【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 首相府は28日夜に声明を発表し、新規感染者が8千人を突破した新型インフルエンザ(Covid-19)の抑え込みに向け、6月1日より再び完全ロックダウンを実施すると発表した。期間は6月14日までの2週間。
同日行われた国家安全委員会(NSC)会議で決定した。期間中は必需経済セクター&サービスのみ操業が認められ、その他の経済活動、社会活動は禁じられる。操業可能な必需経済サービス&サービスのリストは後にNSCが発表する。
二週間の第1フェーズの間に感染者の大幅削減に成功した場合には第2フェーズに移行し、大人数・密集を伴わず、社会的距離を保てる経済セクターについて再開を認める。第2フェーズの期間は4週間で、その後は第3フェーズに移行し、多くの社会活動を制限した上でほぼすべての経済活動を厳しい標準的運用手順(SOP)順守の条件付きで認めている現在の行動制限令(MCO)に戻す。
各フェーズの次の段階への移行については、新規感染者数に基づく保健省によるリスク評価と、国の医療システムの対応能力によって判断する。完全ロックダウン実施に伴い、財務省は新たな経済支援策を実施する予定。
新規感染者急増による医療への逼迫で、政府内からも完全ロックダウンの必要性を求める声が高まっていた。そうした中、政府は経済への影響を配慮し、現在行われているMCO3.0を維持したままSOPの強化で乗り切ろうとしたが、感染拡大を抑えることは出来なかった。
新型コロナの新規感染者は今年1月末に5,700人まで増加したが、同月に発令した第二次MCO(MCO2.0)の効果で3月末には1千人を切るまで減少。しかしその後増加に転じ、5月28日には過去最高の8,290人を記録した。最近では重症者の比率が増加する傾向にあり、死者も連日60人前後出ている。