アンワル野党代表が予算案を批判、反対する可能性を示唆

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 下院議会野党代表のアンワル・イブラヒム元副首相(希望同盟=PHリーダー)は、6日に発表された2021年度予算案について、国内総生産(GDP)や税収見通しの根拠が不明だとし、こうした疑問に対してきちんとした答えが得られなければ予算案に賛成できないと言明した。
アンワル氏は、政府がプラス6.5—7.5%と主張している来年の経済成長予想について、エコノミストの予想平均であるプラス5.35%と比べると非現実的だと指摘。法人所得税収予想を新型コロナウイルス「Covid-19」流行前の2019年の638億リンギを上回る646億リンギとしてしていることについても、「企業が直面している厳しい状況からみても40億リンギは減るはず。不合理で無責任」と批判した。また個人所得税収見通しについても、442億リンギと今年の359リンギより60億リンギも多くなっている点についても無責任だと批判し、「実際はせいぜい360億リンギ」と指摘した。
またワクチン購入費に充てるとされている30億リンギについても、予算案に詳細が記されていないと指摘。特別問題局(JASA)への予算8,550万リンギの撤回など野党側の修正要求に応じなければ採決において反対票を投じる可能性もあると警告した。

EMCOを2週間延長、カジャンバスターミナルなど

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 イスマイル・サブリ・ヤアコブ上級相(兼国防相)は9日、4州5カ所における強化行動制限令(EMCO)を2週間延長すると発表した。

延長となるのは、▽セランゴール州カジャン・バスターミナル▽サラワク州クチンのカンポン・ハジ・バキ▽ネグリ・センビラン州ニライのプトラ・ポイント——が11月11日から24日まで。サバ州ラハド・ダトゥのタマン・カザナ・インダ及びカンポン・サバ・バルは11月10日から23日までとなっている。

■3州を除く半島全域、4週間CMCO対象に■

サブリ上級相は7日、ペルリス、パハン、クランタンの3州を除く半島全域を11月9日から12月6日まで4週間、条件付き行動制限令(CMCO)の対象とすると発表した。

新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者が増加していることから保健省と検討した結果、コミュニティ内の移動を減らす必要があると判断した。新たにCMCOの対象となるのは▽ペナン▽ネグリ・センビラン▽ケダ▽ペラ▽マラッカ▽ジョホール▽トレンガヌ——の7州。すでにCMCOが11月9日まで延長されている首都圏(セランゴール州、クアラルンプール=KL、プトラジャヤ)、及びサバ州、ラブアンも引き続きCMCOの対象となる。

新型コロナ感染者は新たに972人、累計で4万人超える

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)9日、新型コロナウイルス「Covid-19」の感染者数が前日から972人増加したと発表した。アクティブ感染者数は1万1,308人で、累計感染者数は4万1,181人となり、4万人を超えた。

州・地域別の感染者数は▽サバ州(370人)▽ネグリ・センビラン州(260人)▽セランゴール州(138人)▽ラブアン(63人)▽ペラ州(51人)▽ペナン島(34人)▽クアラルンプール(Kl、22人)▽ジョホール州(10人)▽ケダ州(8人)▽プトラジャヤ(5人)▽マラッカ州(5人)▽サラワク州(4人)▽クランタン州(2人)ーーとなった。パハン、トレンガヌ、ペルリス3州はゼロだった。新たに1,345人が退院し、1日あたりで最多となった。累計治癒者は2万9,579人だった。死者数は8人増えて累計294人となった。

保健省のノール・ヒシャム事務次官によると、8日には新たに2つのクラスターが確認された。「イクティサス・クラスターは、セランゴール州のペタリンとクラン、クランタン州のジェリ、ネグリ・センビラン州のセレンバン4地区において22人に陽性反応がでた。一方で「ベレンダム・クラスター」はマラッカ州のアローガジャおよびメラカ・テンガ地区で確認されており、陽性者は8人となった。

一方でサラワク州ビントゥルの「プトラ・クラスター」、サバ州のトンゴドなどで感染者が出ていた「クオーターズ・クラスター」は感染者がゼロとなり、収束した。

ニコンマレーシアが年内で営業停止、代理店経由で事業継続

【クアラルンプール】 ニコン(本社・東京都港区)のマレーシア法人、ニコン(マレーシア)は、2020年12月31日付けで営業を停止すると発表した。今後は代理店2社を経由してマレーシアでの営業活動を続ける方針だ。
ニコン(マレーシア)は2001年に設立され、カメラ、顕微鏡、測定機等の販売支援、サービスを手掛けていた。2021年からはイメージング事業についてはフューチュロミック(Futuromic)フォトAV社が正規販売代理店となる。また産業用測定機事業については、QES(アジア・パシフィック)が引き続き認定販売代理店となる。
ニコン(マレーシア)は声明の中で、「ニコンはマレーシア市場および世界中で顧客のニーズと期待に応える製品とサービスの提供を約束する」としている。
(エッジ、11月5日)

来年度予算案発表、過去最大規模の3225億リンギに

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 テンク・ザフルル財務相は6日、下院議会に2021年度(2021年1月1日—12月31日)予算案を提出した。

