ムヒディン首相、2回のワクチン接種を完了

【プトラジャヤ】 ムヒディン・ヤシン首相は17日、米ファイザー-バイオNテック製の新型コロナウイルス「Covid-19」ワクチンの第2回目の接種を受け、2回のワクチン接種を完了した。ムヒディン首相は2月24日に第1回目の接種を受けていた。
プトラジャヤのクリニックを訪れたムヒディン首相は、新型コロナの感染情報・追跡のためのスマートフォンアプリ「MySejahtera」を利用した手続きを行い、ワクチン接種を受けた。接種後に再びアプリを利用した申請を行い、接種完了の通知を受け取った。接種後には別室で副反応を観察するため30分間待機したが、異常はみられなかった。保健省のノール・ヒシャム事務次官と保健省職員4人、最前線で働く職員なども第2回目の接種を受けた。
アダム・ババ保健相は同日、2月24日から3月16日までに34万6,508人が米ファイザー-バイオNテック製ワクチンの初回接種を受けたと明らかにした。
州別ではセランゴール州が最多で4万1,913人だった。それ以下は▽ペラ州(3万9,404人)▽サバ州(3万3,966人)▽サラワク州(3万2,465人)▽クアラルンプール(3万1,740人)▽ジョホール州(2万6,185人)▽パハン州(2万5,944人)▽ケダ州(2万3,871人)▽ペナン州(2万393人)▽クランタン州(1万6,541人)▽トレンガヌ州(1万5,725人)▽ネグリ・センビラン州(1万4,489人)▽マラッカ州(9,120人)▽ペルリス州(8,038人)▽プトラジャヤ(4,383人)▽ラブアン(2,342人)ーーの順となった。

シノバック製ワクチン、カイリー大臣が接種第一号に

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 新型コロナウイルス「Covid-19」ワクチン接種プログラム調整大臣を兼任するカイリー・ジャマルディン科学技術革新相は18日、中国・科興控股生物技術(シノバック・バイオテック)製ワクチン接種を受けた。シノバック製ワクチン接種の国内第一号となった。

地元のネグリ・センビラン州レンバウ病院で接種を受けたカイリー大臣は流暢な中国語で「ワクチンは安全だ。一緒に新型コロナを打ち倒そう」と呼び掛けた。カイリー氏に続いて、最前線で働く医療関係者や消防署職員ら10人あまりが接種を受けた。薬物管理局(DCA)は3月2日、シノバックと英アストラゼネカのワクチンに対する条件付き登録を承認していた。

一方、すでに接種が始まっている米ファイザー製ワクチンについては、12日前に接種を受けたケダ州スンガイ・プタニ在住の45歳の女性看護師が心臓発作のために17日未明に死亡した。女性は高血圧の病歴があり、接種の翌々日に全身疲労や痛みなどの体調不良を訴えていた。

これについてカイリー大臣は、現時点でワクチンと死亡の因果関係はまだ分かっていないとし、保健省による調査結果を待つ必要があると述べた。

新型コロナの新規感染者数は1213人、セランゴールで353人

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は18日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数が前日から1,213人増加したと発表した。アクティブ感染者数は1万4,782人で、累計感染者数は32万8,466人となった。

州・地域別の感染者数はセランゴール州が最も多く353人だった。それに▽サラワク州(303人)▽ジョホール州(142人)▽ペナン州(104人)▽クアラルンプール(KL、79人)▽サバ州(73人)▽ペラ州(39人)▽ケダ州(38人)▽ネグリ・センビラン州(23人)▽クランタン州(20人)▽トレンガヌ州(15人)▽パハン州(14人)▽マラッカ州(8人)▽ラブアン(2人)ーーが続いた。ペルリス州とプトラジャヤはゼロだった。新たに1,503人が回復し、累計治癒者は31万2,461人となった。死者数は3人増えて、累計で1,223人となった。

