相互グリーンレーン、日本など5カ国に適用拡大へ

【クアラルンプール】 マレーシア観光芸術文化省は、シンガポール、インドネシアとの間で交わしている相互グリーンレーン(RGL)の取り決めを、日本、オーストラリア、ニュージーランド、ブルネイ、韓国にも適用する意向で、詰めの交渉を持っている。
春節行事に出席した際の記者会見でナンシー・シュクリ大臣は、各国と事務レベルで折衝を持っているが、マレーシアには感染対策として標準的運用手順(SOP)という備えがあるため、受け入れの準備はできているという。
RGLはビジネス上の必須人材や公務での往来を許容する取り決めで、昨年7月、マレーシアはシンガポールとRGLを交わしたが、マレーシアでの感染拡大を理由にシンガポールは4月までの3カ月間、RGL凍結を決めた。マレーシアはインドネシアとは今月、RGLを交わした。
(マレーシアン・リザーブ、2月18日)

シノバック製ワクチン、2月27日に到着

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 カイリー・ジャマルディン科学技術革新相は19日、中国・科興控股生物技術(シノバック・バイオテック)製の新型コロナウイルス「Covid-19」ワクチンが2月27日にマレーシアに到着すると明らかにした。

到着したワクチンはマレーシアの製薬会社、ファーマニアガのクアラルンプール(KL)プチョンの工場にいったん送られ、瓶に梱包し直してから各地に配送される。ファーマニアガはシノバックと200万回分のワクチンの国内製造販売に向けた契約を取り交している。シノバック製ワクチンは現在、保健省の国家医薬品規則庁(NPRA)の承認待ちの段階となっている。

なお米ファイザー製のワクチンの第一陣は2月21日に到着することになっており、26日から接種が開始される予定だ。

■CMCO域での観光業の操業再開を容認■

イスマイル・サブリ・ヤアコブ上級相(兼国防相)は18日、条件付き行動制限令(CMCO)が発令されている州について、19日より観光業及び文化活動に関する経済領域での操業再開を認めると発表した。

操業再開が認められるのは▽テーマパーク▽動物園▽レクリエーショナルパーク▽美術館▽教育センター▽文化遺産▽自然公園▽図書館——などで、定員の50%未満に入場制限するなどの標準的運用手順(SOP)遵守が条件となる。

新型コロナ感染拡大を受けて、連邦政府は今年1月13日、昨年3月の発令以来となるMCOをサラワク州を除き全国を対象に再発令。KLやセランゴール州など4地域だけは3月4日まで延長されたが、ペルリス州は復興のための行動制限令(RMCO)、その他の地域はCMCOにそれぞれ規制が緩和されていた。

新型コロナの感染者数は2936人、セランゴールで978人

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は19日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数が前日から2,936人増加したと発表した。アクティブ感染者数は3万6,797人で、累計感染者数は27万7,811人となった。

州・地域別の感染者数はセランゴール州が最も多く978人だった。それに▽ジョホール州(730人)▽クアラルンプール(KL、227人)▽サラワク州(199人)▽ネグリ・センビラン州(191人)▽ペナン州(188人)▽ペラ州(155人)▽サバ州(101人)▽クランタン州(38人)▽トレンガヌ州(37人)▽ケダ州(36人)▽パハン州(26人)▽マラッカ州(26人)▽プトラジャヤ(3人)▽ラブアン(1人)ーーが続いた。ペルリス州のみゼロだった。新たに4,889人が回復し、累計治癒者は23万9,971人となった。死者数は13人増えて、累計で1,043人となった。

保健省のノール・ヒシャム事務次官は18日、新たに17カ所のクラスターを新たに確認したと発表した。

うち14カ所が工場、建設現場など職場に関連するクラスターで、残りはケアセンター、宗教学校、コミュ二ティで起きたクラスターだった。

セランゴール州とジョホール州でそれぞれ5カ所、サバ州で2カ所、KL、ペナン州、パハン州、トレンガヌ州、ペラ州でそれぞれ1カ所のクラスターが発生した。

これまでに確認されたクラスター数は1,045カ所。新たに10カ所のクラスターが収束し、現在継続中のクラスターは506カ所となった。

一方でアダム・ババ保健相は、唾液腺開口部より直接採取した唾液を用いた検査を実施すると明らかにした。咽頭および鼻咽頭より安全で、ウイルスの飛沫拡散リスクが少なく、自己採取が可能であることから、非個人用保護具(PPE)の利用削減にも繋がると説明した。

