【クアラルンプール】行動規制が解除されれば経済は直ちに回復が可能、との主張が一部でなされていることについて、アズミン・アリ通産相(上級相)は「経済はスイッチを入れたらすぐ動作するという質のものではない。マイナスからプラスに転じるまでには時間がかかる」と述べた。
政府は昨年、景気対策を講じ、第3四半期の経済はマイナス2.7%と減少幅を前期より狭めることができたが、プラスに転じるには少なくとも、もう1四半期が必要だという。
製造業、建設業の現場が感染クラスターの発生につながっているとして作業禁止を求める声があることについて、アズミン氏は、感染防止では全面封鎖ではなくほかの選択肢を検討すると表明した。
アズミン氏はまた、地域共同体における感染の防止が最も重要とし、一般大衆に標準的運用手順(SOP)の厳格な順守を求めた。
(マレー・メイル、1月25日)
「ホテルエクアトリアルペナン」、3月31日で閉鎖
【ジョージタウン】 新型コロナウイルス「Covid-19」感染拡大の影響を受けて、「ホテル・エクアトリアル・ペナン」が3月31日で閉鎖する。
「ホテル・エクアトリアル・ペナン」は、ペナン島のブキ・ジャンブルにある5つ星のホテル。客室数は600室以上。ペナン・ゴルフ・クラブに隣接しており、バヤン・レパス自由貿易区やペナン国際空港に近いことから、1980年代後半の開業以降、ペナンで人気のあるホテルの一つとなっていた。管理スタッフを除いた従業員数は271人。
ホテルが従業員向けに出した通知の中で、ゼネラル・マネジャーであるアランHCオン氏は、新型コロナの感染拡大に伴い、ビジネス状況が悪化したとし、廃業という苦渋の決断をしたと明らかにした。巨額の損失を抱えているが、退職金を支給するとし、詳細については改めて発表すると言明。経営陣は雇用条件の下で、従業員に対しての義務は果たすとして、安心するように呼びかけた。
「ホテル・エクアトリアル・クアラルンプール(KL)」では昨年、自主退職制度(VSS)が実施された。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、1月26日、エッジ、1月25日)
新型コロナの新規感染者数は3585人、累計で19万人超える
【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は26日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数が前日から3,585人増加したと発表した。アクティブ感染者数は4万574人で、累計感染者数は19万434人となった。
州・地域別の感染者数はセランゴール州が最も多く1,295人だった。それに▽クアラルンプール(KL、610人)▽ジョホール州(516人)▽サバ州(303人)▽サラワク州(205人)▽ネグリ・センビラン州(129人)▽ペナン島(104人)▽マラッカ州(92人)▽ケダ州(88人)▽クランタン州(76人)▽トレンガヌ州(76人)▽ペラ州(58人)▽パハン州(15人)▽プトラジャヤ(15人)▽ペルリス州(2人)ーーが続いた。新たに4,076人が退院し、累計治癒者は14万9,160人となった。死者数は11人増えて、累計で700人となった。
保健省のノール・ヒシャム事務次官は25日、新たに13つのクラスターを確認したと明らかにした。8つが工場や建設現場など職場に関連したクラスター、3つが教育機関などのコミュニティでのクラスターだった。残り2つはクラスターリスクの高い医療機関で起きたクラスターだった。
セランゴール州とジョホール州でそれぞれ3つ、パハン州で2つ、サバ州、KL、トレンガヌ州、マラッカ州、クランタン州でそれぞれ1つ発生した。
これまでに発生したクラスターは746で、新たに10のクラスターが収束し、現在継続中のクラスターは351となった。
MCO延長の可能性は低い、CMCOへの移行を計画=保健省
【クアラルンプール】 保健省のノール・ヒシャム事務次官は、行動制限令(MCO)について、経済の影響を考慮し予定通り2月4日までとし、延長する可能性は低いと言明。その後条件付き行動制限令(CMCO)に移行する計画だと明らかにした。
