国内最高「ムルデカ118タワー」2022年Q2に完成へ

【クアラルンプール】 国営投資会社ペルモダラン・ナショナル(PNB)がクアラルンプール(KL)市内に建設中の国内最高層の複合ビル「ムルデカ118タワー」は、2022年第2四半期の完成が見込まれており、同年下半期にテナント入居が可能になる見通しだ。
PNBグループのゼティ・アジズ会長がバーチャル説明会で明らかにしたところによると、新型コロナウイルス「Covid-19」感染拡大抑制のために導入された行動制限令(MCO)により建設が一時ストップしたが、昨年5月13日から段階的に再開され、全体の進捗状況は2—3カ月程度の遅延にとどまっている。
すでに工事は118階まで達しており、外装工事は99階まで進んでいる。来年開業する「パークハイアット・ホテル」が高層部分の17フロアに入居する予定。その他のテナントにについては国内外の大企業と話し合いを行なっているが、稼働率は健全な水準が期待されるという。
118階建てタワーをランドマークとした複合開発「ムルデカ118」はPNB子会社のPNBムルデカ・ベンチャーズが開発を手掛けており、総開発額は50億リンギ。PNBグループがタワーの42フロアを占有し、最上部の4フロアを展望フロア、14フロアをアメニティ用、41フロアをテナントに貸し出す予定だ。「パークハイアット・ホテル」は客室232室、スイート28室、サービスアパート30室を有する。賃貸スペースは全延べ床面積の20%に当たる50万平方フィートとなる。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ザ・スター、4月9日)

「次期首相候補にアンワル氏」野党連合が確認

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 野党連合・希望同盟(PH)を率いるアンワル•イブラヒム元副首相(人民正義党=PKR党首)は、次期総選挙(GE15)において自身を首相候補に立てて戦うことで構成各党の同意を得たと明らかにした。

PH構成各党は4月8、9日にネグリ・センビラン州ポートディクソンでトップ会談を開催し、いわゆる「ポートディクソン決議」を行なった。この中でアンワル氏をPHが擁立する首相候補とすることを決めたほか、ムヒディン•ヤシン首相に対し、直ちにアブドラ国王に議会の再招集及び非常事態宣言解除を要請するよう求める決議案を採択した。

ポートディクソンの会議にはアンワル氏のほか、国民信任党(Amanah)のモハマド・サブ党首、民主行動党(DAP)のリム・グアンエン書記長、セランゴール州のアミルディン・シャリ首相、ネグリ・センビラン州のアミヌディン・ハルン首相、ペナン州のチョウ・コンヨウ首相らが出席した。PHは昨年7月にもアンワル氏を首相候補とすることで合意したと明らかにしていた。

ムヒディン首相は就任1周年に合わせた3月1日の演説で、新型コロナウイルス「Covid-19」が収束した段階でアブドラ国王に議会解散を提案する意向を示しているがメドはたっていない。

新型コロナの新規感染者数は1854人、サラワク州が最多

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は9日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数が前日から1,854人増加したと発表した。アクティブ感染者数は1万4,805人で、累計感染者数は35万7,607人となった。

州・地域別の感染者数はサラワク州が最も多く555人だった。それに▽セランゴール州(403人)▽ペナン州(176人)▽クランタン州(143人)▽サバ州(139人)▽クアラルンプール(KL、135人)▽ジョホール州(103人)▽ケダ州(40人)▽ネグリ・センビラン州(40人)▽マラッカ州(34人)▽ペラ州(29人)▽トレンガヌ州(29人)▽パハン州(19人)▽プトラジャヤ(6人)▽ラブアン(3人)ーーが続いた。ペルリス州のみゼロだった。新たに1,247人が回復し、累計治癒者は34万1,489人となった。死者数は5人増えて、累計で1,313人となった。

保健省のノール・ヒシャム事務次官は8日、新たに4カ所のクラスターを確認したと明らかにした。
うち3カ所は職場に関連するクラスター、1カ所はコミュニティで起きたクラスターだった。
セランゴール州とジョホール州、ペナン州では工場でクラスターが発生、それぞれ9人、38人、66人に陽性反応が出た。パハン州のコミュニティーで発生したクラスターでは10人の感染を確認した。