保健省のノール・ヒシャム事務次官は17日、新たに12カ所のクラスターを確認したと明らかにした。8カ所が工場や教育センター、行政センター、建設現場、スーパーマーケットなどの職場に関連するクラスター、2カ所がコミュニティ、残りは拘留所、シンガポールからの浚渫船で起きたクラスターだった。セランゴール州とジョホール州で3カ所、クランタン州とネグリ・センビラン州で2カ所、サラワク州とサバ州でそれぞれ1カ所のクラスターが発生した。

国民へのワクチン接種を徹底、3州では戸別訪問を実施

【イポー】Covid-19ワクチン接種調整相のカイリー・ジャマルディン科学技術革新相は16日、ペラ州の接種センターを訪問した際の会見で、接種を徹底するためすべての州に、1日3,000人への摂取が可能な接種センターを設けると表明した。年内に接種を完了するとの首相の指示に沿った措置だという。
カイリー氏によれば、内陸部や農村地帯ではワクチンの知識が不足しており、接種登録する住民が少ない。接種を奨励するため国家災害管理局(NADMA)が、登録数の少ないクランタン、トレンガヌ、サバの各州で戸別訪問を行う。ワクチンに関する不正確な情報のソーシャルメディアでの流布も登録数の少なさの要因だという。
連邦政府の負担で供給する以外のワクチンは各州が購入する。これまでにパハン、ジョホール、サラワク、セランゴールの各州が購入の意図を表明したが、正式申請はまだない。
カイリー氏はワクチン調達でインドからの購入に向け調整していることも明らかにした。インドはバーラト・バイオテックが製造する米ノババックスのワクチンを売りたい意向だ。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、3月17日、ベルナマ通信、3月16日)

GST再導入は税収拡大の選択肢、WBパネル討議で財務省高官

【クアラルンプール】世界銀行グループが組織したパネル討議で、財務省のザキア・ジャアファル副事務次官は、省として税制改革を検討しており、物品・サービス税(GST)再導入は税収拡大に向けた選択肢の一つだと言明した。
ザキア氏は「ウイルス感染拡大(パンデミック)が起こる前の昨年3月、税制改革に着手する計画だった」と明らかにした。しかし現在の状況を考慮し、改革は経済が安定してからにするという。
世銀はマレーシア経済に関する最新報告書で、マレーシアが高所得国になるには税収基盤の拡大が欠かせないとの主張を展開した。
GSTはナジブ・ラザク政権時代の15年に導入されたが、18年の総選挙で政権交代を果たしたマハティール氏率いる希望同盟(PH)の時代に廃止された。
アジア太平洋経済協力会議(APEC)のレベッカファティマ・スタマリア事務局長は「経済開発5カ年計画など国を次の段階に導く多様な計画が既に策定されており、後は実行するのみ」と政策の作り直しは不要との認識を示した。
(フリー・マレーシア・トゥデー、ベルナマ通信、3月16日)

SOP違反の罰則を緩和、軽微な初犯は1,500リンギに

【クアラルンプール】 標準的運用手順(SOP)違反の罰則が強化されたことに国民から不満の声が出ていることを受け、タキユディン・ハサン首相府相(法務担当)は17日、違反行為を3つに分類し、1万リンギの最高額違反キップは重大な違反行為のみに限定すると言明した。
タキユディン氏によると、違反行為は第1のカテゴリー(感染リスクが高く、コミュニティに大きな影響を与える違反行為)、第2のカテゴリー(感染リスクが高いが、コミュニティへの影響はそれほど大きくない違反行為 )、第3のカテゴリー(感染リスクが低く、コミュニティへの影響がない違反行為)に分類する。
また公共の場所におけるマスク非着用や「MySejahtera」アプリもしくは備え付けの記録簿に記入しなかった場合、初犯であれば罰金額は1,500リンギに固定する。さらに1週間以内に罰金を納付する場合は50%引き、8—14日内の納付は25%引きとする。
(マレー・メイル、3月17日)

新型コロナの新規感染者数は1219人、セランゴールで499人

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は17日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数が前日から1,219人増加したと発表した。アクティブ感染者数は1万5,075人で、累計感染者数は32万7,253人となった。

