【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 ムヒディン・ヤシン首相は12日、新型コロナウィルス「Covid-19」感染拡大を受けてアブドラ国王が国家非常事態宣言の発出に同意したことを明らかにした。
11日にムヒディン首相から「感染を抑えるための積極的な対策」として要請を行ったもので、連邦憲法第150条(1)に基づき発出を決定した。期限は8月1日までとし、感染拡大が収まった場合には前倒しで宣言を解除する。政府は早期解除を決定するため医療専門家によるタスクフォースを立ち上げる。アブドラ国王は、国民に落ち着いて行動するよう呼びかけた。
非常事態宣言下でも外出制限はなく、経済活動や司法は通常通り行われることが保証される。一方で国会や州議会などの立法府は活動が停止され、立法・法改正・撤廃は認められない。「安全」であると確認されない限り、国・地方レベルの補欠選挙や総選挙、州議会選挙は行われない。感染者治療のために行う私立病院の施設の接収、違反者に対する罰則、マレーシア国軍への権限付与など緊急に法律が必要になった場合には国王が制定する。
MCO下でも操業可能な業種リスト、通産省が発表
【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 マレーシア通産省は12日、行動制限令(MCO)が13日より発令される首都圏やペナン、マラッカ、ジョホール州で操業が認められる▽製造▽建設▽サービス▽商業・運輸▽農園・一次産業――の5つの必需セクターの詳細を明らかにした。
全リストは次の通り。
1,航空産業製造・保守
2,自動車製造およびアフターサービス
3,食品、飲料製造
4,パッケージングと印刷
5,家庭用品、セルフケア商品、洗剤
6,栄養補助食品を含む医薬品・健康食品
7,個人用保護具(PPE)および防火設備
8,医療機器の部品
9,電気・電子機器
10,石油・ガス
11,石油化学製品
12,化学製品
13,機械・ツール
14,手袋製造用の型となるセラミック
15,鉄鋼
16,テキスタイル(PPE生産含む)
17,家具
18,燃料および潤滑油
19,建設
20,金融サービス
21,地方自治体及びそのサービス
22,ICTサービスおよびグローバルビジネスサービス(GBS)を含む電気通信およびデジタルインフラ
23,eコマース
24,ホテルと宿泊施設
25,獣医サービスを含む農業、水産、畜産
26,水道・電気などの公益事業
27,専門サービス(会計士/弁護士/監査人/エンジニア/建築家を含む)、科学(R&Dを含む)、技術
28,セキュリティサービス
29,国防
30,陸上、海上、航空輸送
31,港湾、空港
32,倉庫・物流
33,飲食サービス・販売・配送
34,小売り・卸売り、流通
35,農業・養殖・畜産
36,農園・一次産業
37,監督省庁と保健省が話し合って決定したその他の業種
新型コロナの新規感染者数、過去最高の3309人
【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は12日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数が前日から3,309人増加したと発表した。アクティブ感染者数は3万390人で、累計感染者数は11万1,533人となった。
州・地域別の感染者数はセランゴール州が最も多く1,007人だった。それに▽ジョホール州(442人)▽サバ州(409人)▽クアラルンプール(KL、326人)▽ペナン島(317人)▽ペラ州(241人)▽サラワク州(146人)▽パハン州(96人)▽クランタン州(86人)▽ネグリ・センビラン州(85人)▽ケダ州(62人)▽プトラジャヤ(36人)▽マラッカ州(21人)▽トレンガヌ州(20人)▽ラブアン(15人)ーーが続いた。ペルリス州のみゼロだった。新たに1,469人が退院し、累計治癒者は11万584人となった。死者数は4人増えて、累計で559人となった。
保健省のノール・ヒシャム事務次官は11日、英国へ渡航歴のある旅行者から英国で発見された変異株「B1.1.7」が確認されたと発表した。12月28日の陽性確認後に隔離されているため国内での感染は現段階で確認されていないという。
一方でクラスターについては、新たに8つ確認したと明らかにした。