アストラゼネカのワクチンに血栓の副作用、使用を再検討

【クアラルンプール】アストラゼネカのワクチンが脳血栓の副作用を引き起こしたと判断されたことから、マレーシアは接種するかの再検討を行う。新型コロナウイルス「Covid-19」ワクチン接種プログラム調整大臣を兼任するカイリー・ジャマルディン科学技術革新相は、ツイッターに「安全が最も重要だ」と投稿した。
欧州医薬品庁(EMA)ワクチン評価チームの責任者マルコ・カバレリ氏は6日掲載されたイタリア紙との会見で、アストラ製ワクチンと脳血栓症の関連は「明白」と指摘。ただ、何がこのような反応を引き起こすかはまだ分かっていないと語った
3月22日までに14人の死亡が報告されており、EMAの調査を待つ間、欧州連合の複数の国は接種を停止した。
カイリー氏発言の一方で、ワクチン供給保証特別委員会の共同委員長は、アストラのワクチンは恩恵がリスクを上回ることが臨床試験で実証されているとし、排除しない意向を表明した。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、4月9日)

UMWトヨタ、第1四半期の販売が62%増に

【クアラルンプール】 UMWトヨタ・モーターは、今年第1四半期のトヨタ及びレクサスの両ブランドの合計販売台数が前年同期比62%増の1万7千台に達したと明らかにした。国内市場シェアは推定12.1%。
売れ筋は「ヴィオス」と「ハイラックス」で、昨年10月に新型が出た「ハイラックス」はピックアップ市場シェアが56%に達したとみられる。「ヤリス」はライバルの「ホンダ・ジャズ」に代わってセグメントのトップとなり、小型ハッチバック・セグメントのシェアは推定73%となった。3月に発売された「カローラ・クロス」も好調で、第4四半期には完成車輸入(CBU)から現地組立(CKD)に切り替える予定。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ポールタン、4月7日)

ベクトル、マレーシアで抹茶アイスクリームの製造販売を開始

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 ベクトル(本社・東京都港区)は7日、マレーシア法人であるベクトル・マーケティングPRマレーシア(本社・クアラルンプール)が、D2C(消費者直接取引)事業に参入すると発表。第一弾として抹茶の風味を本格的に味わえるアイスクリームブランド「MATCHA∞EIGHT」(マッチャエイト)の製造販売を開始すると明らかにした。
ベクトル・マレーシアは2018年の設立以来、日系企業のサービス、日本製品のPRを中心とした総合コミュニケーションサービスを提供してきた。その活動の中で培われた、日本製品のマレーシア市場における需要を喚起するための適切なマーケティングおよびブランディングのノウハウ、コミュニケーション手法を最大限に活かし、独自のD2Cプロダクトとして「MATCHA∞EIGHT」の製造販売を開始した。
2019年に日本を訪れた訪日マレーシア人の数は50万1,592人、インバウンド消費は668億円となっていた。しかし新型コロナウイルス「Covid-19」の感染拡大に伴い日本への渡航ができなくなった今、マレーシアにいながら日本のものに触れたり味わったりしてみたいというニーズが少なからずあることや、1年を通して気温が30℃程度である気候、スイーツ好きな国民性によって底堅く需要拡大が続き、市場の細分化がさらに進む見通しがされているアイスクリーム市場で、ベクトルは日本の抹茶の風味を本格的に味わえるアイスクリームの製造販売を開始することを決めた。

セルコムとDiGiが合併へ、国内最大の通信会社誕生

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 通信大手のアシアタ・グループは8日、傘下で携帯電話事業を手掛けるセルコム・アシアタが同業のDiGiドットコムと合併する方向で、DiGiの親会社であるノルウェー系テレノル・アジアと協議を開始することを明らかにした。第2四半期中の合意を目指す。

アシアタ・グループの発表によると、アシアタはDiGiドットコムが新たに発行する新株を取得。合併後の新会社はセルコムDiGiとなる。新会社への持株比率はアシアタとDiGiが33.1%ずつとなる見込みで、国益を守るためにアシアタとマレーシアの機関投資家とが合計51%以上を掌握。アシアタが初代会長及び最高経営責任者(CEO)を指名する権利を有する。

実現すれば、売り上げ124億リンギ、EBITDA(利払い・税引き・償却前利益)57億リンギ、顧客数1,900万人の国内最大の通信グループが誕生することになる。アシアタとテレノルは、従業員は重要な資産との判断から合併後にも人員削減を行なわないことで合意した。

アシアタとテレノルはまた、インダストリー4.0のデジタル変革、5Gユースケースの開発、その他の技術を促進するための世界水準のイノベーションセンターを設立することでも合意した。