州・地域別の感染者数はセランゴール州が最も多く499人だった。それに▽サラワク州(225人)▽ジョホール州(169人)▽ペナン州(69人)▽クアラルンプール(KL、54人)▽ネグリ・センビラン州(46人)▽ペラ州(36人)▽サバ州(31人)▽ケダ州(26人)▽マラッカ州(20人)▽クランタン州(19人)▽トレンガヌ州(15人)▽プトラジャヤ(5人)▽パハン州(3人)▽ペルリス州(1人)▽ラブアン(1人)ーーが続いた。新たに1,346人が回復し、累計治癒者は31万958人となった。死者数は2人増えて、累計で1,220人となった。

保健省のノール・ヒシャム事務次官は16日、新たに5カ所のクラスターを確認したと明らかにした。2カ所が行政センター、スーパーマーケットなどの職場に関連するクラスター、残りはコミュニティで起きたクラスターだった。サラワク州で3カ所、KLとクランタン州ではそれぞれ1カ所のクラスターが発生した。
新たに8カ所のクラスターが収束し、現在感染者を出しているアクティブなクラスターは428カ所となった。

セランゴール州やKLなど4州1都、月末までCMCO延長

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 イスマイル・サブリ・ヤアコブ上級相(兼国防相)は16日、▽セランゴール▽ジョホール▽ペナン▽クランタン▽クアラルンプール(KL)——の4州1都について3月31日まで条件付き行動制限令(CMCO)を延長すると発表した。
▽ネグリ・センビラン▽ペラ▽ケダ——の3州については、19日からから復興に向けた行動制限令(RMCO)に切り替える。3州に対するRMCOの期限は3月31日まで。ただし新規感染者が出ているケダ州のクアラムダとクリム、ネグリ・センビラン州セレンバンはCMCOを延長する。
またすでにRMCOとなっていた▽ペルリス▽マラッカ▽パハン▽トレンガヌ▽サバ▽プトラジャヤ▽ラブアン——については3月31日までRMCOを継続する。ただしサバ州のナバワンだけは2週間MCOを延長する。
RMCOになっても州を跨いだ移動は旅行代理店を通じた観光旅行以外は、依然禁止となっている。州内の地区間移動については、サバ・サラワク州を除いて許可されている。

異教徒による「アラー」の使用禁止通達の無効化判決、政府が控訴

【クアラルンプール】高等裁判所が、非イスラム教が神を「アラー」と表現するのを禁止した政府通達は無効との判断を示したことについて、政府は控訴裁判所に控訴した
高裁のノル・ビー裁判官は、マレー語を話すキリスト教徒、特にサバ州、サラワク州に住むキリスト教徒は数世代にわたり神を「アラー」と表現してきたとした。
高裁に提訴したのはサラワク州メラナウ族の女性、ジル・アイアランド氏で、「アラー」との表現が含まれたCDを所持していたところ、セパンの格安航空ターミナルで内務省職員に没収された。
その後、1986年の閣議決定を根拠に、アラー、カーバなど4つのイスラム教に重要な言葉の異教徒による使用を禁じた通達が出されたが、通達の署名者が大臣ではなく内務省職員であったことから、ノル裁判官は通達は無効との判断を示した。
マレーシアではこれまでにも、異教徒による「アラー」の使用をめぐり裁判が起こされた。
(エッジ、3月15日)

製薬大手ファーマニアガ、ワクチン製造でシノバックと正式合意

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】製薬大手のファーマニアガは新型コロナウイルス感染症Covid-19のワクチンのマレーシアでの製造に関し、中国の北京科興中維生物技術(シノバック・ライフ・サイエンシズ)と合意書を交わした。
シノバック・ライフ・サイエンシズはシノバック・バイオテック(科興控股生物技術)の傘下企業。
ファーマニアガのブルサ・マレーシア(マレーシア証券取引所)への届け出によると、ファーマニアガは、シノバック・ライフ・サイエンシズが製造したワクチンをファーマニアガのマレーシア工場で充填し、独占的にマレーシア全土で供給する。
シノバック・ライフ・サイエンシズはまた、同ワクチンをマレーシアで独占的に製造・販売する権利をファーマニアガに付与した。