認証取得パーム油、日本はすでに50万トン輸入

【クアラルンプール】 マレーシア政府が独自で定めた持続可能なパーム油基準(MSPO)について、昨年から今年初めにかけての日本のMSPO認定パーム油輸入額が50万トンを突破した。マレーシア・パーム油委員会(MPOB)が明らかにした。
MSPOはマレーシアの環境に対する取り組み姿勢を世界にアピールする狙いでスタートしたもので、日本は昨年通年で43万3,022トン、今年1、2月に7万7,053トンを輸入した。持続可能性を重視する東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会(TOC)よりパーム油調達の調達コードの1つとしてMSPOが認められたことが貢献した。
TOCは公式ウェブサイトでプレ五輪持続可能性報告書を公表し、MSPOや持続可能なパーム油のための円卓会議(RSPO)の認証の最新状況を報告している。
MPOBとマレーシアのパーム油認証評議会(MPOCC)は、MSPO簡易検証スキームを調整するために、日本油脂輸出入協会(JOFIEA)と協議を行った。JOFIEAは日本を代表して、東京五輪で使用するためにMSPO認定のパーム油を調達している
(ベルナマ通信、3月26日)

スエズ運河コンテナ船座礁、マレーシアへの貨物到着に多少影響

【クアラルンプール】アジアと欧州を結ぶ海上交通の要衝エジプトのスエズ運河で、愛媛県の正栄汽船が所有し、台湾の長栄集団(エバーグリーン)が運航する世界最大級のコンテナ船「エバーギブン」(パナマ船籍)が座礁し、航路がふさがれた。足止めされている船は300隻以上にのぼっている。
ポートクラン港湾局のスブラマニアム総括管理者によれば、マレーシアと欧州、地中海の間を航行する船舶は両方向1日1ー2隻で、運河が再開されれば2ー3隻が同時にクラン港やジョホール州のタンジョン・プルパス港(PTP)に到着する可能性がある。しかし両港とも処理能力に余裕があるため、混乱は生じない見通しだという。
コンテナ船情報を提供するシーインテリジェンス・コンサルティングのジェンセン最高経営責任者(CEO)によれば、座礁でコンテナのアジアへの輸送が影響を受けるため、空コンテナ不足が深刻になる恐れがある。
(マレーシアン・リザーブ、3月26日)

武田薬品工業、デング熱ワクチン承認申請を開始へ

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 武田薬品工業(本社・大阪府大阪市)は、マレーシアにおいて今年、同社のデング熱ワクチン「TAKー003」の承認申請を開始すると明らかにした。
同社は、4歳から60歳の人を対象に、4種すべてのデングウイルス血清型で引き起こされるデング熱の予防を目的として開発中のデング熱ワクチン「TAKー003」について、欧州医薬品庁(EMA)へ承認申請を行い、受理されたと発表。2021年中にマレーシアの他、アルゼンチン、ブラジル、コロンビア、インドネシア、メキシコ、シンガポール、スリランカ、タイで規制当局へ申請を行う予定だ。
武田薬品工業は、欧州連合(EU)における承認とEU-M4all (旧称Article 58)制度を通じての EU域外の国々における承認を目的とした医薬品に適用されるEMAが実施する初の並行審査に参加している。EU-M4all制度に参加している国々は、欧州医薬品評価委員会(CHMP)からの科学的見解に加え、独自の審査をしたうえで自国における承認について判断するという
同社は、EU-M4all制度に参加していないデング熱流行国においてもTAK-003の承認を目指す。米国での承認申請を行い、その後アジアやラテンアメリカのその他諸国での承認申請を実施していく。

ワクチン接種第2フェーズ、4月19日より開始

【クアラルンプール】 新型コロナウイルス「Covid-19」ワクチン接種プログラム調整大臣を兼任するカイリー・ジャマルディン科学技術革新相は、接種プログラム第2フェーズを4月19日から開始すると発表した
追跡・情報アプリ「MySejahtera」を通じて接種申請を行なった人に対しては、4月5日から電話もしくはテキストメッセージ(SMS)を通じて、接種日時の二週間前に案内を出す。第2フェーズでは、高齢者や高リスクグループ、障害者などが対象となっており、約940万人に上るとみられているが、現時点で登録者数は200万人程度にとどまっている。このためカイリー氏は登録を急ぐよう呼び掛ける一方、ワクチンが十分供給されているとして第3フェーズに分類された登録者に対する接種を前倒しで行なう意向を示した。現時点での総登録者数は723万5,436人で、接種目標人口の3分の1にとどまっている。
コロナ対策の最前線に立つ医療関係者らを対象にした第1フェーズはすでに対象者の90%が第1回目の接種を済ませており、向こう2週内に2回目の接種も完了する見通し。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、フリー・マレーシア・トゥデー、マレー・メイル、3月29日)

新型コロナの新規感染者数は941人、今年初めて千人下回る

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は29日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数が前日から941人増加したと発表した。昨年12月9日以来初めて千人を下回った。アクティブ感染者数は1万4,219人で、累計感染者数は34万2,885人となった。

州・地域別の感染者数はセランゴール州が最も多く219人だった。それに▽サラワク州(192人)▽ジョホール州(171人)▽ペナン州(164人)▽クアラルンプール(KL、57人)▽クランタン州(49人)▽サバ州(34人)▽ネグリ・センビラン州(18人) ▽ケダ州(13人)▽マラッカ州(8人) ▽パハン州(5人)▽ペラ州(5人)▽トレンガヌ州(4人)▽ラブアン(1人)▽プトラジャヤ(1人)ーーが続いた。ペルリス州のみゼロだった。新たに1,097人が回復し、累計治癒者は32万7,406人となった。死者数は5人増えて、累計で1,260人となった。

保健省のノール・ヒシャム事務次官は28日、新たに3カ所のクラスターを確認したと述べた。うち1カ所は職場に関連するクラスター、残りは拘置所とコミュニティで起きたクラスターだった。
セランゴール州では、セパンの農場でクラスターが発生、32人に陽性反応が出た。クランタン州ではコミュニティでクラスターが発生、コタバルとマチャンで63人の感染を確認。ジョホール州ではジョホールバルの拘置所で52人に陽性反応が出た。