海外からの旅行者、強制隔離期間を21日に延長する可能性も

【クアラルンプール】 イスマイル・サブリ・ヤアコブ上級相(兼国防相)は24日、新型コロナウイルス「Covid-19」変異株の流入を防止するため、一部の国・地域を除くすべての国・地域からの旅行者(マレーシア人含む)を対象に強制隔離期間をこれまでの10日から14日に延長すると発表した。日本はすでに5月初めから14日間の隔離対象国の40カ国に含まれている。
サブリ大臣は、14日間隔離の際には10日目にRT-PCRリピートテストを行い、14日目に行なうリスク評価の結果しだいで強制隔離期間をさらに7日間延長して21日間にする可能性があると言明した。隔離期間が21日に延長された場合は、RT-PCRリピートテストを18日目にも行なう。
インドからの旅行者はすでに強制隔離期間が21日間となっているが、新たにスリランカ、バングラデシュ、ネパール、パキスタンの4カ国からの旅行者も21日間隔離の対象となった。
国外からマレーシアを訪問するすべての旅行者は出発の3日前にRT-PCR検査を受診し、陰性証明をとることが求められている。
(ベルナマ通信、5月25日)

LRTがKLCC駅付近で正面衝突、213人が重軽傷

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 クアラルンプール(KL)首都圏の軽便鉄道(LRT)ケラナ・ジャヤ線で24日午後8時45分頃、KLCC駅近くの地下トンネル内を走行中の列車同士が正面衝突した。LRTケラナ・ジャヤ線の衝突事故は1998年の開通以来これが初めて。
KLCC駅を出発してカンポン・バル駅方面に向かっていた列車とカンポン・バル駅を出発してKLCC方面に向かっていた回送列車が、正面衝突した。カンポン・バル駅方面に向かっていた列車に乗っていた213人が負傷し、64人がKL病院に搬送された。6人が重傷だという。
コントロールセンターのミスで、回送列車がカンポン・バル駅方面に向かう線路に入ったとみられる。ケラナ・ジャヤ線は完全自動運転で運行しているが、回送車は修理を終えた後で運転士が手動で試運転を行なっていた。

ムヒディン・ヤシン首相はコメントを発表し、運輸省とLRTを管轄する国営企業プラサラナ・マレーシアに対して、原因究明に努めるよう要請したことを明らかにした。

ウィー・カション運輸相は、LRTが運転を開始してから最も大きな事故となったと言明。事故原因を究明するために24日から調査を開始しており、25日16時の時点で人的ミスが事故につながったことがわかったと明らかにした。

ワクチン接種目標、1日15万回に引き上げ

【クアラルンプール】 新型コロナウイルス「Covid-19」のワクチン接種について、アハマド・アムザド・ハシム副科学技術革新相は、1日15万回を目標として、加速化を図ると述べた。
これまでは1日8万回を目標に掲げていたが、先ごろ達成した。ワクチン接種センター(PPV)の増設により、向こう1ー2カ月内に15万回に接種回数を増やすことが可能だという。
プロテクト・ヘルス・コーポレーションによると、セランゴール州のKPJセランゴール・スペシャリスト病院やMSUメディカルセンターなど、ネグリ・センビラン州やサラワク州において12カ所の民間病院に設置されたPPVでワクチン接種プログラムが25日にスタートした。
一方でアハマド副大臣は、集団免疫を出来るだけ早く達成させるために2度目のワクチンの投与を遅らせることを政府に提案することを検討していると述べた。
(マレー・メイル、マレーシアン・リザーブ、5月24日)

 

人口当たりの新規感染者、マレーシアはインド上回る

【クアラルンプール】 医療・人権に関する活動を行なっている非政府組織「コードブルー」によると、マレーシアは人口当たりの新型コロナウイルス「Covid-19」新規感染者数で、深刻な事態に陥っているとされるインドを上回っている。
「Our World In Data」の数値に基づくと、マレーシアの100万人当たりの新規感染者数は5月23日には185.3人となり、インドの184.99人を上回っている。マレーシアの感染者が増加傾向にある一方、インドでは5月8日以降は減少傾向にある。
インドは4月初旬には1日の感染者数が10万人を突破し、23日までに累計感染者数が2,600万人、死亡者数が30万人を超えている。
マレーシアは過去1週間の新規感染者数の平均が5,997.29人となり、フィリピン(5,121.29人)やインドネシア(5,067.14人)を上回っている。100万人当たりの死亡率は1.53人で、これもフィリピン(0.99人)やインドネシア(0.65人)を上回っている。
(フリー・マレーシア・トゥデー、5月24日)

新型コロナの感染者数、過去最多の7289人

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は25日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数が7,289人となり、過去最多を更新したと発表した。アクティブ感染者数は6万3,458人で、累計感染者数は52万5,889人となった。

州・地域別の感染者数はセランゴール州が最も多く2,642人だった。それに▽ジョホール州(664人)▽クアラルンプール(KL、604人)▽サラワク州(513人)▽クランタン州(425人)▽ネグリ・センビラン州(410人)▽ペナン州(380人)▽ケダ州(336人)▽トレンガヌ州(268人)▽サバ州(266人)▽マラッカ州(258人)▽ペラ州(218人)▽パハン州(211人)▽ラブアン(63人)▽プトラジャヤ(23人)▽ペルリス州(8人)ーーが続いた。新たに3,789人が回復し、累計治癒者は46万62人となった。死者数は60人増えて、累計で2,369人となった。

保健省のノール・ヒシャム事務次官は24日、1人の患者が何人に感染を広げる可能性があるかを指す基本再生産数(R0)が23日の時点で1.21に上昇し、今年最も高い水準になったと発表。ラブアンが1.76と最も高く、それにペルリス州(1.58)、トレンガヌ州とネグリ・センビラン州(それぞれ1.30)が続いているとした。感染者が最も多いセランゴール州では1.12となっているという。
一方で新たに20カ所のクラスターを確認したと明らかにした。
職場では最も多い8カ所のクラスターを確認。またコミュニティで6カ所、宗教活動で3カ所、感染すると重症化するリスクが高いグループと教育機関でそれぞれ1カ所のクラスターが発生した。またジョホールバルに海外から寄港した船内でもクラスターの発生を確認した。
州別では、セランゴール州で4カ所、ジョホール州で3カ所、ペナン州、マラッカ州、サバ州、パハン州でそれぞれ2カ所、トレンガヌ州、クランタン州、ラブアン、KL、ネグリ・センビラン州でそれぞれ1カ所のクラスターが発生した。