新型コロナの1日当たりの感染者、3月半ばに8千人に=保健省

【ペタリンジャヤ】 保健省のノール・ヒシャム事務次官は7日、新型コロナウイルス「Covid-19」の基本再生産数(R0)が1.2を維持した場合は、1日当たりの感染者数が2月の第3週までに5,000人、3月の第3週までに8,000人に増加するとの予想を明らかにした。
保健省は、感染症流行の数理モデルである「SEIRモデル」をツイッターに投稿。R0が1.1の場合は、2月の第2週までに3,000人、4月の第2週までに3,000人、5月の4週目までに8,000人に増加すると予想を示した。現在のR0は1.1から1.2の間で推移しているという。
また春節についても、保健省は春節には人が集まる機会があるとして、春節後の1、2週間でさらに感染者は増加するとの予想を明らかにした。
保健省は以前も「SEIRモデル」を発表しており、R0が1.2の場合1月の第4週までに1日当たりの感染者数は3,000人を超えると予想していた。
7日の新型コロナウイルスの新規感染者数は前日から3027人増加し、初めて3,000人を超えた。
(フリー・マレーシア・トゥデー、1月7日)

新型コロナの新規感染者数は2643人、セランゴールで1086人

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は8日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数が前日から2,643人増加したと発表した。アクティブ感染者数は2万5,140人で、累計感染者数は13万1,108人となった。

州・地域別の感染者数はセランゴール州が最も多く1,086人だった。それに▽サバ州(401人)▽ジョホール州(298人)▽クアラルンプール(KL、282人)▽ケダ州(107人)▽ネグリ・センビラン州(88人)▽ペラ州(80人)▽ペナン島(75人)▽マラッカ州(70人)▽クランタン州(49人)▽トレンガヌ州(34人)▽パハン州(28人)▽プトラジャヤ(20人)▽サラワク州(16人)▽ラブアン(6人)▽ペルリス州(3人)ーーが続いた。新たに2,708人が退院し、累計治癒者は10万5,431人となった。死者数は16人増えて、累計で537人となった。

保健省のノール・ヒシャム事務次官は7日、新たに9つのクラスターを確認したと明らかにした。

ジョホール州の「セナイ・ムルニ」クラスターでは66人、セランゴール州の建設現場「ハルタマス」、「ダマイ・ペランギ」クラスターでそれぞれ48人、21人の陽性を確認した。KLの建設現場「ジャラン・イポー」、「ルングクプ」、「デサ・セタパク」、「ジャラン・ジャヤ」クラスターでそれぞれ98人、20人、15人、7人に陽性反応が出た。プトラジャヤ「ジアラー・プトラ」クラスターで7人、サラワク州「ケランジ・タブアン」クラスターで6人の陽性を確認した。

マレーシアはパンデミック抑制能力が高い、財務相報告

【クアラルンプール】テンク・ザフルル財務相は省庁間調整・実行部門(Laksana)の第35回報告で、マレーシアは新型コロナウイルスの感染拡大を抑制できれば、経済は急速に回復するとの認識を示した。
マレーシアは今年、感染拡大を抑制、緩和する余地が最もある3カ国に含まれる、との国際コンサルタント会社の分析を根拠とする発言だ。
ザフルル財務相は、マレーシアが投資・ビジネス先として途上国のうち5番目にランクされたとの海外メディアの報道も引用した。順位は中国、インド、インドネシア、フィリピンより上だった。
マレーシアは、優れたインフラと人材、多様性、デジタル化の用意があり、国際ビジネス界にとり引き続き魅力を持っている、との海外コンサルティング会社の報告もザフルル氏は引用した。
(ベルナマ通信、1月6日)

