北東モンスーンによる荒天、各地で異常低温&大雨洪水

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 北東モンスーンが年末からマレーシアのほぼ全土を襲っており、各地で大雨、気温低下が観測されている。

首都圏クランバレーやパハン州クアンタン、テメルロー、ネグリ・センビラン州クアラピラー、ジョホール州バトゥパハなどでは3日、最低気温が23度まで低下。山間部のキャメロンハイランドでは17度と予想されている。

各地で大雨に伴う洪水が発生しており、4日午後1時時点で半島部の5州の避難民が1万9,591人に達している。また各地で大雨による地滑りが起きており、道路が寸断され孤立する集落も出ている。

マレーシア気象局(MetMalaysia)によると、北東モンスーンにより冷たく湿った大気は昨年11月11日ごろから半島部に達し、低温と天候不順は3月まで続く見通し。半島部東海岸やサラワク州西部、サバ州東部で大雨が予想される。気象局は南シナ海沿岸では高波、低地では洪水の懸念が高まるとして警戒を呼び掛けている。

東京五輪は重要な踏み台、日本アジアクロスのウォン代表

【クアラルンプール】 アジア企業の日本進出、日本企業のアジア進出を支援する日本アジアクロスのキース・ウォン代表取締役は、今年開催の東京五輪は飲食品だけでなく、化粧品でもハラル(イスラム教の要件を満たした)分野におけるマレーシアの能力を示す重要な踏み台になるとの認識を示した。
日本では化粧品メーカーもハラル原料に関心を示しており、日本を訪問するイスラム教徒も日本水準の化粧品を求めるようになると予想される。このため共同ブランディングを通じマレーシア製化粧品を日本で販売することも可能だという。
ウォン氏(マレーシア人)は日本の厚生労働省が設けたハラル研修専門家委員会の唯一の外国人委員。日本アジアクロスは、調理人のためのハラル研修を日本各地で実施してきた。
(ベルナマ通信、12月24日)

ブランド買取「なんぼや」1号店、プラザダマスにオープン

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 バリュエンスホールディングス(本社・東京都港区)のグループ企業であるバリュエンスインターナショナルリミテッド(本社・中華人民共和国)は、ブランド買取「なんぼや」のマレーシア1号店となる「なんぼやプラザ・ダマス店」を12月24日にオープンした。多様な民族が共存するマレーシアで、日本のリユース文化の浸透を図る。
「なんぼやプラザ・ダマス」店は、日本のなんぼやのデザインを継承し、女性や子様連れの顧客にも入りやすいサロンのような明るい雰囲気で、プライバシーに配慮された店舗設計となっている。「なんぼや」が大切にするコンシェルジュ(鑑定士)による「お客様とモノとのストーリーを大切にした接客」を行う。
バリュエンスグループではこれまで、2017年のオークション事業での香港進出を皮切りに海外事業を本格化。2019年にはブランド品等の買取事業での香港進出、2020年にはインドネシア、シンガポール、マレーシアに進出した。東南アジア諸国への買取店舗出店は今後も予定しており、中期経営計画「VG1000」で目標とする2025年8月期までの海外30店舗展開の達成と、各国の現地ニーズに合わせた買取強化によるリユース文化の普及促進に向け邁進していく方針だ。

KLーシンガポール高速鉄道計画が中止に

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 クアラルンプール(KL)ーシンガポール間の高速鉄道(HSR)事業についてマレーシアとシンガポールの両国は12月31日をもって中止することで合意した。
ムヒディン・ヤシン首相とシンガポールのリー・シェンロン首相は12月31日に共同声明を発表。マレーシア側が新型コロナウイルス(Covid-19)感染症拡大が同国経済に与える影響を考慮していつくかの変更をシンガポール側に提案し、両国政府の間で議論が続けられ たものの合意に達することができなかったと説明した。
これに合わせてシンガポール交通省は、2016年に締結した二カ国間合意(BA)に基づき、これまでにシンガポールが負担したコストをマレーシア側が弁済することになると述べた。
同計画は2016年にBAが結ばれ実施に向けて踏み出したが、2018年9月、財政悪化を懸念する当時のマハティール・モハメド内閣の判断によってより中断した。2020年5月末に再開される予定だったが、ムヒディン政権下で新型コロナの影響もあって延期論が浮上。シンガポール側の同意を得て12月末までの再延長が決まり、計画内容の縮小を含めた見直しが行われていた。なおジョホール州側からはジョホールバル止まりでのHSR計画続行を求める声が上がっている。

復興のための制限令、3月末まで延長

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 イスマイル・サブリ・ヤアコブ上級相(国防相)は1日、復興のための行動制限令(RMCO)を3月31日まで延長すると発表した。

新型コロナウイルス(Covid-19)の新規感染者数が引き続き高い水準を維持していることを受けた保健省の勧告に基づき、2020年12月末となっていた期限の3カ月延長を決定した。条件付き行動制限令(CMCO)及び強化行動制限令(EMCO)に指定されている地域は除外となる。また、1月2日付けでジョホール州の一部に出されていたEMCOについても1月15日まで延長する。

国家安全委員会(NSC)は同日、最新版の標準運用手順(SOP)を発表。マスク着用に関する条項が強化されRMCO、CMCO指定地域共に混雑した公共の場でのマスクの着用義務を明確化した。

■セランゴールやKLのCMCOを延長■

サブリ上級相は12月28日、セランゴール州、クアラルンプール(KL)、サバ州で発令されている条件付き行動制限令(CMCO)を1月14日まで延長すると発表した。これらの地域では12月31日で指定解除となる予定だったが、新規感染者が減らないことから延長に踏み切った。

新型コロナの新規感染者数は1704人、累計で11.9万人に

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は3日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数が前日から1,704人増加したと発表した。アクティブ感染者数は2万1,365人で、累計感染者数は11万9,077人となった。

州・地域別の感染者数はセランゴール州が最も多く673人だった。それに▽サバ州(316人)▽ジョホール州(179人)▽クアラルンプール(KL、112人)▽ペナン島(103人)▽ペラ州(75人)▽ネグリ・センビラン州(72人)▽ケダ州(53人)▽クランタン州(47人)▽パハン州(21人)▽プトラジャヤ(17人)▽ラブアン(16人)▽サラワク州(10人)▽マラッカ州(6人)▽トレンガヌ州(4人)ーーが続いた。ペルリス州のみゼロだった。新たに2,726人が退院し、累計治癒者は9万7,218人となった。死者数は11人増えて、累計で494人となった。

保健省のノール・ヒシャム事務次官は2日、3,321人が退院し、1日当たりとして過去最高となったと明らかにした。新規感染者数は2,286人で、うちセランゴール州が638人で最多だった。

新たに確認されたクラスターは9つで、ジョホール州とセランゴール州でそれぞれ2つ、サバ州とネグリ・センビラン州、クランタン州、トレンガヌ州、サラワク州でそれぞれ1つ発生。多くのクラスターが工場や職場での集団検査により確認された。同日、新たに収束したクラスターは3つで、現在感染者が出ているアクティブなクラスターは229となった。