隔離期間3日間への短縮、閣僚以外への適用も視野=保健相

【クアラルンプール】 アダム・ババ保健相は、先ごろ発表した海外公務出張から戻った閣僚に対する隔離期間を3日に短縮する件に言及。今後、この制度を外国政府高官やビジネスマン、さらには一般市民に拡大する可能性があると言明した。
「マレーシアキニ」のインタビューに対し、アダム保健相は隔離期間短縮措置の意図について、国の経済活動を自由化しマレーシアへの投資を促進することが狙いだとした上で、まずは実施しやすい閣僚から実施して、その後にビジネスマンにまで適用範囲を拡大することになると述べた。
アダム氏は現在、マレーシアに入国する人に対して出発3日前の感染検査と7日間の隔離(出発前検査しない場合は隔離10日間)を義務づけているとし、この厳しい規制が外国の政治家や投資家が来ない理由となっており、引いては投資を減らす原因になっていると指摘。海外に到着した際に隔離が不要なのにマレーシアに入った際には必要になるというのは不公平だとした。
■隔離期間の短縮、政府専用機使用などが条件■
連邦政府は10日、閣僚の公用の海外渡航における標準的運用手順(SOP)を発表。帰国後の隔離期間を3日に短縮する条件として▽最小人数による渡航▽政府専用機を使用すること▽最短日程であること▽出発の48時間前の感染テストによる陰性判定▽到着時の新たな感染テスト▽公務中のマスク着用▽握手などの身体接触忌避▽滞在はホテルのみ——など12項目。
(マレー・メイル、2月9日)

新型コロナの感染者数は3288人、累計で25万人超える

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は10日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数が前日から3,288人増加したと発表した。アクティブ感染者数は5万2,186人で、累計感染者数は25万1,604人となった。

州・地域別の感染者数はセランゴール州が最も多く1,757人だった。それに▽クアラルンプール(KL、408人)▽ジョホール州(369人)▽ネグリ・センビラン州(157人)▽サラワク州(135人)▽サバ州(132人)▽マラッカ州(92人)▽ペナン州(59人)▽ケダ州(48人)▽クランタン州(44人)▽ペラ州(42人)▽トレンガヌ州(24人)▽パハン州(14人)▽プトラジャヤ(4人)▽ラブアン(3人)ーーが続いた。ペルリス州はゼロだった。新たに1,929人が回復し、累計治癒者は19万8,495人となった。死者数は14人増えて、累計で923人となった。

保健省のノール・ヒシャム事務次官は9日、新たに12カ所のクラスターを確認したと発表した。11カ所が工場、建設現場、農園など職場に関連するクラスターで、残りはのコミュニティーで起きたクラスターだった。

ジョホール州で4カ所、セランゴール州で3カ所、KLで2カ所、サバ州、ネグリ・センビラン州、マラッカ州でそれぞれ1カ所のクラスターが発生した。

KLの貧困層、失業率が昨年12月には2倍に=国連調査

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 国連国際児童基金(UNICEF)と国連人口基金(UNFPA)が共同で行なった調査によると、クアラルンプール(KL)の貧困層の経済状況が新型コロナウイルス「Covid-19」の影響でさらに悪化。昨年9月から12月の間に世帯主の失業率が二倍になった。
低所得世帯を対象にした調査レポート「ファミリーズ・オン・ザ・エッジ(FoE)」の第三弾で、2020年12月に500世帯を対象に実施して入手したデータを元にした。昨年9月の失業率は7%だったが、12月の失業率は15%に増加。成人の3人に1人が失業したままとなっている。女性の世帯主や障害者の失業率もそれぞれ13.4%、50%に増加。世帯貧困率は42%と高止まりしており、特に世帯主となっている障害者と女性の貧困業率はそれぞれ55%、61%と高かった。
また調査対象の5世帯のうち3世帯は必需品の購入に窮していると回答。57%は食糧を十分に買えなかった、56%は送られてきた請求を期限内に支払えなかったと答えた。世帯主となっている障害者と女性はさらに深刻で、食糧購入に窮したとの回答はそれぞれ64%、58%、請求支払い遅れがそれぞれ60%、47%に上った。
UNICEFとUNFPAは、世帯主の5人に1人は自営業であり、世帯主が女性である割合は3人に1人と高くなっていると指摘。自営業者に対する社会的セーフティネットを拡大する緊急の必要性があると指摘している。

