コロナ第4波の懸念高まる、医療専門家が指摘

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者が再び急増しており、医療専門家らはマレーシアに第4波が来る懸念が高まっていると警告している。
新規感染者数は年明け早々に上昇に転じ、1月末にはついに5,000人を突破し第3波となった。1月13日に再発令された全国的な行動制限令(MCO)で減少に転じ、3月下旬には1,100人強にまで減っていたが、その後は再び増加傾向となっていた。ここ数日は1,700—1,800人前後で推移している。0.8前後だった基本再生産数(R0)も急上昇し1.0を突破している。
マレーシア国民大学(UPM)のマリナ・オスマン博士は、一部の州で復興のための行動制限令(RMCO)に規制が緩和されたことで州間移動ができるようになったことが急増の原因である可能性があると指摘。特に人工呼吸器が必要な重症患者が増加していることが懸念されるとした。またラマダン(断食月)やハリラヤ(断食月明け大祭)における移動が第4波を引き起こす可能性があるとした。
ラマダン入りを前に政府は標準的運用手順(SOP)の厳格適用を条件にバザール開催やラマダン中の夜の礼拝(タラウィー)を認めており、マリナ博士以外からもクラスター発生を懸念する声が上がっている
オセル・グループのクリス・シー博士は「第4波には変異種が関与している可能性があり懸念される。R0も上昇を続けている」と指摘。国民へのワクチン接種も進んでおらず、集団免疫を獲得するまではSOPをきちんと守るなどの国民の自覚が必要だと述べた。

州間移動の禁止、ハリラヤ休みまで延長の意向=保健相

【プトラジャヤ】 新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者が増加していることを受け、アダム・ババ保健相は州を跨いだ移動の禁止措置をハリラヤ(断食月明け大祭)祭日期間まで延長するよう提案する方針だ。
アダム氏は、移動制限解除を先延ばしするよう各方面の関係者から要請を受けていることを明らかにした上で、「感染状況は日々悪化している。状況は依然として不安定であり、移動制限を延長する必要がある」と述べた。
ハリラヤの移動制限については、規制手段の確保の問題などから先ごろイスマイル・サブリ・ヤアコブ上級相(兼国防相)がなるべく早く決定すべきと発言。保健省の助言に従って決定されると述べていた。
アダム氏はまた、一部のラマダン(断食月)バザールで人々が社会的距離を保たず群衆化している状況を示す画像が出回っていることに言及。バザールが新たなクラスターに繋がるようであれば閉鎖も辞さないと述べた。
政府はこうした問題に対処するため、標準的運用手順(SOP)違反者に対する罰金を科す権限を市長や地区議会の議長、上級執行官に与えると発表している。
(フリー・マレーシア・トゥデー、4月15日)

「3度目の制限令発令はなし」感染拡大懸念の中で首相言明

【クアラルンプール】 新型コロナウイルス「Covid-19」感染の第4波が来ているとの警戒感が高まっていることについて、ムヒディン•ヤシン首相は現時点で3度目となる全国的な行動制限令(MCO3.0)を発令する考えはないと言明した。

ムヒディン首相は、新規感染件数の83%が製造業に由来したものだとし、労働者の宿舎が感染源になっていると指摘。ただクラスターとなっているレッドゾーンを対象にしたMCOは実施していくことで感染拡大をコントロールしていくとし、これによってビジネスへの影響を最低限とし経済持続性を実現すると述べた。

その上でムヒディン首相は産業界に対し、職場での標準的運用手順(SOP)を厳守し、政府と協力して「1990年労働者住宅・設備法」(第446法)を遵守するよう呼び掛けた。

また1月に発令した非常事態宣言については、不純な動機に基づくものではないと断言。人権侵害や私有財産、法的権利を侵害することに使用されないことを保証すると述べた。

(東方日報、南洋商報、4月15日)

新型コロナの新規感染者数は2148人、1カ月ぶりに2千人台に

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は15日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数が前日から2,148人増加したと発表した。2,000人を超えるのは3月5日ぶり。アクティブ感染者数は1万7,575人で、累計感染者数は36万7,977人となった。

