新型コロナウイルスとの戦い、変異株が新たな課題に

【ペタリンジャヤ】新型コロナウイルスのワクチン接種が開始されたが、陽性反応者の数は高水準が続いており、医療の専門家は、変異株の発生でウイルスとの戦いはさらに厳しいものになると懸念している。
「Covid-19ワクチン独立諮問委員会」のアワン・ブルギバ委員長は、変異株は感染力が高い可能性があり、感染者が増えれば入院が必要な人が増え、医療システムにさらに重圧がかかると述べた。
アワン・ブルギバ氏は、DNAの塩基分析(シークエンシング)があまり行われていないことがマレーシアの弱みで、感染の急拡大を引き起こしているのが新たな変異株であるのかの判断ができないと述べた。
その上で、さらに多くの変異株がマレーシアにもたらされる可能性を指摘。外国からの入国者に対する隔離期間を元の14日にもっと早く戻すべきだったと主張した。
(ザ・サン、5月5日)

王子HD、マレーシアの包装産業に前向きな見通し

【クライ】 王子ホールディングス(本社・東京都中央区)は、新型コロナウイルス「Covid-19」の流行にも関わらず、マレーシアと域内の包装関連産業について楽観的な見通しを持っている。
同社の専務グループ経営委員であり、王子アジア・パッケージングおよび王子アジア・マネジメントの社長であるディラン・タン氏によると、昨年は行動制限令(MCO)に伴いオンラインショッピングの需要が増加したことでマレーシア事業は5ー7%成長した。同社は事業拡張を計画しており、アジア太平洋地域での地位強化のため今後1ー2年で数百万リンギを投資する計画だ。
一方で、タン氏が最高経営責任者(CEO)を務めるユナイテッド・コタク(UKB)が、ジョホール州クライにおいて2カ所となる包装工場の起工式を行った。2022年第1四半期の完工を予定しており、300人を雇用する計画だ。バトゥ・パハにある工場の稼働率が150%をなったことから第2工場の建設を決めた。16億リンギを投じて3カ所目となる製紙工場の建設も計画しており、今年7月の運転開始を計画している。また第3工場の隣に1億8,000万リンギを投じて包装工場を建設することも計画している。
(ザ・スター、5月5日)

規制強化のセランゴール州6地区、店内飲食を禁止

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 セランゴール州のアミルディン・シャリ首相は5日に記者会見を開き、6日付けで行動制限令(MCO3.0)が発令される州内6地区を対象に飲食店内での飲食を禁止すると発表した。

店内飲食が新型コロナウイルス「Covid-19」感染拡大の一因となっていると判断した。各ホテルで開催されているラマダン(断食月)ブッフェも禁じられる。ただしテイクアウトは認められる。営業時間は午前6時から深夜零時まで。雑貨店や給油所の営業時間も午前6時から深夜零時までとなる。

また8日からは、州内すべての仮設ラマダン・バザールの営業も禁止する。

アミルディン州首相によると、過去1週間に報告された新規感染者のうち10—15%が職場での感染だった。

MCOの対象となるのは、▽ペタリン▽クラン▽フル・ランガット▽ゴンバック▽セパン▽クアラ・ランガット——の6地区。その他の▽サバク・ベルナム▽クアラ・セランゴール▽フル・セランゴール——の3地区はこれまで通り、条件付き行動制限令(CMCO)に指定される。

セランゴール州教育局は5日、6地区におけるMCO発令をうけ州内のすべての学校のスクールホリデーの日程を2日前倒しすると発表した。すべての学校の休暇は5月6日からハリラヤ明けの16日まで休校となる。当初の予定ではセランゴール州の休暇は5月8日からとなっていた

■濃厚感染の在宅隔離者、近く監視装置装着義務化へ■

イスマイル・サブリ・ヤアコブ上級相(兼国防相)は4日、濃厚感染者に指定され在宅隔離を命じられた個人について、近く監視装置の装着を義務づける方針であることを明らかにした。監視装置の詳細については明らかにしていない。

新型コロナの新規感染者数は3744人、セランゴール州が最多

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は5日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数が前日から3,744人増加したと発表した。2日連続で3千人を超えた。アクティブ感染者数は3万2,939人で、累計感染者数は42万4,376人となった。

州・地域別の感染者数はセランゴール州が最も多く1,548人だった。それに▽クランタン州(480人)▽サラワク州(419人)▽クアラルンプール(KL、313人)▽ジョホール州(292人)▽ペナン州(195人)▽ケダ州(124人)▽ネグリ・センビラン州(76人)▽トレンガヌ州(73人)▽ペラ州(65人)▽サバ州(50人)▽パハン州(49人)▽マラッカ州(43人)▽プトラジャヤ(11人)▽ラブアン(5人)▽ペルリス州(1人)ーーが続いた。新たに2,304人が回復し、累計治癒者は38万9,846人となった。死者数は17人増えて、累計で1,591人となった。

保健省のノール・ヒシャム事務次官は4日、新たに17カ所のクラスターを確認したと明らかにした。

コミュニティで7カ所、職場で5カ所、学校・教育機関で4カ所、宗教の集会で1カ所のクラスターが発生した。ジョホール州で5カ所、サラワク州、クランタン州、ケダ州でそれぞれ2カ所、KL、ペナン州、ラブアン、セランゴール州、ペラ州、サバ州でそれぞれ1カ所のクラスターが発生した。一方で10カ所のクラスターが収束し、現在感染者を出しているアクティブなクラスターは405カ所となった。