格安航空エアアジア、インド法人の株式33%を売却

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 格安航空エアアジア・グループは5日、エアアジア・インベストメントを通して、エアアジア・インディアの株式32.67%をタタ・サンズに3,766万米ドル(1億5,139万リンギ)で売却し、保有比率が50%から16.33%に低下したと明らかにした。
同社は昨年12月31日に、エアアジア・インディアの株式を売却する意向を発表していた。
エアアジア・グループのボ・リンガム会長によると、現金支出を減らすためにグループのイニシアチブに沿ったもの。東南アジア諸国連合(ASEAN)のコア市場であるマレーシアやタイ、インドネシア、フィリピン事業に割り当てて、カンボジアやミャンマー、ベトナムにおいても事業拡張を行う計画だ。
エアアジア・インディアは、エアバス「A320」型機30台を所有し、インドの19都市で運航を行なっている。
(マレーシアン・リザーブ、1月6日)

新型コロナの感染者数、過去最多の3027人に

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は7日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数が前日から3027人増加したと発表した。アクティブ感染者数は2万5,221人で、累計感染者数は12万8,465人となった。

州・地域別の感染者数はジョホール州が最も多く1,103人だった。それに▽セランゴール州(706人)▽サバ州(493人)▽クアラルンプール(KL、316人)▽ペナン島(111人)▽クランタン州(66人)▽ネグリ・センビラン州(63人)▽ペラ州(59人)▽ケダ州(30人)▽パハン州(25人)▽プトラジャヤ(17人)▽サラワク州(14人)▽マラッカ州(11人)▽トレンガヌ州(10人)▽ラブアン(3人)ーーが続いた。ペルリス州のみゼロだった。新たに2,145人が退院し、累計治癒者は10万2,723人となった。死者数は8人増えて、累計で521人となった。

保健省のノール・ヒシャム事務次官は6日、1日あたりで最も多い13つのクラスターを確認し、これまでに確認したクラスターは累計で561となったと明らかにした。

セランゴール州で実施した職場の集団検査で発生確認した「ダタラン・ウタス」クラスターで66人、スーパーマーケット「カサ・ペルマイ」クラスターで109人の陽性を確認。サランゴール州とペラ州、KLをまたいで発生した「メダン・ジャサ」クラスターで64人、ネグリ・センビラン州とセランゴール州をまたいで発生した「タシク・ウタマ」クラスターでは49人、ジョホール州の工場「フィルマ」クラスターでは45人、工場「ペルシアラン・テクノロジ」クラスターでは25人、職場「ベルセパドゥ」クラスターでは21人、「ジャラン・パドゥ」クラスターでは17人に陽性反応が出た。サバ州の「カンポン・ピタス」クラスターでは72人、KLの職場「イカン・エマス」クラスターで35人、「カユー」クラスターでは11人、レストラン「ジャラン・プテー」では18人の陽性を確認。マラッカ州「アナク・アイル」クラスターで14人に陽性反応が出た。

新たに3のクラスターが収束し、現在感染者を出しているクラスターは252となった。

新型コロナの軽症者、自宅やホテルでの療養を検討=保健省

【プトラジャヤ】 保健省のノール・ヒシャム事務次官は、新型コロナウイルス「Covid-19」の感染者を収容する「低リスク患者検疫および治療センター(PKRC)」はほぼ満員であると明らかにした。そのため無症状もしくは症状が軽度な感染者については、自宅隔離もしくは、患者の金銭的余裕がある場合はホテルでの療養を行うために検討しているとした。
マレーシアに入国する外国人旅行者を隔離する検疫センターへの患者の収容についても検討しており、PKRCは、職場などで隔離が難しい外国人労働者を収容する予定だという。
一方で病院や検疫センターに対して患者から苦情が寄せられていることについて、ノール・ヒシャム事務次官は、患者数の増加に伴いケアの質が低下することは避けられないと説明。保健省は多くの患者を管理しているが、非常に困難な状況になってきていると明らかにした。そのため、国家災害管理局(Nadma)や国家安全保障委員会(MKN)と連携していると言明。重症患者も増えてきており、患者を管理するために病床数を増やすことも検討しているとした。
(フリー・マレーシア・トゥデー、1月6日)

ハラル認証店はクリスマスケーキ売ってはダメ?

