新型コロナの新規感染者数、過去最多の2234人

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は10日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数が前日から2,234人増加し、過去最多となったと発表した。外国人労働者に対する強制スクリーニングを実施していることやクラスターでの感染者が増加した。

 アクティブ感染者数は1万1,867人で、累計感染者数は7万8,499人となった。

 州・地域別の感染者数はセランゴール州が最多で、前日の277人から1,428人に増加した。それに▽サバ州(274人)▽クアラルンプール(KL、136人)▽ペラ州(115人)▽ジョホール州(100人)▽ネグリ・センビラン州(67人)▽パハン州(45人)▽ペナン島(42人)▽ケダ州(14人)▽マラッカ州(5人)▽クランタン州(3人)▽トレンガヌ州(3人)▽プトラジャヤ(1人)▽サラワク州(1人)ーーが続いた。ラブアンとペルリス州のみゼロだった。1,112人が退院し、累計治癒者は6万6,236人となった。死者数は3人増えて、累計で396人となった。

 保健省のノール・ヒシャム事務次官は9日、新たに4つのクラスターを確認したと明らかにした。

 サバ州の「クピクピ」クラスターでは、12人に検査したところ全員の感染を確認。また半島部では、KLの建設現場から発生した「アイコン・ビンタン」では12人、ジョホール州「バンダル・インピアン」クラスターでは9人、ネグリ・センビラン州の「ジャラン・ケマン」クラスターでは19人に陽性反応が出た。これまで発生したクラスター数は前日(392)から396に増えた。新たに4のクラスターで感染者がゼロとなり、収束したクラスターは211となった。

教師の85%が在宅学習に1日1—4時間=調査

【クアラルンプール】 新型コロナウイルス「Covid-19」流行のために学校は多くの期間で休校となったりオンライン授業となった。こうした中、教師は休校中も授業を行うために多くの努力と時間を費やしていることが、このほどマレーシア国民大学(UKM)教育学部の調査で分かった。

11月にUKMが公立・私立の小中学校の教師1,742人を対象に実施した調査によると、教師の85%が在宅学習に1日1—4時間費やしていると回答、残りの15%が4時間以上を費やしていると答えた。

在宅学習の授業時間そのものが短いことについてUKMは、オンライン授業の準備や教材の作成や宿題の添削、学校側に提出する報告書作成などに時間を割かれるだと説明している。

休校中に行なっている教授法については、37%がオンライン、16%がオフライン、45%がオンラインとオフラインの両方で、残りはコミュニティセンターに待機し、宿題を出したり採点したりといった活動を行っていると答えた。

長い学校休校のため、事情を知らない人からは「教師が仕事もしてしないのに給料をもらっている」といった誤解に基づく批判の声があり、中には「保健衛生の最前線の仕事をさせろ」といった声もあり、責任感のある教師たちは心を痛めているという。

(ベルナマ通信、12月5日)

 

日系ステップ1マレーシア、ワクチン物流対応ボックス販売へ

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 マレーシア・マイ・セカンド・ホーム(MM2H)の申請支援の日系ステップ1マレーシア(本社・セランゴール州スバンジャヤ)は8日、同社の経営母体であるN.Sビジョン・マーケティングが、マレーシアにおける携帯型超低温冷蔵保管ボックスの販売契約をスターリングエンジンジャパン(本社・神奈川県足柄下郡)と結んだと明らかにした。
ステップ1マレーシアが発表した声明によると、世界中で猛威を振るっている新型コロナウイルス「Covid-19」の感染症対策として様々な国・薬事メーカによりワクチンの開発が行われており、マレーシアは米ファイザー製のワクチン640万人分の購入契約を締結したことを発表した。しかし、ファイザー製ワクチンはマイナス70度の超低温保管が求められており、地方への輸送方法や街中のクリニックでのワクチン保管などワクチン接種に向けて解決する必要がある。
そのためステップ1マレーシアは、環境にも優しく小型で持ち運びも可能なAC/DC電源で稼働するスターリングエンジン技術を使用したマイナス80℃超低温冷蔵ボックスを提供することを決めた。冷蔵ボックスの提供により、マレーシア国内のコロナ感染症対策に協力することができるとの見解を示した。

