【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 新型コロナウイルス「Covid-19」ワクチン接種調整担当大臣を兼任するカイリー・ジャマルディン科学技術革新相は28日、血栓ができる症例が報告されているアストラゼネカ製ワクチンについて、接種プログラムにおける使用を当面見合わせる方針を明らかにした。
国民の間で懸念の声が上がっていることに配慮したもの。ただし購入分をムダにしないためにクアラルンプール(KL)とセランゴール州、サラワク州在住の希望者を対象に別のチャンネルを使って先着順に供給する。
アストラゼネカ製ワクチンについては、▽デンマーク▽ノルウェー▽アイルランド▽タイ——などが使用を停止しているが、先ごろアダム・ババ保健相は安全性が確認されているとして、第2フェーズにおいて60歳以上に投与する方針を明らかにしていた。
保健省ワクチン選定小委員会(JKKPCV)のカライアラス・M・ペリサミー議長も、血栓が確認された事例は稀だと指摘。英国医薬品医療製品規制庁(MHRA)と欧州医薬品庁(EMA)のデータに基づくと、今年3月以降に世界全体で約2,160万人がアトララゼネカ製ワクチンの接種を受けたが、血栓症を発症したのは168例しかなく、関連性も証明されていないと指摘。ベルギーなどではすでに使用を再開しているとした。