政権決別宣言のUMNO、所属閣僚は留任の見通し

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 統一マレー国民組織(UMNO)が与党連合・国民同盟(PN)第一党・統一プリブミ党(PPBM)との協力関係を解消すると宣言したことを受け去就が注目されているUMNO所属閣僚だが、国会解散までは閣僚ポストにとどまる見通しだ。
ムヒディン・ヤシン首相は3月29日に全UMNO所属閣僚と面会し、新型コロナウイルス「Covid-19」対策や経済復興に重点を置くべきとの考えを伝え、国民の利益を尊重してPN政府にとどまるよう説得したことを公表閣内に留まることで全UMNO所属閣僚と合意に達したと明らかにした。PPBMを凌ぐ勢力をもつUMNOは協力への見返りとして、正大臣9人、副大臣8人を政権内に送り込んでいる。
先の年次総会でPPBMとの決別を宣言したアハマド・ザヒド・ハミディ総裁(元副首相)は、党最高評議会がPPBMとの協力関係解消を決定すれば、ただちにUMNO所属の全閣僚は辞任しなければならないと述べていた。党内でも同調する意見は根強く、長老のテンク・ラザレイ元副財務やナズリ・アジズ元観光芸術文化相らも閣僚を辞任すべきと述べている。

5G脅威への対処で実験施設を開設へ、ファーウェイなど3者が参加

【クアラルンプール】サイバーセキュリティーに関する政府機関のサイバーセキュリティー・マレーシア(CSM)、携帯電話のセルコム・アシアタおよび通信機器の中国系ファーウェイ(華為技術)マレーシアは、5G(第5世代移動通信システム)サイバーセキュリティー試験施設を設けることで合意し、覚書を交わした。CSMの敷地内に23年中をめどに整備する。この種の試験施設は東南アジアで初めて。
5G通信のセキュリティーにかかわる脅威の理解、管理、緩和を目的としたプロジェクト。政府は今年末に5Gネットワークの敷設を開始する方針だ。
CSMのアミルディン最高責任者は「サイバー上の脅威は増大しており、国の安全保障、国民の安全確保が最重要課題だ。脅威から組織、個人を守るための知識、ツールが必要になる」と語った。
試験施設では、無線アクセスネットワーク、ネットワークを相互接続するコアネットワーク、クラウドで利用するアプリケーション、ユーザー機器など多様な技術の研究に取り組む。
(ベルナマ通信、3月30日)

五輪へのハラル食品提供、フレーバーイノベーションが断念

【クアラルンプール】7月から始まる東京五輪にハラル(イスラム教徒向け)食品を提供する予定だったフレーバー・イノベーション(FISB)は手を引くことを決めた。
アハマド・フサイニ代表によれば、同社は五輪のケーターリング業者から選手村と観客向けにハラル食品を納入する契約を得たが、五輪主催者が外国から観客を受け入れない方針を決めたため、撤退を決めた。同社は外国人観客の30ー40%はイスラム教徒と想定していた。
選手村への提供も行わない。参加するイスラム教徒の選手の数は限られており、日本の業者が用意する食材で賄えるからだ。
ただ、大規模イベントに供給する能力があると認められた効果はあったという。日本で病院に食事を供給している会社に食材を提供する契約を獲得した。またイオンマレーシアとも研究開発契約を交わしており、ハラル食品を日本に供給する。
(マレーシアン・リザーブ、3月30日)

管理職の30%出勤制限、4月1日付けで廃止

【クアラルンプール】 マレーシア国家安全委員会(NSC)は、 条件付き行動制限令(CMCO)指定域の企業管理・監督者の人数を30%以下に制限する規定を4月1日付けで廃止すると決定した。イスマイル・サブリ・ヤアコブ上級相(兼国防相)が明らかにした。
通産省の勧告に基づいたもので、一部在宅勤務となっていた管理職や総務部門は今後100%出勤することが可能になる。標準的運用手順(SOP)の詳細については、NSCのウェブサイトで入手できる。
サブリ上級相は「理由の一つは製造業の業務において在宅勤務が難しかったことがある。製造業には様々な管理チームと監督チームの連携を必要とする複雑で技術的プロセスが多い」と述べた。
このほかサブリ上級相は、母国に帰国したまま戻って来れない外国人家政婦について言及。「My Travel Pass」を通じて許可を申請することを条件に再入国を認めると発表した。マレーシア到着時にはSOPに従ってスクリーニング及び隔離を受けなければならず、費用は雇用者が負担する必要がある。
(エッジ、3月30日)

新型コロナの新規感染者数は1482人、セランゴール州が最多

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は3月31日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数が前日から1,482人増加したと発表した。アクティブ感染者数は1万4,604人で、累計感染者数は34万5,500人となった。

州・地域別の感染者数はセランゴール州が最も多く661人だった。それに▽ペナン州(200人)▽サラワク州(176人)▽ジョホール州(86人)▽サバ州(69人)▽クランタン州(57人)▽クアラルンプール(KL、42人)▽マラッカ州(41人)▽ケダ州(37人)▽パハン州(36人)▽ネグリ・センビラン州(32人)▽ペラ州(31人)▽ラブアン(8人)▽プトラジャヤ(3人)▽トレンガヌ州(2人)▽ペルリス州(1人)ーーが続いた。新たに1,070人が回復し、累計治癒者は32万9,624人となった。死者数は7人増えて、累計で1,272人となった。 保健省のノール・ヒシャム事務次官は30日、新たに9カ所のクラスターを確認したと述べた。うち5カ所は職場に関連するクラスター、3カ所はコミュニティ、1カ所は重症化リスクの高い人が多い透析センターで起きたクラスターだった。
セランゴール州では工場や教育センターなど職場3カ所でクラスターが発生。サバ州とジョホール州ではそれぞれ2カ所、KLとネグリ・センビラン州でそれぞれ1カ所のクラスターが発生した。