ペラ州次期首相、与党連合がUMNO支部長で合意

【イポー=マレーシアBIZナビ】 次期州首相人事を巡って混乱していたペラ州政局だが、同州与党連合・国民同盟(PN)構成党の統一プリブミ党(PPBM)及び汎マレーシア・イスラム党(PAS)、そして同州最大党派である統一マレー国民組織(UMNO)が9日、UMNO支部長のサアラニ・モハマド氏を推すことで合意した。10日にも正式にサアラニ新州首相が就任するとみられる。

騒ぎの発端は、今月4日、アハマド・ファイザル・アズム州首相(PPBM副党首)に対する不信任案が、野党だけでなくUMNOが賛成に回ったことにより可決されたこと。UMNOは所属する国民戦線(BN)がサアラニ氏を後任に推すことで合意したと宣言し、PNの同意を迫った。しかしPPBMだけでなくPASもこれに反発。野党側も反対を強めており、与野党いずれの党派も州議会で過半数を確保できない状態となっていた。

9日になってようやくPNを構成するPPBMとPAS、BNを代表するUMNOの3党派が膠着状態を打破するために会談を行い、「BN総裁が一連の騒動を起こしたことを謝罪する」との内容を声明に盛り込むことで、PNが妥協した。政権側のPNとしても長期間の政治空白を作っているとの批判を避けたいため、妥協に応じたとみられる。一時は3党連携を基軸とするPN政権の枠組みが崩壊する可能性も指摘されていたが、とりあえずは元の鞘に納まった格好だ。

2月から3月にかけての政界再編の煽りを受け、ペラ州でも前与党・希望同盟(PH)からアハマド・ファイザル州首相を含むPPBM所属議員が離脱し、同州野党だったBNやPASと協力して過半数を掌握して新たな連立政権を樹立した。連立与党内のバランスを重視してアハマド・ファイザル氏が州首相に再選されたが、わずか5人の少数派であったことから議席数で優位に立つUMNOから不満の声が絶えなかった。

コロナ禍で働く意識に変化、企業も変化が必要=調査

新型コロナウイルス「Covid-19」感染拡大にあって、在宅勤務が求められたり外出が制限されたりしたことで人の働き方や働く意識が大きく変わり、企業もそれに応じて改革を迫られている。このほど人材紹介会社のヘイズはアジアの国・地域別の労働者の意識変化に関するリポートを発表。企業が人材を確保するために必要な将来の職場環境を象る4つの要素として▽フレキシビリティ▽テクノロジー▽スキルアップ▽働きがい——を挙げ、マレーシアの雇用主への提言として、▽フレックスタイム制導入▽会社の設備改善(特にフレックスやリモートが導入できない場合)▽プロセスのデジタル化▽思いやりのあるリーダーシップ▽リモートスキル開発——の5点を挙げている。

同調査によると、人口の半数近くが15~35歳と若いマレーシアでは特に大きな変化が起きており、回答者の多くがプロセスのデジタル化(81%) 、変化の積極的受け入れ(77%)、リモートでの柔軟な働き方(68%)に肯定的で、アジアの中でも高い割合となっている。また研修や能力開発の機会の増加(64%)、ハイブリッド型やパートタイムへの移行といった既存の職務の再設計も高い回答率となっている。

フレキシビリティに関してマレーシアでは、回答者の85%がコロナ禍以降にリモートワークの選択肢が重要になったと答え、さらに81%がフレックスタイムが重要になったと述べ、60%が定時勤務の重要性が低くなったと答えた。しかしヘイズの調査によると、リモートワークを実施している雇用主がコロナ発生前の31%から発生後の54%へと大幅に増加している一方で、フレックスタイムを実施している雇用主は47%から51%へと緩やかにしか増加していないという。また回答者の75%が、コロナ後に従業員の幸福がより重要になってきたと答えたが、これを提供している雇用者は31%に留まっており、大きなギャップがあるという。

