コロナ死者に130歳の男性?真偽を巡り論争

【コタキナバル=マレーシアBIZナビ】 11月28日に新型コロナウイルス「Covid-19」で亡くなったサバ州在住の男性について、保健省が享年130歳だったと報告し話題となっている。本当だとすると世界記録になるため、真偽を巡って論争が巻き起こっている。

保健省の発表によると同日に亡くなったのは4人で、その中でタリブ・オマルと名乗る男性がトゥアラン病院で130歳で亡くなったとされている。ノール・ヒシャム事務次官はタリブ氏が有効な身分証は持っていなかったため親族及び自治体が提供した情報に基づいたとしている。

統計をとったり感染状況を分析する必要性からみて提供情報だけで年齢を発表するというのも問題だが、それでもタリブ氏の娘であるキムリさんは「確かに130歳だった」と言い張っている。

キムリさんによると、タリブ氏は保健省報告にあるような11月28日ではなく、11月3日にタマン・テリポク・リアにある自宅でキムリさんらが見守る中で座ったまま亡くなり、死後の検査でようやく新型コロナ感染が判明したという。

洗浄除菌水「エコピカ」、SGSが抗ウイルス効果を証明

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 日系アクアグリーンテック(本社・セランゴール州シャアラム)は、洗浄除菌水「ECOPIKA(エコピカ)」が2020年11月24日に国際検査機関のSGSよりヒトコロナウイルスの死活化効果に関する証明を受けたことを明らかにした。
冨田佳之マネージングダイレクター(MD)によると、SGSが行なったのは新型コロナウイルス「Covid-19」の代用としてヒトコロナウイルスを用いて「エコピカ」の抗ウイルス効果を調べたもので、日本のパートナー企業の依頼を受けて実施した。3カ月にわたる試験検査により30秒以内に99.99%死活化させることができることが確認されたという。
「エコピカ」は日本で開発された技術を用いてマレーシアでアクアグリーンテックがライセンス生産しているもので、成分は水(99.5%)と炭酸カリウム(0.5%)。特殊な電解槽を使った電気分解により製造している。洗浄と除菌の両面を持ち、かつ主原料が水のため安全安心に使用でき、かつ環境や人肌にも優しくアルコールを使用していないためハラル認証も取得することができたという。
「エコピカ」は現在、マレーシア国内の飲食店、学校、コンドミニアム、日系企業、ローカル企業等で感染予防に広く使用されており、このほどインドへの輸出も始まった。今後はミャンマーや日本での販売も計画している。
冨田MDは、マレーシアBIZナビの取材に対し、「一般的に家庭に数種類の洗浄液や消毒液の配置が必要だが、エコピカがあれば1本で洗浄から除菌までまかなえる。環境にやさしく、子供やペットにも安全安心に使用できる」と強調。今後さらに他国への輸出を増やして世界で蔓延する感染症の拡大阻止に役立ちたいと述べた。

 

1—9月の投資額は1098億リンギ、製造業は昨年より増加

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 マレーシア投資開発庁(MIDA)は、2020年1—9月の投資認可額が1,098億リンギだったと明らかにした。
投資認可件数は2,935件で、6万4,701人分の雇用創出が見込まれている。国内投資(DDI)は672億リンギで、投資全体の61.2%を占めた。外国直接投資(FDI)は426億リンギだった。中国がトップで170億リンギ、それにシンガポール(80億リンギ)、米国(28億リンギ)、スイス(28億リンギ)、オランダ(24億リンギ)が続いた。セランゴール州、サラワク州、サバ州、クアラルンプール、ペナン島への投資が認可投資額の69.9%となった。
製造業向け投資案件は740件で、投資認可額は653億リンギ。前年同期の669件、560億リンギを上回った。5万1,172人分の雇用が創出される見通しだ。DDIが前年同期比で45.5%増加し259億リンギとなった。FDIは3.2%増の394億リンギで、中国、シンガポール、スイス、米国、オランダ、タイ、日本からの投資が91.4%を占めた。
サービス業向け投資案件は2,180件で、投資認可額は428億リンギ。1万3,390人の雇用創出が見込まれている。DDIが406億リンギで94.9%を占め、FDIは2.2億リンギだった。
一次産業向け投資認可額は17億リンギ。139人分の雇用創出が見込まれている。FDIは58.8%を占める10億リンギ、国内投資が41.2%となる6億5,320万リンギだった。

コロナ耐性ランキング、マレーシアはなぜ低評価?

ブルームバーグが先ごろ、新型コロナウイルス「Covid-19」耐性ランキングを発表。マレーシアは経済規模の大きな53カ国・地域中で真ん中より少し下の29位にとどまり、感染者を多く出している英国や米国を下回った。

同調査は、経済規模が2,000億米ドルを超える国・地域を対象に、感染対策やコロナ下での生活に関する合計10の主要指標に基づいて点数化してランク付けした。

マレーシアは、感染対策状況に関する5項目では、ワクチン確保状況が低い評価にとどまったものの、10万人あたりの1カ月当たりの感染者数は93人、1カ月当たりの死亡率は0.4%、100万人当たりの死者数は10人、感染率は6.1%とまずまずの評価だった。