州・地域別の感染者数はサラワク州が最も多く512人だった。それに▽セランゴール州(459人)▽クランタン州(221人)▽サバ州(202人)▽ジョホール州(182人)▽クアラルンプール(KL、171人)▽ペナン州(134人)▽トレンガヌ州(57人)▽マラッカ州(53人)▽ペラ州(51人)▽ネグリ・センビラン州(34人)▽パハン州(34人)▽ケダ州(26人)▽プトラジャヤ(8人)▽ラブアン(3人)▽ペルリス州(1人)ーーが続いた。新たに1,259人が回復し、累計治癒者は34万9,039人となった。死者数は10人増えて、累計で1,363人となった。

保健省のノール・ヒシャム事務次官は14日、新たに7カ所のクラスターを確認したと明らかにした。
うち6カ所は学校 公的機関、スーパーマーケットの倉庫、行政センターなどの職場に関連するクラスター、1カ所はコミュニティで起きたクラスターだった。
セランゴール州とサバ州でそれぞれ2カ所、ペナン州、ケダ州、マラッカ州でそれぞれ1カ所のクラスターが発生した。

南アフリカ型ウイルス変異株、陽性反応者は17人

【クアラルンプール】保健省のノール・ヒシャム事務次官は14日、同日までに確認された、新型コロナウイルスの南アフリカ型変異株(B.1.351)の陽性反応者は同日までのまとめで17人になったと発表した。
保健当局者は2月3日、英国型変異株による感染を確認。3月5日にはナイジェリア型変異株による感染を発見した。
3月18日にはクアラルンプール国際空港の職員2人が南アフリカ型変異株に陽性反応を示した。このためセパンとクアラランガットで濃密接触者への遺伝子調査を行い、南アフリカ型変異株の感染者をさらに突き止めた。いずれも感染源は同一の可能性が高いという。
(マレー・メイル、4月14日)

好調な中古乗用車販売、今年は40万台超の見通し

【クアラルンプール】中古乗用車の販売が好調だ。自動車ローン返済猶予、売上税減免といった優遇措置が販売をけん引している。
独立系自動車ディーラー団体、マレーシア自動車・クレジット会社協会のトニー・コー会長によると、20年第3四半期から中古車需要が急増し、勢いは今年も続いている。3月は過去20年の最多を記録したようで、通年では40万台超の販売が期待できるという。
人気トップは国民車プロトン、プロドゥアなど初めて乗用車を購入する人向けのモデル。トヨタやホンダなど中クラスの中古車も関心を集めているという。
売上税減免やプロトンによるニューモデル投入を背景に新車販売が好調で、下取りに出された車も多く、中古車市場に活気をもたらした。
コー氏は、電子商取引サイトが使いやすくなり、消費者が電子商取引になじんだことも販売増の要因だとした。
(マレーシアン・リザーブ、4月13日)

マレーシア人のインターネット利用率、89.6%に上昇

【クアランプール=マレーシアBIZナビ】 統計局は2020年の情報通信技術(ICT)の利用およびアクセスに関するレポートを発表。マレーシア人のインターネットの利用率は89.6%で、前年(84.2%)から5.4ポイント上昇した。
携帯電話の利用率は98.2%で、前年(97.9%)から0.3アップした。コンピュータの利用率は、前年(72.1%)から7.9ポイント上昇し80.0%となった。
家庭でのICTへのアクセス方法で最も多かったのは、携帯電話で98.6%となり、前年(98.2%)からアップ。インターネットは91.7%で、前年の90.1%から上昇し、コンピュータも77.6%で前年の71.3%からアップした。
インターネットの主な利用目的として最も回答が多かったのは、ソーシャルネットワークで98.0%(前年97.2%)だった。2位が画像や映画、動画、音楽のダウンロード、ゲームのプレイ・ダウンロードで87.9%(同84.7%)、3位が商品やサービスの情報収集で85.4%(同83.5%)、4位がインターネット回線やVoIP(インターネットなどのTCP/IPネットワークを通じて音声通話を行う技術)による音声通話が81.2%(同77.5%)、5位がソフトウェアやアプリケーションのダウンロードで78.4%(同77.0%)ーーとなった。

