セランゴール州&KLなど、CMCOを年末まで延長

【クアラルンプールーマレーシアBIZナビ】 イスマイル・サブリ・ヤアコブ上級相(兼国防相)は18日、セランゴール州、クアラルンプール(KL)、サバ州で発令されている条件付き行動制限令(CMCO)について、一部を除いて12月31日まで延長すると発表した。

セランゴール州のフル・セランゴール、サバク・ベルナム、クアラセランゴールの3地区はすでにCMCO指定を除外され、復興のための行動制限令(RMCO)指定に戻っている。

サブリ上級相は今月5日、セランゴール州、KL、サバ州におけるCMCOについて、一部の地区を除いて12月20日まで延長すると発表していた。

このほかの地域では、ネグリ・センビラン州ポート・ディクソンとセレンバン、ジョホール州ジョホールバルとバトゥ・パハ、クライについてもCMCOが12月31日まで延長される。またケダ州クリム、ペラ州ムキム・チャンカト・ジョン、クランタン州クシアル、ジョホール州コタティンギは12月20日でCMCO指定が終了する。

■観客のいるスポーツも来年から許可■

またサブリ上級相は、1月1日よりサッカーなどの観客がいるスポーツの試合の開催を条件つきで認めると発表した。観客の人数は4,000人以下、もしくはスタジアム収容人数の10%以下とする。地域に応じた標準的運用手順(SOP)遵守が求められる。

また12月19日から、定員を半分に限定した上でCMCO及びRMCOを対象に展示会、会議、動物園、自然公園、水族館、博物館、図書館、ギャラリー、遊技場などの再開を認められる。

「来年末までにすべての客が4Gに移行」、通信のYTLコム

【クアラルンプール】 第4世代(4G)無線通信の有力企業YTLコミュニケーションズは、すべての加入者が来年末までに4Gに移行することに自信を示した
YTLコミュニケーションズの4Gカバーエリアは国土の90.1%で、ヨー・ショクホン代表は新プランの発表会見で、地方での接続性の高さを強調した。
政府は、2Gおよび3Gサービスを来年末で打ち切る方針を示しているが、ヨー氏によると、2Gおよび3Gの運用をやめる時期に来ていると、かねてから政府に働きかけてきたという。
新プランは月15リンギで10ギガバイトまで利用できるプリペイド(前払い)プランと、月49リンギで100ギガまで利用できるポストペイド(後払い)プランの2つで、現在の経済状態を考慮し、ポストペイドプランの加入者には最初の6カ月間を無料にする。プリペイドプランは所得が少ない人でも利用できるよう、手頃な料金設定にしたという。
(マレーシアン・リザーブ、12月16日)

 

「ペナンフェリーは現行のまま維持」ザフルル財務相

【クアラルンプール】 ペナンのシンボルとなっている島部と半島側を結ぶペナン・フェリーについて、テンク・ザフルル財務相は17日の下院質疑で「これまで通り維持する。それが事業をペナン・ポート(PPSB)が引き継ぐ際の条件となる」と言明した。
フェリー運行業務は、公共輸送機関を管轄する国営企業プラサラナ・マレーシアから来年1月1日付けでPPSBが再び引き継ぐことになっているが、PPSBは現在の老朽化したフェリーを廃して旅客輸送のみの水上バスと二輪車も載せられるローロー船に置き換える方針が伝えられ、地元から反発の声が上がっていた。
ザフルル財務相は、前希望同盟(PH)政権時に承認されたPPSBに対する3,000万リンギの公的資金が満額注入されると保証。半分の1,500万リンギについてはすでに来年度予算案に盛り込まれていると述べた。
ペナン・フェリーは126年の歴史を持つが、フェリーの老朽化が深刻。これまでも度々故障していたが今年8月には運用中の4隻すべてが故障し全面運休となっていた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、フリー・マレーシア・トゥデー、12月17日)

オンライン食品商談会の記録 

日本の食品業者とマレーシアの食品バイヤーを繋ぐオンライン商談会が12月7日から16日まで、JETRO主催で行われました。弊社ではオンラインでの商談会の共催は初めての試みとなり、司会進行と通訳を担当しました。