ジョホール州の工場「ジャラン・ケルリ」クラスターでは42人、KLの市場「メダム・イダマン」クラスターでは10人の陽性を確認した。サラワク州の「ジェリタ」クタスターでは8人、クランタン州の「カンポン・レノク」、「カンポン・ゲティン」クラスターではそれぞれ23人、11人に陽性反応が出た。ペラ州の「ルムト・バラト」クラスターでは11人、トレンガヌ州の「クバン・ブジュク」、「ケジャヤ」クラスターではそれぞれ10人、9人の陽性を確認。一方で新たに4つのクラスターが収束した。
保健省、米ファイザーとワクチン追加購入で覚書
【プトラジャヤ】 マレーシア保健省は11日、政府を代表して米ファイザーのマレーシア子会社、ファイザー(マレーシア)と新型コロナウィルス「Covid-19」ワクチンのマレーシア市場向けの製造及び供給に関する覚書を締結した。
今回の合意は、2020年11月24日に署名された拘束力のある合意に追加されるもので、マレーシア側がファイザー・バイオNテックが製造するワクチン1,220万回分を追加購入する。これによりマレーシア政府が確保したワクチンは2,500万回分となり、全人口の39%をカバーすることになる。
ファイザーはマレーシア政府との覚書に基づき、2月末まで人口の20%をカバーする量に相当する1,279万9,800回分のワクチンを供給することになっている。
ファイザーのワクチンは独バイオNテックと共同開発したもので、2回の接種が必要だが90%に効果があるという。数日前にマレーシア保健省傘下の国家医薬品規制庁(NPRA)の承認を受けたばかり。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、フリー・マレーシア・トゥデー、ベルナマ通信、1月11日)
ムスタパ首相府相ら二閣僚が感染、閣僚二人が濃厚接触
【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 ムスタパ・モハメド首相府相(経済担当)とリナ・ハルン女性家族共同体開発相が、新型コロナウィルス「Covid-19」に感染していることが分かった。
ムスタパ氏は9日朝にクアラルンプール(KL)から空路クランタン州コタバルに到着した際、感染検査を受けて陽性反応が出た。現在コタバル市内の病院で治療を受けているが、病状は安定しているという。リナ氏は10日に陽性反応が出たため、11日からスンガイ・ブロー病院に検査入院した。
ムスタパ氏は6日に開催された閣議に出席しており、ムスタパ氏の両側に着席していたモハマド・レズアン・ユソフ首相府相とサイフディン・アブドラ通信マルチメディア相の二人が濃厚接触者として自宅待機し観察下に置かれている。二人とも症状はないという。同日の閣議には、秘書官から陽性反応が出た別の閣僚二人は出席しなかった。
ムスタパ氏はまた6日に開催された統一プリブミ党(PPBM)の党最高評議会にも出席しており、党から出席者全員に対して感染検査を受けるよう指示が出た。
昨年10月にはズルキフリ・モハマド・アルバクリ首相府相(宗教問題担当)が感染し、閣議で同席したムヒディン・ヤシン首相らが隔離される騒ぎが起きている。
新型コロナの新規感染者数は2232人、セランゴールで557人
【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は11日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数が前日から2,232人増加したと発表した。アクティブ感染者数は2万8,554人で、累計感染者数は13万8,224人となった。
州・地域別の感染者数はセランゴール州が最も多く557人だった。それに▽ジョホール州(396人)▽サバ州(374人)▽クアラルンプール(KL、204人)▽サラワク州(153人)▽ペナン島(112人)▽ネグリ・センビラン州(102人)▽クランタン州(95人)▽ペラ州(51人)▽パハン州(46人)▽トレンガヌ州(41人)▽ケダ州(40人)▽マラッカ州(37人)▽プトラジャヤ(13人)▽ラブアン(8人)▽ペルリス州(3人)ーーが続いた。新たに1,006人が退院し、累計治癒者は10万9,115人となった。死者数は4人増えて、累計で555人となった。