新型コロナウイルス「Covid-19」対策などの支出増加のため、予算規模は過去最高の3,225億4,000万リンギとなり、今年度予算の2,970億リンギを255億4,000万リンギも上回った。2021年の歳入は2,369億リンギの見込み。なお今年の歳出は当初予算を177億リンギオーバーして3,147億リンギとなり、財政赤字の対国内総生産(GDP)比は当初の見込みの3.2%から6.0%に大幅に上昇した。

来年度の一般歳出は2,365億リンギで全体の73.3%を占めた。開発予算は690億リンギで全体の21.4%、このほか新型コロナウイルスの対策基金として5.3%に当たる170億リンギを割り当てた。予算のテーマは「我々の強さは我々の集団的勝利にある」で、▽国民の幸福▽ビジネスの継続性▽経済的回復力——の3つの柱に基づく。

新型コロナ第3波対策として10億リンギを計上。4億7,500万リンギを検査薬や消耗品の購入、3億1,800万リンギを個人用保護具(PPE)の購入、1億5,000万リンギを国家災害管理局(Nadma)にそれぞれ充てる。医療最前線のスタッフに500リンギの一時金を支払う。

低・中所得者向けの支援策「Kita Prihatin(私たちの関心事)」基金への拠出額をこれまでの200億リンギから650億リンギに増額する。

生活費に困窮している人に配慮し、従業員積立基金(EPF)の第一口座から向こう12カ月間、最大で月々500リンギの引き出しを認める。また2021年1月から従業員の最低拠出率を9%に引き下げる。このほか生命保険やタカフル購入、重大な疾病に際しては第2口座からの引き出しを認める。

年収5万—7万リンギを対象に所得税率を1ポイント引き下げる。140万人が対象になるとみられる。また最初の住宅購入に際する印紙税を、50万リンギを上限に免除する。

「プリンシプル・ハブ」の税制優遇条件緩和を2022年12月31日まで延長する。また選ばれた製造業におけるマレーシアへの移転に伴う税制優遇措置についても、2022年12月31日まで延長する。

国家デジタル・ネットワーク(JENDELA)に5億リンギ、2021—22年にかけブロードバンドサービス拡充のため74億リンギを計上する。ブミプトラ(マレー人および先住民族の総称)底上げに向けて46億リンギを割り当て、またブミ中小零細企業向けの融資に5.1億リンギ割り当てる。石油・ガスや航空宇宙産業などの高技術企業に30億リンギを充てる。

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■来年のGDP成長、6.5ー7.5%と予想■

財務省は同日、「2020/21年経済リポート」を発表。 2020年の国内総生産(GDP)成長率予想についてマイナス4.5%、2021年についてはプラス6.5ー7.5%とした。

産業別の今年のGDP成長率予想は、建設業が18.7%、鉱業・採掘業が7.8%、サービス業が3.7%、製造業が3.0%、農業が1.2%と全てマイナス成長の見込み。2021年は建設業が13.9%、サービス業と製造業が7.0%、農業が4.7%、鉱業が4.1%とすべてプラス成長が見込まれている。

失業率は昨年3.3%だったが、今年は4.2%に上昇することが予想されるが、来年は3.5%に下降することが見込まれている。

今年の消費者物価指数(CPI=2010年を100として算出)はー1.0%で、来年はプラス2.5%に転じる予想だ。

3州除く半島全域でCMCO発令、12月6日まで

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 イスマイル・サブリ・ヤアコブ上級相(兼国防相)は7日、ペルリス、パハン、クランタンの3州を除く半島全域を11月9日から12月6日まで4週間、条件付き行動制限令(CMCO)の対象とすると発表した。

新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者が増加していることから保健省と検討した結果、コミュニティ内の移動を減らす必要があると判断した。新たにCMCOの対象となるのは▽ペナン▽ネグリ・センビラン▽ケダ▽ペラ▽マラッカ▽ジョホール▽トレンガヌ——の7州。すでにCMCOが11月9日まで延長されている首都圏(セランゴール州、クアラルンプール=KL、プトラジャヤ)、及びサバ州、ラブアンも引き続きCMCOの対象となる。特に感染者数が多いサバ州については、9日に国家安全委員会(NSC)が全域に強化行動制限令(EMCO)を発令するか検討する。このほかサラワク州クチン地区も11月9日から11月22日までCMCOの対象となる。

新たにCMCOの対象になった州における標準的運用手順(SOP)は、以前のものから変更はない。地区間の移動が必要な場合や緊急の場合は警察の許可が必要。州や地区を跨いで出勤する必要がある場合は雇用主からの同意書が必要となる。また必需品購入のために外出する際には2人までとなる。幼稚園や学校はすべて閉鎖される。

6日は新規感染者がこれまで最高の1,755人に達しており、特にペナン、セランゴール、ネグリ・センビラン州で増加が目立っている。ペルリス、パハン、クランタンの3州だけが新規感染者数がゼロとなっている。

新型コロナ感染者、6日は過去最多の1755人

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)6日、新型コロナウイルス「Covid-19」の感染者数が前日から1,755人増加し、過去最多となったと発表した。アクティブ感染者数は1万1,530人で、累計感染者数は3万8,189人になった。

