イオンマレーシア第3四半期、前期の赤字から黒字に転換

【クアラルンプール】 ショッピングモール運営のイオンマレーシアが25日発表した第3四半期決算は1,636万リンギの純利益で、前期の赤字(956万リンギ)から改善した。売上高は3.7%増の9億8,962万リンギだった。回復のための行動制限令(RMCO)の緩和による消費活動の拡大が貢献した。
前年同期比では純利益は123%増だったが、売上高は6.9%の減少だった。消費低迷で小売部門の収入は5.9%減の8億3,632万リンギで、不動産部門は賃料収入減や賃料免除などで11.8%減の1億5,339万リンギだった。
1ー9月期の純利益は前年同期比76%減の1,427万リンギ、売上高は7%減の33.1億リンギだった。
(ザ・スター、11月26日、エッジ、11月25日)

 

KL—星高速鉄道、マレーシアが計画変更を提案

【ペタリンジャヤ】マレーシア政府はシンガポール政府に対し、クアラルンプールとシンガポール西部のジュロンを結ぶ高速鉄道(HSR)計画について、終着駅をシンガポールではなく、マレーシアのジョホールバルとする変更案を提示した。計画からシンガポールを除外するとの内容だ。
両国は2016年12月、首脳が出席して契約に署名しており、2国間協定として法的拘束力を持つ。
マハティール政権時代に、計画内容を変更したいとマレーシア側が申し入れ、着工は2回にわたり延期されており、3回目の今回が最後の延期で、年末が期限。
在マレーシア・シンガポール高等弁務官はフリー・マレーシア・トゥデーの取材に対し「12月31日までにマレーシア側との交渉妥結を目指し全力を傾ける。しかしマレーシアがHSR事業を推進しない場合、協定に基づきシンガポールに生じた経費をマレーシアは負担することになる」と述べた。
高等弁務官のコメントに対して、シンガポールの運輸省のスポークスマンも、HSR計画は双方にとり有益であると信じていると発表。妥結を目指し努力すると述べた。
ある筋によると、シンガポール政府は2.5億シンガポールドル(約195億円)の賠償を請求すると考えられる。
(フリー・マレーシア・トゥデー、11月25、26日)

新型コロナ新規感染者数は935人、累計で6万人超える

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は26日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数が前日から935人増加したと発表した。アクティブ感染者数は1万1,348人で、累計感染者数は6万752人となった。

州・地域別の感染者数はサバ州が最も多く326人となった。それに▽セランゴール州(161人)▽ネグリ・センビラン州(158人)▽ペラ州(79人)▽ジョホール州(60人)▽クアラルンプール(KL、59人)▽クランタン州(28人)▽ケダ州(24人)▽ペナン島(17人)▽ラブアン(13人)▽プトラジャヤ(5人)▽サラワク州(4人)▽トレンガヌ州(1人)ーーが続いた。パハン、マラッカ、ペルリス3州のみゼロだった。過去最多となる2,555人が退院し、累計治癒者は4万9,056人となった。死者数は3人増えて累計348人となった。

保健省のノール・ヒシャム事務次官は25日、新たに5つのクラスターを確認したと発表した。サバ州の「D’バジャル」クラスターでは90人、セランゴール州の「ガングサ」クラスターで外国人29人、マレーシア人が1人、ジョホール州の「バトゥ・トゥジュー」クラスターでは13人、「タンジュン・ブンガ」クラスターでは11人、トレンガヌ州の「ケレンゲ」クラスターで6人にそれぞれ陽性反応が出た。

来年度予算案が可決、EPF口座引き出しなどで譲歩

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 ムヒディン・ヤシン内閣が提出した2021年度予算案が26日、第2読会を経て下院議会を通過した。3月にムヒディン内閣が国会承認を経ないまま誕生してから初の予算案であり、事実上の内閣信任投票という側面もあって行方が注目されていた。

テンク・ザフルル財務相による総括演説に続き、午後3時半にアズハル・アジザン・ハルン議長の呼びかけで発声採決が行なわれた。立ち上がって反対を主張したのは13人だけで必要数の15人には届かなかったため、野党議員が激しく抗議する中、アズハル議長が記名投票なしでの可決を宣言した。法案は30日に委員会レベルでの審議が行なわれ、最終的に上院に回される。

修正内容には、与野党議員から要求のあった従業員積立基金(EPF)第1口座からの引き出しを1万リンギまで認める内容やローン返済期限の自動延長、医療関係者への支援、感染者が最も多いサバ州への支援などが盛り込まれた。また批判の的となっていた特別問題局(JASA)への予算8,550万リンギについても、30日の委員会審議で撤回される見通しだ。

ムヒディン内閣を支持する与党勢力の現有議席数が過半数をわずかに上回っているだけであった上、PNと共闘する国民戦線(BN)内からもムヒディン首相に批判的な議員が少なくなかったため予算案可決が危ぶまれていた。しかしBN所属議員らの要求に受け入れて予算案を一部修正。最終的にBN所属議員全員が予算案への支持に回った。