シノバック製のワクチン、27日にKLIAに到着

【クアラルンプール】 中国・科興控股生物技術(シノバック・バイオテック)製の新型コロナウイルス「Covid-19」ワクチンが2月27日、マレーシア航空(MAS)の「MH319」便で北京から無事にクアラルンプール新国際空港(KLIA)に到着した。
今回到着したワクチンは200リットルで、30万回以上接種できる量となっている。医薬品製造のファーマニアガは1月13日、シノバックとの間で、1,400万回分のワクチンを充填し供給する契約を交わしていた。
ワクチン調整担当大臣を兼任するカイリー・ジャマルディン科学技術革新相は、当局がワクチンの承認に向けて、充填などの安全性など検証をした後に承認すると説明。一方で、米ジョンソン・エンド・ジョンソンからもワクチンを購入する計画についても、調達向けて詳細を詰めている段階だと明らかにした。
マレーシアでは21日に、米ファイザー製のワクチンが初めて到着した。24日よりムヒディン・ヤシン首相や保健省のノール・ヒシャム事務次官のほか、医療従事者や最前線で働く治安維持関係者などの接種がスタートしている。
(エッジ、2月27日)

双日、マレーシア発のプライマリ医療グループに出資

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 双日(本社・東京都千代田区)は1日、マレーシアを中心にプライマリ・ケアを行なう医療施設を展開するクオリタス・グループに出資すると発表した。シンガポールにある持株会社、クオリタス・メディカルに第三者割当増資引受を実施した。
クオリタスは1997年にマレーシアで創業し、現在はマレーシアで249カ所、シンガポールで13カ所、オーストラリアで39カ所のクリニック、歯科クリニック、画像診断センターなどを運営。医師400人を含む1,700人の職員を擁して、企業や保険会社の顧客は4,000社、年間延べ280万人の外来患者に医療サービスを行なっている。
双日は声明の中で、家族や地域という身近な枠組みでかかりつけ医が健康相談や総合診療をおこない、必要な時に高度医療機関を紹介するプライマリ・ケアの拡充が求められていると指摘。Qualitasは、こうした成長分野であるプライマリ・ケアの分野で20年以上の実績を有し、クリニックの新設や買収などの戦略投資を加速し、ベトナムなどの新興市場にも新規参入する方針のクオリタスの将来性を評価した。
双日は、2017年4月に医療分野における社内での取り組みを集約し、専門部隊を新設することで同分野での取り組み体制を強化してきた。

ムヒディン政権発足1周年、「コロナ収束後に解散総選挙」

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 ムヒディン・ヤシン首相は1日、国民同盟(PN)政権発足1周年にあわせてテレビ演説し、新型コロナウイルス「Covid-19」が収束した段階で直ちにアブドラ国王に議会解散を提案する意向を改めて示した。
ムヒディン首相は、議会が解散されれば結果として総選挙が開催されることになると言明。新型コロナが収束するまでの政府の重点課題は健康と経済危機の二重の課題を克服することであるとし、それまで内閣は能力の及ぶ限り我々の義務と責任を遂行し続けると述べた。
ムヒディン首相は議会開催を阻む非常事態宣言について、あくまで8月1日までの一時的なものだと強調。これまで交付された政令は「2021年緊急(基本権限)命令」、「2021年緊急(労働者の住宅および設備の最低基準)命令」、「2021年緊急(感染症の予防と管理)(改正)命令」の3つだけだとし、「私は民主主義の意味を理解している。政権を永続化するような政令は一つもだしていない」と強調した。
またムヒディン首相はPN政権の過去1年間の成果について、新型コロナ対策として「命を守る」及び「生計を維持する」ことに注力してきたと強調。行動制限令(MCO)や3,050億リンギの経済対策など大胆な政策をとってきたとし、最前線の医療関係者や官民、一般市民の支持を受けてここまで乗り越えることができたと述べた。

新型コロナの感染者数は1828人、累計で30万人超える

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は1日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数が前日から1,828人増加したと発表した。アクティブ感染者数は2万5,542人で、累計感染者数は30万2,580人となった。

州・地域別の感染者数はジョホール州が最も多く490人だった。それに▽セランゴール州(453人)▽サラワク州(220人)▽ネグリ・センビラン州(167人)▽ペラ州(144人)▽サバ州(104人)▽ペナン州(85人)▽クアラルンプール(KL、75人)▽クランタン州(36人)▽ケダ州(16人)▽トレンガヌ州(15人)▽マラッカ州(8人)▽パハン州(8人)▽プトラジャヤ(6人)▽ペルリス州(1人)ーーが続いた。ラブアンのみゼロだった。新たに2,486人が回復し、累計治癒者は27万5,903人となった。死者数は5人増えて、累計で1,135人となった。

保健省のノール・ヒシャム事務次官は2月28日、新たに9カ所のクラスターを確認したと発表した。
9カ所全てが工場、建設現場など職場に関連するクラスターだった。ジョホール州で4カ所、セランゴール州で3カ所、KL、ペナン州でそれぞれ1カ所のクラスターが発生した。
これまでに発見されたクラスターは累計1,138カ所で、新たに3カ所が収束し、現在感染者を出しているアクティブなクラスターは491カ所となった。

MCO違反金引き上げ、「悪質な場合のみ」警察長官

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 行動制限令(MCO)違反者に対する罰金の上限が、3月11日より1万リンギに引き上げられることが決まったが、アブドル・ハミド・バドル警察長官は、罰金引き上げの対象は再犯者や感染を拡大させる可能性のある行為を行なうなど悪質な場合に限定されると言明した。
同警察長官は、罰金額が大幅に引き上げられることに対して国民から不安の声が上がっていることを言及。公共の場所におけるマスク非着用などを含め標準的運用手順(SOP)に違反したすべての者を罰金引き上げの対象にする訳ではないと述べた。
また警察は保健省の決定に基づき法を執行するだけであり、仮に1万リンギの違反キップを切られた場合でも、保健省に事情を説明して大幅に減額、例えば200リンギにしてもらうことができると述べた。
MCO違反者に対する罰則については、客観性のある明確な基準がないとの指摘は度々上がっている。社会活動家のクマラン・スブラモニアムさんは「現行犯で賭博が見つかった場合のように誰が見ても科金されるべきケースはいいが、息苦しくてマスクを少し外した場合に科金されるのは不公平だ」と指摘している。