マレーシア人の通訳スタッフを事務所に迎えて気づいたことは、彼らがカラフルな服を着ていることです。日本人は特にオフィスではモノトーンやカーキなど地味な色を着る傾向がありますが、出社したマレーシア人は赤、青、黄色の鮮やかな色を着ていました。

服だけでなく、スーパーマーケットなどの商品を見ていてもパッケージのカラフルさに日本との違いを感じることがあります。マレーシア人の心をつかむ商品のパッケージには 、カラフルさも必要かもしれません。

また、オンラインミーティングに出席するバイヤーの対応にも日本の企業との差を感じました。日本の企業はオフィスからの対応が多いことに対し、マレーシアのバイヤーの中にはコロナ感染拡大で在宅勤務が多くなっていることから、家から出席したり、スマートフォンで外出先から対応するパターンもありました。

弊社ではコロナ禍でもオンラインで、日本企業に向けたマレーシアの食品市場調査・営業代行の対応を行っております。

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コッサンラバーでも427人感染、1工場が閉鎖に

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 ゴム手袋製造大手、コッサン・ラバー・インダストリーズは、工場従業員7,004人のうち427人から新型コロナウイルス「Covid-19」の感染者が出たことを明らかにした。
国家安全委員会(NSC)の指示に従い、12月4日から10日まで全従業員に対するスクリーニングを実施した際に感染が発覚した。6カ所ある同社工場のうち5カ所からは感染者はなく、感染者が出た1カ所だけが現在閉鎖されており、感染した従業員は医療施設で治療を受けその他の従業員は隔離されている。閉鎖された工場は12月21日より段階的に操業を再開する予定。
リム・クアンシア社長兼最高経営責任者(CEO)は、影響を受けているのは生産量全体の25%だが、閉鎖期間が2週間のみであるため収益への影響は2%程度となる見込みだと明らかにした。
新型コロナ第三波では従業員の集団感染のために閉鎖に追い込まれる企業が続出しており、業界最大手のトップ・グローブはセランゴール州クランで28工場が一時閉鎖に追い込まれた。
ジョホール州ではプレキャストコンクリート製造のOKAコーポレーションが、従業員の感染発覚で21日までセナイ工場が閉鎖されている。年間生産量への影響は0.7%未満だという。

新型コロナの新規感染者数は1220人、セランゴールで368人

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は17日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数が前日から1,220人増加したと発表した。アクティブ感染者数は1万4,671人で、累計感染者数は8万9,133人となった。

州・地域別の感染者数はセランゴール州が最も多く368人だった。それに▽クアラルンプール(KL、297人)▽サバ州(184人)▽マラッカ州(98人)▽ペナン島(80人)▽ジョホール州(67人)▽ペラ州(41人)▽ネグリ・センビラン州(33人) ▽ラブアン(16人)▽クランタン州(10人)▽ケダ州(9人)▽サラワク州(9人)▽パハン州(4人)▽プトラジャヤ(2人)▽トレンガヌ州(2人)ーーが続いた。ペルリス州のみゼロだった。1,297人が退院し、累計治癒者は7万4,030人となった。死者数は3人増えて、累計で432人となった。

保健省のノール・ヒシャム事務次官は16日、新たに8つのクラスターを確認したと明らかにした。
セランゴール州の「プンチャク・ガラクシ」クラスターで56人、サバ州の「ブキ・プナイ」クラスターでは7人に陽性反応が出た。KLの建設現場である「ペルマイ」、「マタハリ」、「ラウト」クラスターではそれぞれ48人、15人、8人の感染を確認。ジョホール州の「チャハヤ・マースリ」クラスターでは32人、ペラ州の「セリ・タシク」クラスターでは7人、パハン州の「インテン」クラスターでは9人に陽性反応が出た。

勤務中の女性警察官、「TikTok」にダンス投稿で炎上

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 動画サイト「TikTok」に勤務中にダンスをしている様子を投稿した女性警官が不謹慎だとして炎上、警察トップのアブドル・ハミド長官も「警察のイメージを悪くする」と批判し、こうした投稿を行なわないよう苦言を呈する事態となっている。

問題の動画はクランタン州の女性警察官が今月5日に投稿したとされるもので、同警察官が濃紺の制服を着た姿で検問所とみられる路上でダンスを踊っているところが映っている。バックライトを使って後光が射すようなエフェクトも効かせてある