保健省のノール・ヒシャム事務次官は10日、感染者数の増加が続いていることについて、「最悪の時期はまだ来ていない」との懸念を表明。昨年1ー9月の死者は100人未満だったが、今年は9日間で71人が亡くなったと述べた。一方でクラスターについては、新たに5つ確認したと明らかにした。
セランゴール州の建設現場「サイバー」クラスターでは67人、工場「テクスミル」では19人の陽性を確認した。クランタンの「アロー・ドリアン」では17人、クランタン州の「ワカフ・ラナス」クラスターでは11人、サバ州の「ジャラン・シブガ」では9人に陽性反応が出た。現在感染者を出しているクラスターは254となった。
再び行動制限令発令、KLやセランゴール州などで2週間
【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 ムヒディン・ヤシン首相は11日、新型コロナウィルス「
MCOが発令されるのは、▽セランゴール州▽ペナン州▽
また▽ケダ州▽ペラ州▽クランタン州▽トレンガヌ州▽ネグリ・
ムヒディン首相はテレビ演説の中で、
■MCO指定地域、出社人数は30%まで■
MCOが発令された地域については、食品・飲料、医薬、
ただし管理職員の出社人数は30%を上限とする。
また地区を超えた移動は禁止される。
ハラル認証機関の承認取り消しも、イスラム開発局が手順改善へ
【クアラルンプール】ハラル認証機関のマレーシア・イスラム開発局(Jakim)は、ハラル(イスラム教の要件を満たした)を偽装した食肉が輸入・販売されていた事件への反省から、外国のハラル認証機関に対する標準作業手順(SOP)を見直す。
外国のハラル認証機関が承認したハラル商品(飲食品、化粧品、薬品)の生産過程を追跡する手法を改善する。
さらに、改定SOPに基づき認証機関申請、更新申請を審査し、承認を取り消すこともあるという。
11日に、食肉輸入・流通業者、国内取引消費者行政省、マレーシア検疫検査サービス局、マレーシア税関の関係者による会合を開き、輸入・流通業者が直面する問題、改定SOPについて協議する。
Jakimはこれまでに、46カ国84の機関をハラル認証機関として承認している。食肉偽装への懸念に対処するため、屠畜場、輸入肉保管倉庫への立ち入り検査を強化する。
(マレーシアン・リザーブ、1月7日)
シネコン大手のGSC、首都圏の2店舗を閉店
【クアラルンプール】 シネコン大手のゴールデン・スクリーン・シネマ(GSC)は、新型コロナウイルス「Covid-19」感染拡大にともなう営業制限により休業中の「チェラス・レジャー・モール店」及び「ベルジャヤ・タイムズスクエア店」を恒久的に閉店すると発表した。
GSCは同社の公式ツイッターの中で、映画館の営業が禁じられている条件付き行動制限令(CMCO)が首都圏で再延長されたためだと説明したうえで、これまで2館を支ええてくれた顧客に感謝すると述べた。 「チェラス・レジャー・モール店」は1995年、「ベルジャヤ・タイムズスクエア店」は2005年から営業を行ってきた。これら2館の閉店に伴い、首都圏に最も近いGSCの映画館はプトラジャヤの「GSCアラマンダ・モール店」だけとなる。
行動制限令のエンターテインメント産業に与える打撃は大きく、昨年10月には、国内3位のMCATボックス・オフィス(通称MBOシネマズ)が倒産している。
(マレー・メイル、1月7日)
全面的行動制限の施行は望ましくない、業界団体が意見表明
【ペタリンジャヤ】新型コロナウイルスの感染拡大をめぐり、産業界の団体はそろって、全面的行動制限令(MCO)の施行は企業、経済に深刻な打撃を与えるとし、的を絞った措置を政府に要請した。
ノール・ヒシャム保健事務次官は6日、感染拡大の連鎖を断ち切るため「サーキットブレーカー」が必要と、限定的ながら経済・社会活動を制限する意向を示唆した。
マレーシア経営者連盟のシャムスディン専務理事は、3月に導入したようなMCOの再施行は有害無益と指摘。全面的ロックダウンを望まないとした。
中小企業協会のマイケル・カン会長も、MCO施行ではなく、他人との距離確保など標準的作業手順(SOP)の厳格な順守が望ましいとの意見で、ビジネス目的の州間移動は規制すべきではないと述べた。ウイルス排除は不可能な以上、ウイルスがある中での生活の在り方を模索すべきとした。
マレーシア小売業者協会は、MCOがそのまま実施されたら倒産が増加するとし、的を絞った措置を政府に要請。マレーシア製造業者連盟も、的を絞った条件付きMCOが望ましいとの意見だ。
(ザ・スター、1月8日)