厳しい制限令、新たにバタワースやイポーなども対象

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 連邦政府は、新型コロナウイルス「Covid-19」感染が増加傾向にあるとして、10日付けで▽パハン州クアンタン地区▽ペナン州セベランプライ、バタワースなど▽ペラ州イポーなど——を新たに行動制限令(MCO)対象地域に加えると発表した。期間は5月23日まで。政府はまた、11日付けでジョホール州クルアンをMCO対象に加えると発表した。期間は5月24日まで。
MCO指定域が徐々に拡大されていることについて、イスマイル・サブリ・ヤアコブ上級相(兼国防相)は8日、全国一律のMCOを行なう予定はないことを強調。運用が開始された早期警報システム「動的評価に基づく感染多発地域特定(HIDE)」に基づき特定の地域にのみ発令する方針だと述べた。
今回のMCO発令期間中における標準的運用手順(SOP)では、当初ほとんどすべてのスポーツ・レクリエーション活動が禁止と発表されたが、青年スポーツ省はその後、ジョギング、サイクリングなど屋外の社会的距離を置いた活動については認めると変更した。ただしゴルフについては禁止となっている。
サブリ大臣はまた、5月10日から6月6日までの4週間、すべての州跨ぎの移動について警察からの許可がない限り禁止すると発表した。同期間中はまた、大人数が集まる社会、教育、経済活動についても禁止される。

新型コロナの新規感染者数は3807人、セランゴール州が最多

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は10日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数が前日から3,807人増加したと発表した。アクティブ感染者数は3万7,396人で、累計感染者数は44万4,484人となった。

州・地域別の感染者数はセランゴール州が最も多く1,149人だった。それに▽サラワク州(649人)▽クランタン州(329人)▽クアラルンプール(KL、320人)▽ジョホール州(257人)▽ペナン州(245人) ▽ケダ州(224人)▽ネグリ・センビラン州(144人)▽ペラ州(119人)▽サバ州(96人)▽トレンガヌ州(93人)▽マラッカ州(88人) ▽パハン州(77人)▽プトラジャヤ(11人)▽ペルリス州(3人)▽ラブアン(3人)ーーが続いた。新たに3,454人が回復し、累計治癒者は40万5,388人となった。死者数は17人増えて、累計で1,700人となった。 保健省のノール・ヒシャム事務次官は9日、同日に確認された死亡者数が26人となり、過去最高となったと発表。また新たに13カ所のクラスターを確認したと明らかにした。
職場とコミュニティでそれぞれ5カ所、宗教活動で2カ所、学校・教育機関で1カ所のクラスターが発生した。
ペナン州で3カ所、セランゴール州、ジョホール州、サラワク州でそれぞれ2カ所、ネグリ・センビラン州、クランタン州、ペラ州、トレンガヌ州でそれぞれ1カ所のクラスターが発生した。一方で6カ所のクラスターが収束した。

感染多発地域特定システム運用開始、150カ所に閉鎖命令

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 新型コロナウイルス「Covid-19」感染拡大防止に向けた早期警報システム「動的評価に基づく感染多発地域特定(HIDE)」の運用が開始され、7日後にホットスポット(感染多発地点)になる可能性が高いと予測される150カ所超のリストが8日にはじめて発表された。リストは毎日更新するとしている。

リストに載った場所を地域別でみると、多い順で▽クアラルンプール(KL)66カ所▽セランゴール州54カ所▽ジョホール州9カ所▽ペナン州5カ所▽サラワク州4カ所——となっており、ペラ、クランタン、サバの3州とプトラジャヤがそれぞれ3カ所、マラッカ、ネグリ・センビランの2州がそれぞれ1カ所となっている。69%に当たる105カ所がショッピングセンターやスーパーマーケット、食品店、ミニマートなどが占めている。

■リスト上の地点、9日から3日間閉鎖■

HIDEの発表を受けイスマイル・サブリ・ヤアコブ上級相(兼国防相)は、リストにあるホットスポットに対し、9日から11日まで3日間の閉鎖を命じた。

閉鎖を命じられた主なショッピングモールは▽スリアKLCC▽ワン・ウタマ▽バングサ・ショッピングセンター▽ミッドバレー・メガモール▽パビリオンKL▽1モントキアラ▽パブリカ▽サンウェイ・ピラミッド▽スバン・パレード——など。

