【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 日本政府観光局(JNTO)が発表した2020年10月の訪日者数統計によると、マレーシアからの訪日者数は前年同月比98.8%大幅減の600人だった。前月の200人からは増加した。
1ー10月では、前年同期比78.8%マイナスの7万5,800人となった。
JNTOによると、新型コロナウイルス「Covid-19」感染症の拡大により、マレーシアは日本政府による上陸拒否、14日間の隔離・PCR検査受診、査証の効力停止等の対象となっているが、国際的な人の往来再開に向けた段階的措置として、9月8日から「レジデンストラック」を開始した。一方でマレーシア政府より3月18日以降、行動制限令が出されており出国禁止が継続されている。マレーシア人の日本からの入国については、政府指定施設での14日間の隔離、隔離終了前の PCR検査受診が義務付けられている。日本への直行便は、11月も引き続き大幅な運休・減便となっている。
世界全体の10月の訪日者数は、前年同月比98.9%減の2万7,400人で、7カ月ぶりに2万人を超えた。年初10カ月では前年同期比85.1%マイナスの400万500人だった。一部の国と日本の間で「ビジネストラック」や「レジデンストラック」の運用が開始されているものの、日本における検疫強化、査証の無効化等の措置が引き続き取られていること、また多くの国で引き続き海外渡航制限等の措置が取られていること等が影響した。
JNTOは、依然として世界的に旅行需要が停滞している状況にあるとして、感染症の推移とともに今後の市場動向を注視していく必要があるとした。
マレーシアから日本への一時帰国→入国・隔離生活インタビュー
2020年11月現在、コロナウイルス感染拡大の影響で、マレーシアに在住する外国人が一時帰国する際には、Exit and Return Passを申請し、許可されてから60日以内にマレーシアへ帰国後、14日間の隔離を行う必要があります。
10月7日にマレーシアを出国し、日本に一時帰国、10月28日にマレーシアへ帰国されたNIHON SPINDLE COOLING TOWERS SDN BHD のLUZHIFENG様にお話を伺いました。
※Lu様は中国の国籍を保有され、日本の大学を卒業し、現在永住のビザで東京にご自宅を持ちながら、同社マレーシアの現地法人の責任者として活動されています。
※本記事の情報は取材時点の2020年11月上旬現在のものです。最新の一時帰国の規定につきましては、在マレーシア日本国大使館やimmigrationにご確認頂けますようお願い致します。
スポンサードリンク書類の申請
-必要だった書類の手続きを教えてください。
政府のホームページ、Myentryにオンラインで申請し、受理後に出入国許可書(APPROVAL LETTER FOR EXIT AND RETURN TO MALAYSIAが発行されます。
-実際に申請してどのくらいで受理されたのでしょうか?
9月9日に申請し、9月10日に受理された旨のメールが届きました。承認の返信があったのは9月18日です。
-書類はどんな場面で必要でしたか?
3つのシーンで提出しました。
1.搭乗チェックイン
2.出国審査カウンター
3.入国審査カウンター
-航空券の予約はビザ承認後にしましたか?それとも事前に予約しましたか?
ビザ承認後に航空券の予約をしました。ビザが承認されて60日以内の帰国予定でスケジュールを組む必要があります。
マレーシア→日本 空港の様子
-マレーシア出国時の空港の様子はいかがでしたか?
現在は出入国制限があるせいか、がらがらでした。10月7日の夜便でマレーシアを出発し、翌日8日に日本に到着しました。
スポンサードリンクマレーシア到着後の入国審査
-日本滞在後、10/28にマレーシアに戻られました。空港では通常の入国審査と流れも異なったようですね。
大きく違うところは、入国審査が個室で行われること、検査があることやバスでの移動が必要となることです。
降機後 はまず降口ゲートで、全員集合し、バス乗り場へ向かいます。
バス乗り場の手前で携帯アプリ MySejahteraのダウンロード及び個人情報の記入を求められました。
入国審査場到着後は、検査に関する書類フォーム記入(個人情報、便名、座席など) し、喉と鼻の粘液サンプルを採集します。
-入国審査に必要だった書類を教えてください。
1.旅券
2.搭乗券
3.出入国許可書。(APPROVAL LETTER FOR EXIT AND RETURN TO MALAYSIA)
これらを準備していましたが、他に4.LoUも必要でした。
4.Letter of Undertaking and Indemnity 略称:LoU(到着後の強制隔離の宿泊費用の支払いに関する約定書)
事前記入と要求されるますが、入国審査手続き前に、専用カウンターがあり、その場で記入し、そこのスタッフに確認してもらうこともできます。
-次は宿泊費用の支払いですね。どのように支払うのでしょうか?