【クアラルンプール=マレーシアBIナビZ】 イスラム開発局(JAKIM)がハラル(イスラム教義に則った)認証を取得している飲食店や食品店がクリスマスを祝賀する内容の展示やデコレーションを禁じると発表し、ネット上で疑問の声が上がっている。
きっかけとなったのはある顧客がケーキ屋に「メリークリスマス」と書いたデコレーションケーキを注文したところ「ハッピーホリデー」と書かれたケーキが用意されていたためショックを受けたという投稿記事。これに対してJAKIMのアブドル・アジズ・ジュソ―副局長が「ハラル認証を取得している店が他宗教の行事を祝うことは不適切」と指摘したことから騒ぎになった。
「他宗教を祝う」という境目がハッキリしないことについては疑問の声が多く、この点についてズルキフリ・モハマド・アルバクリ首相府相(宗教担当)は「ハラル認証をつけて陳列販売するのは不可だが、オーダーを受けたものであればクリスマス・デコレーションケーキを作るのは構わない」との追加見解を示した。
ハラル認証を取得している飲食大手でクリスマスを祝う飾りつけを行うところはスターバックスをはじめとして数多くあり、「従わなければスターバックスも認証を剥奪されるのか?」とネット上で議論となっている。また経済的観点から、「クリスマスのようなかき入れ時に商品を販売できないということが結果的に零細なマレー系ベーカリーの収入増の道を閉ざすものであり、結果的に彼らを苦しめることになる」との指摘の声も上がっている。

ハラル食品偽装問題で政党が捜査要請、ジョホールで4人を逮捕

【クアラルンプール】複数の企業がカルテルを結成し、40数年にわたりハラル(イスラム教の戒律を満たした)の認証を受けていない食肉をハラル食品として販売していた疑惑に絡み、人民正義党(PKR)、国民信任党(Amanah)、複数の非政府組織が5日、共同で警察に通報した。
グループ代表のファミ・ファジル議員は「徹底捜査を警察に求める。警察は首謀を突き止めなければならない。この問題はハラル認証に対する信頼を損なった」と語った。
少なくとも4つの政府機関の上級公務員がカルテルからわいろを取り、また性的接待を受け、カルテルの行為を見逃していた。これらの公務員はハラル品質維持の担当官だった。
カルテルはブラジル、ボリビア、カナダ、スペイン、メキシコなどから、ハラルの認証を受けていない屠畜場から食肉を輸入し、マレーシアの倉庫でハラル認証を受けた食肉と混ぜ、ハラル食品として販売していたようだ。
事件に絡みマレーシア汚職摘発局(MACC)は輸入会社の幹部ら4人を逮捕した。
PKRのグループは国内取引消費者行政省に対し、カルテルに加わっていた企業を明らかにするよう求めた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、1月6日)

トップグローブ、クランの工場28カ所がすべて操業再開

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ 】 ゴム手袋製造最大手のトップ・グローブは6日、新型コロナウイルス「Covid-19」感染拡大のため閉鎖を余儀なくされていたセランゴール州クラン工場28カ所すべてで操業を再開したと発表した。

工場、オフィス、宿泊施設、車両などすべてで標準運用手順(SOP)の順守して、関係当局からの同意を得た。1日3回の消毒や使用済み個人用防護具(PPE)の処理、手指消毒剤設置、時間差ある休憩時間などの過密防止策などを徹底させた。

一方で従業員の新たな感染発覚のために操業停止する工場が相次いでいる。木材メーカーのミンホ(M)は5日、製紙子会社のインダ・ペーパー・インダストリーズが所有するセランゴール州クランにある工場で従業員96人に対して感染検査を実施したところ、うち21人で感染が判明したことから1月1日から4日まで消毒のために操業を停止したことを明らかにした。ミンホは12月26日にも別の子会社、シャリカット・ミンホ・キルニングで従業員394人を対象に感染検査を実施し、従業員5人から陽性反応が出ていた。

