コロナ禍でメンタル破壊?、昨年は1,080人が自殺未遂

【クアラルンプール】 新型コロナウイルス「Covid-19」禍が長期にわたっていることから、うつ病、不安症などメンタルヘルスを病むマレーシア人が増加している。

アダム・ババ保健相によると、昨年1年間で1,080人が自殺を試み、公立病院で治療を受けたという。メンタル面での問題の原因は失業、収入減、家庭内での衝突、人間関係の問題などに関するものだった。

ボランティア団体、マーシー・マレーシアによると、昨年3月25日以降、悩み相談のホットラインに14万5,173件の相談が寄せられた。うち85.5%が精神衛生上の問題に関する悩みで、急性ストレス、不安、うつ病、虐待、自殺願望に関するものだった。

(ザ・スター、東方日報、5月23日)

ファーマニアガ、シノバック製ワクチンを追加注文

【クアラルンプール】 薬品大手ファーマニアガは、中国の北京科興中維生物技術(シノバック・ライフ・サイエンシズ)製の新型コロナウイルス 「Covid-19」ワクチンの需要が今後増加することが見込まれるとして、追加で1,000万回分を追加注文する計画だ。
ズルカルナイン・モハメド社長は、世界保健機関(WHO)がシノバック製ワクチンの緊急使用を承認したことから、今後世界的に需要が増加する可能性があるとし、需要が増加する前に発注すると説明した。
すでにシノバック社から受領した100万回分のワクチンについては、国家医薬品規制庁(NPRA)から出荷承認を受けた。同社の完全子会社であるファーマニアガ・ライフサイエンスが、充填および最終製剤化を行なっており、5月23日までに188万9,800回分のワクチンを製造した。
マレーシア政府は集団免疫を達成させること目指し、ワクチン接種プログラムの加速化を図っていることから、同社は1カ月当たり200万ー300万回分の生産量を増やす準備も進めているという。
(ザ・サン、5月25日、エッジ、5月24日)

LRT事故対応で批判殺到、財務省が運営会社会長を解任

【クアラルンプール】 財務省は27日、公共輸送機関を管轄する国営プラサラナ・マレーシアのタジュディン・アブドル・ラーマン会長を解任すると発表した。タジュディン会長は24日夜に起きた軽便鉄道(LRT)衝突事故での対応を巡って批判を浴びていた。
事故発生当日にはウィー・カション運輸相やプラサラナの最高経営責任者(CEO)が現場や病院にいち早く駆け付けたが、タジュディン氏は姿を現さず、翌日になってようやく現場視察に訪れた。
事故当日現場に来なかった理由について、タジュディン氏は「ある会社とミーティングを行なっていたため事故に気付くのが遅れた。翌25日には2回目のコロナワクチン接種を控えていた」と釈明。「2編成の列車がキスしただけで大したことは無い」など冗談を飛ばした上で、追及する中国系メディアに対しては人種差別的な発言を行なった。タジュディン氏の不遜な態度は動画で拡散、批判の声が殺到していた。
タジュディン氏は統一マレー国民組織(UMNO)最高評議会メンバーでペラ州パシル・セラ選挙区の現職国会議員。2020年3月のムヒディン・ヤシン政権樹立に際しての報奨人事として、同年5月11日にプラサラナの会長に就任していた。
LRTケラナジャヤ線の事故はその後の調査で、試運転の列車運転士が誤って逆方向に車両を走らせたたため、乗客が乗っていた列車の線路に入り正面衝突したことが判明している。これによって47人が重傷、166人が軽傷を負った。なおプラサラナは、見舞い金として乗客213人全員に一律1,000リンギを支給するとしている。

ワクチン接種予約を欠席、7州だけで5.2万人以上

【クアラルンプール】 新型コロナウイルス「Covid-19」ワクチンの接種予約を取ったものの予定日時に現れなかった者が、7州だけで5万2,771人以上に上ることが明らかになった。

ウトゥサン・マレーシア紙によると、接種予約日時に欠席した者はケダ州が1万827人で最も多く、これにパハン州(1万人)、クランタン州(同)、ペラ州(9,009人)、ネグリ・センビラン州(6,323人)、ムラカ州(3,612人)、ペルリス州(3,000人)が続いた。ケダ州では予約者3万100人のうち、未接種者が約35%にものぼっている。

欠席理由については、接種日の確認忘れのほか、別の場所におり接種センターが遠くて行けない、別の種類のワクチンが希望だから、夫婦で一緒に行ないたいから、同行者がいないから——といった理由も挙げられた。また中にはギリギリになってからの日時変更依頼、保健当局からの確認電話に出ないといった例もあったという。

ワクチンは保管庫から一度取り出した後はただちに接種する必要があり、保存が効かない。予約があるにも関わらず接種に来なければ、用意されたワクチンは無駄になってしまう。

(マレー・メイル、5月27日)

新型コロナの感染者数は7857人、3日連続で過去最多

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は27日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数が7,857人となり、過去最多を3日連続で更新したと発表した。アクティブ感染者数は6万9,408人で、累計感染者数は54万1,224人となった。

州・地域別の感染者数はセランゴール州が最も多く2,675人だった。それに▽サラワク州(772人)▽クランタン州(754人)▽クアラルンプール(KL、561人)▽ジョホール州(549人)▽ケダ州(441人)▽ペナン州(365人)▽ネグリ・センビラン州(353人)▽トレンガヌ州(282人)▽パハン州(238人)▽マラッカ州(234人)▽ペラ州(228人)▽サバ州(217人)▽ラブアン(170人)▽プトラジャヤ(12人)▽ペルリス州(6人)ーーが続いた。新たに4,598人が回復し、累計治癒者は46万9,325人となった。死者数は59人増えて、累計で2,491人となった。

保健省のノール・ヒシャム事務次官は26日、同日の新規感染者数が7,478人となり、2日連続で過去最高を更新したことに強い懸念を表明。無意識のうちに感染を広めている可能性があることから自己隔離をして欲しいとした。また人との接触を減らし、止むを得ない場合は、マスクの着用やソーシャルディスタンスを確保を徹底するよう改めて国民に訴えた。一方で新たに22カ所のクラスターを確認したと明らかにした。
職場では最も多い13カ所のクラスターを確認。またコミュニティで6カ所、宗教活動で3カ所でクラスターが発生した。
州別では、ジョホール州では5カ所、セランゴール州で4カ所、ペナン州、パハン州でそれぞれ3カ所、サラワク州、クランタン州、サバ州でそれぞれ2カ所、ペラ州で1カ所のクラスターが発生した。