【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 高等教育省は29日、同省管轄下にある高等教育機関の学生に対し、ハリラヤ(断食月明け大祭)休暇中の州を跨いだ地域への帰省及びUターンを認めると発表した。サラワク州だけは対象外とする。
国家安全委員会(NSC)が28日に開催された特別会議で決定した。帰省期間は5月7日から12日まで、Uターン期間は5月15日から20日までとなる。所属する高等教育機関が州を跨いだ旅行を承認する文書を作成する。帰省を希望する学生は、航空便を除いて公共交通機関を使うことは認められず、自家用車もしくは高等教育機関が手配した車両を使うことが求められる。
全国の高等教育機関の在学生は約130万人だが、学内で対面授業を受けている学生数は10万人程度とみられる。
学生の帰省を容認する決定を受けて、専門家らは感染拡大を助長しかねないと懸念している。マレーシア医師会(MMA)のスブラマニアム・ムニアンディ会長は、イタリアやインドで帰郷した人々が感染拡大を引き起こした例を挙げ、感染抑制のための様々な努力を無にしかねないと警鐘を鳴らしている。
■クランタン州など3州に強化制限令を発令■
イスマイル・サブリ・ヤアコブ上級相(兼国防相)は28日、新型コロナウイルス「Covid-19」感染者が急増している▽クランタン▽ネグリ・センビラン▽パハン——の3州の合計9カ所を4月29日から5月12日までの2週間、強化行動制限令(EMCO)に指定すると発表した。