アシアタとテレノルは、2019年にも合併に向けた交渉を行なったものの合意に至らなかった経緯がある。

政権交代はあっても政策は安定、ムーディーズ見解

【クアラルンプール】格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービス主催の東南アジア諸国連合(ASEAN)分析国別記者懇談で、ソブリンリスク担当のクリスチャン・ファン氏は、マレーシアでは18年と20年に政権交代があったが、制度、政策に大きな変化はなく、外国人投資家が大挙して撤退するような事態は起こらなかったとの分析を示した。
マレーシアのソブリン格付けはA3で、これより格付けが1つ上から、1つ下までの国を含めた格付けグループのうち、マレーシアの24年までの経済成長率は高めが見込めるという。
ファン氏はその根拠として、電子製品など高度の製品から、食品、一次産品までを輸出できる経済の多様性、情報技術(IT)普及度などを挙げた。ただ財政が堅固でないのが弱点だという。
金融機関担当アナリストのリー・テンフ氏は、融資返済猶予などの支援措置の期限が来れば一部の債権は不良化するとの見通しを示した。しかし銀行は貸倒引当金を増やしており、不良債権の増加に対処できるという。
(エッジ、4月7日)

新型コロナの新規感染者数は1285人、セランゴール州が最多

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は8日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数が前日から1,285人増加したと発表した。アクティブ感染者数は1万4,203人で、累計感染者数は35万5,753人となった。

州・地域別の感染者数はセランゴール州が最も多く374人だった。それに▽サラワク州(211人)▽ペナン州(162人)▽クアラルンプール(KL、120人)▽サバ州(106人)▽ジョホール州(101人)

▽クランタン州(87人)▽ケダ州(31人)▽ペラ州(24人)▽プトラジャヤ(19人)▽ネグリ・センビラン州(12人)▽パハン州(12人)▽マラッカ州(11人)▽トレンガヌ州(11人)▽ラブアン(3人)▽ペルリス州(1人)ーーが続いた。新たに1,175人が回復し、累計治癒者は34万242人となった。死者数は4人増えて、累計で1,308人となった。

保健省のノール・ヒシャム事務次官は7日、新たに10カ所のクラスターを確認したと明らかにした。
うち6カ所は工場や行政センターなどの職場に関連するクラスター、2カ所はコミュニティ、残りは拘置所と海外から帰港した船舶の乗組員で起きたクラスターだった。
ジョホール州で4カ所、セランゴール州、ペナン州、サラワク州でそれぞれ2カ所のクラスターが発生した。

フォーブス長者番付、マレーシア人トップはクオック氏

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 米経済誌「フォーブス」は6日、2021年版の世界長者番付を発表。マレーシア人トップは、前年に続き精糖業で財をなしたロバート・クオック氏が171位にランクされた。推定純資産は126億米ドル。
2位は昨年と同じくクエック・レンチャン氏(ホンリョン・グループ)で、世界ランクは234位、推定純資産は97億米ドルだった。3位はマキシスのアナンダ・クリシュナン氏で、世界476位、推定純資産は58億米ドルだった。
4位以下は▽テー・ホンピョウ(パブリックバンク、57億米ドル、世界486位)▽リー・ヨーチョー&ヨーセン氏(IOIグループ、51億米ドル、550位)▽チェン・リップキョン氏(ナガコープ、46億米ドル、622位)▽クーン・ポーキョン氏(プレスメタル、40億米ドル、727位)▽クアン・カムホン氏一族(ハルタレガ、39億米ドル、752位)▽リム・ウィーチャイ氏(トップグローブ、35億米ドル、859位)▽リム・コックタイ氏(ゲンティン、27億米ドル、1174位)▽ラウ・チョークン氏(ハップセン、22億米ドル、1444位)▽タン・ユーイェ氏(ミスターDIY、18億米ドル、1750位)▽G.グナナリンガム氏(ウェストポーツ、17億米ドル、1833位)▽ジェフリー・チア(サンウェイ、13億米ドル、2263位)▽サイド・モクタル・アルブカリー氏(MMC&DRBハイコム、12億米ドル、2378位)▽タン・エンキー氏(グレーテック、11億米ドル、2524位)▽タン・ユーウェイ氏(ミスターDIY、11億米ドル、2524位)——。なお今年の番付では、ロバート・クオック氏は香港、チェン・リップキョン氏はカンボジアにそれぞれ分類されている。
世界トップはアマゾン・ドットコムのジェフ・ベゾス氏(1,770億米ドル)で4年連続で1位を維持した。それにテスラのイーロン・マスク氏(1,510億米ドル)、ベルナール・アルノー氏一族(1,500億米ドル)、マイクロソフトのビル・ゲイツ氏(1,240億米ドル)、フェイスブックのマーク・ザッケンバーグ氏(970億米ドル)と続いた。日本人トップはソフトバンクの孫正義氏(29位、454億米ドル)だった。