ナジブ元首相夫人の太陽光汚職事件、公判維持が決定

クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 ナジブ ラザク元首相の夫人であるロスマー・マンソル氏(69)に対する太陽光発電設備設置事業に絡む汚職裁判の公判維持が決まった。クアラルンプール(KL)高等裁判所は18日、検察側が提出した3件の起訴内容を妥当だと認め、ロスマー被告に反証を命じた。
被告側の反証は6月9日から7月15日にかけて延べ9日間にわたっておこなわれる。ロスマー被告側はロスマー被告自ら証言台に立って証言するほか、5、6人の被告側証人を召喚する方針。法廷には1MDB汚職事件で訴追されている夫のナジブ被告も顔をみせた。
ロスマー被告は、サラワク州の学校369カ所で実施されることになった太陽光発電設備設置プロジェクト(総額12.5億リンギ)の入札に関して、2016年1—4月にかけてジェパク・ホールディングスの受注を保証する見返りとして1億8,750万リンギの賄賂を同社社長に要求。2016年12月に500万リンギ、2017年9月に150万リンギをそれぞれ受け取った罪に問われている。3件ともに有罪となれば禁固20年以下及び収賄額の5倍の罰金が科される。
ロスマー被告はこのほか、1MDB汚職事件に関する資金洗浄や収賄罪でも訴追されている。

店内飲食1卓2人&自動車1台2人の制限、19日より緩和

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 イスマイル・サブリ・ヤアコブ上級相(兼国防相)は18日、飲食店における店内飲食の際の1卓当たり2人まで、自動車1台当たりの乗車人数2人までという人数制限を19日付けで緩和すると発表した。

国家安全委員会(NSC)で標準的運用手順(SOP)見直しが決まった。条件付き行動制限令(CMCO)や復興のための行動制限令(RMCO)だけでなく、いまだ行動制限令(MCO)が発令されているクアラルンプール(KL)やセランゴール州、ペナン州、ジョホール州も規制緩和の対象となる。ただし1卓当たりの飲食人数や1台当たりの乗車人数は食卓や乗用車のサイズによって異なる。

新型コロナ感染拡大を受けて、連邦政府は昨年3月の発令以来となるMCOを今年1月13日より2週間の期間限定で再発令。国民生活への配慮から前回に比べると大幅に経済活動を認める内容となっていたが、その後も新規感染者数が高止まりしていたため2月4日、2月18日と2度延長し、3月4日までクアラルンプール(KL)やセランゴール州など4地域だけを対象に再延長していた。

新型コロナの感染者数は2712人、セランゴールで1013人

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は18日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数が前日から2,712人増加したと発表した。アクティブ感染者数は3万8,763人で、累計感染者数は27万24,875人となった。

州・地域別の感染者数はセランゴール州が最も多く1,013人だった。それに▽ジョホール州(426人)▽クアラルンプール(KL、212人)▽サラワク州(200人)▽ペラ州(198人)▽ケダ州(182人)▽ペナン州(116人)▽サバ州(114人)▽ネグリ・センビラン州(81人)▽パハン州(52人)▽クランタン州(43人)▽マラッカ州(38人)▽トレンガヌ州(19人)▽プトラジャヤ(7人)▽ペルリス州(6人) ▽ラブアン(5人)ーーが続いた。新たに5,320人が回復し、累計治癒者は23万5,082人となった。死者数は25人増えて、累計で1,030人となった。

保健省のノール・ヒシャム事務次官は17日、新たに13カ所のクラスターを新たに確認したと発表した。
10カ所が工場、建設現場など職場に関連するクラスターで、2カ所はケアセンターなど重症化リスクの高い人が多い施設、1カ所はコミュニティーで起きたクラスターだった。
セランゴール州で5カ所、ジョホール州でそれぞれ4カ所、トレンガヌ州、ネグリ・センビラン州、KL、サラワク州でそれぞれ1カ所のクラスターが発生した。
これまでに確認されたクラスター数は1,028カ所。新たに13カ所のクラスターが収束し、現在継続中のクラスターは499カ所となった。