名前を呼ばれ、料金の支払いを指示されます。いったん、審査個室から出て、支払いカウンターへ 行きます。
私の場合4,950RMでした。カード、現金両方可能です。この領収書は、ホテルまで何回も提示させられます。
-宿泊先のホテルとして、プレミアムホテルが選択できる制度が10/12に発表されましたが、Lu様の帰国時は選択しましたか?
私は選択せず、指定されるホテルに宿泊しました。費用の支払いを済ませた時に、こちらから質問してホテルを知りました。
支払い領収書を入国審査官に提示し、再度入国審査個室へ行って入国手続きを行います。(顔写真、指紋採取、入国スタンプ) 入国手続きが完了した後、個室を出て、通常の入国カウンターを通りました。
-入国審査からバス搭乗までの所要時間はどれくらいでしたか?
約3時間半でした。当日の混雑状況によって変わると思います。
スポンサードリンクホテルへの移動
-入国審査が終わると次はバスでの移動ですね。
はい、バス搭乗前には全ての荷物は噴霧消毒します。ホテルごとにバスに乗車します。
-ホテルにチェックインするまではどのくらいかかりましたか?
バスに搭乗してからホテルチェックインまで約2時間半かかりました。
-ホテルについてからの手続きはどんなことをしましたか?
MysejahteraアプリでホテルのQRコートスキャン、個人情報を入力します。空港で受領した領収書、Lou文書、搭乗券の提示も求められます。
ホテルでの隔離生活
-ホテルの中に置いてあったものを教えてください。
水のタンクとお茶のパック、電気ケトルが備え付けてありました。水は既定のものが無くなった場合有料で購入となります。
-ホテルの部屋に入ると一歩も出れないのですよね。連絡したいことがあるときなどはどうするのですか?
部屋に入った時点から14日の隔離が開始します。当日ホテル入居する携帯WhatsAPPグループに加入します。重要な連絡はこのグループ中で発信されます。
-食事についてはいかがでしたか?
通常のホテルでの滞在とは違い、色々な制限があります。大きいことが食事です。原則ホテルから支給されるものになります。ハラルなので、鶏肉や卵を使った料理が多かったです。
-フードデリバリーも許可されるようになったと聞きますが、利用されましたか?
デリバリーが到着してもすぐに部屋に届くわけではありませんでした。午後5時以降という時間制限がありましたので、お昼に暖かい食べ物を頼んでも、夜に冷めたものを食べることになってしまいます。夜の時間だけ利用しました。
スポンサードリンク-その他、ホテルの滞在で困ることなどはありましたか?
