【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 通信大手のアシアタ・グループは8日、傘下で携帯電話事業を手掛けるセルコム・アシアタが同業のDiGiドットコムと合併する方向で、DiGiの親会社であるノルウェー系テレノル・アジアと協議を開始することを明らかにした。第2四半期中の合意を目指す。
アシアタ・グループの発表によると、アシアタはDiGiドットコムが新たに発行する新株を取得。合併後の新会社はセルコムDiGiとなる。新会社への持株比率はアシアタとDiGiが33.1%ずつとなる見込みで、国益を守るためにアシアタとマレーシアの機関投資家とが合計51%以上を掌握。アシアタが初代会長及び最高経営責任者(CEO)を指名する権利を有する。
実現すれば、売り上げ124億リンギ、EBITDA(利払い・税引き・償却前利益)57億リンギ、顧客数1,900万人の国内最大の通信グループが誕生することになる。アシアタとテレノルは、従業員は重要な資産との判断から合併後にも人員削減を行なわないことで合意した。
アシアタとテレノルはまた、インダストリー4.0のデジタル変革、5Gユースケースの開発、その他の技術を促進するための世界水準のイノベーションセンターを設立することでも合意した。
アシアタとテレノルは、2019年にも合併に向けた交渉を行なったものの合意に至らなかった経緯がある。