ただし鉄道駅や交通ターミナルなどはリストにあっても閉鎖されない。公共交通機関も通常通りに運航される。リストには軽便鉄道(LRT)KLセントル駅、KLCC駅、マスジット・ジャメ駅が含まれている。

パンデミックの経済への影響は低下、独立シンクタンク見解

【ペタリンジャヤ】独立系シンクタンクの社会経済研究センター(SERC)は6日公表した調査報告で、新型ウイルスの感染拡大(パンデミック)による経済への影響は最悪期を脱したが、先行きの回復はまだら模様で、ワクチン接種の進展状況に左右されるとの予想を示した。
リー・ヘングイエ専務理事によると、ワクチン接種を2回受けた人は国民のわずか1.9%で、接種ペースは遅い。もしマレーシアが感染の第4波に見舞われることがあれば、行動制限の施行地域が増え、経済活動に影響する。しかし制限が緩やかなものであれば、経済回復が阻害される可能性は低いという。
輸出は、半導体、ゴム手袋、化学品、輸送機器、パーム油の需要を背景に堅調を維持している。
サービス業の回復は均一でなく、州間移動の制限、海外から渡航制限で、航空、観光、ホテル業は不振が続く。ただ卸売・小売業はパンデミック前の水準に戻りつつあるという
(ザ・サン、5月7日、フリー・マレーシア・トゥデー、5月6日)

ピクシブとエアアジア、共同プロジェクトを実施へ

【クアラルンプール】 ピクシブ株式会社(本社・東京都渋谷区)は6日、エアアジア・グループ(本社・クアラルンプール)と共に、エアアジア公式バーチャルアイドル・青空くるみのプロモーションを中心とした共同プロジェクトを2021年8月より実施すると発表した。
青空くるみは、今年3月にエアアジアによって発足された東南アジア諸国連合(ASEAN)の次世代を担うバーチャルアイドル発掘・育成プロジェクト「Project Kavvaii」のタレントオーディションにて、世界各国の候補者300名以上の中から選ばれた。人気イラストレーターyueko氏がキャラクターデザインを担当、LIVE2DクリエイターとしてIron Vertex社が制作を務めたバーチャルアイドル。
ピクシブとエアアジアの共同プロジェクト第一弾として、青空くるみのデビューを記念し、海外有名クリエイターによる青空くるみの描き下ろしイラストを8月より公開する。9月にはイラスト、マンガ、小説作品の投稿コミュニケーションプラットフォーム「pixiv」にて、ファンアートコンテストを実施する。その他にも、エアアジアWiFi機内エンターテインメントのひとつとして、pixivオリジナルチャンネルを開設し、イラストを軸としたコンテンツを機内で楽しめる環境を提供する予定だ。
今後もピクシブは、各国地域の企業と協力し、世界中のクリエイターが地域や言語を超えて活躍できるよう、様々な取り組みを行っていく方針だ。

タケックス現法、PICOMS大学に除菌製剤を寄贈

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 タケックス(本社・大阪府吹田市)のマレーシア法人、TAKEXCOマレーシアは、PICOMS国際大学カレッジに、同社のエタノール除菌製剤「タケックス・クリーン・エクストラ(Takex Clean Extra)1L」を120本寄贈した。
新型コロナウイルス「Covid-19」流行の中にあって、除菌剤使用の重要性に対するコミュニティ内の理解を高めるための取り組みの一環。寄贈された除菌剤は、血液透析部、学生部、スポーツ福祉クラブなどに配布され、生徒や職員の衛生管理に活用される。TAKEXCOマレーシアはこれからも、大学や幼稚園など公共性が高く衛生管理が必要な相手への寄贈を検討していく。
「タケックス・クリーン・エクストラ」はエタノールにモウソウチクの表皮から得られた抽出物を含んだ除菌製剤で、マレーシア・イスラム開発局(Jakim)からハラル(イスラムの戒律に則った)認証を取得し、マレーシア国内ではLAZADAやShopeeなどの通販サイトを中心に販売している。昨年12月には、新型コロナウイルスに対する検証テストを日本の外部研究機関で実施し、塗布後15日でも99.99%の不活性化を確認したと発表した。