その一方で生活の質に関する5項目では、国内医療体制や人材開発指数はまずまずの評価だったものの、ロックダウンの期間や厳格度が非常に高かったこと、移動の自由が低いこと、今年通年の経済成長予想がマイナス6%となっていることが全体の評価の足を引っ張った。

マレーシアは死亡率や死者数、感染率は日本より良好だったが、ロックダウンの厳格度の評価はシンガポール、ベトナム、中国を下回りほぼ最低レベルの評価だった。移動の自由についても評価が低く、感染者が多く出たスペインやインドも下回った。

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ちなみにランキングトップはニュージーランドで、2位は日本、3位は台湾、4位は韓国の順だった。マレーシアは東南アジアではフィリピンよりは上位だったものの、シンガポールやタイ、インドネシアの後塵を拝した。

感染者数だけでなく死亡率や生活への影響を考慮しているところが同ランキング調査のミソで、中国や韓国より強制を伴わない封じ込め策をとった日本の方がランクが上だったわけだ。

一方マレーシアは、3月というかなり早い段階でロックダウンに近い厳しい行動制限令(MCO)を全国規模で実施。一時は復興に向けた行動制限令(RMCO)まで規制を緩和したものの、サバ州議会選挙による人の移動や外国人労働者用の宿舎でのクラスター発生などが影響して第3波が本格化すると、再び全国的な条件付き行動制限令(CMCO)を発令した。移動の自由度の無さや経済への悪影響などから厳しい評価となった格好だ。

ブルームバーグの評価が妥当かどうかは異論のある所だが、ノール・ヒシャム保健省事務次官が主張するように、第3波発生当初の基本再生産数(R0)は2.2だったが、CMCOによって0.9—1.1に下がっており、確かに数字上はCMCOの効果は出ている。

一方で新規感染者数が4桁を維持し、新たなクラスターが次々と発生する様子をみると、CMCOそのものよりマレーシア政府の行政管理の方に問題があるのではと不安を感じるのも分からないではない。

リー・ブーンチャイ前副保健相は、新たなクラスターが次々と発生している背景として、コンタクトトレーシング、感染検査、隔離の不十分さを挙げた上で、政府にはこれらを実行する能力が乏しいと指摘。人員や予算をもっと増やすことが必要だとしている。

(マレーシアBIZナビ編集部)

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新型コロナ新規感染者数は1472人、セランゴールで891人

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は2日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数が前日から851人増加したと発表した。アクティブ感染者数は1万686人で、累計感染者数は6万8,020人となった。

州・地域別の感染者数は セランゴール州が最も多く246人となった。それに▽サバ州(229人)▽クアラルンプール(KL、85人)▽ジョホール州(68人)▽ネグリ・センビラン州(62人)▽ペナン島(60人)▽ケダ州(26人)▽ペラ州(34人)▽クランタン州(2人)▽マラッカ州(1人)▽パハン州(1人)ーーが続いた。ラブアン、サラワク州、プトラジャヤ、トレンガヌ州、ペルリス州はゼロだった。658人が退院し、累計治癒者は5万6,969人となった。死者数は2人増えて累計365人となった。

保健省のノール・ヒシャム事務次官は1日、新たに2つのクラスターをサバ州で確認したと明らかにした。
コタキナバルとトゥアランで発生した「ビュー・コロンボン」クラスターでは40人、コタキナバルの「タラン・タラン」クラスターでは18人に陽性反応が出た。
アクティブなクラスターのうち、1日に最も感染者を多く出したクラスターは、「テラタイ」クラスターで、778人の感染者が確認された。その一方で3つのクラスターで感染者がゼロになり収束した。

オンライン日本産食品商談会、ジェトロが7日より開催

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 日本貿易振興機構(ジェトロ)クアラルンプール事務所は、12月7日から延べ7日間にわたり「クアラルンプール日本産食品輸出オンライン商談会2020」を開催すると発表した。
新型コロナウイルス「Covid-19」感染拡大の影響で世界的に見本市・商談会が中止・延期を強いられていることから、オンラインを使った商談会による新規商流獲得に向けた商談機会の提供を企画した。参加するのは日本の食品メーカー73社とマレーシア側バイヤー20社。
マレーシアではコロナ禍にあって自炊需要の拡大、オンライン販売・デリバリー等のEC市場の伸張、免疫力向上等に対する健康志向の高まり、海外旅行や娯楽制限に伴う日本産高級食材への消費傾向のシフト——といった傾向がみられる。ジェトロでは、こうした市場ニーズに応え、今回の商談会は▽インスタント・レトルト・冷凍食品▽調味料▽納豆・日本茶など健康食品▽アルコール・菓子など嗜好性の高い食品▽ハラル和牛▽水産物・水産加工品——を重点品目に位置づけた。
今回のオンライン商談会に参加する日本の食品メーカーは、調理が簡単なインスタント麺、カレールー、冷凍コロッケや自炊の際に使用するドレッシング、照り焼きタレ、炊き込みご飯の素などマレーシアの最新市場ニーズに合わせた商品を提案するほか、酵素やコラーゲン入りのドリンク、サプリメント、もち麦、ショウガ粉末などの健康食品を提案する。
またすでに人気の高い日本酒やウィスキー、需要の高いマグロ、ハマチ、ホタテなどの水産物、日本産牛肉などの高級食材も積極的にPRしていく。