条件の改定はこれまで行われなかった。
2018年以降の申請者は6万6,458人で、最多は中国人。ほかに、日本、バングラデシュ、韓国、英国、香港、シンガポール、台湾、イラン、インドからも申請があった。
(ベルナマ通信、11月2日)

選挙延期のために非常事態宣言発出の可能性も=首相府相

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 タキユディン・ハッサン首相府相(法務担当)は、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数が増加していることを踏まえ、近い将来行なわれる選挙の延期に向け非常事態宣言を出す可能性もあるとの考えを示した。
タキユディン首相府相は「新型コロナを理由として選挙延期を立法化するのは憲法に反する」と指摘。ただ非常事態宣言を出して憲法を一時的に停止すれば、改憲手続きなしに選挙の延期が合法的に可能になると述べた。憲法では議員死去や解散などで下院・州議会に議席に空白が生じた際には、2カ月以内に選挙を行なうことが定められている。
選挙日程を定めた憲法を改正するためには下院議会で3分の2の議員の賛成が必要だが、ムヒディン・ヤシン政権は過半数をわずかに超えた議席しか確保しておらず改憲は無理な状況。憲法を一時停止することで、12月1日に迫っている下院サバ州補選、来年上半期のサラワク州議会選を延期することが可能になるという。
非常事態宣言は、先ごろムヒディン首相が国王に提言したものの不要だとして却下されていたが、ムヒディン首相は「非常事態宣言が出されない限り新型コロナの中でも選挙を実施せざるを得ない」と非常事態宣言の理由を説明していた。
■国会審議時間、5日まで午後1時までに短縮■
2日に再開された国会だが、上院議会議員のスタッフから感染者が出たことを受けて2日に続き3—5日の審議も午後1時までとすることが下院議会で承認された。通常の審議時間は午後5時半までとなっており、野党が審議時間不足だとして会期延長を求めている。
タキユディン首相府相が出した緊急動議を受けたもので、6日に予定されている2021年度予算案については、一部から出されていたインターネットを使った発表でなく、通常通りに下院議会で発表されることも明らかにされた。

新型コロナ感染者は新たに1054人、8日ぶりに千人超える

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)3日、新型コロナウイルス「Covid-19」の感染者数が前日から1,054人(うち14人が海外で感染した帰国者)増加したと発表した。アクティブ感染者数は1万135人で、累計感染者数は3万4,393人になった。

州・地域別の感染者数は▽サバ州(678人)▽セランゴール州(124人)▽ラブアン(81人)▽ネグリ・センビラン州(71人)▽ペナン島(35人)▽サラワク州(21人)▽ケダ州(12人)▽クアラルンプール(Kl、10人)▽プトラジャヤ(3人)▽ペラ州(2人)▽トレンガヌ州(1人)▽マラッカ州(1人)▽ジョホール州(1人)ーーとなった。クランタン、パハン、ペルリス3州はゼロだった。新たに875人が退院し、累計治癒者は2万3,995人だった。死者数は12人増えて累計263人になった。

保健省のノール・ヒシャム事務次官によると、2日には新たに5つのクラスターが検出された。サバ州タワウの拘置所で発生した「PTSタワウ・クラスター」ではこれまで104人の感染が判明。またラブアンの「テナガ・クラスター」は、重症化のリスクが高いコミュニティを対象に行ったスクリーニング検査で検出され、57人の感染者を確認した。一方でネグリ・センビラン州の「ゲドン・クラスター」は10月27日に感染がわかった患者と接触者内で感染が判明しており、これまでセレンバンとポートディクソン、レンバウで12人が感染がわかっている。またサラワク州クチンの「ウィスマ・サベルカス・クラスター」では8人、プトラジャヤの「セリダナ・クラスター」では5人の感染が確認されている。

また新たにセランゴール州の6地区、KLの2地区が新たにレッドゾーンに指定された。セランゴールでは、▽クラン▽ペタリン▽フル・ランガット▽ゴンバック▽クアラ・ランガット▽セパン、KLではティティワングサとケポンがレッドゾーン入りした。

新たにセレンバンをCMCO指定、5日から18日まで

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 イスマイル・サブリ・ヤアコブ上級相(兼国防相)は3日、ネグリ・センビラン州セレンバンを5日付けで条件付き行動制限令(CMCO)を発令すると発表した。期間は18日まで。保健省の提言に基づき、国家安全委員会(NSC)が承認した。

CMCOに指定されたのは▽アンパンガン▽セレンバン▽バンダル・セレンバン▽ラブ▽ランタウ▽ラサ▽セトゥル▽パンタイ▽レンゲン——の9地区。すべての学校、幼稚園、保育所、公園、レクリエーションセンターは閉鎖される。必需品の買物のための外出は2人までとなる。

経済活動は通常通り認められる。公共交通機関の運行は、午前8時から午後10時まで。地区間および州間の移動は緊急の場合と警察の許可がある場合を除いて認められない。通勤のために移動する必要がある場合は、雇用パスと会社が発行した同意書が必要となる。

■首都圏向け新SOPは3日内に発表■

またサブリ上級相は、CMCOが発令されている首都圏向けの新たな標準的運用手順(SOP)について、いまだNSC小委員会が検討中だとして3日以内にNSC会議に提出される見通しであることを明らかにした。