またテクノロジーに関してマレーシアでは、回答者の85%が自分の職務に関わらず、組織のデジタル化の取り組みが重要であると答えており、大多数の回答者は、転職する際に検討する最も重要なツールとして、ビデオ会議(85%)とリモートワークアクセス(83%)を挙げている。しかしビデオ会議はコロナ禍後で導入率が大きく上昇したがリモートワークアクセスを提供している組織は半数を少し上回る程度(66%)に留まっており、クラウド型ストレージとシステムを提供している組織はさらに少数(49%)にとどまっているという。

スキルアップに関してマレーシアでは、回答者の94%がスキルアップは重要であると回答しており、中国(94%)と並んで最も高い回答率となっている。その一方で、マレーシアの雇用主が実施している率はeラーニングが50%だが、デジタルスキル習得((29%)、リスキリング(24%)、リモートオリエンテーション(28%)、リモートリーダーシップ研修(16%)にとどまっており、従業員と雇用主の考え方にずれがあることを示している。

働きがいに関してマレーシアでは、回答者の94%が働きがいや仕事の意義が従業員のモチベーションを高める上で重要と回答している。「自分の貢献が認められ報われること」(81%)、「自分の仕事が大企業に与える影響を感じたり目にしたりすること」(70%)、「会社の価値観やミッションに共感したり同意したりすること」(67%)の順で多くなっている。

(マレーシアBIZナビ編集部)

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新型コロナ新規感染者数は959人、1週間ぶりに3桁に

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は9日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数が前日から959人増加したと発表した。アクティブ感染者数は1万748人で、累計感染者数は7万6,265人となった。

州・地域別の感染者数はセランゴール州が最も多く277人となった。それに▽サバ州(203人)▽クアラルンプール(KL、129人)▽パハン州(119人)▽ジョホール州(100人)▽ネグリ・センビラン州(33人)▽ペラ州(33人)▽ペナン島(29人)▽クランタン州(17人)▽ケダ州(16人)▽マラッカ州(2人)▽ラブアン(1人)ーーが続いた。サラワク州、プトラジャヤ、ペルリス州、トレンガヌ州はゼロだった。1,068人が退院し、累計治癒者は6万5,124人となった。死者数は5人増えて、累計で393人となった。 保健省のノール・ヒシャム事務次官は8日、新たに2つのクラスターを半島部で確認したと明らかにした。
セランゴール州クラン、フル・セランゴール、ペタリンでは「セルリン」クラスターが発生、109人に陽性反応が出た。一方で建設現場で発生した「ダルル」クラスターでは、KLのティティワングサ、チェラス、レンバ・パンタイ、セランゴール州ペタリン、セパン、クアラ・ランガット、ネグリ・センビラン州セレンバンで14人の感染を確認した。これまで発生したクラスター数は392で、現在感染者を出しているクラスターは185となっている。

1—9月の外国人観光客、78.6%の大幅減に

【プトラジャヤ】 マレーシア政府観光局(ツーリズム・マレーシア)は、今年1—9月の外国人観光客数が前年同期比78.6%の大幅減少となったと明らかにした。
年初9カ月の外国人観光客数は新型コロナウイルス「Covid-19」感染拡大に伴う3月18日から実施された国境閉鎖の影響で429万9,419人にとどまり、前年同期の2,010万人を大きく下回った。
観光収入も126億リンギにとどまり、前年同期の661億リンギから80.9%の減少となった。観光客1人当たりの平均支出額も、前年の3,278.30リンギから10.7%減の2,938.40リンギの落ち込んだ。
国別でみると、シンガポールが154万3,627人でトップとなり、以下、インドネシア(71万118人)、中国(40万3,055人)、タイ(37万2,075人)、インド(15万5,448人)、ブルネイ(13万5,848人)、韓国(11万9,364人)、日本(7万3,891人)、豪州(7万2,369人)、フィリピン(6万5,601人)——と続いた。
観光客の落ち込みは世界的に起きており、近距離市場(東南アジア)はマイナス78.8%、中距離市場(マイナス80.0%)、長距離市場(マイナス74%)となった。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、12月7日、マレーシア政府観光局発表資料)

