経済回復の動き、首相府副大臣が上院で説明

【クアラルンプール】ジョセフ・クルップ副首相府相(経済問題担当)は21日の上院審議で、主要経済指標の最近の動きから、経済が回復途上にあることを説明した。テオ・エンティー議員の質問に回答した。
主要指標は小売業、宿泊業、パーム油価格、SMR(標準マレーシアゴム)20規格の天然ゴム価格の4つ。
小売業は徐々に回復しつつあり、ホテル客室稼働率は条件付き行動制限令(CMCO)が解除され、州をまたいだ移動が許可されて以降、全国平均で24.3%に上昇した。
パーム油価格は11月に1トン3,422リンギの大台に乗り、SMR20の価格は同月、キロ当たり6.33リンギの高値を記録したという。
来年から5年間の経済開発戦略である第12次マレーシア計画(12MP)は策定の最終段階にあり、構造改革に取り組む以外に、新型コロナウイルス後を考慮したものになるという。
(ベルナマ通信、12月21日)

サンワテクノス、ペナン州に事務所を開設

【クアラルンプール】 サンワテクノス(本社・東京都中央区)は21日、マレーシア子会社のサンワテクノス・マレーシアがペナン州バヤン・バルに事務所を2021年1月4日付けで開設すると発表した。
サンワテクノスは、メカトロニクス関連電気機器及び装置、プラント用電気品、電気設備機器の販売及び電気設備工事、各種電子部品・電子機器、各種OA機器、FAシステム、通信・情報機器等の販売、半導体関連製造設備、産業用ロボット、クリーンロボット、基板関連装置、物流搬送装置、風水力機器、各種検査装置、医療機器等の販売を手掛ける。

ワクチンの安全性確認、ムヒディン首相が最初に接種へ

【クアラルンプール】 ムヒディン・ヤシン首相は、新型コロナウイルス「Covid-19」ワクチンについて、自らが最初に接種を受けて効果や安全性を国民に保証すると言明した。続いて医療関係者が接種し、その後に高齢者、非感染性疾患、慢性呼吸器疾患のある高リスクグループに続くと述べた。
ムヒディン首相は22日に行なわれたテレビ演説の中で、特別ワクチン供給アクセス保証委員会がワクチン供給管理を行なうと指摘した上で、米ファイザーからの100万回分のワクチンの第一陣が早ければ2021年2月までに供給され、医療従事車や高リスクグループへの接種が始まるとの見通しを示した。ワクチンの効果と安全性については、保健省の国家医薬品規則庁(NPRA)が監督を続ける。
ファイザーとは11月24日に総人口の20%に相当する640万人に行き渡る1,280万回分の供給契約を、英アストラゼネカとも21日に同じく640万回分の供給契約を結んだ。マレーシアはワクチンを世界各国で共同購入して分配する国際的枠組み「COVAX(コバックス)」への参加も決めており、人口の40%に相当する分をすでに確保した。また科興(シノバック)、康希諾(カンシノ)、ガマレヤ(ロシア)との間でも交渉が最終段階に来ており、供給量をl人口の80%に相当する2,650人分の確保する見通し。目標としていた70%を突破した。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、マレー・メイル、エッジ、12月22日)

複数の工場で感染確認、操業一時停止に追い込まれる

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 ゴム手袋最大手のトップ・グロープの工場での大規模クラスター発生をきっかけに各工場が感染検査を行なうようになり、宿舎に住む外国人労働者を中心に感染が確認されるケースが増加。従業員の隔離や設備の消毒のために操業の一時停止に追い込まれる工場も出ている。
コンドーム製造大手のカレックスは21日、先ごろ2,000人を超える従業員を対象に新型コロナウイルス「Covid-19」のスクリーニングを実施した結果、35人が陽性だったことを明らかにした。カレックスは11月23日から全国のすべての生産施設でスクリーニングを開始していたが、陽性者のうち28人がジョホール州ポンティアンのカテーテル施設で12月16日に確認された。他の7人はコンドーム工場だった。感染者が出た生産施設は現在、消毒のために一時閉鎖しており、12月25日から段階的に生産を再開する。
電子部品メーカーのATA IMSは、ワイヤーハーネス製造子会社のATAコンポーネンツで従業員2人が感染。16日から操業を停止して24日までの日程で従業員の感染検査と消毒作業をおこなっている。
トップ・グロープは5,147人、同じゴム手袋メーカーのコッサン・ラバーは427人、ハルタレガは35人で感染が確認された。日系ではパナソニック・マニュファクチャリング・マレーシアが21日、セランゴール州シャアラムにある工場2カ所で116人の感染者が出たことを公表。工場の操業を21日から23日まで一時停止すると明らかにした。

新型コロナの感染者数は2062人、セランゴールで1014人

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は22日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数が前日から2,062人増加したと発表した。アクティブ感染者数は1万7,646人で、累計感染者数は9万7,389人となった。

州・地域別の感染者数はセランゴール州が最も多く1,014人だった。それに▽クアラルンプール(KL、504人)▽サバ州(252人)▽ジョホール州(167人)▽ネグリ・センビラン州(57人)▽ペナン島(23人)▽ペラ州(17人)▽マラッカ州(9人)▽パハン州(6人)▽ケダ州(5人)▽クランタン州(4人)▽プトラジャヤ(2人)▽ラブアン(2人)ーーが続いた。ペルリス州とサラワク州、トレンガヌ州はゼロだった。911人が退院し、累計治癒者は7万9,304人となった。死者数は1人増えて、累計で439人となった。

保健省のノール・ヒシャム事務次官は21日、新たに8つのクラスターを確認したと明らかにした。

セランゴール州では職場のスクリーニングにより「ペカプリ」(感染者202人)、「バトゥ・べサル」(59人)、「タワー」(20人)クラスターの発生を確認。KLの建設現場「ペランギ」クラスターでは23人、「ワワサン」、「デリマ」クラスターではそれぞれ6人、8人に陽性反応が出た。ラブアンの職場で発生した「Jバンダル」クラスターでは25人の感染を確認。ペナン州の「メイ・インダ」クラスターでは27人に陽性反応が出た。一方で6のクラスターが収束し、現在感染者を出しているクラスター数は201となった。