ドリアンを日本に初出荷、輸出大手のハーナン

【クアラルンプール】ドリアンおよび菓子などドリアンを練り込んだ食品の大手輸出業者ハーナン・コーポレーションは日本に冷凍ドリアンを初輸出した。1月中旬、東京港に貨物が届いた。
マレーシア外国貿易開発公社(MATRADE)が昨年末開催したリモート商談会で契約がまとまったもので、ハーナンは数年前から日本への輸出を目指していたという。
ドリアンは東京、大阪、名古屋など主要都市のスーパーマーケットや専門店で販売される。MATRADE東京事務所のニクマン・ラファイー所長によるとドリアン関連商品は日本の消費者になじみが薄く、販促活動の強化が必要だ。しかしアジア産品を扱う店やレストランからの問い合わせは増えているという。
ハーナンは米国、英国、欧州、オーストラリア、中国、香港など12余りの市場に輸出している。
(ベルナマ通信、2月8日)

小売業の営業再開を容認、制限付きで店内飲食も可に

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 イスマイル・サブリ・ヤアコブ上級相(兼国防相)は9日、行動制限令(MCO)が発令されているサラワク州を除いた全国を対象に、営業が認められていなかった小売店全般の営業再開を10日より認めると発表した。

営業再開が新たに認められるのは▽衣料品店▽花屋▽靴屋▽写真店▽手工芸品店▽運動用品店▽化粧品店▽カー用品▽玩具店▽キッチン用品店——など。また政府の感染情報・追跡アプリ「MySejahtera」の使用を全事業者に義務化する。

これまでデリバリーやテイクアウトだけしか認められていなかった飲食店についても、店内飲食を標準的運用手順(SOP)を遵守することを条件に10日より認める。ただしテーブルごとに座れるのは2人までで、各人が1メートルの距離をとることが求められる。

政府は先ごろ、中国正月休みに向けたSOPを発表。半径10キロメートル以内に居住する親族の間で、15人以下の正月の宴席は認めるとした。宗教儀式に関しては、11、12日と19日(初八)の活動は認められるが、礼拝時間は30分以内、マスク着用といった条件で認めるとなっている。

新型コロナ感染者の29.2%、職場でのクラスターで感染

【ペタリンジャヤ】 2020年12月7日から2021年2月4日までの新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数は15万8,789人となり、うち29.2%(4万6,411人)が工場や建設現場、警備会社などの職場でのスクリーニング・プログラムにより確認されたクラスターだった。
1月1日より外国人労働者の強制スクリーニングがスタートしたことで、新規感染者数は増加し、行動制限令(MCO)が再導入された。
その他は、6.1%(4万6,411人)は刑務所や入管収容所でのクラスター、8.1%は州をまたいだ旅行、家族での会合、懇親会が原因となるクラスターだった。その他はクラスターに関連しない帰国者や感染源が不明な感染者だった。
保健省によると、昨年から今年2月5日まで、641万4,565件の検査が実施された。うち333万2,554件はリアルタイムRT-PCR法で行われた。年初からは118万8,284件のPCR検査、189万3,727件の迅速抗原検査が実施された。
マラヤ大学の免疫学者、アワン・ブルギバ・アワン・マハムド教授は、職場での感染拡大を防ぐために労働者の間で標準的作業手順(SOP)が順守されているか調査する必要があると述べた。1990年労働者住宅・設備法(第446法)が改正されたが、実際に宿舎に法律が反映されるには時間がかかると指摘。労働者以外にも感染源が不明な感染者数も昨年9月以降増加傾向にあり、無症状の感染者を懸念していると述べた。
(ザ・スター、2月9日)

新型コロナの感染者数は2764人、27日ぶりに二千人台

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は9日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数が前日から2,764人増加したと発表した。1月13日から27日ぶりに2千人台に減少した。アクティブ感染者数は5万841人で、累計感染者数は24万8,316人となった。