GST再導入はない、副財務相が言明

【クアラルンプール】 モハマド・シャハル第2財務相は7日の下院審議で、物品・サービス税(GST)再導入の意向を問われたのに対し、歳入を増やすためあらゆる選択肢を検討しているが、GSTは選択肢に含めていないと重ねて表明した。
シャハル氏によると、財務省は歳入を増やすための枠組みの策定作業中で、これには統治改善が含まれ、そのための立法措置を講じるという。
GSTは長期にわたり政権の座にあった国民戦線(BN)時代の2015年4月に導入されたが、首相に返り咲いたマハティール政権時代の18年、廃止され、代わりに売上・サービス税が再導入された。
格付け会社のフィッチ・レーティングスがマレーシアのソブリン債を格下げしたことについて、シャハル氏は、国内要因や経済の基礎的条件が理由の格下げではないため危機とはみなされないと述べた。またフィッチの分析では最近の経済回復が考慮されていないという
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、12月8日)

ペラ州首相人事めぐり混乱続く、過半数確保の党派なく

【イポー=マレーシアBIZナビ】 同州与党連合・国民同盟(PN)率いるペラ州のアハマド・ファイザル・アズム州首相(統一プリブミ党=PPBM副党首)に対する不信任案が州議会(定数59)で可決されて数日経つが、後任人事を巡っていまも混乱が続いている。単独過半数を有する党派連合はなく、多数派工作がめまぐるしく行なわれている模様だ。

4日に可決された不信任案は、PN政権を支援しつつもアハマド・ファイザル州首相に対する批判を強めていた同州第一党・統一マレー国民組織(UMNO)議員らの造反によるものだが、UMNO支部は、早々とサアラニ・モハマド支部長が州議会議員26人から支持を得たと宣言。他党からの支持も取り付け過半数の支持を得たとして同州スルタン、ナズリン殿下に謁見して状況を説明した。しかし王宮側は8日午後時点で過半数を確保した党派はないと発表した。

混乱のきっかけとなったのは、PN構成党でありUMNOと共闘関係にある汎マレーシア・イスラム党(PAS)が態度を一変させ、ポスト・アハマド・ファイザル政権には加わらないと宣言したこと。これによりサアラニ氏が過半数の支持を獲得できるか微妙な情勢となっている。UMNOの現有議席は25議席。過半数をとるためには残り5議席を他の党派との連携により確保する必要がある。

2月から3月にかけての政界再編の煽りを受け、ペラ州でも前与党・希望同盟(PH)からアハマド・ファイザル州首相を含むPPBM所属議員が離脱し、同州野党だった国民戦線(BN)や汎マレーシア・イスラム党(PAS)と協力して過半数を掌握して新たな連立政権を樹立した。連立与党内のバランスを重視してアハマド・ファイザル氏が州首相に再選されたが、わずか5人の少数派であったことから議席数で勝るUMNOから不満の声が絶えなかった。

新型コロナ新規感染者数は1012人、セランゴール州で417人

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は8日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数が前日から1,012人増加したと発表した。アクティブ感染者数は1万862人で、累計感染者数は7万5,306人となった。

 州・地域別の感染者数はセランゴール州が最も多く417人となった。それに▽サバ州(271人)▽ジョホール州(108人)▽クアラルンプール(KL、98人)▽パハン州(33人)▽ペラ州(29人)▽ネグリ・センビラン州(23人)▽ペナン島(18人)▽ケダ州(10人)▽クランタン州(2人)▽サラワク州(2人)▽プトラジャヤ(1人)ーーが続いた。ペルリス州、マラッカ州、トレンガヌ州、ラブアンはゼロだった。1,750人が退院し、累計治癒者は6万4,056人となった。死者数は4人増えて、累計で388人となった。

 保健省のノール・ヒシャム事務次官は7日、新たに2つのクラスターを首都圏で確認したと明らかにした。

 セランゴール州クアラ・セランゴールの「マラワティ」クラスターでは14人に陽性反応が出た。一方でKLの建設現場で発生した「ビナ・アワン・レンバ」クラスターでは、レンバ・パンタイ、ティティワングサで35人の感染を確認した。現在感染者を出しているクラスターは187となっている。