またATA IMSは、多数の従業員で陽性者が出たことからジョホール州ジョホールバルのすべての工場を12月31日から1月7日まで操業を停止していることを明らかにした。

2020年マレーシアの出来事(上半期編)

2020年は、マハティール・モハマド政権の崩壊にはじまる政治的混乱と新型コロナウイルス「Covid-19」感染拡大が2大ビッグニュースだった。2018年の総選挙で勝ったばかりの希望同盟(PH)政権は内部分裂を起こしてあっけなく崩壊、分裂騒ぎの中心となったムヒディン・ヤシン氏が政権を樹立したが、経緯が不透明ということもあって不安定な政権運営を強いられている。新型コロナ対策では、3月に早くもロックダウンに近い行動制限令(MCO)を発令していったんは抑え込んだかに見えたが、その後の規制緩和につれて感染が再拡大。いまだ先行きのメドがたたない状況だ。激動の一年間を振り返る2回シリーズの今回は上半期の巻。
下半期の記事はこちら 2020年マレーシアの出来事(下半期編)

2020年は飲食店での禁煙違反への罰則開始やデジタルサービス税導入、チャイルドシート義務化などで始まった。中央銀行バンク・ネガラは景気に陰りが出ていることから低インフレ率を背景に先手を打って景気底上げを狙って利下げに踏み切った。
 新型コロナは26日に早くも訪マ中国人観光客から感染が確認され、湖北省周辺在住の中国人の入国が禁止された。中国人観光客を制限する動きが加速し、各企業も出張取りやめなどの対策に乗り出した。

2月には湖北省に取り残されているマレーシア人の帰国のためのチャーター便も運行されたが、まだこの頃は対岸の火事をといった感覚が強かった。しかし4日に初のマレーシア人感染者が確認され、続いて人から人への感染も確認されたことから空気が一変、国内での感染拡大への懸念が高まり、イベントの延期・中止などの動きが加速化した。
PH政権内では、アンワル・イブラヒム氏支持派と反アンワル派の対立が激しさを増し、反アンワル派が宿敵の国民戦線(BN)との提携を模索。これに批判的なマハティール首相が抗議のために辞任した。反アンワル氏は頑迷なマハティール氏を担ぐのを断念。ムヒディン氏を担ぐ事を決めた。

こうして誕生したムヒディン政権だが、新型コロナ感染拡大中ということもあって国会承認なしにアブドラ国王の一声によって決定したことから、その正統性を巡って後々まで混乱が尾を引く事になる。

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中国経由に限定的だったコロナ感染者は、2月末からセランゴール州のモスクで開催された大集会をきっかけに全国に拡大。17日には初の死者も確認された。ムヒディン政権は18日付けで全国的な移動制限措置となるMCOを実施すると発表した。
 ムヒディン政権は、2月27日にマハティール政権が発表した経済対策に続き、2,600億リンギ規模の追加景気対策を発表。賃金助成金制度や一時金支給などが盛り込まれた。

新型コロナの脅威はおさまらず、MCOは延長され、4月はまるまる規制が行なわれることになった。ただ経済活動はセクターを絞ったり営業時間などの制限を設けた上で段階的に規制が緩和されることになった。

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5月4日付けで条件付き行動制限令(CMCO)に切り替えられ、ほとんどの経済活動の再開が標準的運用手順(SOP)遵守を条件で認められ、電子電気などがフル操業となった。

 

MCO、CMCOが奏功して新型コロナ感染拡大がひと段落してきたところで、経済回復を進めるために6月10日から復興のための行動制限令(RMCO)に移行され、国内旅行を許可するなど社会活動の一層の規制緩和が図られた。

(次号、下半期編に続く)

(マレーシアBIZナビ編集部)

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