州・地域別の感染者数はセランゴール州が最も多く862人だった。それに▽ジョホール州(521人)▽クアラルンプール(KL、422人)▽マラッカ州(203人)▽サバ州(180人)▽ペナン州(119人)▽サラワク州(111人)▽ネグリ・センビラン州(99人)▽クランタン州(62人)▽ケダ州(59人)▽ペラ州(40人)▽トレンガヌ州(34人)▽パハン州(32人)▽プトラジャヤ(10人)▽ラブアン(10人)ーーが続いた。ペルリス州はゼロだった。新たに3,887人が退院し、累計治癒者は19万6,566人となった。死者数は13人増えて、累計で909人となった。

保健省のノール・ヒシャム事務次官は8日の死亡者数がこれまでで最も多い、24人となったと明らかにした。うち21人がマレーシア人、3人が外国人だった。
一方でノール事務次官は、新たに13カ所のクラスターを確認したと発表した。11カ所が工場、建設現場など職場に関連するクラスターで、残りはのコミュニティーで起きたクラスターだった。
セランゴール州とジョホール州でそれぞれ4カ所、KLとサバ州、トレンガヌ州、サラワク州、ネグリ・センビラン州でそれぞれ1カ所のクラスターが発生した。

必須産業リストから除外された部門の業務再開、FMMが要請

【クアラルンプール】マレーシア製造業者連盟(FMM)のソー・ティアンライ会長は、ムヒディン・ヤシン首相が、業務停止を命令された産業部門の再開を認めなかったことに落胆を表明。これらの部門も間接的に必須産業を支えていると主張した。必須産業から除外されたのは、織物・アパレル、履物、輸出志向型など。
ソー氏はまた標準的運用手順(SOP)順守を徹底させるため、国軍、地方政府など、警察以外の政府機関にも法執行に当たらせることは理解できるとしたものの、機関同士の調整を政府に要請した。緊急事態を理由にとられている措置も、より明確な説明が必要だという。
SOP違反の企業には業務停止命令が出されているが、ソー氏は産業界が直面している困難を当局は理解すべきと配慮を求めた。
(ザ・サン電子版、、マレーシアン・リザーブ、2月5日)

MCO2.0、耐久限界は最大50日=パブリック投資銀

【クアラルンプール】 パブリック・インベストメント・バンクのエコノミスト、ロスナニ・ラスル氏は、第二弾となる行動制限令(MCO2.0)が再延長されたことに言及。マレーシア経済は最大50日は耐えられるが、それ以上になると深刻な影響が出るとの見方を示した。
ロスナニ氏は、MCO2.0が2月18日に終了する場合は合計37日間となり、昨年3月に発令されたMCO1.0の47日よりは短いと指摘。制限もMCO1.0に比べるとMCO2.0は少なく、より多くのセクターで事業継続が認められており経済への打撃は少ないとした。
さらに経済対策「マレーシア経済国民保護支援パッケージ(ペルマイ)」を通じて政府が60億リンギを直接注入したとし、37日間の経済損失を相殺するのに十分だとした。
限界消費性向(MPC)が0.8倍となっていることからみて、60億リンギの公的資金投入は5倍の300億リンギの効果があると考えられるとし、MCO2.0による1日当たり6億リンギ、37日間で222億リンギの経済損失額の方が下回ると分析した。
(星州日報、東方日報、2月3日)

マレーシアへの食品輸出ウェビナーを開催いたしました

1月25日(月)に、マレーシアへの販路拡大を考える日本の食品業者むけに、マレーシア最大規模のビジネス交流サイトCONNECTIONでウェビナーを開催いたしました。

講師は弊社代表の田辺が担当し、マレーシアの概況、輸入規制とハラル、コロナ前後の市場動向をお話し、日本企業47社にご参加頂きました。

例年は商談会を開催し、日本からマレーシアに視察に来る企業も今年はコロナウイルスの影響で渡航ができない状況です。日本にいながら情報収集しようと、最後の質疑応答でも多数の質問を頂きました。

セミナーの録画を、CONNECTION上で会員限定で公開しております。
閲覧には会員登録(無料)が必要となります。

https://connection.com.my/bizevent-0125-record/

CONNECTION上には他にも食品輸出についての記事を掲載しております。
併せてご覧下さいませ。

https://connection.com.my/malaysia_transport_report/

本記事がマレーシアの食品市場への進出をご検討の方にご参考になれば幸いです。