プロドゥア「アルス」、シンガポール市場に投入

【シンガポール=マレーシアBIZナビ】  ダイハツ系自動車メーカー、プルサハアン・オトモビル・クドゥア(プロドゥア)は13日、多目的スポーツ車(SUV)「アルス」をシンガポール市場に投入したと発表した。シンガポールはマレーシア以外で「アルス」が投入された初の市場となった。
「アルス」は、1997年からシンガポールにおけるプロドゥア車の販売会社となっているプロコム・オートが販売する。
「アルス」は、7人乗り。デュアルVVT-iを搭載した排気量1.5リットル4気筒アルミニウム・エンジンが採用されており、1リットル当たりの燃費は15.6キロメートルとなっている。
ザイナル・アビディン・アハマド社長兼最高経営責任者(CEO)によると、「アルス」は2019年、マレーシアにおいて発売を開始。累計販売台数はおよそ5万8,000台となっており、マレーシアのSUV市場で2019年と2020年に最も販売台数が多いSUVとなった。
プロドゥアは、シンガポール以外にもブルネイやスリランカ、モーリシャス、セイシェル、フィジー、インドネシアにも自動車を輸出している。

政府のコロナ対策への評価が上昇傾向=UCSI世論調査

【クアラルンプール】 UCSI大学世論調査研究センターが行なった調査によると、最近の新型コロナウイルス「Covid-19」への対応を巡って与党連合・国民同盟(PN)政権への評価が上昇していることが分かった。
世論調査は1月18日から4月5日にかけて4回に分けて実施したもので、回答者数はそれぞれ980人、649人、618人、1,136人だった。
政府の対応についての信頼感は1月18—20日の調査では10ポイント満点で5.59ポイントだったが、2月6—8日の調査では5.79ポイント、2月19—22日の調査では5.88ポイント、3月31—4月5日の調査では6.60ポイントにそれぞれ上昇した。
一方、ワクチンに対する信頼感は1月18—20日の調査では5.82ポイントだったが、2月6—8日の調査では6.02ポイント、2月19—22日の調査では6.39ポイントと上昇したが、3月31—4月5日の調査では6.41ポイントとやや上げ止まりの傾向がみられた。
同研究センター長であるペク・チュエンキー准教授は、新型コロナ対策とワクチン管理に対する国民の信頼感には相関関係がみてとれると指摘。ワクチンのリスクが低いことが分かってきたことで、より多くの人が接種に積極的になっていると述べた。
(マレー・メイル、4月13日)

新型コロナの新規感染者数は1889人、セランゴール州が最多

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は14日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数が前日から1,889人増加したと発表した。アクティブ感染者数は1万6,696人で、累計感染者数は36万5,829人となった。

州・地域別の感染者数はセランゴール州が最も多く517人だった。それに▽サラワク州(489人)▽クランタン州(226人)▽サバ州(142人)▽クアラルンプール(KL、134人)▽ペナン州(92人)▽ジョホール州(84人)▽ペラ州(56人)▽ケダ州(53人)▽ネグリ・センビラン州(51人)▽トレンガヌ州(14人)▽パハン州(13人)▽プトラジャヤ(8人)▽マラッカ州(6人)▽ペルリス州(3人)▽ラブアン(1人)ーーが続いた。新たに1,485人が回復し、累計治癒者は34万7,780人となった。死者数は8人増えて、累計で1,353人となった。

保健省のノール・ヒシャム事務次官は13日、新たに9カ所のクラスターを確認したと明らかにした。
うち4カ所はサービス会社、運送会社、トレーニング・センター、行政センターなどの職場に関連するクラスター、3カ所はコミュニティ、残りは拘留所と宗教活動で起きたクラスターだった。
KLとサバ州で2カ所、サラワク州、プトラジャヤ、マラッカ州、ネグリ・センビラン州、ジョホール州でそれぞれ1カ所のクラスターが発生した。新たに10カ所のクラスターが収束し、現在感染者を出しているアクティブなクラスターは344カ所となった。