民間医療機関2,448カ所、ワクチン接種センターに登録

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 アダム・ババ保健相は、国内に約8千カ所ある民間病院や診療所のうち2,448カ所が新型コロナウイルス「Covid-19」の国家ワクチン接種プログラムの下で接種センターとして登録されていると明らかにした。
現時点で登録された医療機関のうち、同意書に署名したのは1,934カ所で、接種センターとして活動準備ができているのは299カ所となっている。4月に実施された1万5千人を対象としたアンケート調査では、88%がワクチン接種に同意しているが、10%が安全への懸念から接種に同意していないという。
ワクチン接種プログラム調整相を兼任するカイリー・ジャマルディン科学技術革新相は、プログラム外で希望者にのみを対象に5日から接種が開始されているアストラゼネカ製ワクチンについて、5月中に110万回分が到着すると見込まれていると言明。さらに6月には61万回分、7月には41万回分、8、9月には合計120万回分が到着する予定だとした。
ワクチン供給アクセス保証特別委員会(JKJAV)によると、アストラゼネカ製ワクチンの2度目の接種は12週間以内が望ましいという。

新型コロナの新規感染者数は4498人、3カ月ぶりに4千人超

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は7日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数が前日から4,498人増加したと発表した。アクティブ感染者数は3万4,789人で、累計感染者数は43万2,425人となった。

州・地域別の感染者数はセランゴール州が最も多く1,424人だった。それに▽サラワク州(750人)

▽クアラルンプール(KL、436人)▽ジョホール州(327人)▽ペナン州(313人) ▽クランタン州(297人)▽ケダ州(209人)▽ネグリ・センビラン州(188人)▽サバ州(153人)▽ペラ州(148人)▽トレンガヌ州(87人)▽パハン州(78人)▽マラッカ州(74人) ▽プトラジャヤ(8人)▽ペルリス州(4人)▽ラブアン(2人)ーーが続いた。新たに3,449人が回復し、累計治癒者は39万6,004人となった。死者数は22人増えて、累計で1,632人となった。

保健省のノール・ヒシャム事務次官は6日、新たに14カ所のクラスターを確認したと明らかにした。
工場や飲食店、市場、行政センターなどの職場で8カ所、コミュニティと学校・教育機関でそれぞれ2カ所、医療センターや宗教活動でそれぞれ1カ所のクラスターが発生した
セランゴール州で4カ所、ペラ州、ジョホール州、クランタン州でそれぞれ2カ所、ネグリ・センビラン州、サバ州、パハン州、ケダ州でそれぞれ1カ所のクラスターが発生した。一方で7カ所のクラスターが収束した。

バングラデシュなど4カ国からの渡航禁止、変異株発生で

【クアラルンプール】政府はバングラデシュ、パキスタン、ネパール、スリランカからの渡航を全面禁止することを決定した。インドで発生した新型コロナウイルスの変異株「B.1.617」の症例数が増加しているためで、水際でマレーシアへの進入を防ぐ。
インドで発生した変異株はウイルスのスパイクタンパク質で2つの主要な変異が起きていることから、二重変異株と呼ばれている。
イスマイル・サブリ上級相兼国防相によると、査証(ビザ)の種類を問わずマレーシアへの入国を禁止する。外交官・公務員旅券の所持者は適用を除外される。
インドでは新型ウイルス感染が急拡大しており、ウイルス検査の陽性反応者は1日30万人超という日が2週間続いている。
国内における標準的運用手順(SOP)違反では警察は5日、370人を摘発した。施設内に入ってからの行動記録怠慢が237件、マスク不着用が60件だった。ほとんどは罰金処分だったが、1人は留置された。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、5月6日)

接種プログラム第3期、ワクチン不足で開始が遅れる可能性

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 新型コロナウイルス「Covid-19」ワクチン接種調整担当大臣を兼任するカイリー・ジャマルディン科学技術革新相は、ワクチン供給不足のために5月に開始を予定している第3フェーズの実施が遅れる可能性があると述べた。
カイリー氏は、高齢者や慢性病の持病がある人を対象として4月19日に前倒し開始された第2フェーズが順調に進んでいると言明。ただ5月開始予定の第3フェーズについては、製薬会社が先進国に優先的に供給していることからワクチンの供給不足が起きており、マレーシアに十分に供給されるか分からないと述べた。その上で、多くの先進国でワクチンの接種が大方終わるため、6月頃からは供給不足の状況が改善に向かうだろうとした。
第3フェーズでは18歳以上の国民及び外国人が対象で、レッドゾーンから優先して行なう予定。アストラゼネカ製ワクチンは血栓ができるケースが報告されたためワクチン接種プログラムとは別枠で希望者を対象に接種が行なわれているが、これまでは発熱の副作用だけしか報告されていないという。