州・地域別の感染者数は▽サバ州(1,199人)▽ペナン島(192人)▽セランゴール州(164人)▽ラブアン(69人)▽ネグリ・センビラン州(45人)▽ケダ州(19人)▽サラワク州(18人)▽クアラルンプール(Kl、18人)▽ペラ州(18人)▽プトラジャヤ(9人)▽トレンガヌ州(8人)▽ジョホール州(4人)▽マラッカ(2人)ーーとなった。パハン、クランタン、ペルリス3州はゼロだった。新たに726人が退院し、累計治癒者は2万6,380人だった。死者数は2人増えて累計279人になった。

保健省のノール・ヒシャム事務次官によると、5日には新たに5つのクラスターが確認された。サバ州では「ステラ・クラスター」(15人が陽性)と「リア30・クラスター」(11人が陽性)が発生した。

マレー半島部では、セランゴール州ペタリンで「タマル・クラスター」で10人、ペナン州で「インタン・クラスター」で9人、KLのティティワングサでは「ダナウ・クラスター」で8人に陽性反応が出た。

5日の新規感染者の11.1%は刑務所や留置所での感染だったという。

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5日の新規感染者の11.1%は刑務所や留置所での感染だったという。

GST再導入提案、政府は細心の注意をもって調査

【プトラジャヤ】 ムヒディン・ヤシン首相はベルナマ通信、国内テレビ局との会見で、産業界や学術界の一部から物品・サービス税(GST)の再導入を求める声が上がっていることについて、現在施行されている売上・サービス税(SST)やほかの国で採用されている付加価値税と比較し、細心の注意をもって研究を行うと、検討に乗り出す方針を明らかにした。
ムヒディン氏は「GSTの方が税制として効率的でSSTより収入が多いとの意見があることは承知している。しかし検討には細心さが必要だ」と語った。
GSTは2014年に導入されたが、マハティール政権時代に廃棄され、SSTが代わりに再導入された。税制改正は、経済や国民生活に与える影響を考慮して決めることになるが、運用が容易で、事業経費の増加をもたらさないことが前提条件だという。
(ベルナマ通信、11月4日)

ペラ州などの一部地域、20日までCMCOを発令

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 イスマイル・サブリ・ヤアコブ上級相(兼国防相)は5日、ペラ、トレンガヌ、ネグリ・センビラン各州の一部地域について7日付けで条件付き行動制限令(CMCO)を発令すると発表した。
新たにCMCOが発令されたのは、▽ペラ州パリト・ブンター地区▽トレンガヌ州ドゥングンのラサウ地区▽ネグリ・センビラン州ポート・ディクソンのジマー地区——で、期間は11月20日までの14日間。
一方、サブリ上級相は、サバ州センポルナの6地区及びクナックの1地区で発令されていた強化行動制限令(EMCO)について、11月6日で解除すると発表した。ただ同州サバハット・アンジュンの連邦土地開発庁(FELDA)入植地に発令されていたEMCOは20日まで14日間延長するとした。
■国会開会時間を短縮、出席議員も制限へ■
2021年度予算案など重要法案の審議が控えている今国会について、議会関係者からも感染者が出ていることを踏まえ、11月9日—15日の期間、午前10時から午後2時までの開会とし出席議員も80人に制限することを決めた。アズハル・アジザン議長が明らかにした。

代表ブログ 11.06

外国人雇用申請前の求人広告が11月より義務付けされるとM.サラバナン人的資源相が発表した。外国人駐在員を雇用したい場合は、30日以上欠員募集広告を掲載しなければならない。募集をしても最適な人材が見つからなかった場合には、初めて外国人の雇用が申請できるというものだ。

 

コロナ禍でマレーシアの失業率が上がっているため、外国人よりも自国民の雇用を守るというのが大義名分と思われる。新規申請に限るというのであれば、百歩譲って仕方ないかと諦められる。しかしながら本件は、既存のエンプロイメントパスを保持している駐在員のビザ更新にも適用されるとのこと。

只、ビザのカテゴリー1の駐在員に関しては、申請をすれば求人広告を出すことを免除されるようだ。カテゴリー2以下の駐在員やローカル採用の日本人は、ビザの新規申請や更新のためにマイ・フューチャー・ジョブズ(MYFutureJobs)」へ求人広告を出し、応募してきたマレーシア人の面接を行わなければいけない。その後、マレーシア人の適任者がいなかったと言うことを証明した後に、ビザの新規申請や更新が可能になる。

外資系企業や外国系商工会議所など関係各方面からは、マレーシアへのFDIを減速させるとんでもない措置だと言う声が上がりそうだし、上げるべきだ。人的資源相の11月1日付で求人広告掲示を義務付けるとしているので、しばらくはこのような状況を強いられると思うが、関係各方面が早急に意見等を人的資源省に上げてもらい、状況が改善されることを望みたい。

※本記事の情報は2020年11月6日現在のものです。最新のビザ情報につきましては、在マレーシア日本国大使館やimmigrationにご確認頂けますようお願い致します。

この記事を書いた人