ジョンソンエンドジョンソンからもワクチンを購入へ

【プトラジャヤ】マレーシアは製薬・医療機器の米ジョンソン・エンド・ジョンソンからもワクチンを購入する計画だ。カイリー・ジャマルディン科学技術革新相が明らかにした。
同社のワクチンはほかのワクチンと異なり、1回の接種で済むのが特徴。近くアダム・ババ保健相が購入契約に署名の予定で、その後、国家医薬品管理局(NPRA)が審査する。
マレーシアはこれまで、ファイザー・ビオンテック、アストラゼネカ、シノバク、康希諾生物(カンシノ・バイオロジクス)、スプートニクVからワクチンを調達する契約を交わしているが、使用承認を得たのはファイザー・ビオンテックのワクチンのみ。ほかは審査中。
ワクチン接種ではデッドボリュームが少ないシリンジを使用する。通常のシリンジだと1瓶から5回分しか取り出せないが、6回分の取り出しが可能だ。
(ザ・スター、2月18日)

リゾーツワールドゲンティン、16日より営業再開

【ペタリンジャヤ】 リゾート運営のゲンティン・マレーシアがパハン州で運営する「リゾーツ・ワールド・ゲンティン(RWG)」は、厳格化された標準的運用手順(SOP)を順守した上で、16日午後6時より営業を再開した。
RWGは営業を再開したが、ホテルの施設やアトラクション、サービスの一部は営業の一時停止したり、営業時間の変更や利用人数の制限などをした上で営業する。また同日より、予約の受付も再開した。
RWGは、政府によって定められたSOPを引き続き順守すると強調。利用する顧客に対してSOP順守に協力して欲しいと呼びかけた上で、全ての顧客と従業員の安全と健康は最優先事項であるとした。
RWGは1月13日から第二次行動制限令(MCO2.0)が発令されたことから、営業を停止していた。パハン州では18日よりMCOが解除され、3月4日まで条件付き行動制限令(CMCO)が施行される。

(フリー・マレーシア・トゥデー、2月16日)

標準的運用手順に違反、建設現場15カ所に業務停止命令

【クアラルンプール】建設業開発局(CIDB)は行動制限令(MCO)の標準的運用手順(SOP)に違反した建設現場15カ所に業務停止を命じた。
ファディラ・ユソフ上級相(公共事業相)の発表によると、1月13日にMCOが再導入されて以降、1,022の建設現場を立ち入り検査し、15カ所で違反を確認したという。
住環境、相手との物理的距離、マスク着用で違反があった。ファディラ氏によると、建設業における陽性反応者の過半はSOPに違反していることが分かっており、汚い宿舎、過密が原因だ。建設会社にはSOP厳守が求められるという。
パンデミック第三波の昨年9月20日から今年2月12日までの期間に852カ所のクラスター(集団感染)が発生しており、うち527カ所が職場クラスターだ。
(ベルナマ通信、マレーシアン・リザーブ、2月15日)

 

「ワクチン計画あってもV字回復は望み薄」、ISIS研究員

【クアラルンプール】マレーシア戦略・国際問題研究所のジュイタ・モハマド特別研究員は、インドネシア戦略・国際問題研究センター(CSIS)主催のウェブセミナーで、ワクチン接種計画が開始されても、マレーシア経済は昨年よりは改善するが、V字回復の可能性はないとの見解を示した。接種計画自体も国民の80%に接種するとの目標達成は困難だという。
ワクチンの有効性を信じない国民、ワクチン反対派がいるからで、ワクチンがイスラム教の要件を満たしているか疑問視する人もいるという。ワクチン反対派はワクチンにマイクロチップが混入されている可能性を疑っている。
ジュイタ氏はまた、都市から遠く離れた地域の住民への接種の困難さを指摘した。
インドネシアCSISのファジャル・ヒラワン上席研究員は、東南アジア諸国経済の回復はワクチン計画だけで決まるものではなく、景気刺激策も同様に重要だと述べた。
(マレーシアン・リザーブ、2月16日)