部屋から出れず、洗濯機を使った洗濯はできないので、部屋の中で各自が洗う事になります。隔離生活は時間があるのでいいのですが。またシーツも部屋まで1週間に1回きれいなものをとどけてもらって、各自で交換することになります。
隔離13日目、二回目のPCR検査が行われます。陰性であれば、警察から隔離した証明書が発行されます。
CMCO下のマレーシアへの入国まとめ
- 個室での入国審査と検査があり、バスでの移動が必要となる
- 宿泊費用の領収書の提示を何度も求められる。
- LOU(Letter of Undertaking)の記載が必要となる。入国審査手続き前にカウンターで記入することもできる。
- 隔離ホテルでは、食事や洗濯など通常のホテル滞在と条件が異なることもある。
本記事が、マレーシアから日本への一時帰国や、日本からのマレーシア入国を計画中の方に役立てば幸いです。
新型コロナ感染者発生で工場の運営に支障、バヤンレパスで
【ジョージタウン】 ペナン島南東部に位置する、多数の多国籍企業が製造拠点を持つバヤン・レパス自由貿易区で新型コロナウイルス検査で陽性反応を示した労働者が出て、工場の操業が影響を受けている。
少なくとも5つの多国籍企業の出荷量が予定以下になり、2社では建物の消毒のため業務停止を余儀なくされた。5社で計5,000人が就労している。
うちシンガポール資本の企業では全職員600人の感染検査を保健省から求められ、生産量が40%余り減少した。全員のPCR検査が終わるまで3 4日はかかるという。これまでに4人が陽性反応を示した。
生産ラインの労働者の多くは外国人で、専用の宿舎に宿泊している。検査結果が判明するまで待機しなければならず、会社には大損害だ。
自由貿易区ペナン会社協会のヘン・ハックリー理事は、州政府によるバヤン・レパスにおける感染防止対策を評価しつつも、そうした措置が区内の全企業の業務を混乱させることがあってはならないとコメントした。
(ザ・スター、11月19日)
新型コロナ感染者は1290人、再び1千人超える
【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)19日、新型コロナウイルス「Covid-19」の感染者数が前日から1,290人増加し、再び1千人を上回ったと発表した。アクティブ感染者数は1万3,222人で、累計感染者数は5万1,680人となった。
州・地域別の感染者数はサバ州が最も多く660人となった。それに▽セランゴール州(407人)▽クアラルンプール(KL、72人)▽ペラ州(48人)▽ネグリ・センビラン州(32人)▽クランタン州(17人)▽ジョホール州(15人)▽ラブアン(15人)▽サラワク州(8人)▽ペナン島(8人)▽ケダ州(7人)▽マラッカ州(1人)ーーとなった。プトラジャヤ、トレンガヌ、パハン、ペルリスはゼロだった。新たに878人が退院し、累計治癒者は3万8,132人だった。死者数は4人増えて累計326人となった。
保健省のノール・ヒシャム事務次官によると、18日には新たに8つのクラスターを確認した。サバ州ラハドダトゥの「サバル・クラスター」では22人、ラナウの「トムヘル・クラスター」では20人、タワウの「ガーデン・クラスター」では10人の感染を確認。プトラジャヤとセランゴール州のペタリン、セパンでは「プトラ18クラスター」が発生、6人に陽性反応が出た。KLのケポンとチェラス、ペタリンの「ムルニ・クラスター」では6人、ペナン州ティムル・ラウトの「セリ・パシル・クラスター」では10人、サラワク州クチンの「ベシ・デマク・クラスター」では4人、ジョホール州タンカクとマラッカ州メラカ・テンガの「パリト・カッサン・クラスター」では10人が陽性となった。
サバ州補選が無期延期、国王の緊急事態宣言受け
【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 アブドラ国王は18日、ムヒディン•ヤシン首相の助言の基づき、サバ州バトゥ・サピ地区を対象に緊急事態を宣言した。同地区では下院議員死去に伴う補欠選挙の公示日が23日に控えていたが、緊急事態宣言により無期限延期されることになる。
9月26日に実施されたサバ州議会選挙では新たな新型コロナウイルス「Covid-19」感染拡大の原因になったと指摘されており、そうした中での補選続行に対する懸念や疑問の声が上がっていた。ただ連邦憲法では下院及び州議会で空席ができた際には60日以内に補選を行なうことになっており、今後も各地で補選が予定されていることから補選を延期する法的根拠が必要だと判断したとみられる。
ムヒディン首相はバトゥ・サピ補選を延期すべき理由として、▽補選が国民に健康上の脅威をもたらす▽感染の懸念から選挙委員会(EC)が十分な臨時職員を集められない▽EC職員と有権者による他地区への移動が避けられない▽高齢者が22.3%を占めている▽感染爆発が起きた場合の他地区の社会経済活動への影響懸念——の5つの理由を説明した。
サバ州政府はさっそく、緊急事態宣言による補選延期の決定を歓迎するとの声明を発表。ゲリック選挙区補選が予定されているペラ州政府も延期を要請している。