バングラデシュなど4カ国からの渡航禁止、変異株発生で

【クアラルンプール】政府はバングラデシュ、パキスタン、ネパール、スリランカからの渡航を全面禁止することを決定した。インドで発生した新型コロナウイルスの変異株「B.1.617」の症例数が増加しているためで、水際でマレーシアへの進入を防ぐ。
インドで発生した変異株はウイルスのスパイクタンパク質で2つの主要な変異が起きていることから、二重変異株と呼ばれている。
イスマイル・サブリ上級相兼国防相によると、査証(ビザ)の種類を問わずマレーシアへの入国を禁止する。外交官・公務員旅券の所持者は適用を除外される。
インドでは新型ウイルス感染が急拡大しており、ウイルス検査の陽性反応者は1日30万人超という日が2週間続いている。
国内における標準的運用手順(SOP)違反では警察は5日、370人を摘発した。施設内に入ってからの行動記録怠慢が237件、マスク不着用が60件だった。ほとんどは罰金処分だったが、1人は留置された。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、5月6日)

接種プログラム第3期、ワクチン不足で開始が遅れる可能性

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 新型コロナウイルス「Covid-19」ワクチン接種調整担当大臣を兼任するカイリー・ジャマルディン科学技術革新相は、ワクチン供給不足のために5月に開始を予定している第3フェーズの実施が遅れる可能性があると述べた。
カイリー氏は、高齢者や慢性病の持病がある人を対象として4月19日に前倒し開始された第2フェーズが順調に進んでいると言明。ただ5月開始予定の第3フェーズについては、製薬会社が先進国に優先的に供給していることからワクチンの供給不足が起きており、マレーシアに十分に供給されるか分からないと述べた。その上で、多くの先進国でワクチンの接種が大方終わるため、6月頃からは供給不足の状況が改善に向かうだろうとした。
第3フェーズでは18歳以上の国民及び外国人が対象で、レッドゾーンから優先して行なう予定。アストラゼネカ製ワクチンは血栓ができるケースが報告されたためワクチン接種プログラムとは別枠で希望者を対象に接種が行なわれているが、これまでは発熱の副作用だけしか報告されていないという。

制限令が厳格化された地区、経済活動の継続を容認

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 セランゴール州の6地区を対象に6日より再び行動制限令(MCO3.0)が発令されたことを受け、通産省は声明を発表。標準的運用手順(SOP)に則ることを条件に一部を除いて経済活動の継続を認めると言明した。
企業はMCO3.0の一般的なSOPに準拠する必要があり、既存の在宅勤務(WFH)規定の対象となる。WFH規定では、制限なしに出社できる管理職の人数が30%以下に制限される。職員などの出社人数については雇用主が個別に判断する。違反が判明した場合は、一定期間の業務停止処分などの法的措置がとられる。
活動が認められないものについては、国家安全委員会(NSC)が発表しているネガティブリストに示されており、スパやナイトクラブ、パブ、テーマパーク、屋内遊技場、カラオケなどが含まれている。
6日より2週間にわたりMCOが発令されるのは、▽ペタリン▽クラン▽フル・ランガット▽ゴンバック▽セパン▽クアラ・ランガット——の6地区。7日からは新たにクアラルンプール(KL)、及びジョホール、ペラ、トレンガヌ各州の一部の地区もMCOが発令される。

新型コロナの新規感染者数は3551人、セランゴール州が最多

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は6日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数が前日から3,551人増加したと発表した。アクティブ感染者数は3万3,762人で、累計感染者数は42万7,927人となった。

州・地域別の感染者数はセランゴール州が最も多く1,137人だった。それに▽クアラルンプール(KL、477人)▽サラワク州(391人)▽クランタン州(326人)▽ペナン州(305人)▽ジョホール州(258人)▽ペラ州(137人)▽ケダ州(112人)▽パハン州(97人)▽ネグリ・センビラン州(85人)▽マラッカ州(82人)▽サバ州(69人) ▽トレンガヌ州(58人)▽プトラジャヤ(12人)▽ペルリス州(3人)▽ラブアン(2人)ーーが続いた。新たに2,709人が回復し、累計治癒者は39万2,555人となった。死者数は19人増えて、累計で1,610人となった。

保健省のノール・ヒシャム事務次官は5日、新たに20カ所のクラスターを確認したと明らかにした。
建設現場やサービス会社、行政センター、工場、飲食店などの職場で8カ所、コミュニティで6カ所、学校・教育機関で4カ所、宗教活動に関連して2カ所のクラスターが発生した。
サラワク州では4カ所、KL、セランゴール州、パハン州、ジョホール州でそれぞれ3カ所、クランタン州で2カ所、ペラ州、マラッカ州でそれぞれ1カ所のクラスターが発生した。一方で14カ所のクラスターが収束した。

KLやジョホール州でも制限令強化、7日から20日まで

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 イスマイル・サブリ・ヤアコブ上級相(兼国防相)は5日に声明を発表し、5月7日から20日までクアラルンプール(KL)全域、ジョホール、ペラ、トレンガヌ3州の一部を対象に行動制限令(MCO)を発令すると明らかにした。
対象地域はジョホール州が▽ジョホールバル▽クライ▽コタティンギ——の3地区、ペラ州が▽タイピン▽ラルート・マタン▽セラマ——の3地区、トレンガヌ州がフルベスット準地区を除くベスット地区の14準地区。
KLでは4月1日から27日までに17のクラスターが発生。ジョホール州の3地区はすべてレッドゾーンとなっており、集中治療室の病床は70%埋まっているという。またトレンガヌ州ベスット地区では15のクラスターが発生している。
飲食店や屋台、食品店は午前6時から深夜零時まで営業可能だが、テイクアウトのみ。スーパーマーケット、コンビニ、薬局、給油所は午前6時から午後10時までとなる。
5日は全国で370人が標準的運用手順(SOP)違反で摘発された。最も多かったのは入店登録を行なわなかった(237人)で、これにマスク非着用(60人)、ナイトクラブやパブ出入り(33人)、社会的距離をとらかなかった(22人)と続いた。