硬いイメージの警察官のダンスということで一部では評判だったが、勤務中に不謹慎との声も殺到。女性警察官は現在、警察の内部調査を受けており、倫理規定違反で何らかの処分が下される見通しだという。

国内旅行の解禁、観光関連業者はビジネス回復を期待

【ペタリンジャヤ】 国内旅行の解禁で旅行関連業者は客足の回復に期待をかけているが、悲観的見方を引きずっている向きもある。ウイルス陽性反応者が過去最多を更新したことで国民の旅行意欲がそがれる可能性があり、また、旅行者が増加することで感染のリスクが高まると警告する医療専門家もいる。
解禁でホテルは年末にかけ、レジャー客の宿泊が期待できる。外国からのレジャー客がないなか、国内旅行客はホテルなど接客業には生命線だが、マレーシア・ホテル協会のヤプ・リプセン最高責任者は、新規感染者数が急減した6月ほどの稼働率は見込めないと語った。
8月末の独立記念日にかけての客室稼働率は42%。感染拡大の第3波があった10月に急落し、現在は20%前後。
セリ・パシフィック・ホテル・クアラルンプールの営業担当者は「レジャー客だけでなく、出張客も見込め、この先稼働率はゆっくりだが徐々に上がってゆく」と期待を表明した。
国内旅行解禁で有料道路運営業者も収入増を期待している。南北高速道路を運営するPLUSマレーシアによると、パンデミック以前は1日170万台の利用があったが、100万台まで減少した時期もあった。解禁で150万台への回復が見込めるという。
(ザ・サン、12月15日)

経営難のエアアジアX、再編計画の一部内容を変更

【クアラルンプール】中・長距離路線を運航している格安航空、エアアジアX(エックス)は減資を含む再編計画の内容を改め、発行済み株式資本を99.9%減らすと発表した。当初計画では90%の減資だった。
発行済み株式資本は15億3,000万リンギから153万リンギになる。減資で発生した資金は負債の返済に充当する。減資に伴い既存株式10株を1株に統合する。
株式統合後、投資家から5億リンギの資金を調達する。うち3億リンギを株主割り当てで調達し、新株式発行で新たな投資家から2億リンギを調達する計画だ。
再編計画の実施には債権者の同意が必要だ。再編以外の選択肢は清算しかなく、この場合、債権者の取り分はゼロになるという。
(マレーシアン・リザーブ、12月15日)

 

CMCO拡大、マレーシア経済への影響は

マレーシアでの新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大が続いています。10月中旬にサバ州、スランゴール州、KL、プトラジャヤについて条件付き活動制限令(CMCO)が発令され、11月9日からはプルリス州、パハン州、サラワク州を除く全ての州にCMCOが拡大されました。その後、クダ州、トレンガヌ州、マラッカ州、ジョホール州については一部地域を除いて11月21日にCMCOが解除され、12月7日にはKL、スランゴール州、サバ州を除く他の州のほとんどの地域でCMCOが解除されました。現在CMCO下にある地域では、現在のところ12月20日まで継続されることになっています。

本連載321回では首都圏のCMCOが1カ月続いた場合、四半期GDPを1.5%〜2.5%程度の押し下げると試算しましたが、今回は期間も対象地域拡大したCMCOについて、その影響を概算します。計算方法は以下の通りです。連載321回で示したように、CMCO下の地域では、製造業のGDPは0〜マイナス5%、小売サービス業および建設業のGDPはマイナス15〜マイナス20%と想定します。

2019年の州別・産業別GDPデータをベースに試算すると、マレーシアの四半期GDPは今回のCMCOによって4.6〜6.6%下押しされます。マレーシアの2020年第四半期のGDP成長率は、当初4〜5%のプラスと見込まれていたので、差し引き0〜2%のマイナスとなる予測されます。結果として、2021年のマレーシアの通年でのGDP成長率はマイナス4.7%〜マイナス5.3%程度となり、2021年予算発表時の想定であるマイナス4.5%を1%程度下回るかたちとなります。

今回は、3月〜5月のMCOと比較すると、陽性者の減少速度は遅く感じますが、一方で経済的なダメージは比較的抑えられています。防疫と経済の両立をめざして、苦心しながらも丁寧にバランスをとっていると評価できます。

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