全国統一の初等教育修了試験廃止、学校実施の成績評価で代替

【クアラルンプール】教育省は初等教育の卒業資格を得るための全国統一検定試験(UPSR)を廃止し、各学校が行う成績評価で生徒が基準点を満たしているかを判断する
UPSRでは読み書き計算と判断能力を試験してきた。学校による成績評価(PBS)では、学習態度、心理測定(個性、精神障害など)、体操・スポーツ、課外活動を総合的に評価する。
モハマド・ラジ教育相によると、学校長、教師、PTAら関係者との協議を踏まえUPSRの廃止を決めた。
UPSRは例年9月に実施されてきたが、昨年はパンデミックを理由に中止された。その後、同省は最善と思われる教育制度を採用しているほかの国の成績評価方法を調査した。初等教育は6年。
中等教育は5年(前期3年、後期2年)。前期3年目の学生が受ける適性試験も昨年同様、今年も中止する。
(ザ・スター、4月29日)

「働きたい会社」トップはペトロナス=LinkedIn

【クアラルンプール】 ソーシャルワーキングサービスの「LinkedIn(リンクトイン)」は、マレーシアの「働きたい会社」トップ15ランキングを今年初めて発表。トップは国営石油会社、ペトロリアム・ナショナル(ペトロナス)となった。
同調査はユーザが入力したデータに基づき、▽成長力▽スキル成長▽企業の安定性▽外部の機会▽企業の親和性▽性別の多様性▽学歴——の7つの指標で評価したもの。2位以下は▽ペルモダラン・ナショナル(PNB)▽国営電力会社テナガ・ナショナル▽AIA▽テレコム・マレーシア▽アクセンチュア▽マラヤン・バンキング(メイバンク)▽OCBCバンク▽プライスウォーターハウス・クーパーズ(PwC)▽スタンダード・チャータード・バンク▽アーンスト・ヤング(EY)▽アシアタ(Axiata)▽プルデンシャル▽インテル・コーポレーション▽ホンリョン・バンク——の順となった。
LinkedInによると、政府関連企業(GLC)が目立っており、GLC3社と政府系投資会社1社がトップ5社に入っている点に特徴がある。また銀行、会計監査、金融サービス企業が上位を占めており、マレーシアにおけるこれらの業種の強さを反映していると指摘している。
(エッジ、ローヤットドットネット、4月28日)

経済は6%増に持ち直し、アジア開銀見通し

【クアラルンプール】アジア開発銀行(ADB)は28日、アジア経済見通し報告(4月版)を公表した。マレーシア経済について、今年は6%増に持ち直し、来年は5.7%増と安定するとの予想を示した。政策面の課題として、中小製造業者の技術力引き上げを挙げた。
昨年は公共投資、民間投資とも減少した。今年の公共投資は東海岸鉄道線、MRT2号線、汎ボルネオ高速道路などの再開で増加が期待できる。民間投資も堅調な外需、ワクチン接種による企業家心理の改善で回復が予想されるが、全体でほどほどの回復にとどまるという。行動制限の再施行で建設工事が制限されるためだ。
中央銀行は金融緩和策を継続すると考えられるという。消費者物価指数は1.8%の上昇が予想され、来年は原油・一次産品価格の持ち直し、経済活動の正常化を背景に2%が予想されるという。
(エッジ、4月28日)

新型コロナの新規感染者数は3332人、2日連続で3千人超

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は29日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数が前日から3,332人増加したと発表した。2日連続で3,000人を上回った。アクティブ感染者数は2万8,093人で、累計感染者数は40万4,925人となった。

州・地域別の感染者数はセランゴール州が最も多く1,083人だった。それに▽サラワク州(522人)▽クランタン州(401人)▽クアラルンプール(KL、359人)▽ジョホール州(207人)▽ペナン州(158人)▽サバ州(131人)▽ネグリ・センビラン州(111人)▽ケダ州(105人)▽パハン州(92人)▽ペラ州(91人)▽マラッカ州(43人)▽トレンガヌ州(19人)▽プトラジャヤ(9人)▽ペルリス州(1人)ーーが続いた。ラブアンのみゼロだった。新たに1,943人が回復し、累計治癒者は37万5,340人となった。死者数は15人増えて、累計で1,492人となった。

保健省のノール・ヒシャム事務次官は28日、新たに12カ所のクラスターを確認したと明らかにした。

学校・教育機関とコミュニティでそれぞれ4カ所のクラスターが起きた。また2カ所は職場(サービス会社と農場)、残りは高齢者向け住宅と宗教の集会で起きたクラスターだった。

セランゴール州で3カ所、サラワク州、ジョホール州、ケダ州でそれぞれ2カ所、KLとペラ州、サバ州でそれぞれ1カ所のクラスターが発生した。一方で新たに9カ所のクラスターが収束した。

■サイフディン通信マルチメディア相が新型コロナに感染■

サイフディン・アブドラ通信マルチメディア相は、自身のフェイスブックアカウントで28日に受けた新型コロナの検査で陽性反応が出たと明らかにした。現在は入院に向けて待機中で、自宅で自己隔離していると説明。治療と隔離中、引き続き任務が円滑にできるようにするとした。

学生のハリラヤ帰省を容認へ、医療専門家が懸念

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 高等教育省は29日、同省管轄下にある高等教育機関の学生に対し、ハリラヤ(断食月明け大祭)休暇中の州を跨いだ地域への帰省及びUターンを認めると発表した。サラワク州だけは対象外とする。
国家安全委員会(NSC)が28日に開催された特別会議で決定した。帰省期間は5月7日から12日まで、Uターン期間は5月15日から20日までとなる。所属する高等教育機関が州を跨いだ旅行を承認する文書を作成する。帰省を希望する学生は、航空便を除いて公共交通機関を使うことは認められず、自家用車もしくは高等教育機関が手配した車両を使うことが求められる。
全国の高等教育機関の在学生は約130万人だが、学内で対面授業を受けている学生数は10万人程度とみられる。
学生の帰省を容認する決定を受けて、専門家らは感染拡大を助長しかねないと懸念している。マレーシア医師会(MMA)のスブラマニアム・ムニアンディ会長は、イタリアやインドで帰郷した人々が感染拡大を引き起こした例を挙げ、感染抑制のための様々な努力を無にしかねないと警鐘を鳴らしている。
■クランタン州など3州に強化制限令を発令■
イスマイル・サブリ・ヤアコブ上級相(兼国防相)は28日、新型コロナウイルス「Covid-19」感染者が急増している▽クランタン▽ネグリ・センビラン▽パハン——の3州の合計9カ所を4月29日から5月12日までの2週間、強化行動制限令(EMCO)に指定すると発表した。