MCOは1月13日に発令されたが、最長で4週間とする予定だとし、CMCOに切り替えた後は、少なくとも3カ月はCMCOを継続することになると説明した。
ノール事務次官は、現在の新規感染者数は3,000人台で安定しており、MCOが奏功し2週間内にはさらに減少すると予想を示した。5月までには2桁に戻ることを期待していると表明。1人の感染者が何人に感染を広げる可能性があるかを示す「基本再生産数(R0)」については、これまで1.2だったが、1.06に下がったとし、さらに下がる可能性はあると予想した。
一方でノール事務次官は、全国に135カ所ある私立病院のうち95カ所で、カテゴリー3、4、5に分類される重症患者の受け入れが決まったと言明。また治療費の医療保険の給付金の請求について、保険会社や中央銀行バンク・ネガラ(BNM)と話し合いを実施していると明らかにした。
(ザ・スター、1月26日、フリー・マレーシア・トゥデー、1月25日)
ショッピング施設とレストランの営業時間、政府は統一を
【ペタリンジャヤ】政府がショッピングモールの営業を午後8時までとし、レストラン・食堂の営業を午後10時までとしたことに対し、ブミプトラ(マレー人と先住民の総称)小売業者会のアミール・アリ会長は、ショッピングモールに入居している食堂経営者に混乱が生じていると述べ、指針の統一を政府に要請した。
アミール氏はまた、ある業種は特定の州でのみ営業継続が認められているとの苦情が会員企業から寄せられているとし、改善を政府に求めた。
マレーシア・ムスリム・レストラン経営者協会のジャワハル・アリ・タイブ・カン会長は10時までの営業許可を歓迎すると表明。ウイルス感染状況が改善した場合、深夜営業も認めるよう望むと述べた。
また、レストラン・食堂は1回目の行動制限令(MCO)の施行で蓄えをほとんど使い果たし、債務超過に陥っている店もあると指摘。銀行借入金の返済猶予の延長を政府に求めた。
(ザ・スター、1月23日)
政府が2月4日にロックダウンを計画?EU商工会が否定
【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 欧州連合(EU)-マレーシア商工会議所(EUROCHAM)は、行動制限令(MCO)が終わる予定の2月4日までに新型コロナウィルス「Covid-19」感染拡大が止まらない場合に政府が全面的なロックダウンを行う方針であるとの先の報道を否定した。
EUROCHAMは22日に通産省と非公式協議を行っており、その内容を記した会員向けの内部メモが漏洩した。メモには「保健省は経済の完全な閉鎖の問題について明確な立場を示した。2月4日までに感染数が低下しない場合、マレーシア政府は即時厳格な封鎖を発表する」といった内容が書かれていたという。
これについてEUROCHAMのスヴェン・シュナイダー会頭は、同協議の中で通産省が切迫感を強調していたものの即時ロックダウン実施に関する言及はなかったことを明確にしたいと言明。協議では労働者の宿舎における感染拡大に関する問題提起があり、経済界のコロナ対策への役割りに関する意見交換が趣旨だったと述べた。
新型コロナの新規感染者数は3048人、死者が11人
【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は25日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数が前日から3,048人増加したと発表した。アクティブ感染者数は4万1,076人で、累計感染者数は18万6,849人となった。
州・地域別の感染者数はセランゴール州が最も多く1,035人だった。それに▽ジョホール州(529人)▽サバ州(348人)▽クアラルンプール(KL、305人)▽サラワク州(120人)▽ペナン島(110人)▽ペラ州(103人)▽ネグリ・センビラン州(95人)▽マラッカ州(90人)▽クランタン州(89人)▽トレンガヌ州(79人)▽ケダ州(74人)▽パハン州(46人)▽プトラジャヤ(22人)▽ペルリス州(3人)ーーが続いた。新たに3,638人が退院し、累計治癒者は14万5,084人となった。死者数は11人増えて、累計で689人だった。
保健省のノール・ヒシャム事務次官は23日の新規感染者数は4,275人となり、過去最高となったと明らかにした。24日には3,346人となり、再び3千人台に戻ったと発表。同日新たに9つのクラスターを確認したと明らかにした。
クラスターが新たに発生したのは、サバ州、ジョホール州、セランゴール州、ネグリ・センビラン州、ペラ州、KL、プトラジャヤ。8つが職場に関連するクラスター(サバ州で2つ、ジョホール州で2つ、セランゴール州、ネグリ・センビラン州、KL、プトラジャヤでそれぞれ1つ)だった。残り1つがペラ州の留置所で発生したクラスターだった。
これまでに収束したクラスターは385で、現在継続中のクラスターは348となった。
日本政府、マレーシアに5億円相当の医療機器を無償提供
【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 日本政府は、感染が再び拡大している新型コロナウイルス「Covid-19」の対策として、マレーシア政府に対して5億円(1,900万リンギ)相当の医療機器を無償で提供する。
在マレーシア日本大使館の岡浩大使が22日、テレビ会議を通じてアドハム・ババ保健相と書簡を交換した。
岡大使は、医療機器を提供することでマレーシア政府の新型コロナ対策として、検査や治療に役立ち、早い段階で利用が開始されることを願っていると述べた。
アドハム保健相は、日本政府による継続的な支援に感謝を表明。保健省の施設における、新型コロナの患者の対応能力を強化することができると述べた。
またマレーシアと日本の関係について、世界的な新型コロナの感染を乗り越えて、医療だけではなく他の部門でも引き続き強化したいと言明。またワクチンについては、マレーシアに居住する日本人にも接種する予定だとした上で、日本に住むマレーシア人にも接種が行われることに期待していると述べた。
(ベルナマ通信、1月22日)
インターネット通販ラザダ、中小企業支援第2弾を開始
【クアラルンプール】インターネット通販大手のラザダ・マレーシアは、中小企業7万社余りを対象に4,400万リンギの販売促進計画に着手したと発表した。
行動制限令(MCO)の再施行を受けた措置で、ラザダ・マレーシアは1回目のMCOが実施された際も支援計画を実施していた。2月28日まで登録を受け付ける。ラザダに既に出店している企業と新規出店企業の両方に提供する。
支援計画に含まれるのは、手数料・決済手数料の免除、店舗構築支援、ラザダ大学での研修提供、検索連動型広告に対する広告クレジット補助、売り出しにおける無料の商品紹介。
シェリー・タン最高ビジネス責任者によると、販売促進計画を昨年実施した際は、出店している中小企業の売り上げが2倍以上になったという。
タン氏は「国民の3人に1人以上は毎月、ラザダのアプリを利用しており、この強固な顧客基盤をてこに、ラザダはMCOに強い店づくりを支援できる」と語った。
(マレーシアン・リザーブ、1月21日)
ソニーが解雇の従業員、ジョブストリートが再就職先あっせん
【クアラルンプール】ペナンの工場を閉鎖するソニーマレーシアは、東南アジア、南アジアで活動する求人サイト、ジョブストリートに解雇する従業員の転職支援を一任した。
ソニーはマレーシア業務の統廃合で、ペナン州にあるオーディオ製品の工場を閉鎖し、セランゴール州バンギの拠点に生産機能を移管する。ペナン工場の従業員約3,600人が閉鎖の影響を受ける。うちマレーシア人従業員は約1,757人。一部の従業員はバンギ工場に移る。
ジョブストリートは解雇対象の従業員向けにワークショップを開催し、履歴書の書き方などを指導する。履歴書を閲覧できる専用のマイクロサイトも開設する。
ソニーはバンギ工場では、液晶テレビ、ブルーレイプレーヤーなどを生産している。ペナン工場では家庭用オーディオ機器、ヘッドフォン、バッテリー製品などを製造している。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、1月22日)